神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。 新しくレンズを買いました!キヤノンの「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」です。EOS R シリーズのカメラに使えるマクロレンズです。
レンズの特徴を解説するほか、撮影したたくさんの写真とともにわたしのレンズに対する感想をお伝えします。
こんなに高級なレンズを買うことはめったにないので興奮しています!
急遽レンズを買うことに
レンズを注文したのはゴールデンウィークの連休に入ってから。扇風機を見たくて家電屋さんを訪れていたときのことでした。ぼんやりとカメラ・レンズのコーナーを見ていると奥さんから「欲しいレンズがある」と言われました。
よくよく話を聞いてみると奥さんが以前「EF100mm F2.8Lマクロ IS USM」を借りて撮影したことがあって、このレンズで撮るだけで写真が上手くなったと感じたそうです。
最近は奥さんがわたしのカメラやレンズで撮影することがあるのですが、「EF100mm F2.8Lマクロ IS USM」を借りていたときのような写真がなかなか撮れなくて悩んでいたのだとか。
キヤノンの「EF100mm F2.8Lマクロ IS USM」はわたしにとっても憧れの銘玉です。今なら後継レンズの「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」があるので、ぜひそれを買おうとなりました。
わたしは貧乏性でなかなか高級レンズを買えないので奥さんからきっかけをもらえて嬉しい!
レンズが届いた!
注文は「キヤノンオンラインショップ」にて。クーポン込みの価格で168,300円(税込)。だいたいどこのショップでも似たような値段でした。在庫があってすぐ発送してくれそうだったのでキヤノン公式ショップにて買うことにしました。買うと決まったら少しでも早く届いてほしいですからね。
連休に入ってからの注文でしたが、なんとか間の平日のタイミングで発送してくれたようでGW中にレンズが無事に届きました。うれしい~。
レンズ本体のほかに、レンズキャップ(E-67II)や、レンズフード(ET-73C)、レンズポーチ(LP1222)などが付属しました。キヤノンは安いレンズだとフードが付属せずに別売りなことが多いのですが、今回は高級な「Lレンズ」なのでフードはもちろんポーチも付いています。フードを別で買うとけっこう高いんですよね。
ちなみに思い立ってすぐに購入した理由にはキャッシュバックキャンペーンがありました。ちょうど「Canon 春のキャッシュバック フォトライフ応援キャンペーン」が開催中で、5月7日までの購入で2万円のキャッシュバックの対象です。
キャッシュバックキャンペーンはたまにあるものですが、次のキャンペーンでこのレンズが対象になる保証はないので「いまがチャンス」と思って買ってしまいました。最近はカメラやレンズが在庫薄だったり、値上げされたりしているので欲しいと思ったときにすぐ買うのが吉だと考えています。
こういったセールが開催されるときは当サイト「神戸ファインダー」でもお知らせしているほか、X や Instagram でも情報発信しています。例年ですと秋ごろにまた類似のキャンペーンがあると思います。
キヤノンのキャッシュバックキャンペーンに応募。
— Aki 神戸ファインダー (@Aki_for_fun) May 2, 2024
最初はウェブ上の手続きだったので「お、ついにネット申請できるようになったか」と思いきや、結局書類を印刷してそれを折り紙のようにしてオリジナル封筒をつくり、そこに商品の箱から切り抜いたバーコードを貼るというとてもアナログなやつだった。 pic.twitter.com/hArhVXXzVF
RF100mm F2.8 L MACRO IS USM ってどんなレンズ?
