これからカメラを始めたい初心者の人向けにキヤノンのデジタル一眼レフカメラの魅力をご紹介します。ニコンやソニーなどとどのように異なるのでしょうか。おすすめする理由を簡単に説明するとキヤノンはユーザーが撮影を楽しめる要素をたくさん備えているからです。詳しく見ていきましょう。
おすすめする理由
キヤノンを選ぶ理由①バランスよく使いやすい
キヤノンの一眼レフカメラの特徴はボタンやダイヤルなど操作系統がシンプルなところ。むやみにたくさんのボタンを配置しておらず非常に使いやすいです。初心者でもすぐ使い方を覚えられます。例えばキヤノンのKissシリーズは初心者のことをよく考えて作られたカメラです。画質の面ではプロが求める水準に匹敵しつつ、機能を必要最小限に抑え手ごろな価格帯で販売しています。
キヤノンのカメラの中でも特にコスパに優れたカメラがKissシリーズで、よりこだわった本格的な機能が必要な人向けに様々な種類のカメラが用意されています。例えばEOS 80Dは動画機能が充実、EOS 7D Mark2はスポーツなど動体撮影に特化しています。
高いカメラと安いカメラの違いについてもっと詳しく知りたい人は次の記事をご覧ください。
70万円と4万円のカメラの違いは?キヤノンの全一眼レフカメラのスペックを比較・解説!
いま初心者の方におすすめの一眼レフカメラをひとつあげるとしたらEOS Kiss X9です。
一眼レフカメラ初心者にキヤノンEOS Kiss X9をおすすめする理由【カメラ使用レビュー】
新しく発売されるEOS Kiss Mも初心者向けにかなり良さそうなカメラだと考えています。こちらはミラーレスカメラです。
キヤノンEOS Kiss MとEOS Kiss X9の比較!違いは何?どちらがおすすめ?
キヤノンを選ぶ理由②レンズの種類が豊富
一眼レフカメラはレンズ交換式のカメラです。いまカメラを買おうと考えている人は漠然と画質の良いカメラを探しているかもしれません。しかし、どのような写真が撮れるかはカメラだけでなくレンズに大きく影響を受けます。キヤノンは一眼レフカメラとレンズを製造・販売してきた長い歴史を持ちレンズのバリエーションは業界トップレベルです。撮影者の様々なニーズに応えるレンズがあります。
基本的にレンズは特定のメーカー専用に設計されています。そのためニコンのレンズをキヤノンのカメラにつけることはできません。逆にキヤノンのレンズをニコンにつけることもできません。だから慎重にカメラ選びをしなければなりません。カメラを選ぶことはどこのレンズを使うかを決めることにもなるのです。ここは初心者がカメラ選びの際に見落としがちのポイントなので注意してください。
キヤノンを選ぶ理由③トータルで安い
理由①のなかでキヤノンはKissシリーズなど初心者でも手が出しやすい価格のカメラを販売していることについて触れました。これに加えてキヤノンが素晴らしいのは安いレンズもたくさんあるところです。レンズの種類が豊富なキヤノンは、プロ向けの高性能レンズはもちろんアマチュアが使いやすい低価格のレンズを数多く販売しています。
代表的なのが「EF 50mm F1.8 STM」です。この50㎜の単焦点レンズは背景がぼける写真を簡単に撮れることで大人気のレンズです。
→キヤノンの大人気単焦点レンズEF50mm F1.8 STMレビュー【売れるレンズには愛される理由がある】
1万4千円前後で買えます。2015年にリニューアルされて少し高くなりましたが一つ前のモデルは8千円くらいで売られていました。カメラの交換レンズは普通安いものでも3万円以上します(例えばニコンで同じような50㎜単焦点レンズを買おうとするとキヤノンの倍近い値段がします)。プロが使うものだと10万や20万もするレンズもざらです。その点キヤノンは初心者でもカメラを楽しめるように意図的に低価格のレンズを複数種類販売しています。
例えば次の3種類は実売価格2万円未満。
古いレンズなら他メーカーでもこれくらいの値段のレンズはありますが、最新の光学設計に基づく高パフォーマンスのレンズが1万円台で購入できるのはキヤノンだからこそ。
まだ写真やカメラのことに詳しくない初心者にとって、高い機材を買うのには抵抗がありますよね。注意が必要なのはカメラの値段だけを見て決めてはいけないということです。何度も書きますが一眼レフカメラではレンズが非常に重要な役割を果たします。カメラだけ買ってレンズを買う予算がなくなってしまうと一眼レフカメラの性能を存分に引き出すことができません。様々なレンズを使ってこそカメラは面白いです。
