オリエンタルホテル神戸の提携するドレスショップ「ザ・トリートドレッシング 神戸店」にて、新郎の衣装を選びました。タキシードやシャツ、タイ、靴などを試着して式の準備を行います。さらにホテルが提携する「床屋にもう」にて結婚式に向けてヘアカットやスタイリングまで仕上げてもらいました。いずれも普段できないような貴重な体験だったのでブログでお伝えします。
「床屋にもう」で新郎のヘアスタイルを結婚式用に整える
わたしたちが結婚式を挙げるオリエンタルホテル神戸の「アイテムフェア」というイベントで、新郎のヘアカットやヘアスタイリングを担当してくれるサービスがあることを知りました。ホテルが提携する「床屋にもう」(三宮)で式の3か月前からヘアカットを担当してもらって、当日のヘアスタイリングもホテルまで理容師さんに来てもらって仕上げてもらいます。全3回のカットと当日のスタイリングまでがセットになったブライダルプランです。
直前では間に合わないヘアスタイル
結婚式のために美容院でヘアカットをしてもらう人は多いものの、男性の場合、式の直前になって初めてお店に来てカットをしてもらうような事例もあったのだとか。直前だと髪の長さが足りないなどで、理想のヘアスタイルを実現するのが難しい場合もあります。そこで始まったのが3か月まえからヘアカットのプロデュースを始めるブライダルプランです。じっくり時間をかけることで、式本番を万全の状態で迎えられます。
また早い段階からヘアスタイルを整えることができれば、衣装合わせの準備のタイミングでもより本番に近いコンディションでドレスアップすることができます。私たちの場合、タキシードの試着が結婚式の 2か月前だったので、その少し前のタイミングで最初のヘアカットをしてもらいました。
カップルで訪れることができる床屋
「床屋にもう」があるのは三宮の生田神社近くにあるビル。彼女と一緒に連れだって訪れても歓迎してくれます。お店ではドリンクをもらったり、ビル6階からの眺めを楽しんだり、床屋に来たとは思えないようなおもてなしをしてもらいました。
カットはすごく手早くて、カウンセリングからカット、シャンプー、アイブロー、スタイリングまですべてを合わせても1時間以内に終わりました。丁寧かつ短時間で仕上げるのはさすが卓越したプロの腕だと思いました。
彼女と一緒に訪れても歓迎してもらえるヘアサロンというのはとても貴重で素敵な場所だと思います。ふつうの美容院でもできるのかもしれませんが、床屋にもうの場合は最初からブライダルプランが用意されているので遠慮なくカップルふたりで訪れることができます。
髪を上げておでこを出す七三スタイル。もみあげなどサイドの部分を短くカットしてもらいました。
床屋にもうさんを利用してみて特に印象に残ったのはヘアスタイリングです。ドライヤー、くし、整髪剤、ヘアスプレーなどをつかって、ブライダル向けにフォーマルな髪型に仕上げてくれました。自分で似たようなスタイリングをしようとしてもここまで形がきれいにならなかったり、すぐに髪が下におちてきてしまうのですが、にもうさんでヘアスタイリングしてもらうとビシッと決まって安定感がすごかったです。
結婚式の当日もこれまでずっとカットとスタイリングを担当してくれた理容師さんが式場のホテルまでやってきてくれました。わたしたちの結婚式は午前からだったので、朝の準備も早かったのですが朝8時頃には会場のオリエンタルホテル神戸に来てくれてばっちりとヘアセットをしてくれました。ありがとうございました。
「ザ・トリートドレッシング」でタキシードの衣装合わせ
結婚式の新郎の衣装といえばタキシード。自分にぴったりのタキシードを選んで着こなすための準備を行います。
時期としては結婚式のおよそ2か月前。新婦の2回目の衣装合わせと新郎の衣装合わせがありました。トリートドレッシングに行くのは2回目です。彼女がドレスを試着したあとにわたしのタキシードの衣装合わせをさせてもらいました。ザ・トリートドレッシング神戸店の中にメンズ用のスペース(TREAT GENTLEMAN)が用意されていて、そこで専任のスタッフにタキシード選びをサポートしてもらえます。