それでは「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」の特徴について見てみましょう。
キヤノンのミラーレスカメラ EOS R シリーズに対応する RFマウント用交換レンズです。フルサイズでも APS-Cサイズのカメラでもどちらでも使用できます。
描写性能、操作性、堅牢性などの観点においてキヤノンが最高水準を追求した「L (Luxury)」レンズです。レンズ本体には L を象徴する赤いリングが備わっています。
まるで顕微鏡!?従来よりも大きく写せるマクロレンズ
最大の特徴は被写体を大きく写すことができる「マクロレンズ」であること。どれだけ大きく写せるかを示す指標として「最大撮影倍率」(数字が大きいほど大きく写せる)がありますが、「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」の最大撮影倍率は 1.4倍です。
一般的なマクロレンズは最大撮影倍率が 1.0倍や、0.5倍程度。あるいはマクロではない普通のレンズだと 0.2倍や、0.3倍くらいです。最大撮影倍率 1.4倍の「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」はほかのレンズより頭一つ抜けた近接撮影の性能を誇ります。
最短撮影距離は 26cm です。この長さはカメラのセンサーから被写体までの距離なので、実際に最大まで近づいて撮影するときのワーキングディスタンス(レンズフードの前面から被写体までの距離)は 4cm ほどになります。
キヤノンのRFレンズの中で最大撮影倍率が 1.0倍以上のマクロレンズは「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」のみです。最大撮影倍率が0.5倍のハーフマクロレンズだと、「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」や「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」、「RF85mm F2 MACRO IS STM」があります。
ボケの硬さを調整できる SAコントロールリング搭載
「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」のユニークな特徴のひとつに「ボケの硬さのコントロール」があります。レンズに「SAコントロールリング」というものが備わっており、これを扱うことで球面収差(Spherical Aberration)を任意に調整してボケの輪郭をやわらかくしたり硬くしたり調整できるそうです。
好みのボケ描写に調整できるSAコントロールリング※を搭載。リングを回すことで、球面収差を変化させ、ボケの輪郭をやわらかくしたり硬くしたり自在なボケの描写が可能です。
引用:特長 RF100mm F2.8 L MACRO IS USM|キヤノン
※ SA(Spherical Aberration:球面収差)をコントロールできるリング。
と言っても初めて見る機構なので正直よく分かりません。百聞は一見に如かずということで実際に使ってみました。
どうやって使うのか分からないので説明書を読みながら試してみました。レンズの説明書なんて初めてちゃんと読んだかもしれない…
実際に撮ってみた写真が下の画像です。3枚の写真を並べていて、左からマイナス補正、通常(補正なし)、プラス補正です。変化が分かりやすいように調整はプラスもマイナスもそれぞれ限界値に設定しています。
背景のボケの輪郭の硬さが変わったり、ピント面がソフトフォーカスに変化していることがわかります。手前ボケを見る指標がなくてすみません。
SAコントロールリングをマイナス側に回転させると、背景がやわらかくボケて手前側がはっきりした輪郭のボケ味になります。
SAコントロールリングをプラス側に回転させると、背景のボケの輪郭がはっきりして手前側がやわらかなボケ味になります。
実際に使ってみると、ボケの輪郭の硬さが補正されるだけでなく、ピント面の描写も変化することがわかりました。ソフトフォーカスのような甘く優しい描写になるので、作品をやわらかい雰囲気に仕上げたいときに役立ちそうです。
説明書によると、SAコントロールリングによる効果は、撮影距離が無限遠から近づくほど効果が大きくなり、0.50mのときにも最も効果が大きくなるそうです。0.50mからは近づくほど効果が小さくなり、0.26mで効果がなくなります。
またSAコントロールリングによる効果は、絞り数値によっても変わります。絞りを開く(F値を小さくする)ほど効果が大きくなり、開放絞り(F2.8)で最大の効果が出ます。逆に絞りを絞る(F値を大きくする)ほど効果が小さくなります。
レンズの主な仕様
表:RF100mm F2.8 L MACRO IS USMの仕様
焦点距離 | 100mm |
---|---|
手振れ補正 | あり 最大約5.0段分(レンズ単体) 最大約8.0段分(ボディ協調補正) |
フィルター径 | 67mm |
最大径×長さ | 約φ81.5mm×148mm |
質量 | 約730g |
最短撮影距離 | 0.26m |
最大撮影倍率 | 1.4倍 |
最小絞り(最大F値) | 32 |
レンズ構成 | 13群17枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
発売日 | 2021年7月 |
さっそく撮影してきたぞ!
