カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+」に参加してきたのでその感想をブログでお伝えします。4年ぶりのリアルイベントの開催ということで、はるばる横浜まで新幹線に乗って行ってきました。
4年ぶりのリアル開催となったCP+2023
「CP+」(シーピープラス)とはカメラの展示ショーのイベントです。カメラメーカーや写真・映像に関わる企業が集結して展示を行い、一般参加者はさまざまな製品やサービスを体験できます。各種セミナーや、アウトレット品の販売などもあり、多くのカメラファンが集まる一大イベントです。例年2月下旬から3月頭頃に開催。
筆者は2019年に初めてCP+を訪れて、非常に有意義な時間を過ごすことができました。その後のCP+も楽しみにしていたのですが、昨今の感染症の影響でイベントそのものが中止になったりオンラインのみの開催になってしまい、残念で物足りなさを感じていました。今年は4年ぶりに会場に人を集める形でのイベント開催へ。ひさびさにパシフィコ横浜にCP+が帰ってきました。
とはいえ場所が横浜ということで、関西からは遠いので個人的に行くかどうかは迷うところ。どうしようかと考えていると、以前お仕事でご縁のあった Synology さんがCP+招待の連絡をくださいました。せっかくの機会なのでありがたくご招待を受けて横浜まで旅行することにしました。
わたしの CP+2023 体験
CP+の会場でわたしが体験したことをご紹介します。たくさんのブースがあるなかで特に印象的だったところをレポートします。
キヤノン
わたしがキヤノンのカメラユーザーということもあって、キヤノンブースはすごく楽しめました。今回特に良かったのは、プリンター体験のコーナー。キヤノンのプリンターをつかって、自分が持ち込んだ写真データ(SDカードかスマホに入っているJPEG)を印刷してもらうことができました。
2Lサイズならプリンターは「PIXUS XK500」。A4サイズなら染料の「PRO-S1」か、顔料の「PRO-G1」で印刷してもらえます。キヤノンのスタッフの方の案内によると染料の S1 のほうが鮮やかな発色、顔料の G1 のほうが黒がしっかり出てシャドウの階調がきれいに出るとのこと。用紙は光沢紙とマット紙から好きなほうを選ばせてもらえます。
わたしは落ち着いた雰囲気のかっこいい写真プリントがほしいと思ったので、顔料(PRO-G1)とマット紙の組み合わせを選ばせてもらいました。写真は迷ったものの、家に飾るなら風景が良さそうだと考えて、神戸の布引の滝で撮った一枚を選びました。
スマホやパソコンのディスプレイで見る写真も好きですが、印刷すると同じ写真でもまたちがった表情を見せてくれて楽しいです。デジタルガジェットのあふれる昨今だからこそ、昔ながらの紙に印刷という手法が特別感があって良いです。
キヤノンブースでは、新製品の EOS R8 や EOS R50を含むカメラ・レンズの撮影体験、VRコンテンツの体験などのコーナーもあり、いずれも盛況でした。CP+の感想をTwitterで検索して見ていると、キヤノンのブースで BMX(バイシクルモトクロスという自転車競技)のパフォーマンスを撮った投稿が数多くありました。機材の性能に関するコメントや、撮影の楽しさ、難しさを語る人が多くいらっしゃり、参加者が満足している様子を知れました。
Powershot PICK(自動撮影カメラ) や PowerShot ZOOM(撮れる望遠鏡) などのユニークなコンセプトのカメラの展示もありました。こちらは EOS R シリーズの展示と比べるとあまり撮影環境が整えられているわけではなかったので、カメラの魅力を体験するのはやや難しい印象でした。それでも Powershot PICK が保育の現場で活用されている話などを聞くことができて、今後の発展を期待できそうだと感じました。
Powershot PICK は個人的に注目している製品でわたしも実際に使用しています。特にお子さんがいるようなファミリー層に人気の商品なので、CP+の展示もそういった方々にも訴求できるような工夫がされることを期待したいです。
関連記事:キヤノンの自動撮影カメラPowerShot PICK1年使用レビュー!思い出を記録してくれるかわいいロボットカメラ
銀一(Peak Design、WANDRD など)
銀一のブースでは同社が取り扱う様々なブランドの製品が展示されていました。わたしは Peak Design ファンなので、Peak Design 製品をいろいろとじっくり見させてもらいました。特にウォッシュポーチのスモールサイズはコンパクトかつポケットが豊富でよかったです。一応洗面用品を入れることを想定されたポーチですが、ガジェットポーチとして使うのにも向いてそうです。
WANDRD製品も注目していて、わたしが愛用している ROAM SLING も展示されていました。しかもわたしが知らないカラーバリエーションも増えていて新たな発見がありました。
