キヤノンの望遠ズームレンズ「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」を買いました。EOS Kiss Mなどキヤノンのミラーレス一眼カメラEOS Mシリーズ(EF-Mマウント)で使えるレンズです。作例写真とともにこのレンズの魅力や使い方をレビューします。
キヤノン EOS Mシリーズ用の望遠ズームレンズ
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。 キヤノンのミラーレス一眼カメラ EOS Kiss M に望遠ズームレンズ EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM をつけて京都まで遊びに行ってきました。まだ2回持ち出しただけなのですが、非常によく撮れて気に入ったので作例写真とともにレンズの特徴や性能をお伝えします。
今回使っている機材は初心者向けのお手頃価格のカメラとレンズ。さらに言えばカメラボディは世代がひとつ古い型落ちのモデルです。こういった機材でもきれいな写真が撮れます。これらのカメラやレンズはユーザー数も多いと思うのでぜひ活用してほしいです。
EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM の仕様
マウント | キヤノンEF-Mマウント(EOS Mシリーズに対応) |
---|---|
焦点距離 | 55-200mm |
手振れ補正 | 3.5段分(CIPAガイドライン準拠、焦点距離200mm) |
フィルター径 | 52mm |
最大径×長さ | 約φ60.9×86.5 mm |
質量 | 約260g |
最短撮影距離 | 1m |
最大撮影倍率 | 0.21倍 |
最小絞り | 22-32 |
レンズ構成 | 11群17枚 |
価格 | 45,815円(税込・キヤノンオンラインストアにて) |
発売日 | 2014年7月10日 |
備考 | キヤノンのミラーレス一眼カメラEOS Mシリーズで「ダブルズームレンズキット」に付属する望遠ズームレンズ。 |
キヤノンらしい気持ちの良い色味
キヤノンのカメラにキヤノンのレンズをつけて撮影しているので、撮れる写真もキヤノンらしい鮮やかで気持ちの良い発色をしています。この記事では写真の色の編集はせずにカメラで撮ったそのままのカラーで掲載しています(画像のサイズ縮小などの加工は行っています)。
掲載写真はいずれも京都に出かけたときのものです。新緑の季節の写真を楽しんでいただければと思います。
望遠で撮るだけで印象が変わる
ふつうの街並みも望遠で撮ると圧縮効果が出て手前から奥までの距離感が縮まって見えるのでちょっと印象がかわっておもしろい写真になります。
紅白の提灯が並ぶ様子。同じものが並んでいるところは間が詰まって見えたほうが印象的になりますね。
連なる送電塔。鉄塔のフォルムや電線のラインがきれいです。
まっすぐの長い坂道も望遠で切り取ると絵になります。
竹やぶ。どこか神秘的な雰囲気があって惹きつけられます。
気持ちの良いボケ
望遠レンズの特徴はピントの合った被写体と背景が明確に区別されるところです。背景が大きくボケて主題が明確な写真になります。
最近はスマホカメラでもボケを人工的に作り出す技術が発達していますが、スマホカメラの背景ボケはソフトウェアの画像処理でつくっているので不自然な見た目になることも多いです。一眼カメラなら自然できれいな背景ボケになって美しいですね。
繊細な描写もできる
ちゃんと解像してくれるのでタンポポの綿毛のふんわりとした繊細な質感も伝わってきます。
水に浮かぶ葉っぱ。さらにその上にのる水滴。何気ない被写体ですがこうしてまじまじと観察すると自然の美しさを感じます。
かわいい竹の子が顔をのぞかせていました。
川辺に群生する黄色い花。こういう小さくて線の細い被写体は、質の低い機材で撮ると全体的にざわざわとした印象になってあまり気持ちよくないのですが、これはきちんと解像してくれているように見えます。
逆光でもふつうに撮れる
逆光の条件でも撮影してみましたが邪魔なゴーストがほとんど出ませんでした。コントラストもちゃんと残っていて良好な画質です。低品質なレンズだと色があせてしまったり、フレアやゴーストと呼ばれる邪魔な光の玉のようなものが写ってしまうことがあります。「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」は逆光でも安心して使えそうです。
開放だとふんわりとした描写に
開放だとやや描写はゆるいです。ちょっとふんわりした印象になります。悪く言うとぼんやりとしてスッキリしない写りなのですが、やわらかい印象に仕上げたいときは積極的に絞りを開いて撮影してみても良いかもしれません。カメラをAvモードに設定、ダイヤルを回してF値をできるだけ小さくすれば絞り開放です。
