ロジクールのウェブカメラ「StreamCam」(C980)をレビューします。 フルHD(1920 x 1080)、60 fps に対応。ウェブカメラとしてはやや高級な商品です。その画質が実際どの程度良いのか、カメラの映りの特徴などを詳しくお伝えします。ほかのウェブカメラとの画質比較もしているのでぜひ参考にしてください。
こちらの製品はレビュー用にロジクール社よりご提供いただきました。
公式ウェブサイト:ロジクールStreamCam – フルHD 1080pストリーミングウェブカメラ
ロジクール StreamCam C980 の特徴と仕様
ロジクール StreamCam C980 は高画質のウェブカメラです。対応解像度は最大でフルHD(1920 x 1080)。フレームレートは最大で 60 fps に対応します。レンズは f/2.0 と明るいのでやや暗い環境でも鮮明に撮影できます。
視野角は 対角78° となっており、比較的広い画角です。カメラと被写体の距離が近くても無理なく撮影できます。
オートフォーカス機能搭載で、10cm の距離から無限遠までピントが合います。
デュアル無指向性マイクを搭載。カラーは、ホワイト(型番:C980OW)とグラファイト(型番:C980GR)の2種類があります。メーカー保証は2年間の無償保証があります。
パソコンのシステム要件としては、Windows 10 以降、または macOS 10.14 以降。Win 11 の PCでも使用可能でした。また USB-C 接続のカメラなので、Type-C USB 3.1 に対応している必要があります。
ケーブルはカメラと一体型になっています。ケーブルの長さは 1.5m です。
パソコンに USB-C ポートが足りない場合は増設できるハブの利用をおすすめします。筆者は以下のハブを経由してロジクール StreamCam C980 を利用しています。
ウェブカメラはモニターの上に設置するのが一般的だと思いますが、位置を自由に調整しやすいように付属の三脚マウントに換装することもできます。
このような卓上スタンドを用いれば、カメラの位置や向き、高さの調整がより自由にできるので便利です。
ロジクール StreamCam C980 の画質
ロジクール StreamCam C980を実際に利用して撮影を行いました。
写真の画質比較
まず Windows 標準搭載のカメラアプリで静止画を撮影したのでご覧ください。被写体がおじさんなのはすみません。
比較対象としてマウスコンピューターのウェブカメラCM02 で同じように撮影してみました。
画質の違いが分かりやすいように、ふたつの写真を横並びにしてみました。
こうして比較してみると、右側のロジクール StreamCam C980 のほうが鮮明で高画質なことがわかります。また、StreamCam はより明るめに映る傾向があるようです。色味はややマゼンタよりで、ピンクがかった色になる特徴が見てとれます。カメラの色はソフトで補正することも可能ですが、特に補正なしでも人が健康的できれいに見えるように意図的に絵作りされている印象を受けました。
せっかくの機会だったのでほかにもカメラを用意して画質比較をしてみました。追加したのはキヤノンの一眼カメラEOS Kiss M と、ソニーのコンパクトデジタルカメラ RX100Ⅶ です。これらのカメラはメーカーが無料で提供しているソフトをパソコンにインストールすれば、USB接続でウェブカメラとして利用できます。
キヤノンやソニーのカメラは10万円近い価格の機種なので、ウェブカメラとして利用してもやはり高画質です。比べてみるとそれぞれのカメラの特徴がよくわかります。どれも補正なしの画像ですが、それぞれで色味や明るさが異なります。個人的にはロジクールの StreamCam は本格カメラと比べて値段がずいぶん安いわりに画質や色味が良いバランスに仕上がっているように思いました。
動画の画質比較
動画の画質比較テストも行いましたので参考にしてください。収録ソフトはOBSを利用しています。
なお音声の収録にはロジクール社が販売する 「Blue Yeti X」を使用しています。こちらのマイクは StreamCam C980 と同様にレビュー用にロジクール社よりご提供いただきました。
まずはふつうの撮影テストです。4つのカメラで撮影した映像を並べています。
次に照明環境を変えて撮影テストを行いました。ライトをひとつ足しただけですが、それぞれのカメラの映像の印象がまた変わると思います。使用環境の違いによる画質変化、および4つのカメラの映像の違いを参考にしてください。
さらにロジクールはカメラやマイク、ヘッドフォンなどのハードウェアをさらにパワーアップしてくれるソフトウェアも充実しています。「ロジクール G HUB」というソフトを使えば、StreamCam C980 の映像を手軽にカスタマイズすることが可能です。
参考:ロジクールG HUBアドバンスト ゲーミング ソフトウェア、RGB & ゲームプロファイル
このソフトをつかって映像をカスタマイズする様子を録画したので、ぜひ参考にしてください。
またこれ以外にも Logicool Capture という録画・配信ソフトも利用できます。
参考:Logicool Capture ビデオ録画 & ストリーミング ソフトウェア
なおキヤノンやソニーのウェブカメラ機能に利用したソフトは以下のものです。
ロジクール StreamCam C980 を使った感想
ロジクール StreamCam C980 は見た目は小さくて、USBケーブルでつなぐだけのシンプルなカメラですが、使ってみるとちゃんとした高画質のウェブカメラでした。導入の手間が少なくて、価格もそこまで高くないわりに画質が良い、というのがわたしの評価です。このバランスの良さがとても魅力に感じました。
筆者は一眼カメラをウェブカメラにして、高画質の録画・配信環境を整えたこともあります。こだわれば画質・音質を向上させることはたしかにできるのですが、そうなると相応の手間と費用がかかってしまいます。
参考:一眼カメラをWEBカメラにしてテレビ会議した方法と工夫したポイント
一方でロジクールの StreamCam C980 はUSBケーブルでつなぐだけですぐに使えるのでとても簡単に導入できます。シンプルなセットアップでFHD 60fps に対応できるのはとても魅力的に感じました。小さなカメラなので位置の調整もしやすいです。USBで動作するので電源の心配もありません。さらに無料で使えるソフトの「ロジクール G HUB」を合わせて利用すれば、映像のカスタマイズも可能になります。
安物のカメラよりも明らかに画質が上がります。そこそこの投資と少ない手間でワンランク上の配信環境を実現できます。あまり大げさにはしたくないけど、ちょっとクオリティにこだわりたいというユーザー層にちょうど良い製品だと思います。コスパの良さが光る商品だと感じました。個人的には今後も使い続けたいと思うナイスガジェットです。