SUNEAST(旭東エレクトロニクス)の CFexpress Type B 用カードリーダーを購入しました。製品の特徴や、しばらく使ってみた感想、わたしがこれを選んで買った理由についてお伝えします。
カメラと記録メディアの進化で CFexpress カードの需要増
カメラの記録メディアと言えば SDカードや microSDカードが一般的ですが、最近はほかのメディアに対応した機種も増えてきました。なかでもCFexpressカード(Type B)の需要が高まっています。CFexpressカードの規格は2019年に策定され、PCIe Gen3 のインターフェースを採用することでSDカードよりも高速なデータの読み書きができるようになりました。Type A、Type B、Type C の3種類があって、そのうち多くのカメラが対応している Type B の最高速度は理論上 2,000MB/秒 です。一方SDカードは理論値で UHS-I が104MB/秒、UHS-II が312MB/秒が限界です。
最近のカメラは高性能化が進み、記録される写真はより高画素になり、より高速な連続撮影ができるようになりました。また4K以上の高解像度の動画記録が普及し、RAW動画を撮影できる機種も増えています。それらの写真や動画はとても大きなファイルで、滞りなく撮影するには記録メディアの高速化が必須です。パソコンにデータを取り込む際にも高速なメディアであれば時間短縮となります。高速な記録メディアは撮影体験をより快適なものにしてくれるわけです。
筆者も今年パナソニックの LUMIX GH6 を購入して初めてCFexpressカードを手にしました。GH6はProRes RAW収録ほか高ビットレートの動画記録に対応しており、それを支えているのがCFexpressカードです。筆者もせっかくなのでCFexpressカードを導入して、それに対応したカードリーダーも用意することにしました。
SUNEAST CFexpress カードリーダー レビュー
わたしが購入したのは「SUNEAST CFexpress Type B カードリーダー(SE-RWCFX10GC32G2)」です。この製品の主なポイントをまとめると以下の通り。
- シンプルで使いやすい
- ケーブルが2種付属
- 大容量ファイルを短時間でPCに取り込める
- 記録メディアを取り扱うブランド
- 値段もお手頃
製品の特徴をお伝えします。
製品外観とインターフェイス
本体サイズはCFExpressカードよりすこし大きい程度(51.40 × 45.00 × 12.00 mm)。
カードの差込口と、USB-Cの接続口があるだけのシンプルな構造です。
製品本体のほかにUSBケーブルが2本付属します。ひとつはUSB Type-C to C、もうひとつはUSB Type-C to Aで、それぞれ全長20cmほどの短いケーブルです。
パソコン側のポートがUSB-AでもUSB-Cでも使えるので便利です。WindowsでもMacでもどちらでも利用できます。OTG機能を備えたUSB-Cポート付きスマートフォンでも利用可能だそうです。
高速データ通信でファイルの取り込みを短時間に
データの読み書きも高速で行えます。理論上最大で1,250MB/秒のデータ転送が可能です。ソフトを用いて計測してみてもそれに準ずる性能が示されました。
計測に用いたCFexpressカードは「Lexar Professional CFexpress Type Bカード」(LCFX10-128CRB)です。
わたしの使っているカメラのGH6はSDカードとCFexpressカードの両方に対応しているのですが、動画の記録にCFexpressカードを用いています。SDでも動画は撮れますが、パソコンに取り込む速度はCFexpressカードのほうがだいぶ早いので時間短縮できるようになりました。
参考画像:SDカードの読み書き速度
「SUNEAST CFexpress Type B カードリーダー(SE-RWCFX10GC32G2)」をパソコンに接続していると製品本体がやや熱をもちます。熱すぎて持てないわけではありませんが知らずに手で触れるとちょっと驚くかもしれません。
ちなみに本製品には説明書は付属せずパッケージに説明が記載されているのみです。丁寧な説明書を期待する人にはあまり向いていないかもしれません。とはいえ特に使い方に難しいことはなく、ケーブルをつないでパソコンに接続するだけですぐに利用可能です。
SUNEAST ブランドの信頼性
SUNEAST(旭東エレクトロニクス)は大阪に本社を置く企業で、SSDやメモリを中心にパソコン関連用品を手がけるメーカーです。SDカードやCFexpressカードなどの記録メディアもSUNEASTブランドで販売しています。
参考:企業案内|SUNEAST(旭東エレクトロニクス)
筆者がSUNEAST製品に興味を持ったのは、様々なカメラメーカーでSUNEASTの記録メディアの動作確認がとられていることを知ったからです。わたしが愛用しているGH6用の動作確認済みメモリーカード情報にもSUNEAST製品の名前があがっています。そのような記録メディアを取り扱っているメーカーであればそれを読み込むためのカードリーダーも安心して使えるのではないかと期待して買ってみました。
参考:DC-GH6 動作確認済みメモリーカード情報 | 動作確認情報一覧 | デジタルカメラ LUMIX(ルミックス) | お客様サポート | Panasonic
パナソニックのGH6以外にも富士フイルムの X-H2S やシグマの fp 用の記録メディアとしてもSUNEAST製品の動作確認がとれていて推奨品としてリストアップされています。
参考:X-H2S Memory card | Compatibility | 富士フイルム Xシリーズ & GFX
参考:推奨アクセサリー | fp | カメラ | SIGMA | 株式会社シグマ グローバルサイト
価格も手ごろ
「SUNEAST CFexpress Type B カードリーダー」は、Amazonやカメラ店などのネット通販サイトで6,480円で販売されています(記事執筆時点)。筆者は先日のAmazonプライムデーでセール価格4,860円で買いました。
参考:Amazonプライムデーでわたしが買ったものとおすすめのものまとめ
知名度のある他社製品(SanDiskやProGrade、Lexar、Sonyなど)だと同様のカードリーダーでも1万円前後の価格が多いので、SUNEASTのカードリーダーは格安と言えます。ブランドにこだわらなければ他にも安いカードリーダーはありますが、SUNEASTは日本のメーカーで、購入から2年以内であれば製品保証があるのがメリットです。
表:製品仕様
本体サイズ | 51.40 × 45.00 × 12.00 mm |
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インターフェース | USB 3.2 Gen.2, CFExpress Type B |
対応カード容量 | 最大2TB |
対応OS | Windows7以降, Mac OS X 10.14.4以降 |
動作温度 | 5℃~55℃ |
動作湿度 | 20%RH~80%RH |
付属品 | USBケーブル Type-C to C, Type-A to C 計2本(各20cm) |
保証 | 2年間 |
そのほかの選択肢
CFexpressカードリーダーはさまざまなメーカーから発売されています。参考までに筆者が比較検討した製品や、今後買うかもしれない製品を紹介します。
Lexarの記録メディアを愛用しているので、同社の「Professional CFexpress Type B カードリーダー」も購入候補のひとつでした。小型なので携帯に便利だと思います。保証期間が5年と長めなのも魅力です。基本的な性能は今回レビューしたSUNEASTのカードリーダーとあまり変わらないと思います。価格はLexarのほうがやや高いです。
現時点ではSDカードもまだまだ現役で利用していることを考えると、SDとCFexpressの両方に対応できるカードリーダーがあれば便利です。ProGradeからCFexpress Type BとSD UHS-IIに対応したデュアルスロットカードリーダーが販売されています。
個人的にはいずれCFexpressカードリーダーを含むUSBハブを買いたいと思っています。まだそういう商品は少ないのですが例えば「OWC Thunderbolt Pro Dock」ならCFexpressカードやSDカードに対応できるほか、USB-A、USB-C、有線LANなどさまざまなポートが充実しているので気になっています。