写真編集や動画編集の際に活躍するカラーマネジメントモニター。RAW現像やカラーグレーディングをするならモニター環境は非常に大事です。最近は安くて買いやすい製品が増えてきたので、手頃な価格の人気商品の情報をまとめました。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。RAW現像や動画のカラーグレーディングのためには良質なモニターが大事です。わたしは現在自宅にふたつのカラーマネジメントモニターを持っています。
嬉しいことに最近は一般の人でも買いやすい低価格のカラーマネジメントモニターが普及してきました。数年前ではもっと高級なモデルばかりで、カラーマネジメントモニターといえば業務用の印象が強かったです。最近は比較的安くて手頃な機種の選択肢が広がってきています。個人的に注目している商品をまとめて紹介します。
EIZO ColorEdge CS2410
カラーマネジメントモニターといえばEIZO。日本のディスプレイ市場においてもっともブランド的な価値の高い企業でしょう。高級な製品ばかりだったのですが、そこに新しく低価格のモデルが登場して話題をよんでいます。それが「ColorEdge CS2410」です。
2019年3月19日発売で、定価49,800円。カメラの祭典「CP+2019」でも展示されていました。EIZOの人とも話しましたが、EIZOでこの価格のカラーマネジメントモニターが登場するのは本当に画期的で、社員の間でも驚きだったとのことです。
もちろんハードウェアキャリブレーション可能で、保証も5年あって安心して使うことができます。この低価格を実現できた理由として、パネルがsRGBの色域であるとのことでした。たしかにEIZOのカラーマネジメントモニターといえばAdobeRGBを100%カバーできる広色域ディスプレイが標準だったので、その点はスペックが落とされています。とはいえWEB媒体で映像表現することがメインなのであればsRGBで問題ありません。アスペクト比が16:10で縦に長いのも良いですね。
EIZO CS2410の主な仕様
画面サイズ | 24型 |
---|---|
アスペクト比 | 16:10 |
パネル | IPS / ノングレア |
解像度 | 1920 x 1200 (WUXGA) |
色域 | sRGB カバー率100% |
ハードウェアキャリブレーション | 対応 |
遮光フード | 別売り |
保証 | 5年 |
発売日 | 2019年3月19日 |
売れ行きも好調のようで、発売日に出荷できる台数はすべて予約がうまってしまいました。「CS2410」はEIZO公式サイトにて購入できます → EIZOダイレクト|CS2410: カラーマネージメントモニター ColorEdge
さらに遮光フードとキャリブレーションセンサーのセットでも税込8万円ほどです。
→ CS2410・EX3センサー・遮光フードセット
BenQ SW2700PT
EIZOが伝統的に高級路線・プロフェッショナル向けであるのに対して、もう少し低価格でプロやハイアマチュア向けにラインナップが充実しているメーカーがBenQです。
参考:BenQのカラーマネジメントモニターまとめ|各種ディスプレイ性能の違いを比較
カラーマネジメントモニターを数多く販売しているBenQですが、人気モデルのひとつが「2700PT」です。AdobeRGBを99%カバーする広色域ディスプレイ。解像度も2560×1440と優れていて、遮光フードが付属するなど、カラーマネジメントモニターらしい本格仕様です。この性能で実売価格が7万円弱と非常にコストパフォーマンスが高いです。
BenQ SW2700PTの主な仕様
画面サイズ | 27型 |
---|---|
アスペクト比 | 16:9 |
パネル | IPS / ノングレア |
解像度 | 2560 x 1440 (WQHD) |
色域 | Adobe RGB カバー率99% sRGB カバー率100% |
ハードウェアキャリブレーション | 対応 |
遮光フード | 付属 |
保証 | 3年 |
発売日 | 2016年7月8日 |
レビュー記事:写真の質が上がるモニターBenQ「SW2700PT」レビュー【AdobeRGB・ハードウェアキャリブレーション対応】
BenQ SW240
BenQからはより低価格のエントリーモデル「 SW240」が新しく発売されました。こちらはSW2700PTと比べると小さい24.1型。サイズと解像度が下がるものの、色域は変わらずAdobe RGB99%カバーです。
実はEIZOのCS2410と比べてもBenQ SW240のほうがスペックが優れていて、かつ値段が安いです。デメリットとしてはEIZOの保証が5年なのに対してBenQ製品は3年なのですこし短いです。とはいえ色域が広いと映像の魅力も広がるので予算が5万円ならわたしはBenQ SW240を推します。
BenQ SW240の主な仕様
画面サイズ | 24.1型 |
---|---|
アスペクト比 | 16:10 |
パネル | IPS / ノングレア |
解像度 | 1920 x 1200 (WUXGA) |
色域 | Adobe RGB カバー率99% sRGB カバー率100% |
ハードウェアキャリブレーション | 対応 |
遮光フード | 別売り |
保証 | 3年 |
発売日 | 2018年3月24日 |
レビュー記事:コスパ最強?BenQ SW240レビュー!RAW現像・写真編集用ディスプレイに人気な理由
ViewSonic VP2468
おそらく現在販売されているカラーマネジメントモニターで最も安いのがViewSonic VP2468です。実売価格がおよそ3万円とまさに破格。ここで紹介するモニターのなかではサイズが小さいですが、ちゃんとハードウェアキャリブレーションに対応するカラーマネジメントモニターです。
