マウスコンピューターから新しく発売されたクリエイターPC「DAIV DD」シリーズを紹介します。DAIV DD の魅力や製品ラインナップ、従来の DAIV デスクトップパソコンと比べてどのような違いがあるのかを解説します。以前からの DAIV ユーザーの筆者が新型 DAIV を実際に使ってみた感想をお伝えします。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。DAIV ユーザーの Aki（@Aki_for_fun）です。
マウスコンピューターから楽しみな新製品が出ました。クリエイターPC の DAIV DD シリーズです。今回はレビュー用に「DAIV DD-I9G90」をお借りしたので、新しくなった DAIV のデスクトップパソコンが、従来のパソコンと比べてどのように変化したのか紹介します。新製品のDAIV DD シリーズの魅力はもちろん、現在も販売されている旧型の DAIV シリーズのメリットについてもお伝えします。
ニュースリリース：DAIV、デスクトップシャーシをリニューアル！ハイエンドCPUとグラフィックスカードの同時搭載が可能～好評のハンドル・キャスターは踏襲～｜マウスコンピューター【公式】
DAIV DD スペシャルサイト：表現への入り口はココだ。｜DAIV DDシリーズ｜マウスコンピューター【公式】
追記：2023年4月11日にマウスコンピューターの製品の型番が一斉に変更となりました。それに伴い本記事で紹介している「DAIV DDシリーズ」は「DAIV FXシリーズ」に変更となりました。
参考：【ご案内】製品型番一斉変更のお知らせ: ｜マウスコンピューター【公式】
DAIV DD は新型のケースで使いやすく高性能に進化
マウスコンピューターが2023年1月にクリエイター向けPCブランドの DAIV をリニューアルして、新型のデスクトップパソコン「DAIV DD シリーズ」を発売しました。従来の DAIV はさまざまなパーツ構成のデスクトップパソコンを展開していたものの、シャーシ（パソコンの外側を覆うケース部分のこと）は1種類のみでした。
DAIV DD シリーズでは新たに設計された新型シャーシを採用。シャーシが新しくなるのは2016年3月にDAIV デスクトップパソコンが登場して以来初めてなので、およそ7年ぶりとなる新デザインの登場です。新設計のシャーシでは、現代のトレンドに合わせたデザインと機能性を提供しています。また従来の DAIV では搭載することができなかった大型パーツの構成を実現。高性能な CPU やグラフィックスカードを載せられます。
（2023年3月時点）
- DAIV DD シリーズ（フルタワー）
- DAIV Z シリーズ（ミドルタワー）
- DAIV A シリーズ（ミドルタワー）
最新の高性能 CPU /GPUに対応した 新型ケース
従来の DAIV のパソコンは「ミドルタワー」という規格のケースを採用していました。エントリーからハイエンドまで幅広く対応できるバランスに優れたケースですが、近年のPCパーツの高性能化と大型化に伴い、一部のハイエンド CPU やグラフィックスカードに非対応でパーツ構成に制限がありました。
新型の DAIV DD は「フルタワー」の大型ケースです。ケース内にスペースの余裕ができたことによって大型なパーツを搭載したり、排熱性を改善することに成功。これにより多様なパーツ構成のパソコンが選べるようになりました。新ケースではより高性能なCPUや、RTX3070Ti 以上の大型なグラフィックスカードの組み合わせも可能です。
最新で高性能なパソコンがほしい人に新型の DAIV DD シリーズがおすすめです。特にプロレベルのクリエイターPCが必要な人には DAIV DD でなければ選べない構成が多いです。
これまではこのクラスのパソコンを選ぶには選択肢が少なく、いわゆる「ゲーミングPC」のブランドに頼らざるを得ませんでした。新たにクリエイター向けのPC でプロフェッショナルなパソコンを選べるようになったのは大きな変化です。
機能性は DAIV らしさを踏襲しながらもスマートに進化
DAIV DD シリーズの外観の特徴についても見てみましょう。
