スポンサーリンク

いま見てる色は正しくない?写真にこだわるならちょっと良いディスプレイが必要な理由【カラーマネジメントモニターのすすめ】

シェアする

写真のRAW現像やレタッチをするならぜひ気にしてほしいのがパソコンのモニターです。もし安価なノートパソコンのディスプレイを見て漠然とRAW現像・レタッチをしているのであれば要注意。写真の色をきちんと表現できていないかもしれません。カラーマネジメントモニターがなぜ必要なのか、その理由をまとめました。

色を正しく見る方法

※本記事執筆に先立ちまして、BenQ社よりカラーマネジメントモニターSW2700PTをお借りしています。

神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。写真や動画を撮ってはパソコンのモニターで映像の出来栄えを確認して一喜一憂しているAkiです。

カメラが趣味の人は、機材のどういったものに重点的に投資しているでしょうか?カメラ、レンズ、三脚、ストロボ…様々なものがありますが、重要なのに忘れられがちなのが「モニター」です。

スポンサーリンク

モニターによって見え方が異なる

モニターの映りの比較

同じ写真を4つのモニターで映して比べてみました。同じものを見ているはずなのにそれぞれで見え方が全然違うことが分かりますね。色合いも違えばコントラストも違います。ここまで見え方が違うとレタッチをするとき何を基準に考えて色の編集を行えば良いのでしょうか。

例えば右上のモニターは全体的にのっぺりとした映りです。これを見てレタッチするとシャドウをつめたり、彩度を上げたくなるかもしれません。しかし、一方で左上のモニターで見るとこの写真は明暗差があってよりこってりとした色合いに表現されています。右上のモニターを基準にレタッチして、その写真を左上のモニターで見たとしたら「やりすぎ」と感じるのではないでしょうか。

ちなみにモニターに映しているのはこちらの写真。

snapkobe-flickr

モニターには様々な種類があり、それぞれで見え方が異なります。モニターはどのような点で映りに差が出るのでしょうか。主なポイントを具体的に見てみましょう。

表示できる色

モニターによって再現できる色の範囲(色域)が異なります。色域で代表的なものが「AdobeRGB」「sRGB」です。デジタルカメラの多くはこの二つの色域を選択できるようになっています(普通、初期設定はsRGBです)。AdobeRGBのほうが色の範囲が広く、より鮮やかな緑や青を表現できます。

色空間 AdobeRGBとsRGBの比較

画像引用:Adobe RGBカラースペースの有用性 | EIZO株式会社

モニターによってAdobeRGBの色再現に対応していたり、対応していなかったりします。カメラでAdobeRGBを設定して撮影しても、モニターがAdobeRGBに対応していないとせっかくの写真の鮮やかな色を正しく表示することができません。モニターによってはsRGBの色も正しく再現できないものがあるので注意が必要です。

参考:第1回 大事なのは”正しい色”を表示できること――液晶ディスプレイの「色域」を理解しよう | EIZO株式会社

階調

色の微妙な変化、グラデーション(階調)を滑らかに表現できるかどうかもモニターの性能に影響を受けます。多くのパソコン用モニターは8bitと言う256段階(2の8乗)で色の濃淡を表現します。これがR(赤)、G(緑)、B(青)の各色で256階調あるので、全体では各色がかけ合わされ約1677万色になります。

高性能のモニターでは10bitに対応。10bitになると1024段階で色の変化を表現できるので非常に階調豊かな映像を楽しむことができます。RGB各色10bit表示となると理論上約10億7300万色にもなります。

8bitと10bitの階調の比較

画像引用:Quadro × 10bit for Photoshop – 株式会社 エルザ ジャパン

階調表現がきちんとできるモニターなら色の微妙な濃淡を見分けることができ映像のディティールまで繊細に表現されます。逆に階調を豊かに表現できないと映像にバンディングと呼ばれる縞模様が見えたり、トーンジャンプが起こることがあります。

参考:“画質の差”が丸わかり!――液晶ディスプレイの表示チェックをしてみよう | EIZO株式会社

サイズと解像度

モニターのサイズや解像度でも映像の見やすさや、見え方が異なります。サイズは24インチや27インチといった液晶パネルの大きさのこと。27インチ以上のサイズがあると写真をかなり大きく表示できるので編集作業が快適になります。

モニターの解像度

画像引用:BenQ 27型WQHDカラーマネジメント液晶ディスプレイSW2700PT | BenQ Japan

また解像度はFHD(1920×1200)や4K(4096×2160、3840×2160)などと呼ばれるものです。解像度が高いほど高精細な映像になります。モニターのサイズが大きくなるにつれ、解像度も高くならないと映像の荒れが気になるので注意が必要です。27インチサイズのモニターなら解像度WQHD(2560×1440)くらいほしいところ。

