かつて文豪・谷崎潤一郎が暮らし、『細雪』の舞台ともなった「倚松庵」(いしょうあん)。神戸市東灘区の住吉川沿いに位置するこの邸宅は現在は中を見学できるようになっていて、当時の暮らしぶりがわかる様々な資料や調度品が展示されています。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。神戸ゆかりの文豪・谷崎潤一郎。彼の代表作である『細雪』(ささめゆき)の舞台ともなった旧邸宅が公開されていると聞いて行ってきました。「倚松庵」(いしょうあん)の様子をお伝えします。
谷崎潤一郎旧邸「倚松庵」について
倚松庵とは
「倚松庵」(いしょうあん)は、文豪・谷崎潤一郎が1936年から1943年(昭和11年11月から昭和18年11月)まで7年間居住していた旧邸宅です。谷崎はここで松子夫人やその妹たちと暮らし、彼女たちをモデルとした小説「細雪」を執筆しました。倚松庵は細雪の家とも呼ばれています。
谷崎は「松に寄りかかっている住まい」という意味で「倚松庵」という言葉を用いました。住吉川のあたりに松の木がたくさんあったほか、妻・松子への愛情表現でもあったようです。
もともと現在地より150mほど南に位置していた「倚松庵」でしたが、六甲ライナーの敷設を機に移築が行われました。1990年に移築が完了し、神戸市の管理のもと谷崎が暮らした当時の姿が復元され、一般の人も見学できるようになりました。
構造:木造瓦葺2階建
敷地面積:440.97㎡(133.39坪)
建物面積:延床面積148.92㎡(45.04坪) 1階95.45㎡、2階53.47㎡
場所・アクセス
「倚松庵」は神戸市東灘区の住吉川沿いにあります。六甲ライナーや阪神の魚崎駅よりほど近い場所です。
場所:神戸市東灘区住吉東町1丁目6番50号(Google Map)
アクセス:
- JR住吉駅から南東900m(徒歩約12分)
- 六甲ライナー魚崎駅から北へ約150m(徒歩約2分)
- 阪神魚崎駅から北へ約450m(徒歩約6分)
- 市バス東灘区役所前停留所から南へ約500m(徒歩約6分)
- 駐車場はありません
開館時間・定休日
開館日:土曜・日曜(年末年始のぞく)
休館日:月曜~金曜、および年末年始
開館時間:午前10時~午後4時
入館料無料
喫煙・飲食禁止
倚松庵の中の様子(写真)
谷崎潤一郎旧邸「倚松庵」について写真とともにご紹介します。館内の写真撮影は一部の展示が禁止されていますが、それ以外は自由に撮ることができます。
1階の応接間には谷崎文学に親しめるように、著書や参考文献が用意されています。
参考:倚松庵の間取図
参考:倚松庵 展示品ギャラリー
夏には「納涼夕涼み」が開催
普段は土日の午前10時~午後4時の間のみ入館できる倚松庵ですが、夏には「納涼夕涼み」と題してイベントが開催され夕暮れ時に訪れることができます(夕方16時頃~20時頃まで開館)。薄暗いなか照明でライトアップされる倚松庵は風情があります。
わたしは夕方6時半ころに行ってきました。夕涼みとはいえまだ暑かったですね。次に機会があればもう少し遅い時間に行きたいと思います。
2021年は8月12日(木曜)、13日(金曜)16時~19時に納涼夕涼みを開催。
2020年は8月13日(木曜)・14日(金曜)16時~20時に納涼夕涼みが開催されました。
著書や記念館で谷崎潤一郎の世界に触れる
筆者は恥ずかしながら『細雪』を読んだことがなかったので倚松庵を訪れてから読み始めました。読み進めると作品と倚松庵で見た情景がリンクして楽しいですね。
細雪はAmazonのKindle Unlimitedの対象なので利用者であれば無料で読めます。Kindleの電子書籍ならスマホやタブレットなど各種電子書籍リーダーで気軽に読めてよいですね。わたしもFire HDで読んでいます。
参考:神戸市:『細雪』とは
また芦屋にも「谷崎潤一郎記念館」があります。こちらもあわせて訪れるとおもしろいかもしれません。
参考:芦屋市谷崎潤一郎記念館
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