花火写真の撮影に必要だったり、便利で活躍する機材を紹介します。カメラや、花火撮影に向いているレンズ、とても大事な三脚やリモコンなど様々な道具についてまとめました。
花火大会の様子はこちらの記事でご紹介しております。
追記(2017年8月7日):2017年の「第47回みなとこうべ海上花火大会」の写真と動画を撮影しました。
「Part2 テクニック編」はこちらです。
花火撮影に必要なもの
花火の写真や動画を撮影する際に最低限必要なものは何か。とりあえずこれがあれば何とか花火撮影ができるというものを紹介します。
カメラ
まず必要なのはカメラです。写真はキヤノンのEOS KissX6iです。花火の写真撮影に関しては初心者用の一眼レフカメラで問題ありません。
花火写真に際してカメラの性能で重要なのはバルブ撮影が可能なことです。この機能は一眼レフカメラやミラーレスカメラであれば多くのカメラが搭載しています。コンパクトデジタルカメラでも高級なものであればその機能を備えています。
多くの方がお持ちのスマホのカメラでも撮影できます。夜景が撮れるようなカメラアプリや、画像をあとで簡単に編集できるアプリがあれば、より良いと思います。一眼レフと全く同じように撮影することは難しいですが、最近のスマホであれば意外と簡単にキレイに撮れます。
レンズは広角~標準ズームレンズを
レンズはカメラを買った時にセットになっている標準ズームレンズなど、ある程度広角域に対応しているレンズが良いです。続編の記事「Part2 テクニック編」で説明しますがF値は大体8より大きい数字にセットするので、明るいレンズを選ぶ必要はありません。単焦点よりズームできるレンズの方が構図を取りやすくて良いです。
私が使ったのは18-135mm F3.5-5.6 IS STMのレンズです。10-18mmの広角レンズも持っているのでこれを使っても良かったですね。花火だけでなく神戸の夜景を含めて広く撮るには広角のレンズが適しています。
三脚
カメラとともに重要なのが三脚です。花火の撮影に最低限必要なのがカメラと三脚。ちゃんと固定できればそんなに高いものでなくて大丈夫です。もしカメラに興味があって三脚はまだ持ってないという方は、花火撮影を機に購入してみてはいかがでしょうか。花火以外にも使えるので、損はないと思います。
5000円前後で買えるものなら色々な撮影に耐えます。何万円もする三脚もありますがとりあえずは5000円前後が手頃かつ実用に耐えて三脚デビューにちょうど良いと思います。迷ったらベルボン(Velbon)やスリック(Slik)などの日本の有名な三脚メーカーのものを買っておけばそんなにひどい商品を買ってしまうことはないはずです。
何か台の上に置くなどで高さを確保できるのであればミニ三脚も良いですね。
私の知る限り最も性能の良いミニ三脚はベルボン(Velbon)のULTRA miniシリーズです。サイズが3種類あります。
スマホホルダー
スマホを使う場合は、スマホホルダーも別途必要になります。
Manfrottoのミニ三脚用にスマホホルダーの販売もしています。スマホ用ミニ三脚ならこれくらいが手軽かつ丈夫でおすすめです。
花火撮影にあると便利なもの(カメラグッズ)
なくても撮影は出来るけど、あればとても便利というカメラ機材を紹介します。
レリーズ・リモコン
リモート撮影を可能にするレリーズやリモコンもあると便利です。カメラのシャッターを直接押すとカメラが動いて写真がぶれる恐れがあるので、そう言った手ぶれを防ぐために使います。プロの写真家の方には花火撮影に必須だと言っておられる方が多く、それくらい重要なものとも言えます。リモコンの注意点としては、受信機の位置がカメラによっては前の位置についており、カメラの前方向からでないとリモコンが効かないということです。
