キヤノンの広角ズームレンズ「RF15-35mm F2.8 L IS USM」をレビューします。EOS Rなどキヤノンのフルサイズミラーレス一眼カメラ向けのRFレンズです。15mmという超広角から35mmの標準域までをカバーするズームレンズで、さらにズーム全域F2.8通しの優秀な性能です。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。
キヤノンのミラーレス一眼用広角ズームレンズ「RF15-35mm F2.8 L IS USM」を1か月ほどレンタルして使ってみたのでレビューします。気軽な気持ちで借りたレンズなのですが実際使ってみると「これ買った方がいいな…」と思ってしまうとても魅力的なレンズでした。
レンタルしたお店:GooPass(グーパス)
RF15-35mm F2.8 L IS USMの仕様・製品外観
キヤノンRF15-35mm F2.8 L IS USMの仕様
焦点距離 | 15~35mm |
---|---|
手振れ補正 | あり 最大5段分 |
フィルター径 | 82mm |
最大径×長さ | φ88.5mm×126.8mm |
質量 | 840g |
最短撮影距離 | 0.28m |
最大撮影倍率 | 0.21倍(35mmの時) |
最小絞り | 22 |
レンズ構成 | 12群16枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
発売日 | 2019年9月27日 |
参考:キヤノン:RF15-35mm F2.8 L IS USM|仕様
焦点距離15mmから35mmをカバーする広角ズームレンズです。最大5段分の手振れ補正機能を備えて、さらに開放F値が2.8と明るく、とても高性能なRFレンズです。性能が優れているぶん販売価格も高めでお店によっては30万円を超える値段で売られています。
キヤノンRF15-35mm F2.8 L IS USMの製品外観
広角ズームレンズとしてはどちらかというと大型のレンズです。レンズの全長は約126mm。質量は約840gです。
フィルター径は82mm。
キヤノン ミラーレス一眼カメラEOS Rにレンズを装着した様子
EOS Rにレンズを取り付けました。ちょうど良いバランスでしっくりします。
ズームリングはすこしくびれのあるデザイン。フォーカスリングと、RFレンズならではのコントロールリングも搭載しています。
防塵防滴仕様です。
RF15-35mm F2.8 L IS USMの良いところ
EOS RとRF15-35mm F2.8 L IS USMで撮影した写真をお見せしながらこの広角ズームレンズの魅力をお伝えします。
超広角の楽しさ
「RF15-35mm F2.8 L IS USM」の魅力のひとつはまずフルサイズで15mmという超広角の焦点距離を使えることです。パースがついた(遠近感が強調された)写真を撮ることができるのでふつうのレンズではなかなか撮影できないような面白い構図をつくることができます。
広角端15mmだと手前にあるものがより大きく、奥にあるものがより小さく映ります。手前から奥に視線誘導するような構図と相性が良いですね。
広角レンズで撮る被写体と言えば「神戸大橋」というイメージをもっているわたし。「RF15-35mm F2.8 L IS USM」を持って撮影に行ってきました。
端の方まで解像感が高くて気持ち良い。
モノクロでも最高にかっこいいです。
35mmという標準画角までカバー・さらにクロップ機能で56mm相当に
「RF15-35mm F2.8 L IS USM」は望遠端が35mmです。広角の15mmはすこし特殊な画角というかクセの強い写真になりやすいですが、35mmであれば標準域なので広く多目的に使うことができます。
焦点距離の違いによる画角の比較
15mmでは広々と撮れるのに対して35mmはより特定の被写体に注目するような画角になります。人間の通常の視野に近い感覚ですね。
35mmならテーブルフォトにも使いやすいです。カフェでご飯やスイーツを撮影したいときにとても便利。
こちらのケーキの写真(神戸・北野坂にあるdining socialにて)はEOS Rの1.6倍クロップ機能で撮りました。35mmだと手前に影が落ちてしまったのですがクロップすることで回避しました。クロップすると約56mmの画角相当になります。ひとつのレンズで15mmから56mmまで対応できると思うとかなり汎用性が高いですよね。
安物の広角レンズだと正直画質の悪いところが目立ってクロップに耐えられなかったりするのですが、個人的には「RF15-35mm F2.8 L IS USM」は望遠側の35mmや、そこからクロップした画角も積極的に使いたくなるレベルでした。
最短撮影距離が短い
「 RF15-35mm F2.8 L IS USM」の最短撮影距離は0.28mです。これはセンサー面から被写体までの撮影可能距離なのでレンズ先端からだと約20cmまで近づいてもピントを合わせることができます。大胆に被写体に寄ってもちゃんと撮影できるので表現の幅が広がります。
寄りも引きも同じレンズで表現できます。
広角と標準のズームレンジをこのレンズ1本でカバーできることを考えるとかなり使い勝手の良いレンズです。性能的にはプロのカメラマンが仕事で使いたくなるような水準ですが、アマチュアが趣味でスナップや風景を楽しく撮影するのにも向いていると思います。
手振れ補正があるので手持ちスローシャッターやジンバル向き
RF15-35mm F2.8 L IS USMは最大5段分の強力な手振れ補正機能が備わっています。おかげで手持ちスローシャッターでも精細な写真を撮ることができます。
次の動画はジンバルのDJI RONIN-SにEOS RとRF15-35mm F2.8 IS USMを載せて歩きながら撮影した動画です。普通に歩いているだけでいわゆるジンバル歩きのような配慮は特にしていません。
広角だと揺れがより目立たなくなるのでジンバル撮影にも使いやすいですね。
RF15-35mm F2.8 L IS USMの残念なところ
けっきょくのところ最大のデメリットは価格です。高い。とにかく値段が高い。記事執筆時点での実売価格は26万円ほど。わたしもさすがに買う決心はつかず今回はレンタルでしばらく使ってみました。
F4通しでかまわないのでもう少し手ごろな価格のRFマウント用広角レンズが登場してほしいです。
またフィルター径は82mmと大きめです。なのでフィルターの値段も高額になりがち。と言っても出目玉ではないので普通のフィルターを使えるのは嬉しいですね。
作例写真まとめ
キヤノン 広角レンズ RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例まとめアルバム↓
まとめ ほぼ無敵の広角ズームレンズ
「RF15-35mm F2.8 L IS USM」は総合的にバランスよく性能の高い広角ズームレンズです。特にズームレンジが絶妙に使いやすく魅力的。強烈なパースでユニークな写真が撮れる超広角と、無難に幅広く使える標準画角が両立したズームレンズです。価格さえ問題なければ多くの人におすすめしたいレンズです。手振れ補正が頼もしく、開放がF2.8と明るいので様々なシーンで活用できます。
キヤノンの同類のレンズでいうと例えば一眼レフ向けレンズの「EF16-35mm F2.8L III USM」や「EF16-35mm F4L IS USM」、「EF17-40mm F4L USM」などがあります。これらも評判の良いレンズですが、RFレンズのほうがより広角の15mmから撮影可能です。
より広角となると「EF11-24mm F4L USM」が、あるいは魚眼レンズの「EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM」があります。これらは広角専門のレンズです。
キヤノンのAPS-C向けのレンズでいうと「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」や「EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM」などがあります。これらは手ごろな価格で小さく軽いレンズであるという魅力があります。
キヤノンからはたくさんのレンズが販売されていますが、「RF15-35mm F2.8 L IS USM」は既存の広角ズームレンズとは一味違った性能で新しい時代を感じさせてくれます。
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