神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。カメラの使い方についてよく質問をいただくのですが、その中に「ピントが合わない」「AFが効かない」といったものがあります。よくあるお悩みなので、その原因と解決方法についてまとめました。
ピントが合わない時の原因と解決方法
多くのカメラはシャッターボタンを半押しすると自動で被写体にピントを合わせてくれます。この自動でピントを合わせる機能がオートフォーカス(AF)です。それがうまく機能しない場合は下に挙げる方法を試してみてください。
AF機能がない・スイッチがオフになっている
まず大前提としてカメラとレンズがAF機能を備えていなければシャッターボタンを半押ししてもピントは合いません。最近のレンズは多くがAF対応レンズですが、まれにマニュアルフォーカス(MF)専用のレンズもあります。そういったレンズはAFが効かず、手動でフォーカスリングを回してピントを合わせます。
そしてAFに対応したレンズでもAF機能がオフになっている場合があります。キヤノン製レンズなど多くの一眼カメラ向けレンズはAFのスイッチがレンズ本体の側面に付いています。
ここがオフ(MF)になっているとAFは機能しないのでまずスイッチを確認しましょう。
ファインダーの視度調整が合っていない
第二の可能性としては、ファインダーの視度調整が合っていないということが考えられます。
カメラのファインダーの横には視度を調整するダイヤルが付いています。これは眼鏡やコンタクトレンズを作るときに度数を合わせるようなもので、自分の視力に合わせてよく見えるところに調整する必要があります。逆に言うとこれが自分の目に合っていないと、ピントが合ってもファインダーの中に見える像はぼやけたままです。ダイヤルを回して適切な位置に調整しましょう。
画像引用:キヤノン:Q&A検索|【デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ】ファインダー内がぼやける(撮影した画像のピントは合っている)(EOS 70D)
ただし、この視度調整はあくまでファインダーの見え方に影響する問題です。視度調整が合っていないだけであれば、ファインダーの中ではぼやけて見えていても、撮影する写真はきちんとピントが合います。ファインダーで見たときはピンボケだったけれど撮影した映像はピントが合っている、という状態であれば、視度調整が合っていなかった可能性が高いです。
最短撮影距離より近いものを撮影しようとしている
第三の可能性としては、レンズの最短撮影距離よりも近い被写体にピントを合わせようとしている場合があります。
カメラはレンズによってピントを合わせられる距離が決まっています。例えばキヤノンの一眼レフカメラのダブルズームキットで付いてくる「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」というレンズの最短撮影距離は0.85mです。つまりカメラから0.85m以上離れた被写体でないとピントを合わせられません。
画像引用:デジタル一眼レフカメラの基礎知識 – レンズ | Enjoyニコン | ニコンイメージング
ちなみによく誤解されますが「最短撮影距離」はカメラのセンサーから被写体までの距離です。レンズの先端からの距離ではありません。センサーの位置は外からでもわかるように「位置基準マーク」という印がカメラの上部に刻まれています(上の画像を参照)。
最短撮影距離はレンズの種類で異なります。カメラの種類は関係ありません。一般的な傾向として、望遠レンズは最短撮影距離が1m前後になっているものが多く、それより近くのものにはピントを合わせられません。標準レンズであればだいたい0.3mや0.4m前後が最短撮影距離です。
例えばキヤノンのカメラのキットレンズとなっている「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」は最短撮影距離が0.25m、「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」は最短撮影距離が0.39mです。
またズームレンズの場合、同じレンズでも焦点距離によって最短撮影距離が変わることもあります。例えば広角端では最短撮影距離が20cmだけれど、望遠端では35cm以上離れないとピントを合わせられない、ということがありえます。
AF機能がシャッターボタン以外に割り当てられている
通常、AFの機能はシャッターボタンを半押しにすることで作動します。しかし、カメラの設定を変更すればこのAF機能を他のボタンに割り当てることも可能になっています。他人のカメラを借りたり、お店で店頭展示品を触った場合は、AF機能が別のボタンになっているかもしれません。
キヤノンの一眼レフカメラ「EOS Kiss X9」を例にご説明します。まずメニューボタンを押して設定を開きます。
