神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。
はるばる横浜まで、カメラの祭典「 CP+」に行ってきました。初日の2月27日、開場後まず最初に訪れたのがキヤノンブースに展示されている新製品PowerShot V1です。キヤノンユーザーであり、小型カメラ好き&Vlog撮影をするわたしにとって、非常に気になるモデルです。

わたしみたいなカメラ好きの人にとってもそうだし、初めてカメラを買うような初心者の人にも魅力的な新商品なのでしっかり取材させてもらいました!

キヤノンが2025年2月20日に発表した「PowerShot V1」は、コンパクトデジタルカメラの「PowerShot Vシリーズ」のフラッグシップ機として位置付けられ、動画撮影と静止画撮影の両方で高い性能を発揮することを目指した製品。1.4型CMOSセンサーを採用しており、高級コンデジやVlogカメラによく用いられる1型センサーの約2倍ものサイズの大型センサーのためより優れた画質が期待できます。
2025年4月下旬発売予定。現在予約受付中。
価格:133,650円(税込)※記事執筆時点のカメラのキタムラにおける販売価格です。
持ちやすい安心するデザイン
まず気になるのはカメラのサイズや見た目。コンデジにしてはすこし大きいらしいという話を聞いていたのですこし心配しながらカメラを手に取ってみました。

あれ、けっこう小さいし軽い!
コンデジにしてはややぶ厚めのボディですがギュッとまとまっていてコンパクトです。小さいながらもグリップ部分が持ちやすくてとても軽く感じました。これなら気軽に持ち歩いてたくさん撮影を楽しめそうです。
- 質量:約426g(バッテリー&記録メディア含む)
- 大きさ(幅・高さ・奥行):約118.3×約68.0×約52.5mm

わたしの愛用するコンデジのRICOH GR IIIと比べるとやや厚みがあってサイズを心配していたのですが、実物を見ると気持ちよく携帯できそうで安心しました。
AF性能抜群!一眼カメラより優秀でやばい…
PowerShot V1で撮影してみて驚いたのが、そのオートフォーカス性能です。バスケットボールをプレイしている様子を撮影させてもらったのですが、完全にカメラ任せでピントがしっかり合います。人物の認識精度が非常に高くて、後ろ姿になっても人物を見失わずきちんと追従しながらフォーカスを合わせて撮ることができます。

キヤノンが誇る最新のAF技術「デュアルピクセル CMOS AF II」が搭載されていて、一眼カメラの EOS R7やEOS R50に劣らないフォーカス性能が備わっているとのこと。オートフォーカス性能は初心者の方が特に恩恵を感じるポイントなので、これはかなり重要です。カメラの扱いに慣れてない人でも安心してつかえると思います。

わたしが所有しているキヤノンEOS RやEOS Kiss Mよりも格段に優れたオートフォーカス性能でした!小さなコンデジなのに数年前の一眼カメラより圧倒的に高性能です。
もう一眼はいらない?コンデジとは思えない高画質
イメージセンサーが1.4型とマイクロフォーサーズのカメラ並みに大きいセンサーなので、画質も一眼並みです。コンデジとしてスリムなサイズを保ちながら、ここまで画質にこだわっているのは他社の競合製品との差別化になっています。
例えばソニーのコンデジ「VLOGCAM ZV-1 II」やDJIの人気カメラ「Osmo Pocket 3」は1.0型。PowerShot V1はこれらより大きな1.4型イメージセンサーでより優れた画質が期待できます。

わたしはVlog撮影するときにDJI Osmo Pocket 3(気軽な動画撮影用)と一眼カメラ(高画質な写真用)のふたつを持ち出しているのですが、PowerShot V1ならこれらの役割をひとつのカメラにまとめられるのでとても魅力を感じました!
また手近なものにもきちんとピントが合うので簡易的なマクロ撮影もできます。被写体に寄って大きく写すことも可能ですし、近づいて撮ることで背景をぼかして撮ることもできるので、映像表現の幅も広いと感じました。
最短撮影距離:
・広角 5cm
・望遠 15cm