RF100mm F2.8 L MACRO IS USM を EOS R につけて撮影してみました。以下に撮影した写真を掲載します。
ほぼすべての写真が絞りを開放で撮っています。なので開放以外で撮った写真にだけキャプションでF値を記載しておきます。すべての写真をRAW現像していますが、周辺減光に関しては一切補正していません。
作例写真 その1
開封したてのレンズでまずは自宅内を撮影。ちょうど家でポップコーンを作って食べていたのでその様子を撮らせてもらいました。
人肌の質感がきれいに出ていて良いですね。マクロレンズなので寄りでもきちんとピントが合います。ポップコーンおいしかったです。
せっかくのマクロレンズなので近接撮影も試してみます。
瞳の写真を撮らせてもらいました。瞳ってこんな模様がはいってるんですね。クロップなしでこんなに大きく、しかも精細に撮れるなんて…さすがマクロレンズです!
マクロレンズは小物の撮影にも便利です。
小さなものでも、そのディティールがわかるようにきれいに撮れます。被写体の美しさが際立つので、商品撮影に最適のレンズだと思います。物販の強い味方ですね。
※イヤリングの写真は複数の画像から深度合成しています。
観葉植物の葉っぱを撮りました。まるで顕微鏡みたい!これだけ寄りで撮れると抽象的な写真も撮れて楽しくなりそうですね。
最短撮影距離あたりまで寄って撮るとなるとわずかなブレも表れてしまうので、撮影は繊細で慎重にならなければなりません。三脚をつかったり、シャッタースピードを上げるなどの工夫が必要です。ピントが合う範囲が狭いので普段よりしっかり絞って撮影したほうが良いと思います。
作例写真 その2
レンズの届いた日に西宮神社(兵庫県西宮市)まで行ってきました。夕方で暗くなってきた時間帯でしたが、撮れた写真を見るとしっとりと上品な描写な印象を受けました。絞り開放で撮ると周辺の光量がすこし落ちて良い雰囲気になります。
作例写真 その3
レンズが届いた翌日に今度は中山寺(兵庫県宝塚市)まで行ってきました。立派な藤棚のある場所なので藤の花が見れたらと思っていたのですが、すでに終わっていました。それでも自然豊かで、端午の節句の飾りつけもいろいろとあって見ていて楽しかったです。
撮影した感想と今後について
写りについて
写りに関しては「最高」の一言です。めちゃくちゃ気に入っています。ピント面の美しい解像感と、やわらかいボケ味。開放で撮ったときの周辺減光も個人的には好みです。嫌な光の落ち方ではなくて写真の雰囲気を良くしてくれます。
高級なレンズは買うのにどうしても勇気がいるのですが、やはり使ってみるとその価値があることをしっかり実感しますね。
このレンズが欲しいと言ってくれていた奥さんも「これこれ!こういう写真が撮りたかったの~」と納得の様子でした。
まだ使用日数が浅いので、逆光でフレアやゴーストがどう出るのかをあまり理解してないほか、SAコントロールもまだ使いこなせていません。なので性能について測りきれていないところもあるのですが、今のところこれといった欠点は見当たりません。
AFが爆速で最高
実際に撮影してみてまず驚いたのが オートフォーカスの速さでした。キヤノンが誇る ナノUSM を搭載しているレンズなので当然ともいえるのですが、爆速のAFです。マクロレンズといえばどうしても AF はそこまで速くなく比較的フォーカスが迷いやすいものだと思っていたのですが、その固定観念が覆りました。
あまりに快適な AF でこれだけでも買ってよかったです。写真を撮りたいと思った一瞬のタイミングにすぐ対応してくれる高性能なオートフォーカスはプライスレスの価値があると思います。「キヤノン純正」かつ「アダプターを必要としないRFマウント用レンズ」ということでAFについては非常に高い信頼性をもって安心して撮影できると感じました。
これまでタムロンの 90mm マクロレンズ(EF用)をマウントアダプターをつけて撮影していたのですが、オートフォーカスが歴然とした差がありすぎてもう比べ物になりませんでした。さすがキヤノン純正の高級レンズです。ちなみにタムロンのレンズもコスパ最高で大好きです。
持つと軽くて気軽に持ち出せる
レンズの重さは約730gです。レンズフードをつけるとそこそこ長さのあるレンズなので、見た目的には重そうなのですが、実際にカメラに装着して持ってみるとそこまで重たさを感じませんでした。高級なレンズだと重量級の機材も多いのですが、「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」は気軽に持ち出して、軽快に撮影を楽しめるレンズだと思います。
リングの操作に慣れない
操作できるリングが3種類もあるので、まだ扱いに慣れていません。