画面を見る角度・視野角の影響

液晶パネルには、大きく分けて3つの種類があります。TN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、そしてIPS(In-Plane-Switching)方式です。これらを高画質・高コストの順に並べるとIPS>VA>TNとなります。

特にIPS方式は、視野角によって見える色や輝度に変化が少ないのが特徴です。つまり画面を見る角度に関係なく均一な見た目を保っているということ。画像編集用のモニターを選ぶときはできるだけIPSタイプのものを選ぶと良いです。

参考:第4回 TN?VA?IPS?──液晶パネル駆動方式の仕組みと特徴を知ろう | EIZO株式会社

光沢があるか、ツヤ消しの見た目か

液晶ディスプレイの見た目に大きく影響を与える要素のひとつが光沢液晶か、ノングレア液晶かということです。

見た目が好ましいのはどちらかというと光沢液晶です。画面にツヤがあり色が鮮やかに、コントラストが高い見た目になります。一方でデメリットもあり、液晶に光沢があると映り込みも目立ちます。自分自身や照明が画面に映りこんでしまうので編集作業に集中できなかったり、目が疲れやすいという人もいます。光沢液晶はどちらかというと映画を見るなど映像鑑賞やゲームをする人に好まれる傾向にあります。

一方でノングレア液晶には、外光の映り込みが少なく、長時間の使用でも目への負担が軽いというメリットがあります。光沢液晶と比べると地味な映りになりがちですが、カラーマネジメントモニターにはノングレア液晶が多く用いられています。

参考:第1回 光沢液晶 vs. ノングレア液晶──それぞれのメリット/デメリットを理解しよう | EIZO株式会社

色温度や輝度の設定

モニターの構造だけでなく設定も映像の見た目に大きく影響します。特に重要なのが色温度です。色温度はケルビン(K)という単位で表し、光の色を決めます。例えば5000Kや6500Kといった数値です。5000Kは印刷をする際によく基準となる色温度です。少し赤っぽい色合いになります。6500Kは多くのPCモニターにデフォルトで設定されている色温度で、5000Kと比べると青っぽい色合いになります。

他にも液晶画面の明るさを決める輝度があります。輝度は高い方がモニターから離れたところでも見やすいのですが、通常の編集や鑑賞で使用する距離であればあまり輝度を上げすぎない方が良いとされています。

これら色温度や輝度といった設定も合わせないとモニターの見た目は大きく変わってしまうので注意が必要です。どんなに優れたモニターでも色温度が合っていないと色が正しく表示されません。

参考:第5回 同じ色のハズが設定1つで大違い――液晶ディスプレイの「色温度」を究める | EIZO株式会社

カラーマネジメントモニターの重要性

カラーマネジメントモニターが大切

画像引用:BenQ 27型WQHDカラーマネジメント液晶ディスプレイSW2700PT | BenQ Japan

安いパソコンに付属するディスプレイはやはり品質があまり良くないです。カメラが趣味ならモニターもそれ相応に優れたものを使うべきです。より具体的に言うと「カラーマネジメントモニター」が必要です。

カラーマネジメントモニターが重要な理由は主に3点です。

①映像を正しい色で見る

②イメージ通りの色で印刷する

③モニターの正しい表示を保つ

美しい映像を表現・鑑賞する

まず第一に、カラーマネジメントモニターは映像を正しい見た目で確認して編集したり、映像の品質を損なわずに鑑賞するために重要です。

上で見てきたように、モニターによって、色域、階調、サイズ、解像度、パネルの種類、液晶の光沢などに違いがあります。カラーマネジメントモニターと呼ばれる液晶ディスプレイは、それらのポイントで優れた品質にあります。

RAW現像したり、レタッチするにしても、微妙な色の変化をモニターで確認できなければ繊細な編集ができません。劣悪なモニターを使っているとレタッチの際に問題がないように見えても、印刷してみたら写真の一部が破たんしているということがあります。また、自分がいま見ている色が正しい表示だと信じられなければいくら編集しても徒労に終わります。

※ウェブ媒体をメインに写真を仕上げている場合は、最終的に写真を見る人がみんなバラバラのモニターで見ることになります。そのため残念ながら自分の期待した色で人に見てもらえる保証はありません。しかし、だからこそレタッチのためには自分が信じられる基準が必要になります。