参考:WANDRD ROAM SLINGレビュー!体への負担が少ないスリングバッグとPCケースが便利
Synology
お世話になっている Synology のブースももちろん訪れました。社員さんと新製品や近況について話ができたほか、studio9 の中原さんのセミナーを聞くことができました。
中原さんは普段の写真編集に使用するファイルもすべて NAS に置いて作業しているそうで、かなり徹底して NAS を活用しているようです。仕事の写真の納品にも NAS のサービスを利用されているとのことで、同じ NAS ユーザーでもわたしとは異なる運用の仕方で参考になりました。
わたしももっと自分の NAS の使い方について情報発信していきたいと思います。NAS があれば家族・友人との写真・動画の共有がお手軽にできるほか、複数のPCで同じ作業ファイルにアクセスできるなど、さまざまな便利な活用方法があります。すでに書いている記事もあるので興味のある方はぜひご覧ください。
参考:新しくなったSynology Photosを使ってみたレビュー!NASで写真・動画を整理・共有できる便利なアプリ
参考:NASを高速化!10GbE対応化で写真や動画のデータ管理・バックアップ体制を整えてみた
またCP+の特別フォトコンテストを実施。モデルの霧島聖子さんを迎えて、来場者が撮影した写真をSynology の NAS にアップしてもらうという取り組みです。わたしは参加できませんでしたが、最後にその写真一覧を見て優秀作品を選出するというセッションが行われたそうです。
CP+2023ではNASの女神❤️霧島聖子様 @renna1208 がSynology ブースに降臨してくださり、最終日まで盛り上げてくださいました!本当にありがとうございました😭✨
— Synology Japan (@SynologyJapan) February 26, 2023
フォトコンテストにご参加いただいた皆様も、ありがとうございました🥰 https://t.co/UlCu0OEz0m
CP+にあわせた特別セールも実施中です。これはかなりお得なので NAS を買うならこのタイミングが超おすすめです。
CP+2023会場イベント終了しました🎊
— Synology Japan (@SynologyJapan) February 26, 2023
Synology ブースにお越しいただいた皆様、ありがとうございました☺️✨
CP+を記念したキャンペーンは3月5日(日)まで開催中です!対象モデルが15%以上OFFで大変お得です🉐
NASに興味を持った方、この機会にぜひ導入してください🥳
詳細はRT参照👇 https://t.co/XmiLZcaCHm
個人で使うのであれば「DS220+」、「DS420+」、「DS923+」などがおすすめです。初心者に人気なのは「DS220+」。お手軽に始められてNASがどんなものなのかわかるので入門に良いと思います。たくさん写真や動画を撮る人は4ベイ以上のモデル「DS420+」、「DS923+」などがおすすめです。4ベイを買えば、最初は2ベイだけ使ってあとから容量が足りなくなったら追加でHDDやSSDを入れるという運用もできます。
写真のプリントに関わる展示
写真のプリントに関する展示も数多くありました。
- メタルプリント
- 刻鈑
- フレスコジクレー
- 東京印書館
「メタルプリント」はアルミ製のフォトプリント。表面に特殊なコーティングをしたアルミの板に写真を転写して仕上げているそうです。とても鮮明な画質であるうえに、色あせない耐久性や水拭きもできる管理のしやすさも魅力です。実際に本物を見てみるとかなりきれいな仕上がりでしたし、手に持つと意外と軽いので飾りやすそうです。これは実際に自分も利用してみたいと思いました。
「刻鈑」(こくはん)は金属を削って写真を表現するサービス。こちらは金属の質感によってかなり独特で印象的な表現ができます。光の当たり方や見る角度によっても表情が変わっておもしろいです。耐久性にも優れています。主に事業者向けのサービスなので、大型のサイズの発注が基本のようです。
「フレスコジクレー」は写真を印刷する用紙。未硬化の新鮮な漆喰をシート化して、写真を印刷できる用紙として開発したのだとか。漆喰の質感が写真のやわらかさや奥行き感を表現してくれておもしろいです。
出版社の「東京印書館」は、個人向けの写真集制作プランを紹介していました。出版社で働くプリンティングディレクターに立ちあってもらいながら、自分の写真集を制作できるサービスです。「入稿会議」にはじまり、「色校打ち合わせ」、そして最後に「印刷」と全3回にわたりプロと相談する機会があるそうです。ユニークなサービスでおもしろいですね。
LUMIX
カメラメーカーの撮影体験はどこも人気で混雑していました。そんななかわたしが訪れたのはパナソニックの LUMIX ブース。今年の CP+ ではフルサイズの LUMIX S5II がイチオシの製品らしいので、こちらのタッチ&トライをさせてもらいました。
