
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。新しく発表されたソニーの新型ミラーレス一眼カメラ「α7 V」を体験するべく、ソニーストア大阪を訪れました。
実際にカメラを触ってみたり、カメラのスペックを見て感じたことについて語りたいと思います。わたしは競合機種となるキヤノン「EOS R6 Mark III」を買ったばかりなので、その比較をしながら「α7 V」の魅力についてお伝えしたいと思います。
比較:α7 VとEOS R6 Mark III
ソニー「α7 V」とキヤノン「EOS R6 Mark III」は、総合的に見るとよく似た競合機種です。いずれも3000万画素をこえるフルサイズセンサーを搭載して、高速連続撮影やオーバーサンプリングによる4K動画収録が可能。ハイアマチュアやプロに向けて設計された、ミラーレス一眼カメラの中上位モデルです。
| Sony α7 V (ILCE-7M5) | Canon EOS R6 Mark III | |
|---|---|---|
| 発売日 | 2025年12月19日予定 12月9日10時より予約開始 | 2025年11月21日発売 |
| ボディ価格(税込) | 市場想定 約420,000円 | 429,000円(キヤノンオンラインショップ) 実売 386,100円 |
| センサー / 有効画素数 | フルサイズ 部分積層型、3300万画素 | フルサイズ、3250万画素 |
| 手ブレ補正(IBIS) | 中央最大 7.5 段、周辺最大 6.5 段) | 中心最大 8.5 段/周辺最大 7.5 段 |
| 連写性能(静止画) | 最高約 30 コマ/秒 | 最高約 40 コマ/秒 |
| 動画記録 | 4K 60p および 4K 120p(Super 35 クロップ)対応 | 4K 120p、7K オープンゲート、RAW動画 |
| ※センサー読み出し速度 | 12ms | 13ms |
| 外形サイズ | 約130.3 × 96.4 × 82.4 mm | 約138.4 × 98.4 × 88.4 mm |
| 重さ(バッテリー・カード込み) | 約695g | 約699g |
| バッテリー持ち(撮影可能枚数)※CIPA規格 | 約630枚(ファインダー撮影時) 約750枚(モニター撮影時) | 約390枚(ファインダー撮影時) 約620枚(モニター撮影時) |
| 公式WEB | 商品ページ / 仕様 | 商品ページ / 仕様 |
主な共通点:「α7 V」&「EOS R6 Mark III」
・3000万画素オーバー
・7Kオーバーサンプリングの高画質4K
・30fpsオーバーの高速連続撮影対応
・優れたAF性能
・デュアルカードスロット
・抑制されたローリングシャッター歪み
・重さ 約700g
・価格 約40万円
Sony α7 Vの優位なポイント
比較してソニー「α7 V」のほうが優れているポイントは主に次の通り。
- ブラックアウトフリー&30fps 高速連続撮影
- 3.2型モニター チルト&バリアングル対応
- 静止画メカシャッターで最大16stopのダイナミックレンジ※
- 電子シャッター14bit選択可能
- [FL2][FL3]などの個性的なクリエイティブルック
- USB-C×2
- Wi-Fi 6G
- バッテリー持続時間が長い
- サードパーティーを含む豊富なレンズラインナップ
おそらく最も注目度が高いのは「ブラックアウトフリー」で高速連続撮影が可能なところでしょう。ファインダーやモニターで確認する映像の途切れる瞬間を極限まで短くすることで、高速で動く被写体の撮影のしやすさが向上。オートフォーカスや自動露出の追従性と安定性の改善も見込めます。これまで「α1」や「α9 III」などの上位機種でしか対応できなかった機能が、ベーシックモデルの「α7 V」に搭載されたのは画期的です。
背面モニターは3.2型で、EOS R6 Mark IIIの3.0型よりも大きく見やすいモニターです。さらにチルトとバリアングルどちらにも対応する「4軸マルチアングル液晶モニター」というソニー独自の構造で、視認性に優れています。

個人的には、チルトとバリアングルの両方に対応できるモニターがすごく好印象でした!実際に触ってみても簡単にチルトの角度をつけることができて扱いやすかったです。これはキヤノンにない機能なのでうらやましい…
