淡い紫色が美しい藤の花。新緑の季節4月下旬〜5月上旬に見ごろを迎えます。ゴールデンウィークのお休みの時期とも重なるので、お出かけ先で藤の花を撮影する人も多いのではないでしょうか。わたしも藤の花を撮影してきたので、そこで気づいた藤の花の撮影ポイントについてまとめてみました。藤の花を上手に撮る撮影テクニックのご紹介です!
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。藤の花ってきれいですよね。様々な種類があるようですがわたしはあの淡い紫色が大好きです。どうやったらより魅力的に藤の花を撮影できるか考えてみました。
主に一眼カメラユーザー向けの記事ですが、構図の話もしているのでスマホで撮っているような人にも参考になるところはあると思います。
藤の花の撮影のコツとテクニック
クロースアップ(マクロ)で撮る
花の撮影で定番はマクロ撮影。藤の花は離れて見てもきれいですが、アップで見てみてもかわいらしい形をしています。
一眼などのカメラを持っているのであれば撮影の際はF値を小さくすると(絞りを開くと)上の写真のように背景がぼけます。iPhoneならポートレートモードを活用してみましょう。
上の写真はキヤノンの一眼カメラにレンズはEF50mm F1.8 STMで撮影しています。マクロレンズではなく1万円ちょっとの激安レンズですが、比較的寄って撮れるレンズなので良い感じにマクロ風の写真も撮れました(参考:キヤノンの大人気単焦点レンズEF50mm F1.8 STMレビュー【売れるレンズには愛される理由がある】)。
次の2枚の写真はマクロレンズで撮影しました。タムロンの90mmのレンズです。
参考:タムロンの90mmマクロレンズ「タムキュー」レビュー!中望遠マクロが楽しいよ
背景の色に注意して撮る
たくさんの藤の中から一本の枝にピントを合わせて撮影。他の藤の花に囲まれるなかで撮影したので写真全体が藤の淡い紫色で埋め尽くされています。
これはフォーカスした藤の花がよく見えるように背景に木の枝がくるように調整して撮影しました。
背景にグリーンを持ってくると新緑のさわやかな印象になりますね。見せたいものや表現したいものに合わせて背景を選べるようになると写真の腕が上がります。
藤棚を横から撮る
藤の花は垂れ下がる姿が美しいので少し引いたところから横向きに撮影してやってもキレイです。
気をつけるポイントとしては、藤の花以外になにをフレーミングするかです。上の写真から少し引いた位置で撮影すると下のような写真になります。
石碑があったり、つつじの花があったり、奥には立て看板が見えたりしますね。これはこれで風情があります。その場の雰囲気が伝わるのでそういう意図ならオーケーです。藤の花が主題であれば、やや散漫で花に集中できなくなりました。特に藤の花の手前にある緑が邪魔になっています。
何を見せたいかを考えて慎重に構図をつくらなければなりません。少し横によけて撮ってみたり、すこし高さを変えるだけでも印象が変わります。同じような引いた構図でも次の写真のほうが藤の花が主題として成立していると思います。
上の写真の場合だと、まず中央に藤棚がしっかりと見えます。新緑やつつじもきれいですがそれらは周辺部にあることで副題として写真を構成しています。
縦構図にしてみるという選択もあります。
上の写真は日の光が差してきらめく藤の紫と、草木の緑色が美しいです。このときは横構図にすると藤の花を見に来た人たちがたくさん映り込んでしまうのでそれを避けて縦構図にしました。よけいなものが入らないように工夫するのも写真上達のポイントだと思います。
下から見上げるように撮る
枝垂れているものは下から撮ってみましょう。
下から仰ぐように撮ると迫力がでますし、差し込む光がきれいだったりもします。
こんな感じで大きく広がる藤の木を下から撮るのも面白いです。これは超広角レンズ(EF-S 10-18mm F4.5-5.6 IS STM)で撮影していますが、こういった構図の場合、広角レンズだけでなく魚眼レンズも活躍します。魚眼レンズで撮影すると特有の歪みがでておもしろいです。
参考:EF8-15mm F4L Fisheye USMレビュー!キヤノン一眼カメラ用のすごい魚眼レンズ
参考:キヤノン用魚眼レンズまとめ【CANON・SIGMA・TOKINA・SAMYANGなど比較】
蜂と一緒に撮る
藤の花がたくさん咲いているところには蜂もたくさんやってきます。花に蜂がやってきた様子をマクロ撮影してみるのも面白いです。
こちらの写真はシャッタースピード1/500で撮影。蜂の胴体部分は止まっている一方で、羽の部分はぶれて動きが出ています。動く虫にうまくピントを合わせて、ちょうど良いシャッタースピード、かつ蜂が大きく映って構図も整っている写真を撮るのは非常に難しいです。上の写真はあとからトリミングして構図を整えています。また蜂の体は黒ずんで見にくいので、少し露出を上げるなど調整してやったほうが見栄えが良いです。
マクロ撮影に興味がある方はこちらをどうぞ。
藤の花に沿うようにして撮る
藤の花が並ぶところに沿うようにして撮ると奥行きが表現できて美しいです。
上の写真のように意図的に手前にも藤の花を入れて前ボケを加えるというテクニックもあります。
このように構図やピントを合わせる位置を選ぶことで、写真の主役がどこにあるのかがわかりやすくなります。
スローシャッターで風に揺れる藤の花を撮る
風にゆらめく藤の花と、対照的にどっしりと立つ木の幹を撮影。上の写真は光の量を減らすフィルターND400をとりつけて、シャッタースピード15秒で撮影しています。広角でF値11で撮影しているのでパンフォーカスになっているはずですが、シャッタースピードが遅いので藤の花は横に少しぶれたように映っています。
参考:三脚を使えば写真がもっと面白くなる!カメラマンに三脚が必要な2つの理由
藤の名所に行く
なんでもそうですが、被写体が魅力なら下手でも写真はけっこうきれいなものが撮れちゃいます。魅力的な被写体を求めて藤の名所に行って写真を撮りましょう。
こちらの記事に掲載した写真は2つの場所で撮影しています。ひとつは九尺藤という長い枝ぶりが特徴の藤が見事な百毫寺(兵庫県丹波市)。
もうひとつは兵庫県明石市にある住吉神社です。こちらはご神木を囲うように藤の花が咲いています。
参考:明石市魚住鎮座 住吉神社
追記:京都の城南宮や平等院の藤の写真も追加しました。
百毫寺のような藤の名所では夜間にライトアップを行っています。闇夜のなか光に照らされた藤を撮るのも良いですね。
もうひとつの注意点は、やはり見ごろの時期をねらって撮影すること。基本的に藤の花は4月下旬〜5月上旬に見ごろを迎えます。しかし、年によって数日のラグがあるので開花情報のチェックをおすすめします。
→ 藤の花の名所まとめ!神戸から行ける人気スポット【兵庫県・大阪府】
まとめ
藤の花を上手に撮影する方法・テクニックのご紹介でした!私が撮影してみて考えたポイントなので、上手な人からすると当たり前だったり、もしかしたら下手なアドバイスかもしれません。それでも色々な撮影のアイデアを考えてみることは写真上達の上ではとても重要なことだと思います。少しでも皆様の写真撮影に役立てば幸いです。