イメージ通りの色で印刷する

写真を印刷する場合においてもカラーマネジメントモニターは重要です。自分のイメージした通り(レタッチした通り)の写真を印刷するには、モニターとプリンターの色を合わせなければならないからです。

モニターの色と印刷の色を合わせるには、モニターがどのように色を表示しているのかという情報を用意してプリンターと合わせなければなりません。その情報のことをプロファイルと呼びます。そして精度の高いプロファイルを作るにはモニターの色を計測して映りを調えるキャリブレーションという作業が必要になります。

カラーマネジメントモニターはそのようなキャリブレーション作業に対応したモニターなのです。そしてこのようにモニターやプリンターなどの異なるデバイスで色を統一することを「カラーマネジメントシステム」(CMS)と呼びます。

カラーマネジメント

画像引用:カラーマネージメント環境構築のメリット | EIZO株式会社

また最近のプリンターの色域はとても広いです。プリンターの性能をできるだけ活かすならsRGBよりもAdobeRGBで印刷した方が良いでしょう。多くのカラーマネジメントモニターはAdobeRGBに対応しています。フォトコンに応募される人など、写真の印刷をされる人はぜひAdobeRGBをカバーするモニターを手に入れてください。

参考:カラーマネージメント環境構築のメリット | EIZO株式会社

良い見た目を保持する

残念ながらどんなに良いモニターでも時間の経過とともに映像の表示に変化が現れます。だんだんとホワイトバランスが赤へ寄っていき、輝度が下がったりします。また同じブランドのモニターでも、個体差による色の違いがあったりもします。

そういった色の変化を調整して均一な見た目にするためにはキャリブレーションが必要です。

参考:なぜ必要?モニターのキャリブレーション | EIZO株式会社

またキャリブレーションにはソフトウェアキャリブレーションと、ハードウェアキャリブレーションの2種類があります。ソフトウェアキャリブレーションはパソコンから出力する色の調整を行いソフト的にモニターの表示を修正するのに対して、ハードウェアキャリブレーションはモニター側の色表示を直接調整します。ハードウェアキャリブレーションのほうがより正確な調整ができるというメリットがあります。

参考:ソフトウェア・キャリブレーションとハードウェア・キャリブレーションの違い | EIZO株式会社

カラーマネジメントモニターを買うなら

以上、見てきたように、①映像を正しい色で見る、②イメージ通りの色で印刷する、③モニターの正しい表示を保つ、といった目的のためにカラーマネジメントモニターは重要です。では具体的にカラーマネジメントモニターを選んでみましょう。

モニター選びで大切なポイントをまとめてみました。

  • サイズ
  • 解像度
  • 色域(sRGBやAdobeRGBのカバー率)
  • パネルの種類(IPSやVA)
  • 階調(8bitや10bit)
  • ハードウェアキャリブレーションが可能か
  • 端子が使用するパソコンと合うか(HDMIやDisplayPort)
  • メーカー保証
  • 各商品オリジナルの特徴
  • 価格

上記のポイントを見ながら具体的な商品をいくつか選んでご紹介します。

BenQ SW2700PT

カラーマネジメントモニターでお手頃価格なのがBenQの「SW2700PT」です。主な特徴をまとめると次の通り。

  • 27インチ
  • 解像度2560×1440
  • Adobe RGB 99%カバー
  • IPSパネル アンチグレア
  • 10bitパネル、14-bit 3D LUT対応
  • ハードウェアキャリブレーション対応
  • モノクロモード有り
  • 遮光フード・OSDコントローラー付属
  • メーカー保証3年
  • 価格:約7万円

カラーマネジメントモニターを探すといずれも10万円を超える価格のものばかりで、なかなか手が出ないものがほとんどでした。しかし、このBenQの「SW2700PT」は現在Amazonだと7万円ほど。コスパでいえばこのモニターが頭一つ抜けています。

参考:BenQ 27型WQHDカラーマネジメント液晶ディスプレイSW2700PT | BenQ Japan

※筆者は「BenQアンバサダープログラム」に参加しています。BenQカラーマネジメントモニターSW2700PTを約1か月お借りして、記事を執筆しています。しばらく使ってみて大変気にいりました。後ほどより詳細なレビューを書く予定です。

追記(2017年9月27日):BenQ SW2700PTのレビューを書きました!

BenQのPC用ディスプレイ「SW2700PT」は、AdobeRGBカバー率99%で、ハードウェアキャリブレーションにも対応。まさにフォトグラファーのニーズに応えたカラーマネジメントモニターです。約一...