やや薄暗く落ち着いたインテリアのなかで、タキシードの試着をします。さまざまなカラーのタキシードを選べるのですが、正統派スタイルの黒か紺のタキシードにしようとあらかじめ決めていました。
タキシードのレンタル料金は、39,000円(税込42,900円)~ですが、黒や紺のタキシードのレンタル料金は72,000円(税込79,200円)です。タキシードをオーダーメイドする場合は、139,000円(税込152,900円)~です。
最初にブラックのタキシードを着せてもらって自分に合うサイズを選びました。わたしは胸板厚めなので、当初の見立てよりも大き目のベストやジャケットを持ってきてもらいました。またズボンも裾の長さが足りなくてより大きいものを用意してもらいました。以前も既成のスーツ選びで自分に合うサイズを選ぶのに苦労したのですが、トリートジェントルマンでは詳しいスタッフの方に自分にぴったりのサイズの服を見繕ってもらえたので安心感がすごかったです。
紺(ミッドナイトブルー)のタキシードもすごく素敵でした。ブラックよりも自分には似合うカラーだったかもしれません。悩んだのですが、スタッフの方のおすすめもあって、ブラックを選びました。黒色の王道でびしっと決まるスタイルが、会場のオリエンタルホテル神戸や彼女のウエディングドレスの雰囲気に似合うと思ったからです。紺のスーツも捨てがたかったので、今後別の機会で何かオシャレをするときに試してみたいと思いました。
タキシードを着るのは生まれて初めてでしたが、実際に着てみると思いのほかしっくりきて気に入りました。タキシードは縫い目を隠す工夫がさまざまなところに施されています。ボタンはくるみボタン、タキシードのズボンの側面も縫い目を覆うように布が当てられています(側章(そくしょう)と呼ぶそうです)。ズボンにはベルトの穴がなくてサスペンダーでつるす仕組み。サスペンダーでつるすのでウエストはすこしゆるめに履いて良いようです。
タキシードの襟の形はアメリカ式の「ショールカラー」とイギリス式の「ピークドラペル」のふたつ。イギリス式は襟がとがっていてどちらかというとトラッドな印象。アメリカ式は丸い形の襟でやわらかい印象です。種類の違いだけで、どちらのほうが格式が高いということはないそうです。イギリス式のとがった襟がかっちりとした印象でタキシードに合うかと思ったのですが、むしろアメリカ式の丸い襟のほうがほかの一般的なスーツとは異なる形で特別感があるのでショールカラーにすることにしました。これは好みしだいですね。
タキシードの襟は「拝絹」(はいけん)と呼ばれるもので、光沢感のある素材が用いられています。拝絹があることで華やかな印象になり、結婚式でドレス姿の新婦と並んだ時にも美しいたたずまいになります。さらにトリートジェントルマンの黒の蝶ネクタイは、タキシードの襟と合わせて同じ素材なので、同じ色、同じ光沢感です。統一感があって素敵ですね。
トリートジェントルマンのシャツは、フォーマルなウイングカラーシャツ。シャツの前ボタンが見えない比翼仕立てと呼ばれる構造で、これもやはりボタンの縫い目が見えないような配慮だそうです。
そして袖を折り返してカフスでとめられる構造になっています(ダブルカフスシャツ)。カフスは黒のタキシードにあわせてブラックオニキスを用意してもらいました。
チーフはシルク製。ベストの一番下のボタンはとめずにあけておくのがマナーだそうです。
わたしがタキシードを試している間に彼女もそばで様子を見ていてくれたのですが、わたしよりも彼女のほうが楽しんでいる様子でした。この記事に掲載している写真もその多くが彼女が撮ってくれたものです。わたしも彼女がドレスを試着している様子が最高に楽しかったので相手の気持ちはなんとなく想像できました。
また、挙式から披露宴に移るタイミングで、新婦がヘアスタイルを変える予定だったので新郎も何かしら衣装を変えようか検討しました。まずトリートドレッシングでご提案いただいたのは、ベストをぬいでジャケットの前を開けるという簡単なスタイルチェンジ。新婦がドレスは変えずにヘアスタイルやアクセサリーだけの変更なので、新郎もごく簡単な変化にとどめるというアイデアです。