新しいケースでは、パソコンの上部に電源ボタンやUSB、ヘッドフォンを繋げるオーディオ端子などのインターフェイスが整えられています。USB-A がふたつ使えるだけでなく、最近使用頻度の増えているUSB-C にもひとつ対応しています。従来の DAIV のケースでは電源ボタン周りには USB-C が非搭載でした。
ケースの前面にはオプションで光学ドライブを取り付けることもできます。
また従来の DAIV でも特徴的だった「パソコンを移動する機能」も搭載。パソコンの移動を補助するハンドルとキャスターを備えています。机の下で前後に移動させたいときや、スタジオなどで利用していてパソコンを動かしたいときなどに便利な仕組みです。
ハンドル部はラバーで保護されており握りやすいです。またキャスターがあるからといって安定性が犠牲になることもなく、安全に設置することができます。
DAIV DD と従来の DAIV のケースの比較
次にDAIV DD と従来の DAIV のケースの比較をしてみましょう。筆者は以前からの DAIV ユーザーなので私物の DAIV と新型の「DAIV DD-I9G90」を並べてみました。
まず見てとれるのは、DAIV DDのほうが大きいということです。どちらも比較的大型のデスクトップパソコンですが、DAIV DD のほうが高さも幅もあります。そして重たいです。箱から取り出すときはひとりだと難しいくらいなので、誰かに手伝ってもらうかオプションの「出張設置サービス」の利用をおすすめします。
マウスコンピューターの「出張設置サービス」では、パソコンを設置したり、ディスプレイやキーボードなどの関連機器の接続、さらにインターネット回線との接続やメールの設定などをサポートしてくれます。プランが複数あり、パソコンの注文のオプションの項目から選ぶことができます。
参考：出張設置サービス｜マウスコンピューター【公式】
色はどちらもブラックですが、新型DAIV DDは光の当たり方しだいではややグレーがかって見えます。旧型のほうが質感はより武骨でクールな印象であるのに対して、新型はよりスマートで落ち着いた印象を受けます。
旧型 DAIV は電源ボタンが非常に特徴的。銀色のダイヤルを回転させることで電源が入ります。エンジンをかけるようにしてPCを起動できるようなこだわりのデザインで、多くのユーザーから好評でした。新型 DAIV ではこの電源スイッチがなくなってしまったのでそれを惜しむ声も聞きました。
新型 DAIV DD は電源スイッチなどがケースの天面に備えられています。デスク下に設置した場合にアクセスしやすくて使い勝手が良いです。パソコンが大型化したこともあって床置きするユーザーが多くなることを想定しているのかもしれません。
またDAIV DD ではフロント部のスペースが空いたおかげでそこに大きな吸気口を設けることができました。効率的なエアフローを実現し、パソコンの高性能化に伴い難しくなっている排熱の問題をうまく解決しています。
高性能なパソコンは稼働中にたくさんの熱が発生するので、それをうまく抑えて排熱する仕組みが重要です。今どきはノートパソコンやスマホも優秀なのですが、本当に高度な処理能力を発揮するにはどうしても筐体の限界があります。デスクトップパソコンの大きなフルタワーケースだからこそCPUやグラフィックスの真価を発揮することができて、安定的に運用できます。
ただし新型 DAIV では以前はオプションで選べたカードリーダーが搭載できなくなりました。SDカードなどの記録メディアを接続したい場合は、別途カードリーダーやマルチポートを搭載したUSBハブが必要になります。
旧型のDAIV デスクトップPC であればオプションでケースのフロント部にマルチカードリーダーをつけることが可能です。この点はDAIV Zシリーズや DAIV Aシリーズのメリットと言えるでしょう。
DAIV で特徴的だったコロコロのキャリーは新型 DAIV DD でも搭載されています。新型のほうはコロコロ部分が後ろにすこし出っ張っています。
表：DAIV の比較
| DAIV DD | DAIV Z / DAIV A | |
|---|---|---|
| サイズ | フルタワー（大きく重たい） 高さ525mm 幅220mm 奥行き530mm | ミドルタワー 高さ490mm 幅190mm 奥行き501mm |
| 電源 | ボタン式 ケース天面に搭載 | 横に回転させる方式 ケース前面に搭載 |
| 光学ドライブ | ケース前面に搭載 ※オプション | |
