神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki（@Aki_for_fun）です。新しくレンズを買いました。キヤノンの「RF45mm F1.2 STM」です。新しい映像表現の世界を開いてくれる素晴らしいレンズに出会えました。このレンズで撮った写真や動画をお見せしつつ、レンズの特徴や撮影した感想をお伝えします。
このレンズは本当に買ってよかった！お気に入りレンズの仲間入りです。
F1.2の大口径を身近に扱える単焦点レンズ
「RF45mm F1.2 STM」の最大の特徴は開放F値が1.2と大口径であること。大きく美しいボケ味を生かした豊かな表現力が魅力です。
大口径でありながら、レンズの大きさや重さは抑えられており、取り回しの良い1本です。レンズの長さはおよそ75mm。質量はわずか約346g。数あるキヤノンの「RF/EFレンズシリーズ」において開放F値1.2のレンズとしては最軽量です。
さらに価格の安さも目を引きます。キヤノンオンラインショップでの販売価格が税込みで66,000円。実勢価格としては、59,400円です。レンズの性能や昨今の高騰する物価などから見ると破格の安さと言って良いでしょう。
こんな魅力的なレンズ絶対買わなきゃ！と思いさっそく予約。発売日の2025年11月28日に入手してきました。
表：キヤノン RF45mm F1.2 STM 主な仕様
| マウント | キヤノン RFマウント |
|---|---|
| 画角（水平・垂直・対角線） | 43°35’・29°50’・51°20′ |
| レンズ構成 | 7群9枚 |
| 絞り羽根枚数 | 9枚 |
| 最小絞り | 16 |
| 最短撮影距離 | 0.45m |
| 最大撮影倍率 | 0.13倍 |
| フィルター径 | Φ67mm |
| 最大径×長さ | Φ約78×75mm |
| 質量 | 約346g |
プレスリリース：大口径標準単焦点レンズ“RF45mm F1.2 STM”を発売 開放F値1.2による大きなボケ味を生かした表現を気軽に楽しむことが可能｜キヤノンMJグループ
公式WEB：RF45mm F1.2 STM：レンズ交換式カメラ・レンズ｜個人｜キヤノン
実写レビュー：作例写真と描写の特徴について
作例写真 F1.2
まずは作例写真をご覧ください。たくさんありますが、すべてF1.2で撮影しています。カメラはEOS R6 Mark IIIです。
上の作例写真は、すべてF1.2の絞り開放で撮影しています。45mmという標準画角でありながら、とても浅い被写界深度で撮れる世界がとても楽しいです。
そのほかの作例写真
以下は、F1.2以外の作例写真です。画像を開いて右下の「i」ボタンから撮影設定を確認することができます。
作例動画
動画も撮りました。カメラは同じくEOS R6 Mark III。すべて手持ち撮影。絞り開放のF1.2で撮っていて、多くのシーンでNDフィルターを装着しています。カラーはカスタムピクチャーの「Canon 709」です。
スナップ的にムービーを撮るのがとても楽しかった！F1.2の大きなボケ味を活かせるような映像を模索するのがすごく面白いです。
作例ではお見せできませんでしたが、ホームビデオで子どもを撮るのに最高のレンズです。
描写の特性と実際に使ってみた感想
以上、作例はいかがだったでしょうか。参考になれば幸いです。ここからはこのレンズ「RF45mm F1.2 STM」で撮影した感想と、使ってわかったレンズの特性についてお伝えします。
まず一言、このレンズ最高です。すごく楽しい。買ってよかった。
絞り開放ではほど良いやわらかさで気持ちの良い写りをします。開放だとさすがにキリっとシャープには写らないのですが、描写が甘すぎて使いづらいというほどでもなく、中央部分など画角のほとんどはコントラストやシャープネスを十分に維持しています。
特に人物撮影においては、カリカリしていない描写がちょうど良く、絞り開放での撮影がとても心地よいです。わたしは妻や息子など家族写真をたくさん撮っているので、このレンズはとても活躍してくれています。赤ちゃんのやわらかい肌の質感、繊細な髪の毛など、とても美しく描写してくれます。
