キヤノン一眼カメラEOSシリーズの撮影モードを初心者向けに解説!

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キヤノン一眼カメラEOSシリーズのモードダイヤルを初心者向けに解説!

キヤノンの一眼カメラのモードダイヤルの使い方について解説します。マニュアルのMモードやAvやTvなどの半マニュアルモードのほか、便利なオートモードがたくさんあります。それぞれの違いや、初心者の人におすすめの撮影モードを説明します。

神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。

キヤノンのミラーレス一眼カメラEOS Kiss Mを主な例にしながら、一部EOS Kiss X9やEOS Rの例も補足して、カメラの撮影モードについて説明します。キヤノンの一眼カメラであればだいたい同様の撮影モードを搭載しています。

Tvモード、Avモード、Mモードなどはキヤノン以外のメーカーでも多くの製品で搭載されている一般的な撮影モードです。これらがそもそもどういう仕組みのものなのか解説するので参考にしてください。

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自分に合った撮影モードを選ぼう

キヤノンの一眼カメラにはたくさんの撮影モードが搭載されています。撮影モードについて一通り説明しますが、必ずしもすべてを使う必要はありません。それぞれに特徴があるので、自分の目的に合ったものをつかってください。

キヤノンEOS RとEOS M200の撮影モードボタン・ダイヤル

EOS RやEOS M200など機種によってはモードダイヤルがシンプルです。これらの機種はメニューからより多様なモードの選択ができます。

難しい専門用語なしで撮影したい初心者におすすめの撮影モード

  • シーンインテリジェントオート
  • スペシャルシーン

これらふたつのモードは、大部分をカメラに任せてオートで撮影できます。操作画面が初心者でも使いやすいような分かりやすいレイアウトになっています。専門知識なしで手軽に撮影したい人におすすめです。

徐々に知識をつけてカメラを使いこなせるようになりたい初心者におすすめの撮影モード

  • Pモード(プログラムAE)
  • Avモード(絞り優先AE)
  • Tvモード(シャッター優先AE)

カメラの扱いを覚えて上達していきたい人は、これらの撮影モードに慣れることをおすすめします。最初は使いにくいかもしれませんが、慣れると使いやすいモードです。特にAvモードやTvモードはカメラのメーカーや機種を問わず大多数の製品に共通する仕組みです。これらを理解して使いこなせるようになると応用がきくのでカメラ上達につながります。

露出の基礎知識を覚えた人におすすめの撮影モード

以下のふたつのモードはまったくの初心者には使いにくいかもしれません。ですがカメラの「露出」の仕組みを実際に理解するのであればマニュアルのMモードがいちばんわかりやすくておすすめです。

  • Mモード(マニュアル露出)
  • Fvモード(フレキシブルAE)

カメラの撮影モードは、「露出」の仕組みと密接に結びついています。書籍などで「露出」の基礎知識をつけたらぜひMモードを使ってみて、その知識を実践してみましょう。カメラについて勉強したい人はぜひ「露出」の項目を調べて「シャッタースピード」、「絞り値」、「ISO感度」について学んでください。

ちなみに上級者だからといってMモードを使うとは限りません。筆者はAvモードやFvモードを使うことが多いです。たまにMモードやTvモードも使います。ある程度カメラに慣れてくるとこれらのモードに集約してきて、必要に応じてそれぞれ使いわけるようになると思います。

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キヤノン一眼カメラの撮影モード

シーンインテリジェントオート

専門用語なしで写真の雰囲気を調整して撮影したい人におすすめ!

シーンインテリジェントオートモード キヤノンEOS Kiss M モードダイヤル

Aに+マークが「シーンインテリジェントオート」モード

シーンインテリジェントオートモード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

オートで撮影できる気楽な撮影モード。さらに任意で明るさや色の鮮やかさ、背景のボケの程度などを調整できます。

シーンインテリジェントオートモード キヤノンEOS Kiss M撮影画面

「シーンインテリジェントオート」モードの撮影画面。

基本的にはオートでカメラ任せにしつつ、写真の雰囲気を初心者でも手軽に調整できるのが「シーンインテリジェントオートモード」の魅力です。難しい専門用語なしで、自分好みに調整しながら撮影できます。

上級者向けのモードだと「明るさ」は「露出補正」という項目で調整したり、背景ぼかしは「絞り」、「F値」、「被写界深度」などの用語で説明されるのですが、そういった小難しい用語や概念を知らなくても直感的に調整できます。