動画機能が充実していてVlogを撮りたい人にぴったり
PowerShot V1で注目なのは、その動画性能。製品名に「V」とあるようにVideoやVlog(ビデオブログ)を撮れるように仕上げられています。
例えば注目なのが画角。自撮りをするときは一般的なカメラだと画角が狭すぎて使いづらいことが多いのですが、PowerShot V1は16mmの超広角に対応しています。自分を撮りながら、背後の景色を見せたり、複数人のグループショットも安心してできます。無理に腕を伸ばすことなく、自然に撮影できるのでこれは嬉しいポイントです。
焦点距離(フルサイズ換算):
・静止画 16mm~50mm相当
・静止画(1.4倍クロップ)約23-71mm相当
・動画 17mm~52mm相当
4K30Pの高解像度でも17mmと超広角の撮影が可能です。手振れ補正をオンにすることで多少画角が狭くなることはあるのですが、それでも元が17mmあるのでかなり広い画角を維持することができます。なお4K60Pはクロップの撮影になります。すこし望遠に撮りたいときにあえて60Pを選ぶという使い方もできそうです。

また動画撮影で重要になるのが録音の音質です。PowerShot V1はマイク性能にもこだわっています。実際に撮影して試させてもらったのですが、騒がしいイベント会場でもきちんと自分の声を聞き取ることができるクリアな音声です。
またPowerShot V1にはノイズを参照するマイクが内蔵されていて「ノイズキャンセリング」に対応しています。周囲の雑音を抑えて人の声を一層明瞭に記録することができます。小さいカメラながら、ここまで録音性能にこだわっているのはすごいことです。

またウインドスクリーンが付属しており、アクセサリーシューのところに取り付けられます。外での風切り音にも対策がされていて安心です。

PowerShot V1は驚くことに「冷却ファン」を搭載。これのおかげで長時間の動画撮影にも対応しています。公式ウェブサイトには4K30Pでも2時間以上※の長時間撮影が可能と記載があります。
※バッテリーの充電が必要

カメラは高画質の動画を撮っているとしだいに熱が上がってきてしまいます。そのため多くのカメラは熱で内部の部品が壊れてしまうまえに録画を止めるセーフティー機能が備えられています。特にコンデジのような小さなカメラでは放熱が難しく、本格的な長時間撮影には不向きでした。しかし、PowerShot V1では、冷却ファンを搭載することでその課題を解決してきました。
つまり、イベント撮影など、どうしても長時間の収録をしなければいけないような場面でもPowerShot V1なら撮影可能というわけです。気軽な短時間の撮影だけでなく本格的な映像収録にも使えるようなカメラに仕上げられています。
手振れ補正も期待できる!
手振れ補正も非常に優秀です。静止画においても動画においても強力な手振れ補正があるおかげで、初心者の人でも安心して撮影できます。
筆者が試したところ、ふつうに手持ちで被写体を追うだけなら、カメラの手振れ補正だけでかなり安定して滑らかな映像を撮れると感じました。望遠端でも問題ありません。
気になるのは歩いて撮るようなシーンでの手振れ補正。イベント会場ではカメラがひもに繋がれていて歩き撮りまでは試すことができませんでした。ジンバルほどの補正がなくても、せめて最新のスマートフォンくらいの手振れ補正を期待できると個人的にはとてもありがたいです。
追記:YouTubeでもレポートしました
YouTubeにもPowerShot V1を体験した様子を公開しました。実際にPowerShot V1で撮影した映像も紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。
まとめ:これは間違いなく売れる!キヤノン本気のVlogカメラ
「PowerShot V1」はキヤノンの一眼カメラゆずりの写真撮影性能を保ちながら、高い動画性能をコンパクトなボディに詰め込んだ優れたカメラでした。事前にプロモーションの動画や公式ウェブサイトを見て注目していた製品ですが、実際に触ってみると想像以上に良くできていて欲しくなってしまいました。
「これひとつ。それでいい。」というキャッチコピーも納得のオールインワンカメラです。写真も動画も撮れる。気軽なVLOG撮影もできるし、YouTube向けの長時間の動画撮影も可能。キヤノンの本気を感じ取れるPowerShotシリーズのフラグシップカメラです。
こんな人におすすめ!
- Vlogを始めたいけど、スマホだと物足りない人
- 旅行や日常の撮影をワンランク上げたい人
- 小型で気軽に持ち運べる高性能カメラが欲しい人
- 一眼カメラは大げさすぎるけど、画質は妥協したくない人