メニューからスパナマークを選び、4ページ目を開きます。そこから一番上の項目のカスタム機能(C.Fn)を選択。
ここがAF機能とAE機能をカスタマイズ設定するメニューになります。AEとはAuto Exposureといって自動露出のことです。*マークのボタンがAEロックボタンとなっていて、多くのカメラでは右手親指で押しやすい位置にあります。
ここではそれぞれの設定の具体的な活用法については省略しますが、設定の0と2のときはシャッターボタン半押しでAFが機能します。1と3の場合は*ボタンを押すとAFが機能する設定になっています。初期設定は0なので、もしここの設定が変更されていた時は0に戻しましょう。
AFフレームの外の被写体を撮ろうとしている
AFが機能するのは画面の全体ではありません。決まった範囲の中でしかAFは使えません。
参考 EOS 5D MarkⅣのAFフレームと測距エリア選択モード
画像引用:キヤノン:EOS 5D Mark IV|AF・AE
カメラによってAFの効く範囲や、AFの合わせる場所の選び方は異なります。
AFが合いにくい被写体・環境で撮影している
AFには苦手な被写体があります。例えば真っ暗な液晶ディスプレイやカップに入った紅茶など、単色の平面でコントラストが極端に低い被写体にはAFが合いにくいです。他には暗いところでの撮影もAFが効きにくいです。こういった被写体・環境ではピントが合わず迷い続けることがよくあります。
AFで撮れない被写体はMF(マニュアルフォーカス)でピントを合わせましょう。夜景撮影や夜空の撮影ではMFがよく用いられます。
参考:キヤノン:Q&A検索|【デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ】AF(オートフォーカス)の苦手な被写体(EOS M)
参考:キヤノン:Q&A検索|【デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ】AF(オートフォーカス)の苦手な被写体(EOS Kiss X7)
レンズとカメラの接点が汚れている
オートフォーカスはカメラとレンズそれぞれで連携してフォーカスを制御しています。そのため繋ぎ目の電子接点が汚れていたり、傷ついていたりするとAFが効きません。
画像引用:キヤノン:Q&A検索|【デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ】AF(オートフォーカス)が作動しない(EOS Kiss X5)
接点が汚れている場合は、きれいな乾いた布でやさしく拭きましょう。ひどく汚れている場合はメーカーにクリーニングを依頼します。
カメラもしくはレンズが故障
上記のいずれの方法を試しても解決しない場合は、カメラやレンズが故障している場合があります。メーカーに問い合わせて修理を検討しましょう。
よくある問題としてレンズの「前ピン」、「後ピン」といったものがあります。これは一見AFが効いているように見えても、よく確認するとピントの位置が少し前や後ろになっている状態のことです。不良品だけでなく、カメラとの相性でも起こりうる問題です。これもやはりメーカーに問い合わせて専門家に調整をいらいしましょう。
ちなみにシグマというメーカーは自社のレンズのピント位置を微調整するための道具も販売しています。
ピンぼけではなく手振れ・被写体振れの可能性
いかにブレのない写真を撮るのか、というのはカメラの基本である一方で、意外と何年もカメラをやってる人でもなかなか克服できない問題です。
正しい構え方で手振れしないように気を付けたり、場合によっては三脚やリモコンを使ってブレを防ぎましょう。また被写体が動いている場合、シャッタースピードが相応に速くないとブレてしまいます。
参考:キヤノン:Q&A検索|【デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ】手ブレを防ぐには?(デジタル一眼レフカメラ)
まとめ
いかがでしたでしょうか。ピントが合わない、AFが効かないといったお悩みが解決すれば幸いです。どうしても解決しないという場合は、メーカーに問い合わせて専門家に委ねるのが一番良い方法だと思います。
参考ウェブサイト:画像がぼやけている・ピントが合わない・ピントがあまい (EOS Kiss X9) – キヤノン:Q&A検索|【デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ】
参考ウェブサイト:AF (オートフォーカス) の性能 – キヤノン:Q&A検索|【デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ】
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