「シーンインテリジェントオートモード」は機種によっては調整できる項目が少ないです。例えばEOS Kiss X9だと「シーンインテリジェントオートモード」を選んでも「背景ぼかし」や「明るさ」などの調整項目はなくて、ドライブモードやストロボなどしか選択できません。すこし使いにくいので個人的には後で紹介する「スペシャルシーンモード」(SCN)や「プログラムAEモード」(P)がおすすめです。

キヤノンEOS Kiss X9のシーンインテリジェントオートモードのメニュー画面

EOS Kiss X9の「シーンインテリジェントオート」モードのメニュー画面。調整できる項目が少ない。

またEOS Kiss X9の場合はEOS Kiss Mにない「クリエイティブオート」というモードがあります。ここでは「背景ぼかし」や写真の雰囲気を選択することができます。EOS Kiss Mではこのモードがシーンインテリジェントモードに吸収合併されたようになっています。

スペシャルシーン SCN

カメラまかせで気楽にオート撮影したい人におすすめ!

スペシャルシーンモード キヤノンEOS Kiss M モードダイヤル

スペシャルシーンモード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

撮影シーンを選べばそれに合わせてカメラがオートで設定を決めてくれる撮影モードです。

例えばEOS Kiss Mでは次のような各種撮影シーン用のプリセットが用意されています。

  • 自分撮り:自動で顔認識AFがオンになって、2秒のセルフタイマーが設定されるなどの特徴があります(タイマーはオフにもできる)。任意で美肌効果を入れたり、背景ボケの調整も可能。
  • ポートレート:人物の撮影に適しています。
  • 美肌:美肌効果を調整できます。
  • 風景:風景の撮影に適しています。近くから遠くまでピントが合い、くっきりした感じになります。
  • スポーツ:動いているものの撮影に適しています。シャッターボタンを半押しすると被写体にピントを合わせ続けるほか、シャッターボタンを押し込んでいる間は高速で連続撮影します。
  • クローズアップ:花や小物などの撮影に適しています。写したいものにできるだけ近づいて撮影します(筆者がつかった感想としては何が特別なのかよくわかりませんでした)
  • 料理:料理の撮影に適しています。色鮮やかに仕上げます。色合いを青っぽい寒色に寄せたり、オレンジっぽい暖色にしたり調整可能です。
  • 流し撮り:流し撮りに適したシャッタースピードを自動設定します。対応レンズと組み合わせると画像のブレを軽減することもできます。
  • 手持ち夜景:4枚連続撮影して画像を生成します。手ぶれしがちな夜の撮影に便利です。
  • HDR逆光補正:3枚連続撮影して明るいところから暗いところまでディティールが残るようにハイダイナミックレンジの画像を生成します。逆光など明暗差の大きい撮影シーンに適しています。
  • サイレントモード:シャッターの作動音をオフにできます。静かに撮影したいときに便利です。サイレントシャッターは便利ですが、フリッカーと呼ばれる縞模様が画像に入ってしまう恐れがあるので撮影したときによく画像を確認することをおすすめします。
スペシャルシーンモード 「料理」の撮影画面 

「スペシャルシーン」モードの撮影画面。例えば「料理」の場合はオートで色鮮やかになるよう設定されていますが、マニュアルで色あいを調節することもできます。

機種によってスペシャルシーンに搭載されているシーンの種類は異なります。例えばEOS Kiss X9には「自分撮り」や「美肌」などはなくて、「キッズ」や「集合写真」というシーンが用意されています。

また「スペシャルシーン」はEOS Kiss Mなどの初心者向けの一眼カメラのみに搭載されている撮影モードなので、上級機種では使えません。もし、ゆくゆくは上級機種や他社の製品でもカメラを使いこなせるようになりたいのであれば、ほかのモードに慣れておいたほうが良いかもしれません。

クリエイティブフィルター

クリエイティブフィルターモード キヤノンEOS Kiss M モードダイヤル

特殊な効果を楽しめる撮影モードです。

クリエイティブフィルターモード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

様々な特殊効果をつけた撮影モードなので一度は試してみてほしいです。ただし、癖が強いので普段使いにはあまり向いていません。

EOS Kiss Mには次のようなクリエイティブフィルターが用意されています。

  • ラフモノクロ:白黒でざらついた感じの写真になります。
  • ソフトフォーカス:やわらかい感じの写真になります。
  • 魚眼風:魚眼レンズで撮影したような写真になります。
  • 水彩風:水彩絵の具で描いたような写真になります。
  • トイカメラ風:トイカメラで撮影したような独特の色調で、画面の四隅が暗い写真になります。
  • ジオラマ風:ミニチュア模型風の写真になります。
  • HDR絵画調標準:コントラストを抑えたフラットな階調の絵画のような写真になります。3枚連続撮影されます。
  • HDRグラフィック調:鮮やかでフラットな階調のグラフィックアートのような写真になります。3枚連続撮影されます。
  • HDR油彩調:鮮やかで被写体の立体感を強調した油絵のような写真になります。3枚連続撮影されます。
  • HDRビンテージ調:色あせた古めかしい感じの写真になります。3枚連続撮影されます。
「クリエイティブフィルター」モードの撮影画面