わたし自身はこのモニターを実際に触ったことがないのですが、ウェブサイトやメディアの記事を見てわかるスペックは悪くありません。
参考ウェブサイト:
- ViewSonic VP2468 23.8型 ハードウェアキャリブレーション対応フルHDカラーマネージメントディスプレイ – ViewSonic JP
- 特別企画:コスパ良好!実売3万円台の写真向けディスプレイVP2468を試す – デジカメ Watch
- 【特集】米液晶ディスプレイメーカーViewSonicが日本市場再参入! ~3万円を切るカラーマネージメント対応ディスプレイなどを展開 – PC Watch
ViewSonicは主にアメリカでシェアの大きいメーカーなのですが、今後は日本でも人気が増すかもしれません。
ViewSonic VP2468の主な仕様
画面サイズ | 23.8型 |
---|---|
アスペクト比 | 16:9 |
パネル | AH-IPS / ノングレア |
解像度 | 1920 x 1080 (Full HD) |
色域 | sRGB カバー率99% |
ハードウェアキャリブレーション | 対応 |
遮光フード | 無し |
保証 | 3年 |
発売日 | 2018年3月24日 |
LG 27UL850-W
ディスプレイの大手LGもカラーマネジメントモニターを販売しています。最新機種は「27UL850-W」です。このディスプレイの良いところは4Kの解像度であることです。しかもHDR(HDR10とVESA規格DisplayHDR400)に対応。USB-Cでパソコンへの給電まで対応できるのも魅力です。
色域はsRGBまでだったり、遮光フードはつけられないので、あまり映像のプロが使っている話は聞かないのですが、便利な機能が多いので一般向けには非常に人気があります。
LG 27UL850-Wの主な仕様
画面サイズ | 27型 |
---|---|
アスペクト比 | 16:9 |
パネル | IPS / ノングレア |
解像度 | 3840 x 2160 (4K UHD) ) |
色域 | sRGB カバー率99% |
ハードウェアキャリブレーション | 対応 |
遮光フード | 無し |
保証 | 3年 |
発売日 | 2018年3月24日 |
ついでに紹介すると「32UL950-W」というよりハイグレードのカラーマネジメントモニターもあります。こちらはより広い色域でDCI-P3を98%カバー。sRGB比でいうと135%もあります。しかもThunderbolt3ポートをふたつ搭載するなど非常にハイスペックです。
LG 27UK850-W
先ほど紹介した「27UL850-W」のひとつ古いモデルが「LG 27UK850-W」です。わたしが現在使っているものです。これから買われる方は最新機種のほうを選んだほうが良いと思いますが、基本的な機能やデザインはあまり変わってないのでLG製品に興味のある方はレビュー記事をご覧ください。
参考:Macで写真・動画編集する4Kディスプレイならこれ!LG 27UK850-W購入レビュー
まとめ カラーマネジメントモニターの比較
EIZO、BenQ、ViewSonic、LG各社から低価格のカラーマネジメントモニターを各種ご紹介しました。どれが一番おすすめというものはありません。それぞれがサイズや色域、価格などが違うのでご自身のニーズ・予算を考えれば自ずと選べるようになると思います。
カラーマネジメントモニター比較表
EIZO CS2410 | BenQ SW2700PT | BenQ SW240 | ViewSonic VP2468 | LG 27UL850-W | |
---|---|---|---|---|---|
画面サイズ | 24型 | 27型 | 24.1型 | 23.8型 | 27型 |
アスペクト比 | 16:10 | 16:9 | 16:10 | 16:9 | 16:9 |
パネル | IPS / ノングレア | IPS / ノングレア | IPS / ノングレア | AH-IPS / ノングレア | IPS / ノングレア |
解像度 | 1920 x 1200 (WUXGA) | 2560 x 1440 (WQHD) | 1920 x 1200 (WUXGA) | 1920 x 1080 (Full HD) | 3840 x 2160 (4K UHD) ) |
色域 | sRGB カバー率100% | Adobe RGB カバー率99% sRGB カバー率100% |
Adobe RGB カバー率99% sRGB カバー率100% |
sRGB カバー率99% | sRGB カバー率99% |
ハードウェアキャリブレーション | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
遮光フード | 別売り | 付属 | 別売り | 無し | 無し |
保証 | 5年 | 3年 | 3年 | 3年 | 3年 |
発売日 | 2019年3月19日 | 2016年7月8日 | 2018年3月24日 | 2018年3月24日 | 2018年3月24日 |
価格 | EIZOダイレクト | Amazonで値段を確認する | Amazonで値段を確認する | Amazonで値段を確認する | Amazonで値段を確認する |
個人的な好みで言うとメインモニターの解像度は2560×1440以上ほしいです。画面のサイズと解像度はわかりやすく映像の精細さに影響するので、自分のデスク環境で使える範囲でできるだけ大きくて、解像度の高いモニターだと良いのではないかと思います。
わたしが今使っているのは下のふたつの記事で紹介しているモニターです。
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