最近はカメラにwifi機能が備わっていてスマホから遠隔操作でシャッターを切れる機能もあるみたいなので、そういった機能があるカメラであれば使えるかもしれません。
参考:EOSのWifiでできること
追記(2017.2.22):キヤノンから「ワイヤレスリモートコントローラー BR-E1」という商品が発表されました。Bluetoothをつかってワイヤレスでカメラのシャッターやフォーカスをコントロールできるようです。方向を問わず5m以内ならどこからでも操作可能とのこと。
追記(2017.8.7):「ワイヤレスリモートコントローラーBR-E1」を買ってEOS Kiss X9で使ってみました。方向を気にせずシャッターを切れるのでとても便利でした。おすすめです。
L型プレート(ブラケット)
L型プレート。L型ブラケットとも呼ばれています。これがなかなか優秀な品物で、使ってみたら想像以上に便利でした。しかし意外と花火撮影という話ではなかなか紹介されない製品なので、ちょっと気合入れて詳しく紹介します。
何をするものかというと、カメラの横位置と縦位置の入れ替えを簡単に、かつ構図を大きく変えずに行うための機材です。また、これを使うためには次のものも必要になります。
アルカスイス互換の雲台、クランプ
もしお持ちの三脚についている雲台部分の規格がアルカスイス互換になっていれば問題ありませんが、そうでない場合、アルカスイス互換の雲台、もしくはその他の雲台に取り付けるためのクランプが必要です。写真はアルカスイス互換のクランプで筆者が使っているものです。
雲台だと例えばこれです。
アルカスイス互換とは
アルカスイス互換の意味が分からない方向けに簡単に説明します。そもそもカメラを素早く雲台に取り付けるための部品(クイックシュー、クイックリリースプレートなどと呼ばれる)は雲台によって形状が異なっておりメーカーが独自の規格を作っています(マンフロットのRC2やベルボンのQRA-5グループなど)。しかも厄介なことに一つの会社が複数の規格のクイックシューを作っているので同一会社の雲台とクイックシューでも互換するとは限りません。
アルカスイスというのも実は雲台を作っている会社の名前です。高級な雲台を作っている企業で、アルカスイスの雲台はクイックリリースプレートをクランプで挟み込むような作りになっています。これがカメラを雲台にしっかり固定できると評判で、他の会社もこれを真似してアルカスイスと同じような機構の雲台を作るようになり、他社の作った雲台とプレートでもアルカスイス式の機構であれば互換するようになりました。先ほど紹介したL型プレートはアルカスイス互換のプレートなのです。
L型プレートの使い方
使い方を説明します。まずL型プレートをカメラに取り付けます。これでアルカスイス互換の雲台にカメラを取り付けられるようになりました。
アルカスイス互換の雲台を持っていなくてもクランプを自分の持っている雲台に取り付けることで使用できます。アルカスイス互換のクランプならL型プレートをはじめとしたアルカスイス互換のクイックリリースプレートを取り付けられます。
これで簡単に縦向きと横向きの構図を入れ替えられます。
雲台によってはL型プレートがなくても横位置と縦位置を変えられるものがあります。しかし、雲台で縦と横を入れ替えるとその都度水平を取りなおさなければならず、また構図を大きく調整しなおす必要があります。
L型プレート用いればそのままの位置で縦と横を変えるので光学のズレが少なく構図の調整も小さくすみます。花火撮影では、縦が基本になりつつ、横向きにすれば風景と花火を収めた写真を撮れます。花火の写真を撮るときに縦と横の構図を何度も変える場合にはとても役立ちます!