ところが製品横にいるパナソニックの担当スタッフが製品に詳しくないようで、カメラの機能や使い方について質問してもちゃんとした回答がもらえずモヤモヤする体験となってしまいました。撮影していて気になったところも、それが仕様なのか、扱いしだいでどうにかなるのかも判断がつきません。
わたしは 2022年に LUMIX GH6 を購入しており、まだまだ歴は浅いものの LUMIX ユーザーです。もっとLUMIX のカメラに知りたいと思っていて、せっかくのこの機会に新型の LUMIX S5II を試写できるのが楽しみでした。進化した AF 性能や新搭載の「リアルタイムLUT」に注目していたのですが、その真価についてはよくわかりませんでした。
わたしは数年前にもパナソニック新製品のカメラを試させてもらったときに社員さんが製品にあまり詳しくなくて残念な体験をしたことがありました。「またか…」という感じで、他社と比べてカメラに詳しいスタッフの層が薄いのだろうかと思ってしまいました。CP+にじゅうぶんなスタッフを用意する難しさは想像できますが、せっかくリアルな場でユーザーと接する機会を作っているのであれば、日ごろからそういった場面を想定して準備を整えてほしいです。
ギャラリー「わたしの自由区」
「わたしの自由区」というスペースには大学の写真サークルなど、若い世代の人たちの作品が展示されている場所がありました。いまどきの若者がどのような感性でどのような写真を撮っているのか興味があって拝見しました。瑞々しさも拙さも、若いってやはり良いなあと思う展示でした。
学生の方がいらしたので話を聞いてみると、「カメラのシャッターを切る音が好き」だったり、「フィルムのできあがりを待つ過程が楽しい」といった話が聞けて、意外と時代に左右されない魅力がいまも生きているのだと感じました。若い世代との交流は上の世代にとっても有意義だと思います。こういった取り組みはぜひ今後も続けてほしいと思いました。
横浜観光も楽しんだ
せっかくの遠出なので横浜観光も楽しみました。横浜は何度か来たことがあるもののあまりちゃんと観光したことはなかったので今回はかなり充実した時間を過ごせました。
中華を堪能
2019年にCP+を訪れた際には、そこで出会った人たちとCP+後に中華を食べに行きました。とてもおいしくてとても楽しい時間だったので、今回も横浜で中華料理を食べるのを楽しみにしていました。
特に食べたいと思っていたのが、梅蘭の焼きそば。表面がカリカリになっていて中には豚肉やニラ、もやしなどの餡が入っています。見た目にインパクトがあって気になっていたのですが、実際に食べるとめちゃくちゃおいしかったです。
うれしかったのが新幹線で着いた新横浜に梅蘭の店舗が入っていたこと。横浜に着いてすぐに食べられました。「横浜に来たぞ!」という高揚する気持ちのなか、おいしい中華で旅をスタートできたのでとてもご機嫌になりました。この梅蘭焼きそばは通常のメニュー以外に「特製海鮮梅蘭焼きそば」というのもあるらしいので次はそれを食べてみたいです(ちなみに実は大阪にも店舗があるらしい)。
中華街でもたくさんの中華を堪能しました。「重慶茶樓」というお店で食べた点心の数々が絶品でしたし、「皇朝茶樓」というお店は朝から営業していたのでモーニングで中華粥をいただきました。いずれのお店もリピートしたいと思えるくらい素晴らしい。あと横浜家系ラーメンも食べたし、洋菓子やパン屋さんにも行って横浜のおいしいものをたくさん食べた旅になりました。
横浜っぽい景色を満喫
赤レンガ倉庫のあたりを散策したり、大さん橋のほうから横浜の夜景を見たりしました。カメラをもって歩くのにぴったりの街ですね。
今回と次のCP+に思うこと
最後にCP+2023全体の感想と今後のCP+について思うことを書きます。
まずはイベントを開催してくれたことに感謝。さまざまな制約のあるなかで、これだけ大規模なイベントを運営するのは大変な苦労だったと思います。多くのかたの努力のうえで成り立っているイベントであることは間違いありません。携わった方々にお礼を申し上げたいです。
オンラインではなくリアルの場で人が集まって交流できるのはとても貴重で意義のあることだと考えています。もちろんオンラインでも楽しめる環境も大事なのですが、人が実際に接することでしか得られない刺激もたくさんあります。今後もリアルでのイベント開催を強く希望します。
一方でCP+は以前から課題を抱えるイベントでもあります。CP+はどうしても男性の参加者が目立つ会場で、女性は少なめ、家族連れとなるとほとんど見かけません。展示内容も自ずと男性の参加者に合わせたものになりがちなので、女性や子どもも安心して来られるようなイベントになってほしいですね。
次回CP+2024は、2024年2月22日から25日まで開催の予定とのこと。個人的にはまた次も横浜に行って、いろんな人と会って話せればうれしいと考えています。刺激をもらうだけでなく、自分もほかの参加者に良い刺激を与えられるようになりたいので、ここからまた一年しっかり活動を続けたいです。