「クリエイティブフィルター」モードの撮影画面。「トイカメラ風」を選ぶとすこしくすんだ色あいで周辺が暗くなります。

「クリエイティブフィルター」モードの撮影画面

「水彩風」はだいたんに雰囲気が変わります。

プラスムービーオート

プラスムービーモード キヤノンEOS Kiss M モードダイヤル

写真を撮る際に5秒ほどの動画も一緒に撮影して記録できるモードです。

プラスムービーオートモード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

シャッターを切るまえの数秒の様子も動画として記録してくれます。シャッターシーンを動画で残せるおもしろい撮影モードです。すこし癖があるのであまり頻繁に使うことはないかもしれませんが、動画を記録する楽しさも一緒に味わえます。

動画撮影モード

動画撮影のためのモードです。

動画撮影モード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

Pモード プログラムAE

カメラの操作を勉強中の初心者におすすめ!

Pモード キヤノンEOS Kiss M モードダイヤル

Pモードは、基本はオートでカメラ任せにしつつ、自分で明るさ(露出)や色あい(WB)、フォーカス方式などを設定できる撮影モードです。

プログラムAE Pモード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

参考画像:Pモードとシーンインテリジェントオートモードの比較

Pモードとシーンインテリジェントオートモードの比較

左のシーンインテリジェントオートモードでは多くの項目がグレーアウトしていて設定できないのに対して、右のPモードは多くの項目で任意の設定ができる(画面はEOS R)

撮影画面について少しだけ解説しておくと、露出補正(明るさの調整)は下の画像のこのマークの目盛りのところからできます。

Pモード 撮影画面 露出補正

ボタンで言うと、四角のなかにプラスとマイナスの記号が描かれているマークのボタンが露出補正(明るさ調整)を意味します。

「露出補正ボタン」画像左はEOS Kiss X9、画像右はEOS Kiss M

Pモードの撮影画面は上級者向けのMモードとほぼ変わらないので、わかりやすく「明るさ」とは書いてくれていません。だいたいどんなメーカーのカメラでも露出補正(明るさ調整)はこのマークなので覚えてしまいましょう。

より初心者向けの撮影モードだと様々な項目が自動設定されて手軽に撮影できる反面、内蔵ストロボもオートでオンになってしまうことが多いです。Pモードなら勝手にストロボが発光されることはありません。オートで撮りつつストロボは使いたくないという人にもおすすめです。もちろん自分でストロボをオンに変更することもできます。

プログラムAEのAEとはAuto Exposureで日本語に訳すと「自動露出」です。
露出はカメラの「シャッタースピード」と、「絞り値」、「ISO感度」の3つの項目の組み合わせで決まります。つまりプログラムAEというのは、それら3つの項目の調整を自動で行って露出(明るさ)を決めてくれるという意味です。
Pモードや以降で紹介するTvモード、Avモード、Mモード、Fvモードは「露出」(明るさ)をどう設定するかの区別です。露出以外の設定や、基本的な画面のレイアウトは共通しています。

Tvモード シャッター優先AE

Tvモード キヤノンEOS Kiss M モードダイヤル

露出を決める三要素のうちの「シャッタースピード」(厳密にはシャッターを開く時間の長さ)をマニュアルで設定できる撮影モードです。

シャッター優先 Tvモード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

シャッタースピードが速いと、動いている被写体の動きを止めて撮影できます。シャッタースピードが遅いとぶれやすくなりますが、あえてそのブレを表現に利用することも可能です。例えば上の画像のようにシャッタースピードを遅くすることで、滝の水の流れがきれいな線のようになって写ります。シャッタースピードが速いと水の動きが止まって記録されるので水の粒が見えるような写真表現ができます。