もうひとつの案としては、シャツを変えてなにか色を取り入れるというものです。試着のタイミングで決めるのは難しかったので、いったん保留にしてお色直し用のシャツはあとで自分で探すことにしました。
最終的にはトリートドレッシングで取り扱いのある、AVINO Laboratorio Napoletano(アヴィーノ ラボラトリオ ナポレターノ)というイタリア・ナポリ創業ブランドのドレスシャツ(深いブルー)を選びました。胸にひだの付いたデザインで、タキシードなどの正装によく似合う形です。とてもオシャレで前撮りの際にも着用しました。
披露宴用の蝶ネクタイにはやはりトリートドレッシングで取り扱いのある、Atto Vannucci(アット ヴァンヌッチ)というブランドの蝶ネクタイです。現代ではとても珍しく手縫いで作られていて非常に高級。たまたまメルカリで見かけておしゃれなデザインだったので購入しました。
ウエディング用シューズ選び
トリートドレッシングで取り扱っている靴はいろいろあって、レンタルと販売があります。レンタルが 1万円から利用できると聞いていたのですが、レンタルできる靴の種類に限りがあって使用感もあるのでやめておくことにしました。
靴はなにか購入することにしたのですが、この選択もなかなか悩ましいです。結婚式の際はエナメルの靴を履く習慣があると聞いていたのでまずはエナメルの紐靴を試着をさせてもらいました。試着したトリートオリジナルのエナメルの靴は輝きがあって美しいのですが、すこし派手すぎて足元に目がいきがちとのことで彼女はあまり好みではなさそうでした。
またエナメルのオペラパンプスも結婚式にふさわしい靴だそうです。トリートドレッシングでもオペラパンプスの取り扱いがあるのですが、これは販売のみで、個人的には結婚式以外でオペラパンプスを履く機会がなさそうなのでやめておくことにしました。
最終的にBENIR(ベニル)というブランドのプレーントゥの革靴を選びました。ウェディングに向いているフォーマルで美しい形であることはもちろん、ヒールアップの機能があるのもこの靴の良いところです。6cmのヒールアップがあるので、新婦がヒールアップしても普段通りの身長差で結婚式を過ごすことができます。
履いてみるとわかるのですが、インソールのかかとの部分がすこし高くなっています。見た目に違和感なくヒールアップできるうえ、自然と背筋が伸びて姿勢よく立つことができます。
BENIR はウエディング用シューズブランドで、日本人の足に合わせて作っています。運営企業は神戸に本社があります。BENIR のウェブサイトにあるブランドストーリーのページの写真はオリエンタルホテル神戸で撮られているようです。神戸やオリエンタルホテルにゆかりのあるブランドでうれしく感じました。
BENIR は京都に直営店があります。直営店は予約制ですが全サイズの試着や購入ができるとのこと。取扱店は全国にあってトリートドレッシングでももちろん試着と購入ができます。
参考:Men’s / Plane Toe / BK 【5511 BK】 – BENIR
ソックスはタキシードに合わせて黒で、肌が見えないように十分な長さがあるもの(ミドル丈)。下着は白か肌色が好ましいとのことでした。
フォーマルに決まった姿で迎えた結婚式
おかげさまでヘアスタイリングとフォーマルウェアのプロフェッショナルの力を借りて、普段スーツさえまったく着ないわたしを新郎として恥ずかしくない格好にしてもらいました。
オリエンタルホテル神戸のチャペルにて。
オリエンタルホテル神戸と床屋にもうのブライダル向けヘアカットの取り組みはまだ始まったばかりだそうで、運よく素敵なサービスに出会えてよかったです。彼女とふたりで訪れて晴れの日のために髪を整えてもらえてうれしかったです。
ザ・トリートドレッシングのメンズ担当もさすがプロフェッショナルという印象で、とても安心感がありました。新郎の場合、トリートドレッシングで衣装合わせができるのは1回だけなので、その日のうちに試したい衣装はすべて着てみることをおすすめします。普段は着ることのないような上質な衣装ばかりで良い経験ができました。