シグマ製品のうち一部のキヤノン用交換レンズの新しいファームウェアVer.2.00が公開されました(2018年3月7日)。このアップデートにより「周辺光量補正」「色収差補正」「歪曲収差補正」などのカメラ内レンズ光学補正が利用できるようになります。実際にアップデートしてみたのでその方法をご紹介します。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。シグマさんが嬉しいアップデートを行ってくれました。キヤノンのカメラに搭載されている「レンズ光学補正」機能がシグマのレンズでも使えるようになりました。ただでさえ性能の良いシグマレンズがこれでさらにパワーアップします。
ファームウェアのアップデート内容
キヤノン製カメラに搭載のレンズ光学補正機能に対応。対応する補正機能は「周辺光量補正」「色収差補正」「歪曲収差補正」の3 種類です。
その他下記の改善が行われました。
- レンズ光学補正を「する」にして撮影を行った際、正常でない画像や動作エラーが発生する現象を改善
- ファインダー撮影時やライブビュー撮影時の露出が不安定になる現象を改善
- ライブビュー撮影時の合焦動作の品位の向上(SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Artのみ)
参考ウェブサイト:
キヤノン用交換レンズファームウェアアップデートのお知らせ | SIGMA GLOBAL VISION
キヤノン製デジタル一眼カメラのレンズ光学補正機能に 対応したファームウェアVer.2.00 のリリースについて | SIGMA GLOBAL VISION
対応製品
アップデート対象レンズ(2018年3月7日時点)
- SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art キヤノン用
- SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art キヤノン用
- SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art キヤノン用
- SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art キヤノン用
- SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art キヤノン用
- SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art キヤノン用
- SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary キヤノン用
カメラ内光学補正に対応したカメラ
- EOS 1DX mark Ⅱ
- EOS 5Ds
- EOS 5DsR
- EOS 5D mark Ⅳ
- EOS 6D mark Ⅱ
- EOS 80D
- EOS 8000D
- EOS 9000D
- EOS Kiss X8i
- EOS Kiss X9i
- EOS Kiss X9
発売時からレンズ光学補正機能に対応しているレンズ
- SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM(2018 年3 月9 日発売予定)
- SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO(発売日未定)
- SIGMA 105mm F1.4 DG HSM(発売日未定)
今後対応予定のレンズ
Contemporary ライン
- SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM
- SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM
- SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM
- SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
Art ライン
- SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM
- SIGMA 30mm F1.4 DC HSM
- SIGMA 12-24mm F4 DG HSM
- SIGMA 24-35mm F2 DG HSM
- SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM
- SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
- SIGMA 20mm F1.4 DG HSM
- SIGMA 24mm F1.4 DG HSM
Sports ライン
- SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM
- SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
- SIGMA 500mm F4 DG OS HSM
アップデート方法
アップデートにはふたつの方法があります。
- シグマのカスタマーサポートに無償アップデートを依頼する
- 自宅でSIGMA USB DOCKを用いてファームウェアをアップデートする
1.シグマに無償アップデートを依頼
シグマが無償でアップデートを受け付けているので、カスタマーサポートに依頼すればレンズを預けてアップデートに対応してくれます。
株式会社シグマ カスタマーサポート部
フリーコール 0120-9977-88
携帯電話・PHSをご利用の方は、044-989-7436 まで
受付時間:月~土 9:00-18:00
ちなみにシグマ製品の修理の場合は、工場へ発送するか会社の窓口に持っていくことになっています。アップデートもだいたい同じような手続きになるかと思います。
参考:点検 / 修理に関するご案内 | サポート | SIGMA|株式会社シグマ
2.自分でアップデートする
自分で簡単にレンズのファームウェアをアップデートすることも可能です。
必要なもの
- パソコン
- SIGMA Optimization Pro(無料ダウンロード)
- SIGMA USB DOCK(有料)
シグマ USB DOCKの使い方
自宅でファームウェアアップデートを行う際は、シグマのUSB DOCKという製品を用いてレンズをパソコンに接続します。そのためまず「SIGMA USB DOCK キヤノン用」を購入して、パソコンに専用のソフトウェア「SIGMA Optimization Pro」をインストールします。
【SIGMA Optimization Proダウンロードページ】
https://www.sigma-global.com/jp/download/lenses/sigma-optimization-pro/
私はこの「SIGMA USB DOCK」を使って「SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art」のファームウェアをアップデートしました。
SIGMA USB DOCK
アップデートの手順
1.パソコンで「SIGMA Optimization Pro」を起動します。
2.レンズに「SIGMA USB DOCK」を装着し、USBケーブルでパソコンとつなぎます。
「SIGMA USB DOCK」は蓋を外すと下の写真のようになっていてレンズに取り付けられます。
付属のUSBケーブルでパソコンと接続します。
接続すると下の画像のような表示になります。
3.ウィンドウの指示に従ってアップデートを行います。
アップデートには1分もかかりませんでした。
これだけで完了です。簡単!
光学補正機能を試してみた
まずファームウェアアップデート前のメニュー画面は下の画像のようになっていました。補正メニューの横にそれが使えないことを示すマークがついています。
ファームウェアアップデート後がこちら。
それぞれの補正機能のONとOFFを選べるようになりました(レンズ情報もより詳しくなりましたね)。対応の補正機能は「周辺光量補正」「色収差補正」「歪曲収差補正」とのことなのでその3つをONにします。
※回折補正は対象外。私が確認したかぎりでは、EOS Kiss X9とSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMの組み合わせにおいてONでもOFFでも映像には違いが無いように見えます。エラーも特に無いようです。
テスト撮影してみます。まず補正機能OFFの写真。
次に補正機能ONの写真です。
違いがわかりやすいように絞りを開放のF1.8で撮影しています。
スライダーで比較してみましょう。
左が補正OFF、右が補正ONです。矢印のバーをスライドさせることができるようになっています。
まずわかりやすい違いが周辺光量補正の効果でしょうか。補正ONのほうが明るい写真になっていますね。時にはあえて周辺減光させて雰囲気ある写真表現をしたいこともあるかもしれません。そのときはこの機能をオフにするか、レタッチソフトで後から調整すると良いですね。
また歪曲収差補正も比較的わかりやすいかと思います。コーベアーの形がオンとオフで違っています。
色収差補正は私には正直違いがあまりよくわかりませんでした。よく見るとどちらの写真でもコーベアーの輪郭の部分に少し青や赤っぽい色がのっています。このあたりはもっと違うタイプの写真で違いがわかるようになるかもしれません。
まとめ ファームウェアアップデートでさらに性能アップ!
最近のレンズは最初の光学設計にこだわるだけでなく、それぞれのレンズがもつ弱点をデジタル補正を行うことで性能を底上げする手法がとられるようになっています。これまでキヤノン製カメラで、その補正機能を使う場合にはキヤノン純正のレンズでなければいけませんでした。
それが今回のファームウェアアップデートにより、一部のシグマレンズでも補正機能を使えるようになりました。ちゃんと補正機能が使えるようになって嬉しいです。対象のシグマレンズとキヤノンレンズを持っている方はぜひアップデートしてみてください。
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