フォーカス速度はスナップや日常的な動きの範疇であれば問題ないですが、あまり速いとは言えません。スポーツや野生動物など高速で動く被写体の撮影ではAFが追いつかないでしょう。ナノUSMやVCMなど、最近のキヤノンレンズの高速AFにはまったく及ばない性能です。
息子はカメラを向けるとハイハイで勢いよく近づいてくるのですが、「RF45mm F1.2 STM」ではAFの速度が間に合っていません。フォーカスの駆動音は静かなので、動画でも安心して使用できます。
フォーカス速度は遅めなものの、とにかくF1.2の描写が好きすぎるのでこのレンズで子どもの動画をたくさん撮っています！最愛の我が子をあまりに尊い姿で記録できて最高of最高です。
6万円という低価格帯であることや、発売前に「癖ありレンズなのでは」という評判を聞いていたので不安だったのですが、実際に撮影してみると思ったより使いやすいという印象。いわゆるオールドレンズのような癖はなく、現代的な写りのレンズです。2007年発売の「EF50mm F1.2L USM」の光学設計に基づいて再設計したと聞いているのですが、きちんと現代版にアップデートされていると感じました。
ただし、画角の四隅に関しては明らかにぼやけた写りになります。単純に被写界深度が浅いだけでなく、明らかに解像度が落ちます。くっきりと撮りたいのであれば、せめてF2.8くらいまでは絞りたいところ。あるいは四隅に解像感が気になるようなものを入れないように構図の工夫をすると良いでしょう。
画像の左上の部分をクロップしてF値ごとに比較したものが以下の写真です。
中央部は開放でもより良好な描写です。やはり絞り込むことでさらに解像感が増します。
近接撮影でも描写は良好でピント面は十分なシャープさとコントラスト。ボケもきれいです。最短撮影距離は45cm、最大撮影倍率は0.13倍。最近のレンズは多少描写を犠牲にしてでも最短撮影距離を短くする傾向がありますが、このレンズについては標準的な撮影距離なのであまり「寄れるレンズ」とは言えないでしょう。
軸上色収差は、それなりに目立ちます。光が強く当たるハイライト部には紫色や緑色のにじみが見られます。ただし、これはRAW現像ソフトを用いればある程度補正して抑えることができました。レンズの味としてそのまま残しても良いですが、悪目立ちするようであればソフトで補正してしまっても良いかもしれません。
周辺減光については絞りを開くことでハッキリと現れます。これは撮影時のレンズ光学補正で「周辺光量補正」をONにすることで補正可能です。
なお今回の作例写真はすべてレンズフードがない状態で撮影しています（商品にレンズフードが付属せず別売り）。逆光ではフレアやゴーストがよく発生します。コントラストが低下するので、光が差しこむシーンではそういった描写への影響を踏まえたうえで撮影したほうが良いでしょう。個人的にはレンズの味として楽しめるものだと思いました。
玉ボケは絞り開放でレモン形になります。玉ボケの形はF1.4に絞るだけでも円形に近づくので、玉ボケをきれいに見せたい場合はすこし絞ってあげると良いでしょう。
コマ収差がはっきり現れるので、夜景などで点光源がある撮影では注意が必要です。
総評：人物撮影やスナップにおすすめのレンズ
キヤノン「RF45mm F1.2 STM」は、人物撮影やスナップ撮影が楽しくなるレンズだと思いました。開放のシャープ過ぎない描写がポートレートなどの撮影にぴったりです。さらに45mmという標準画角で、F1.2の大きく美しいボケ味を楽しめるので、日常的なスナップ全般にもおすすめです。大口径レンズをコンパクトに扱うことができて非常に楽しく、ほかにない唯一無二の撮影体験でした。
45mmという人間の視野に近い画角でありながら、大きなボケ味や独特の立体感を表現できるのが魅力です。ふつうなら20万や30万円くらいするF1.2の世界を6万円で体験できるのは安すぎる…！！個人的には、子どもを撮るのに最高だと感じているので今後も愛用していきます！
映像系の専門メディアPRONEWSでも「RF45mm F1.2 STM」のレビュー記事を担当しました。こちらはブログよりもう少しカッチリと書いています。
レビュー記事：F1.2の世界が約6万円に。「Canon RF45mm F1.2 STM」実写レビュー [OnGoingReView] – PRONEWS : 動画制作のあらゆる情報が集まるトータルガイド