| カードリーダー | 非搭載 | ケース前面に搭載 ※オプション |
| キャリー機能 | 対応 | |
DAIV DD のラインナップとおすすめモデル
NVIDIA GeForce搭載モデル（写真編集・映像制作など向け）
DAIV DD シリーズのなかで特に売れ筋なのは NVIDIA GeForce シリーズのグラフィックスを搭載したモデルです。イラスト、DTP、RAW現像、映像制作など様々な分野のクリエイターにおすすめのラインナップです。
DAIV ZシリーズやDAIV Aシリーズを含めたラインナップ全体を見たときのDAIV DD の位置づけは下の画像のようになります。
上の画像に図示されるように、DAIV DDの機種はどれもDAIV のなかで特にハイスペックです。DAIV Z シリーズや DAIV Aシリーズでは物足りない人に向いているモデルです。そのぶん価格も高めになるので、もう少し予算が限られている人にはDAIV ZシリーズおよびDAIV Aシリーズがおすすめです。
表：DAIV DD シリーズのラインナップ
| 名称 公式サイトのリンク | DAIV DD-I9G90 | DAIV DD-I7G80 | DAIV DD-I7G7T DAIV DD-I7G7T | DAIV DD-I7G70 |
|---|---|---|---|---|
| CPU | i9-13900KF | i7-13700KF | i7-13700KF | i7-13700KF |
| グラフィックス | GeForce RTX 4090 | GeForce RTX 4080 | GeForce RTX 4070 Ti GeForce RTX 3070 Ti | GeForce RTX 3070 |
| メモリ | 64GB | 32GB | 32GB | 32GB |
| SSD | 2TB | 1TB | 1TB | 1TB |
| 定価 | 679,800円～ | 539,800円～ | 489,800円～ / 389,800円～ | 369,800円～ |
プロフェッショナル（CG・CADなど向け）
またDAIV には主にCGやCAD用途に向けたグラフィックスカードを搭載した「プロフェッショナル」ラインもあります（下の画像参照）。NVIDIA RTX A6000やNVIDIA RTX A4000、NVIDIA T1000、NVIDIA T400などのグラフィックスを選べます。建築家やプロダクトデザイナー、3Dアーティストなどに人気のラインナップです。データサイエンスや機械学習の分野にも向いているパソコンです。
表：DAIV DD シリーズのラインナップ
| 名称 公式サイトのリンク | DAIV DD-I7N60 | DAIV DD-I7N45 | DAIV DD-I7N40 | DAIV DD-I7N2A |
|---|---|---|---|---|
| CPU | i7-13700KF | i7-13700KF | i7-13700KF | i7-13700KF |
| グラフィックス | RTX A6000 | RTX A4500 | RTX A4000 | RTX A2000 |
| メモリ | 64GB | 32GB | 32GB | 32GB |
| SSD | 2TB | 1TB | 1TB | 1TB |
| 定価 | 999,900円～ | 609,800円～ | 419,800円～ | 389,800円～ |
| 名称 公式サイトのリンク | DAIV DD-I5N1A | DAIV DD-I5N04 |
|---|---|---|
| CPU | i5-13400F | i5-13400F |
| グラフィックス | NVIDIA T1000 8GB | NVIDIA T400 |
| メモリ | 16GB | 16GB |
| SSD | 500GB | 500GB |
| 定価 | 279,800円～ | 229,900円～ |
DAIV のセール品が熱い！
マウスコンピューターはセールを定期的に開催しています。対象製品や割引額はその度に変わるのですが、かなりお買い得なのでパソコンの購入を検討している場合はまずセール品のページを確認することをおすすめします。
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