ちなみにBenQにはもうひとつ上のモデルの「31.5型4K UHD Adobe RGBカラーマネージメント フォトグラファー向けディスプレイSW320」もあります。4Kの解像度はとても魅力的ですがこちらはだいぶ価格が高くなります。

EIZO ColorEdge CS2730

ディスプレイのメーカーとして大手のEIZOさんの商品「ColorEdge CS2730」もご紹介します。EIZOからは数多くのモニターが販売されていますが、「ColorEdge CS2730」は上で紹介したBenQのSW2700PTとスペックがほぼ同じです。

  • 27インチ
  • 解像度2560×1440
  • Adobe RGB 99%カバー
  • IPSパネル アンチグレア
  • 10bitパネル、16bit LUT対応
  • ハードウェアキャリブレーション対応
  • Quick Color Match
  • メーカー保証5年
  • 価格:約13万円

特徴としてはかんたん写真プリント色合わせツール「Quick Color Match」を使用できること。キヤノンやエプソンから特定のプリンターや印刷用紙を用いるだけで複雑な設定をすることなく自動で色合わせを行えるソフトです。

参考:Quick Color Match かんたん写真プリント色合わせツール | EIZO株式会社

SW2700PTと比べると値段はCS2730のほうが高く、遮光フードが別売りということもあって少し割高な印象。EIZOを選ぶメリットはやはりブランドの信頼性でしょう。メーカー保証がEIZOのほうが長く5年保証です。

参考:

また上記のモニターの性能を活かして高度なキャリブレーションを行う際にはキャリブレーションセンサー(測色センサー)を別途購入する必要があります。

カラーマネジメントは勉強が必要

モニターの特性や重要性などについて書きましたが、カラーマネジメントを正しく行うためには基礎的な知識が必要になります。ウェブをメインにしている場合はあまり心配ないかもしれませんが、印刷を行いたい人は一度カラーマネジメントについて勉強してみることをおすすめします。

書籍やウェブサイトに参考になる情報がたくさんあります。例えば、この記事ではEIZOのウェブサイトを参考リンクとして数多く掲載しました。

参考:EIZOライブラリー – 基礎知識 | EIZO株式会社

おすすめの本を次の記事で紹介しています。

写真の現像やレタッチ、動画のカラーコレクション・カラーグレーディングなど、映像作品を仕上げる重要な工程です。なんとなく自己流で取り組んでいる人が多い分野かもしれません。土台となる基礎知識を学びたい人や...

まとめ

モニターは映像のクオリティを大きく左右します。正確な色を持続的に表示して、イメージ通りの印刷を行うにはカラーマネジメントモニターが必要です。少しお金を払えばプロでも使えるような品質のモニターが買えます。高級なレンズを買うよりも、カラーマネジメントモニターを使ってレタッチをするほうが写真のクオリティは上がると思います。写真や動画の撮影が趣味ならぜひちょっと良いモニターを手に入れてください。

こちらの記事もおすすめです

カメラ初心者の方に向けたカメラ関連道具のご紹介です。とりあえずカメラを買ったらもうあとは撮るだけなんて思っていませんか。カメラを買うとけっこう色々なものが必要になったり欲しくなったりするんです...
三脚をつかって撮影をされていますか?カメラ初心者の人はまだ三脚を持っていない・使ったことがない人が多いかもしれません。この記事では三脚を使えばどのような写真撮影ができるのか、三脚を使うメリットについて...
「カメラを始めたばかりで使いこなせない」、あるいは「イメージしたような写真が撮れない」という悩みを抱えていませんか?そんな人はぜひ本を読んで勉強してみてください。ちょっと知識があると写真がぐっと良くな...
使ってないカメラやレンズを売りたい!あるいは新しく買い換えるために今持っているものを売りたい!という人は多いのではないでしょうか。せっかく売るならできるだけ高く買取りしてもらいたいですよね。複数の...
カメラやカメラ用交換レンズのレンタルサービスをご存知でしょうか。購入の参考に試し撮りしたり、旅行や記念日などで一時的にカメラ機材が必要になったときに便利です。プロ向けの機材貸し出しサービスもあれば...

当サイトをご覧いただきありがとうございます!

「神戸ファインダー」は豊富な写真と動画で神戸の魅力を発信するブログ型情報ウェブサイトです。サイト運営者Akiが気になるカメラや関連機材についても国内外から情報を集め記事にしています。

記事を気に入っていただけましたらSNSでシェアをよろしくお願いします。
FacebookTwitterYouTubeInstagramなどでも情報発信していますのでフォローよろしくお願いいたします。シェアとフォローは下のボタンからご利用いただけます。

質問があればお気軽にコメントやSNSでお知らせください^^