もし普段の写真がぶれて困っているのであれば、Tvモードにして、シャッターを1/125や1/250くらいに設定することをおすすめします。動き回る小さい子どもを撮るくらいならこれくらいのシャッタースピードでだいたいブレずに撮れます。これでもブレるなら1/500や1/1000に上げていって微調整すると良いと思います。必要以上にシャッタースピードを速くしてもあまり意味がないので、最初は1/125や1/250くらいから試してみることをおすすめします。

TvモードのTvとはTime valueの略です。日本語に翻訳すると「時間の長さ」、つまりシャッターを開いている時間のことを意味します。「シャッタースピード」という言葉で表現されることが多いですが、厳密に言うとカメラで設定するのは速度ではなくシャッターを開いている時間です。Tvが1/125なら1/125秒間シャッターを開くという意味です。Tvの数字が小さいほどシャッタースピードは速いです。

Avモード 絞り優先AE

Avモード キヤノンEOS Kiss M モードダイヤル

露出を決める三要素のうちの「絞り」(F値)をマニュアルで設定できる撮影モードです。

絞り優先AE Avモード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

絞りを開くとピントが合う範囲が狭まりぼかした部分が多くなります。特定の被写体だけを強調した表現が可能です。逆に絞りを閉じるとピントが合う範囲が広がり、手前から奥までくっきりと見える写真が撮れます。

Avモード 撮影画面 絞り値 F値

絞りはFの数字で表現される

絞りは撮影画面において「F値」で表現されます。Fの数字が小さいほど絞りが開いていて、Fの数字が大きいほど絞りが閉じています。F値が小さいほどピントが合う範囲が狭まり、F値が大きいほどピントが合う範囲が広がります。

また絞りの数値はレンズに依存します。レンズによって設定できるF値が変わります。例えば「EF-M32mm F1.4 STM」 というレンズの場合、F1.4からF16まで使えます。一方で「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」というレンズは、F3.5からF22までです(焦点距離15mmの場合)。

ピント範囲を広げて全体的にくっきり撮りたい場合はF8やF11くらいまでにすることを個人的にはおすすめします。F値を上げるとピントが合う範囲は広がりますが、それは必ずしも画質が上がるという意味ではありません。

AvモードのAvとはAperture valueの略です。日本語に翻訳すると「絞り値」です。

Mモード マニュアル露出

Mモード キヤノンEOS Kiss M モードダイヤル

露出を決める三要素の「シャッタースピード」、「絞り値」、「ISO感度」をすべてマニュアルで設定できる撮影モードです。

マニュアル露出 Mモード キヤノンEOS Kiss Mメニュー画面

シャッタースピードも、絞りも自分で設定したいときに便利な撮影モードです。TvモードやAvモードで説明したように動きのぶれや、ピントの合う範囲をどちらも自分でコントロールしたいときにMモードは役立ちます。

Mモードは自分で設定しなければいけないことが増えるので上級者向けですが、ISOをオートに設定しておけば初心者でも扱いやすくなるかもしれません。ただしISO感度が上がりすぎると画質が落ちます。かといってISOをマニュアルで設定して低くしようとすると今度は露出のバランスが難しくなります。このあたりはカメラの仕組みを理解して、経験を積まないとうまく使いこなせないと思います。

撮影する写真の露出(明るさ)は、「シャッタースピード」、「絞り値」、「ISO感度」の組み合わせで決まります。シャッタースピードが遅いほど、絞りを開くほど、ISO感度が高くなるほど写真は明るくなります。逆にシャッタースピードが速いほど、絞りを閉じるほど、ISO感度が低くなるほど写真は暗くなります。Mモード以外の撮影モードでは、「シャッタースピード」、「絞り値」、「ISO感度」のいずれかがオートで設定されるのに対して、唯一Mモードはすべてをマニュアルで設定できます。そのためMモードは「マニュアル露出」という名前が付けられています。

Fvモード フレキシブルAE

FvモードはEOS Rで初めて搭載された撮影モードです。ここまでは主にEOS Kiss Mを例に説明しましたが最近のキヤノンの一眼カメラに多く搭載されているのであわせて紹介します。

Fvモード キヤノンEOS Rの画面

Fvモード 画面はEOS R

FvモードはMモードや、Avモード、Tvモード、Pモードを混ぜたような仕組みです。「シャッタースピード」、「絞り値」、「ISO感度」、それぞれをマニュアルで設定できるのですが、逆にそれぞれの項目をオートにすることもできます。つまりFvモードというひとつのモードのなかで、Mモードのように使うこともできれば、Tvモード、Avモードのように半マニュアルでも使えるし、さらにはすべてオートにしてPモードのように使うこともできます。

 

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