静止画で最大16stopのダイナミックレンジというのも注目ポイントです。ただし、こういったダイナミックレンジの数値は必ずしも比較できるように公表されているものではないので、EOS R6 Mark IIIなどの競合機種と比較して本当に優れているのかどうかは実際に使ってみないと分かりません。
また個人的に注目しているのは、[FL2][FL3]などの新しいクリエイティブルックに対応している点。以前ソニーの「RX1R III」を使わせてもらったときにこれらのクリエイティブルックのカラーの良さに惚れたので、これが使えるのは「α7 V」の魅力だと思います。
Canon EOS R6 Mark IIIの優位なポイント
EOS R6 Mark IIIにも独自のメリットがあります。簡単にまとめると以下の通りです。
- 40fps 高速連続撮影と余裕のあるバッファ
- 最大8.5段の手振れ補正
- Fv&SCNモード搭載
- カラーフィルター機能
- カメラ内RAW現像対応
- タリーランプ搭載
- 波形モニター・フォルスカラー対応
- RAW動画
- 7Kオープンゲート
より高速な最高40fpsの連続撮影に対応しています。JPEGや12bit RAWの電子シャッターに限定されるものの、バッファに余裕があるので安心して連続撮影を続けることができます。
動画性能の面で見るとEOS R6 Mark IIIのほうが優れている点が目立ちます。RAW動画の内部収録や7K 3:2 のオープンゲート記録に対応するほか、4K120Pをクロップなしで撮ることができます。さらにタリーランプを搭載していたり、波形モニターやフォルスカラーを表示することができるなど、動画撮影をサポートする機能が充実しています。
また、初心者向けの機能も多数用意されており、モードダイヤルで「SCN」を選べば「美肌」モードを使ったり、「レビュー用動画」モードを使うことができて、カメラに不慣れな人でもきれいな写真や動画を撮りやすくなっています。
総評:Sony α7 Vは操作性と写真性能が優れたベーシックモデル
ソニー「α7 V」は、よりスチル型で、プロ志向のカメラだと感じました。ブラックアウトフリーで最大30fpsの高速連写が可能なので、スポーツや野生動物の撮影において非常に優れた性能を発揮してくれるでしょう。メーカーの商品ページを見ると、ブラックアウトフリーや16stopのダイナミックレンジ、電子シャッターで14bit RAWを選択可能なことなど、全体的に写真向けの機能訴求が目立ちます。
動画性能も旧型の「α7 IV」と比べると大きく向上しているものの、他メーカーの同価格帯・競合機種と比べるとあまり目立った優位性はありません。もし動画機能にこだわるのであれば、FXシリーズなどのほかのモデルや他メーカー製品を検討しても良いかもしれません。

比較するとキヤノン EOS R6 Mark IIIは、スチル&ムービーのバランス型。プロが使える性能でありながらも、アマチュアや初心者の人向けの機能もアピールしているイメージです。
ソニー「α7 V」は、どちらかというとプロ志向の売り出しで、プロカメラマンや本格的な性能に憧れるユーザーに訴求するような仕上がりになっていると思いました。ボディのデザインも全体的に印字が控えめでブラックになっていて、立ち位置としてはベーシックモデルでありながらも、どこかプロ機のたたずまいです。
カメラの総合的な操作性で見ると、チルトとバリアングルに対応する「4軸マルチアングル液晶モニター」の魅力が光ります。「α7 V」を含むソニーのα7シリーズはボタンやダイヤルが充実していてカスタマイズ性に優れているのも魅力です。バッテリー持続時間の向上や、ふたつあるUSB-Cポート、より高速なデータ通信を可能とするWi-Fi 6 GHz帯に対応するなど、カメラの基本的な扱いやすさに影響するポイントがしっかり改善されているのも素晴らしいです。
「α7 IV」ユーザーや、ソニーの一眼カメラで優れた写真性能を求めるユーザーにとって、「α7 V」は非常に魅力的で満足度の高いモデルになることでしょう。安心して買える完成度の高いカメラだと思いました。
ソニーストアでの撮影体験や、「α7 V」についての感想をYouTubeの動画にしています。
競合機種のEOS R6 Mark III関連の記事はこちら。




