最新統計で見るカメラ産業のインフォグラフィクス その厳しい現実とは

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写真に関する情報ウェブサイト「LensVid」がカメラ産業に関する最新の統計をもとにしたインフォグラフィクスを制作・発表しました。非常に興味深い内容なので、原文の英語を翻訳、解説してお伝えします。データの出典は「カメラ映像機器工業会(CIPA)」。統計データは日本語でもまとめられています。

画像引用:LensVid Exclusive: What Happened to the Photography Industry in 2016?

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統計の内容

各年のカメラと交換レンズの生産出荷数

左のグラフがカメラの数で、右が交換レンズの数です。数字の単位は100万。

全世界のカメラ生産出荷台数を見てみましょう。2010年にピークがあり、1億2100万ものカメラが生産されました。以降、生産台数は年を経るにつれ少なくなり、2013年で大きく減り6100万台とおよそ半分になってしまいます。2015年にも大きく数が減りましたが、その勢いは止まらず2016年にさらに減り2300万台まで落ち込みました。これは前年比で35%もの下落です。

また交換レンズの生産出荷数も減っています。2015年に2150万でしたが、2016年はそこから12%下落の1900万本です。これは2010年以降最も低い数字になります。

レンズ交換式カメラVSレンズ一体型カメラ

カメラの生産台数のグラフで、レンズ交換式カメラとレンズ一体型カメラの数をそれぞれ表しています。クリーム色が一眼レフカメラやミラーレスカメラのレンズ交換式。赤色がレンズ一体型です。

2015年にはコンパクトデジタルカメラに代表されるレンズ一体型カメラが2200万台、レンズ交換式カメラが1400万台生産されていました。それが2016年にはコンデジが前年の半分ほどの1200万にまで減り、レンズ交換式カメラも1100万まで下がりました。

一眼レフカメラVSミラーレスカメラ 2013-2016

一眼レフカメラは減少したけれど、ミラーレスカメラは生産が増えていると考えている人がいるかもしれません。しかし、2016年に一眼レフカメラが前年比で17%と大きく数字を下げ、ミラーレスカメラも前年比で4%減っています。

円グラフの青色がミラーレスカメラで、黄色が一眼レフカメラの数を表しています。

ここまで見て分かるように、明らかなトレンドはカメラ市場が規模の縮小を繰り返しているということです。

地域ごとのカメラと交換レンズの出荷数

地域別に見た出荷台数です。左がカメラ、右がレンズの数を表しています。The Americas米州、Europe欧州、Japan日本、Asiaアジア、Otherその他。

カメラ市場概観

黄色がミラーレスカメラ、オレンジ色が一眼レフカメラ、赤色がレンズ一体型カメラの占める割合を表しています。

2016年にはカメラ市場の中でレンズ交換式カメラのシェアが目立っており全体の半分近くを占めています。かなり高い確率で2017年は初めてレンズ交換式カメラの販売台数がレンズ一体型カメラの台数を上回るでしょう。

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統計から分かること

写真産業とフォトグラファーの現状

これらの数字が写真産業とフォトグラファーに何を意味するのか。LensVidの見解は次のようなものです。

スマートフォンがコンパクトカメラ市場を破壊した。2010年には1億ものコンパクトカメラが生産出荷されました。しかし、2017年にはその数は1000万を切ることでしょう。スマートフォンの2016年の世界的販売数は15億に届き、前年から5%上昇しています。

ミラーレスカメラは予想されたほど存在感が高まっていない。ミラーレスカメラは写真産業において大きく騒がれた存在でしたが、ここ3年ほどの数字を見ていると約300万ほどの台数で停滞しています。あまり強い印象を与える数字ではありません。

一眼レフカメラ市場が縮小している。これは予想されていたことですが、その原因はミラーレスカメラの台頭ではありませんでした。原因は複合的なものでしょう。初心者レベルで考えてみると、数年前ならより良い写真を撮るために一眼レフカメラを買っていたであろう層が技術発展したスマートフォンのカメラに落ち着いてしまったと言えます。中級者以上のレベルで考えてみると、新しいカメラに買い換えるほどの大きな技術革新がないと言えます。またポジティブな見方をすれば、それは現状使っているカメラがすでに信頼に足るものであることの裏返しかもしれません。

カメラは高齢者のものである。これは数字に見てとれることではありませんが身の周りを見てみれば明らかなことです。プロを除けば専門的なカメラは若い世代から関心を持たれなくなっています。いまだに写真に興味を持っているのは40〜60代が中心で、若い頃からフィルムカメラを使っていて今趣味にお金を費やすことができる人たちです。その子供や孫の世代はカメラに興味を持たずスマートフォンを持つことを選びます。

カメラ産業の未来とは

今後のカメラ産業はどうなっていくのでしょうか・LensVidは前年の予想が楽観的すぎて予想を外したことから、今回は用心深い予想をしています。

  • 2017年はほぼ間違いなく、世界のカメラ生産台数が2000万を下回るでしょう。これは2010年の1/6に相当します。
  • 今後数年で生産会社は人員削減を図るでしょう。ちょうどニコンが多くの退職者を出したところです。
  • 研究開発に自由に使える資金が少なくなるので技術革新もあまり望めません。
  • プロ機への関心が高まり、機材の価格が高騰するでしょう。
  • 既存のカメラ開発企業がこの市場の変化を生き残れるのでしょうか?今のところ多くの企業が生き残っていますが、市場がかつてのレベルまで復帰することは望めません。よって10年以内に主要なカメラメーカーのいくつかが無くなっても不思議ではありません。
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最後に

最新のカメラ産業の統計をいかがご覧になられたでしょうか。ニコンが高級コンデジの生産・販売を中止し、多くの退職者を出すなど、経営再建のため大ナタをふるったニュースが記憶に新しいところです。統計を見るとニコンに限らずカメラメーカーにとって厳しい時代ですね。いちカメラファンとしては悲しくなる現実です。市場の縮小は避けがたいことかもしれませんが、カメラ産業がこれにくじけず発展することを祈っております。

また、このLensVidの文章を読んだいち読者として指摘するならば、このインフォグラフィクスにはカメラメーカーの経営状況に関する統計は一切ないということです。たしかにカメラの市場は規模の縮小が続いていますが、企業はカメラだけを作っているわけではありません。キヤノンやニコンといった二大メーカーでさえカメラ以外の事業を手掛けていますし、ソニーやパナソニックなどはむしろ家電メーカーと呼んだ方が通りが良いでしょう(他分野の事業でも苦境を迎えているところもあるようですが)。カメラとレンズの生産台数だけを見て今後の企業の経営に関して予測を立てるのは少し突飛な予測かもしれません。

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