L型プレートによる構図変更と雲台による構図変更の比較
普通に横向きで撮影。
こう撮れます。
雲台で縦向きにして、その他は何も変えずに撮影。
被写体がずれて構図が大きく変わってしまいました。
L型プレートを使って縦向きにして撮影。
横向きで撮った時と同様に被写体を中心に捉えています。
L型プレート参考リンク
L型プレート購入にあたり色々と調べたのですが、こちらの記事はとてもよくまとめていて、かつ参考リンクも素晴らしかったのでご紹介します。L型プレートやアルカスイスの雲台について様々なメーカーを比較紹介されているので、購入の参考になると思います。
そろそろ雲台が欲しい僕がいろいろ比較してみた | ログカメラ
大変参考にさせていただきました。ありがとうございます。カメラ好きの皆さんに超おすすめのブログです。
購入したL型プレートとアスカスイス互換クランプ
L型プレートは、様々なメーカーが作っており、中にはそれぞれのカメラのボディに合うよう専用に設計されたものもあります。そのような専用のプレートはカメラによくフィットしますが高価です。代表的なのがリアリーライトスタッフのプレートです。
私が購入したものは汎用タイプのとても安い製品です。正直作りは荒いですが、とりあえずの実用には耐えます。
汎用タイプのL型プレートは安いけど弱点も
私が購入した汎用タイプのL型プレートの注意点があります。それは個々のカメラ用に設計されていないので、お持ちのカメラによってはバッテリーや記録カードのスロット、あるいはケーブル類の差し込み口にプレートが干渉してしまいます。
実際私のカメラもプレートに塞がれてしまい、バッテリーや記録カードを入れ替える場合にはプレートを外さなければなりません。お金に余裕がある方はカメラ専用に設計されたL型プレートの購入をおすすめします。
花火撮影にあると便利なもの(カメラグッズ以外)
これまでご紹介したのはカメラ機材でした。意外と忘れられがちなカメラ機材以外の便利グッズをご紹介します。
花火大会のプログラム
基本ですが花火大会のプログラムは日程、場所を把握するのに役立ちます。具体的な打ち上げ場所を知らないと、撮影において最も重要な場所取りができません。
レジャーシート・レジャー用の椅子
レジャーシート、レジャー用のイスです。これは必須と言っても良いくらいだと思います。場所取りをするという意味でも必要になりますし、花火大会中もイスがあれば座りながら撮影できて楽です。花火の撮影は場所取りや、行き帰りで結構体力を使うので特にイスはオススメです。
食べ物・飲み物・保冷バッグ
飲み物や食料は必要不可欠。それを保冷・携帯できる保冷バッグもとても便利です。夏のイベントなので熱中症にならないようにこまめな水分補給をしましょう。
食べ物は神戸なら美味しいパン屋さんがたくさんあるのでパンは特にオススメです!出店で何か買うのも良いですね。
虫除けスプレー・虫刺され用薬
虫除けスプレーや虫さされの薬。時節柄役に立ちます!
ライト
花火撮影は夕方から夜にかけて行われます。ライトがあればカメラの設定など手元を照らすのに便利です。また、帰り支度の際に忘れ物がないか確認したり、バッグの中を照らすのに使えます。スマホのライト機能でも代用できます。
雨具
夏は急な夕立があります。天気予報が晴れでも傘やレインコートはあったほうが安心です。カメラ機材は雨に弱いので気を付けましょう。Akiは今回の撮影に傘を持ってきておらず花火が始まるまでに雨が降ってきて困りました…
みなとこうべ海上花火大会の場合、打ち上げ場所が港なので撮影場所もその近くになることが多いです。ハーバーランドやポートアイランドで撮影するなら、実際に撮影するまではカメラや三脚にレインカバーをして潮風から守りましょう。
追記(2017.2.22):カメラ用防水カバーを買いました。ピークデザイン(Peak Desing)というブランドのShell(シェル)という商品です。これのおかげで雨の日も雪の日も臆せず撮影に出かけられるようになりました。
また防水カメラバッグとして同じくピークデザインのエブリデイバックパックを買いました。これは買って使ってみたら最高のカメラバッグでした。次の記事でレビューしています。
まとめ
以上、花火撮影の機材とテクニックPart1機材編でした。バルブ撮影ができるカメラや三脚があれば花火撮影はできます。次回テクニック編ではこれらの機材を使ってどのように撮影するのか、撮影の時に気をつけたほうが良いポイントをご紹介します。
「Part2 テクニック編」はこちらです。
当サイトをご覧いただきありがとうございます!
「神戸ファインダー」は豊富な写真と動画で神戸の魅力を発信するブログ型情報ウェブサイトです。サイト運営者Akiが気になるカメラや関連機材についても国内外から情報を集め記事にしています。
記事を気に入っていただけましたらSNSでシェアをよろしくお願いします。
Facebook、Twitter、YouTube、Instagramなどでも情報発信していますのでフォローよろしくお願いいたします。シェアとフォローは下のボタンからご利用いただけます。
質問があればお気軽にコメントやSNSでお知らせください^^