キヤノンならレンズの種類が豊富で、安いレンズもたくさんあるので気軽にレンズを交換して撮影を楽しむことができます。コスパの良いレンズについてもっと知りたい人は次の記事をどうぞ。
キヤノンを選ぶ理由④ユーザーが多い
キヤノンはデジタル一眼レフカメラ市場およびレンズ交換式デジタルカメラ市場のシェアトップを誇ります。
売り上げがあるということは企業が今後より良いカメラやレンズを研究・開発する体力があることにもつながります。高性能の新製品をどんどんと発売してくれるということです。例えば2017年4月には新しい一眼レフカメラを2種類発売します。また同時に撮影を充実させる関連アクセサリーも新発売されます。今後も素晴らしい機材を作ってくれることでしょう。
最近はカメラ市場全体としては売上が伸び悩んでいます(参考:最新統計で見るカメラ産業のインフォグラフィクス その厳しい現実とは)。つい先日もニコンやパナソニックが経営に苦しんでいることが報道されました。きちんと利益をあげられているメーカーのほうが安心です。
追記(2020年6月25日):ついにオリンパスがミラーレス一眼カメラや交換レンズをふくむ映像事業を売却することが決まりました。譲渡先で再興してくれると良いのですが…
参考:
またキヤノンはユーザーが多いのでカメラ友だちと機材の貸し借りがしやすいです。同じメーカーのカメラを使っている人だと仲良くなりやすく、情報交換もしやすいです。さらに中古市場が充実していることもキヤノンを選ぶメリットのひとつです。ユーザーが多いぶん、カメラを買い替えるときに中古ショップやオークションに売りに出す人が多くいます。そして人気のブランドなので中古で安く買おうとする人も大勢います。キヤノンユーザーなら中古市場を上手に活用して、お得にレンズを買い増ししたり、カメラを最新機種にアップグレードしやすいです。
カメラやレンズ買取の際はぜひ次の記事を参考にしてください。
このようにメーカーの売り上げが好調であることは、今後の新製品開発に期待できて、カメラ仲間が増えて、さらに中古市場が充実するなど良いことづくめです。これはキヤノンの大きな強みです。
キヤノンを選ぶ理由⑤プロレベルの撮影も可能
おすすめの理由としてカメラやレンズを安く買えることに注目しましたが、初心者向けのものしかないのかというと、決してそうではありません。キヤノンは多くのプロカメラマンに愛され利用されているブランドです。プロやハイアマチュアの高い要求にも応えられるカメラやレンズを作っています。だからこそ市場シェアトップなのです。
有名なのがキヤノンの「Lレンズ」です。LとはLuxury(ラグジュアリー・高級品)のL。キヤノンの最高品質のレンズには「L」がその名前に入っており、鏡筒に赤いラインが刻まれていることが特徴です。卓越した描写性能と優れた操作性。手に持っただけでその高級感が伝わってきます。プロに愛され、多くのアマチュアカメラマンが憧れる最高品質のレンズがキヤノンの「Lレンズ」です。
画像引用:THE L STORY | キヤノン:EF L SERIES
またキヤノンには「白レンズ」と呼ばれるものもあります。
これもLレンズの一種で非常に高性能。特に望遠のレンズがこのような白色になっており、これは炎天下などの環境でもレンズ内部の温度が急激に上がりすぎないようにするためです。スポーツの会場でこれら白レンズが並ぶ姿を見られます。プロのスポーツ写真ならキヤノンの白レンズというわけです。
今後カメラの楽しさに目覚めてより良い機材がほしくなった時もキヤノンなら数多くの選択肢から自分向けの高性能カメラ・レンズを選ぶことができます。趣味がこうじてカメラの仕事をするケースも珍しくありません。そういった場合にもキヤノンなら安心です。
キヤノンを選ぶ理由⑥一眼ムービーのパイオニア
カメラといえば写真を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、近年は動画を撮影してそれを編集し公開する手段がとても身近になってきており、動画撮影の需要が非常に高まってきています。