例えば、マニュアルフォーカスでフォーカスリングを回そうとしたら、間違えてSAコントロールリングを回してしまって困惑することがありました。
対応策としてはSAコントロールリングのロック機能があります。ロックしておけば誤って回転することはありません。とはいえ、まだまだSAコントロールの機能を試してみたいので、しばらくはレンズの特性や扱いに慣れるための練習が必要そうです。
また、普段使っているレンズと比べてレンズ本体が長いせいか、フォーカスリングとコントロールリングの距離が離れていることも違和感でした。ほかのレンズならフォーカスリングを触りながらコントロールリングを回転させるのも苦労しないのですが、このレンズではまだ操作に戸惑います。これもやはり慣れが必要そうです。
まだ買ったばかりなので戸惑うのは仕方ないかも!これからたくさん使い込みたいです。
今後の作例写真の公開場所について
今後「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」で撮った写真は下記のページにて更新予定です。
RF100mm F2.8 L MACRO IS USM – Photo Garage
この Photo Garage というサイトではわたしの撮った写真を整理して公開しています。写真を「夜景」や「モノクロ」などのテーマごとにまとめていたり、撮影に用いたカメラやレンズごとに整理して写真を見られるページを用意しています。今後も更新していきますので、ぜひご覧ください。
またしばらくしたらより詳しいレンズレビューをしたいと考えています。ポートレートにも向いているレンズだと思うのでもっと人物撮影にも使ってみたいですね。しっかり使い込んでその感想をまとめたいです。そのときは当サイト「神戸ファインダー」やYouTubeなどで公開します。
対応カメラと対応アクセサリー
関連リンク:
・キヤノン公式WEB:RF100mm F2.8 L MACRO IS USM:レンズ交換式カメラ・レンズ|個人|キヤノン
・プレスリリース:中望遠単焦点レンズの新製品を2021年7月下旬に発売|キヤノンMJグループ
・マニュアルなどサポート詳細:RF100mm F2.8 L マクロ IS USM サポート詳細|キヤノン
対応カメラ
「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」はキヤノンのRFマウントのカメラに対応します。具体的には以下のような機種です。
- EOS R3
- EOS R5
- EOS R5 C
- EOS R6 Mark II
- EOS R6
- EOS R8
- EOS RP
- EOS R
- EOS Ra
- EOS R7
- EOS R10
- EOS R50
- EOS R100
同じキヤノンの一眼カメラでも EFマウントのカメラ(EOS 5D Mark IV や EOS 90Dなど)には使用できません。EFマウント用のマクロレンズには「EF100mm F2.8Lマクロ IS USM」があります。
またキヤノンのミラーレス一眼カメラの EOS M シリーズも非対応です。EOS M6 MarkII や EOS Kiss M などのカメラには使用できないのでご注意ください。EF-Mマウント用のマクロレンズには「EF-M28mm F3.5 IS STM」があります。
対応アクセサリー
「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」のフィルター径は 67mm です。レンズの保護フィルターや、NDフィルター、PLフィルターなどは 67mmサイズの製品が対応します。
「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」にはレンズに装着できる三脚座があります。別売りです。
「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」に対応するレンズポーチは「LP1222」です。レンズを買うと付属します。
「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」に対応するレンズフードは「ET-73C」です。レンズを買うと付属します。
「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」に対応するレンズキャップは「E-67II」です。レンズを買うと付属します。
YouTube 動画(追記)
YouTubeにも動画をアップしました。レンズを使ってみた感想を語っています。本記事を書いたあとに撮った作例写真も紹介しています。