暗所はやや苦手だが
F値は暗めなのでふつうに撮っていると暗いところではISOが上がって画質は低下しがちです。ノイズが気になったりディティールが損なわれてのっぺりとした印象になるかもしれません。
とはいえ最近のカメラはエントリーモデルでもノイズを除去してくれるので個人的には許容範囲に思います。EOS Kiss M(2018年3月発売の初心者向け機種)と組み合わせて撮影していますが、気持ちの良い写真が撮れて気に入っています。
上の写真は設定に失敗してうっかり ISO が12800まで上がってしまっています。ですがそこまで画質が悪いようには見えないと思います。撮ったわたしも画像のデータを見るまでこれがそんなに高感度で撮影している写真だとは気づきませんでした。特別なノイズ処理はなにも行っておらず、カメラ内で自動で適用されるノイズリダクションのみ利用しています。
初心者向けの機材でも一眼カメラならとても高画質の写真が撮れるので、カメラに興味をもった人はぜひミラーレス一眼カメラを検討してみてください。もちろん一眼レフでも良いですが最近はミラーレス一眼のほうが扱いやすくておすすめ。キヤノン EOS Kiss M 良いよ。
人や動物を撮ってもきれい
望遠レンズは人を撮るのにも向いています。中望遠くらいの焦点距離はポートレート撮影に人気です。
一緒に京都に遊びに行った Yuu さんにモデルになってもらいました。楽しそう。
動物を撮ってもきれいです。
鴨と亀。鴨のほうにピントを合わせています。鴨の羽の細かいディティールまできちんと記録されていますね。
鴨の部分だけ拡大してみましたが、拡大しても鑑賞に耐える画質だと思います。
お寺で出会った黒猫さんです。
やわらかい毛の質感やきらりと光る瞳など、高画質で記録できていると思います。
安くて小さくてこれだけ撮れちゃうなら使わなきゃ損
今回紹介した「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」はキヤノンのミラーレス一眼カメラEOS Mシリーズで「ダブルズームキット」に付属する望遠ズームレンズです。カメラを買うときにダブルズームレンズキットを買うかどうか迷ったらぜひ参考にしてください。
ただ遠くのものを大きく撮れるだけでなく、ふつうの標準ズームレンズとは印象の異なる写真や動画が撮れます。筆者はレンズ単品で購入しましたが、カメラと一緒の購入だと特にお得なのでダブルズームキットはとてもおすすめです。
小さくて軽いレンズなので小柄な女性でも扱いやすいと思います。ちゃんと手振れ補正もついているので初心者でも安心です。わたしはもう少し大きい望遠レンズも持っているのですが、「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」は気軽に持ち出せるサイズなので今後は出番が増えそうです。キヤノンのEOS M シリーズのカメラを使っている人はぜひ使ってみてください。
新品でも安価ですが、とにかくたくさん流通しているレンズなので中古でも状態の良いものを見つけやすいと思います。わたしはキヤノンのオンラインストアのアウトレット(キヤノン製品ユーザーが使える会員登録制のショップ)で買いました。
レンズの仕様
マウント | キヤノンEF-Mマウント(EOS Mシリーズに対応) |
---|---|
焦点距離 | 55-200mm |
手振れ補正 | 3.5段分(CIPAガイドライン準拠、焦点距離200mm) |
フィルター径 | 52mm |
最大径×長さ | 約φ60.9×86.5 mm |
質量 | 約260g |
最短撮影距離 | 1m |
最大撮影倍率 | 0.21倍 |
最小絞り | 22-32 |
レンズ構成 | 11群17枚 |
価格 | 45,815円(税込・キヤノンオンラインストアにて) |
発売日 | 2014年7月10日 |
【特長】
EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM(グラファイト) |キヤノンオンラインショップより引用
EF-Mレンズに待望の望遠ズームが誕生。
EOS Mシリーズで最大320mm相当(35mm判換算)の望遠撮影が可能。
全長86.5mm、重量約260gと、ミラーレスEOSの魅力を損なわないコンパクトサイズで、
いつでも持ち運べる望遠のスナップズームとして活躍します。
クリアな描写を実現するUDレンズ・非球面レンズを採用し、手ブレ補正機構も搭載。
遠くの被写体を鮮明に写し取ります。
さらに、EOS Mシリーズの魅力である高速AFを活かせる、ステッピングモーター(STM)を搭載。
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