特にキヤノンはこれまで一眼レフカメラでのムービー撮影に非常に高い人気を誇ってきました。例えばEOS 5D Mark2はこれまで非常に高級な機材がないとできなかった映画製作をより手ごろな価格のカメラで実現できるようになったことで大きな人気を博しました。その後もカメラの開発は進み、EOS80Dはまさに動画撮影のことを真剣に考えて設計されたカメラです。キヤノンの「デュアルピクセルCMOS AF」は動画撮影時において非常に優秀なオートフォーカス性能を誇ることで有名です。さらにカメラだけでなくアクセサリも充実し、電動ズームが可能になったり、動画用の外付けマイクなども発売するようになりました。
このあたりはライバル会社のニコンが失敗した分野です。写真ならキヤノンかニコンの二択という風潮が長く続いていますが、動画撮影となるとニコンの存在感は非常に小さくなりました。
おすすめできない理由
キヤノンが完璧なのか、というとそういうわけではありません。読者の皆様に後悔してほしくないので私の思うキヤノンの一眼レフカメラの欠点についても指摘します。
キヤノンの弱点。それはとがった性能がないということです。どちらかというとトータルバランス重視。特にKissシリーズ、3桁Dシリーズ(8000D、9000Dなど)、2桁Dシリーズ(70D、80D)にその傾向が強いです。めいっぱいに最新テクノロジーを詰め込んだカメラを作るより、重要な機能にしぼりシンプルでバランスのとれたカメラを販売する傾向にあります。「あらゆるシーンにそつなく対応できる」、「皆と一緒だから安心」というのがキヤノンの大きな魅力ですが、それには逆に不満を感じる人もいると思います。
例えば、より本格的な動画撮影となると最近はパナソニックのミラーレスカメラのほうが強いです。キヤノンはお手軽に動画を撮れるカメラとしてはとてもよくできていますが、より本格的な映画のような動画作品を撮ることをあまり想定していません(ちなみにキヤノンはシネマEOSという動画専門カメラシリーズも販売しておりそちらはもちろん充実の動画性能です。ただし値段が高い)。
参考:Canon一眼レフユーザーの私がPanasonic GH5を本気で欲しい9つの理由
他にも手ぶれ補正機能ならオリンパスが頭ひとつぬけています。望遠でもガチッととめて撮影できますし、手持ちでもスローシャッター撮影ができます。技術の粋をこらしたカメラを使いたいならソニーもおすすめです。ソニーは様々な機能を詰め込んだ「ぼくのかんがえたさいきょうのかめら」のようなものを作ってくれますし、暗所撮影に極端に強いカメラや、スローモーション撮影が可能な高級コンデジなど非常に特色あるカメラを作っています。ペンタックス(リコー)のカメラは防塵防滴が優れていて、リアルレゾリューションシステム(ピクセルシフト)が素晴らしく風景写真家に特に愛されています。写真の色なら富士フイルムのカメラが一番と言われていて人気があります。
あえてバランス性とレンズの豊富さ以外でキヤノンの強みを挙げるなら動体撮影でしょう。1DX Mark2や5D Mark4、7D Mark2あたりなら業界トップレベルのオートフォーカス性能。オリンピックなどスポーツ写真の現場を見てもらえればキヤノンを使っているカメラマンが非常に多いことが分かります。この点で対抗できるのはニコンくらい(最近だとソニーのα9も対抗馬として登場しました)。
業界シェアトップのキヤノン。似た路線でライバル的存在なのがニコンです。この二社はバランス型で、特に力を入れているのは動体撮影と言えます。そしてその他のメーカーは特定の分野に尖った性能を磨き差別化をはかっているのが現状です。
まとめ
カメラ初心者の人にまず理解してもらいたいのはレンズの重要性です。カメラを買うときにカメラ本体の性能を見て比較したくなるのはとても自然なことですが、どのようなレンズが使えるかがとても重要です。キヤノンはカメラの性能が良いことはもちろん、初心者用からプロ用まで様々なレンズのバリエーションがあります。これがキヤノンの非常に大きな魅力です。
また、これからカメラを買いたいと考えておられる方は、できればニコンやソニーなど他社カメラのユーザーからの意見も参考にされたほうが良いと思います。それぞれに違った良さがあります。
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