神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。最近パソコンや、モニターを新調しようと検討中のAki(@Aki_for_fun)です。
写真のRAW現像やレタッチには、パソコンのモニターが重要になります。特に写真を印刷するときはモニターの性能が良くないと希望の色を調整するのが難しいです。なのでモニター選びは慎重に行いたいところ。
BenQの「SW2700PT」は比較的安い価格でありながら、プロのレベルにも対応した本格的なモニターです。実際のところ使い勝手はどうなのかと気になっていたので、この度「BenQアンバサダープログラム」というものに参加して、実物を1か月ほどお借りしました。使ってみて分かった製品の特徴や、長所、短所などをお伝えします。
BenQ SW2700PTの主な特徴
SW2700PTのスペックを簡単にまとめると次のようになります。
- 27インチ
- 解像度2560×1440
- Adobe RGB 99%カバー
- IPSパネル アンチグレア
- 10bitパネル、14-bit 3D LUT対応
- ハードウェアキャリブレーション対応
- モノクロモード有り
- 遮光フード・OSDコントローラー付属
- メーカー保証3年
- 価格:約7万円(参考:Amazon BenQ SW2700PT)
これらのスペックが具体的にどう良くて、どこがイマイチなのか解説します。まずは良いところから。
BenQ SW2700PTのメリット・良いところ
写真の編集を快適に行える
SW2700PTは、サイズが27インチと大きく、解像度もフルHDの倍の2560×1440と高いです。つまり編集の際に写真を大きく、高精細に表示することができます。さらに10bitパネルなので、色の微妙な濃淡を見分けることができます。
またIPSパネルというのは、液晶ディスプレイの形式の中で最も高級で最高品質のものにあたります。非光沢のノングレアなので長時間の作業でも目が疲れにくいです。
写真の編集をする上で重要な要素がそろっており、快適にRAW現像やレタッチを行えます。
写真の印刷に最適
広い色域に対応しているSW2700PTは、AdobeRGBカバー率が99%です。これは一般的なPCモニターのsRGBより広い色域で、より鮮やかな色を表現できます。プリンターの色域はこのAdobeRGBと重なるところが多く、写真を印刷する場合はAdobeRGBでレタッチすることが好ましいです。
また印刷の際は、モニターの見た目と印刷の仕上がりの色が合うように調整しなければなりません(カラーマネジメントが必要)。SW2700PTはその調整を精密に行うために必要なハードウェアキャリブレーションにも対応しています。
試しに何枚か写真を印刷してみましたが、色の再現精度は非常に良好でした(画像だと伝わりにくいですが…)。
工場出荷時点でのキャリブレーションについてのレポートも付属します。
コスパが良い
SW2700PTの価格はおよそ7万円(参考:Amazon BenQ SW2700PT)。これはカラーマネジメントモニターとしては非常に安いです。普通モニターの遮光フードはオプションで別売りにされることが多いのですが、SW2700PTは遮光フードも含めてこの価格なので大変お買い得感があります。
OSDリモコンが便利
他社製品には見られないSW2700PTの特徴に「OSDリモコン」があります。これはカラーモードをワンタッチで切り替えられるスイッチ。sRGBやAdobeRGB、モノクロといったカラーモードを各ボタンに割り当てることができます。
例えば、普段WebのブラウジングやWeb用に写真を現像するときはsRGBに設定。写真を印刷用にレタッチするときはAdobeRGBにする。このように状況に応じてカラーモードを使い分けたいときにも、このOSDリモコンを使えばワンタッチで簡単に切り替えることが可能です。
モノクロモードにすれば写真の一覧の状態からモノクロで見られるので写真のセレクトに便利。
BenQ SW2700PTのデメリット・残念なところ
4K非対応
解像度2560×1440という数字は決して悪くないのですが、4Kには及びません。最近徐々に普及しつつある4Kの映像を忠実に鑑賞したいのであれば、4Kに対応したモニターが必要です。
USB-TypeC(Thunderbolt3)の端子がない
SW2700PTの入力端子は、DVI-DL、DisplayPort1.2、HDMI1.4の3種類です。USB-TypeC(Thunderbolt3)の端子がありません。最近はMacbookProなど、Thunderbolt3端子を搭載したパソコンがありますが、SW2700PTでは使うことができません。
※映像入力端子の種類については次の記事に詳しいです。
参考:最新ディスプレイ講座――HDMI、DislplayPortから先進のUSB Type-Cまで映像入力インタフェース徹底解説 | EIZO株式会社
HDMIケーブルは付属しない
モニターに付属するケーブルは、DVI-DLケーブル、miniDP to DPケーブル、そしてUSBケーブルです。HDMIでパソコンと接続したい場合は、別途ケーブルを用意する必要があります。
他のおすすめPC用モニター
ここまではBenQ「SW2700PT」の特徴をお伝えしました。ここからは似たようなスペック・価格帯のカラーマネジメントモニターをいくつかご紹介します。
EIZO
映像制作のプロに信頼され特に利用されているのがEIZOのモニター製品の数々です。アマチュアでも比較的手の出しやすいモニターとなると「ColorEdge CS2420」や「ColorEdge CS2730」があります。
AdobeRGBカバー率99%、IPSパネル、10bit対応、ハードウェアキャリブレーション可能など、さすがEIZOといったスペックのモニターです。CS2420とCS2730の主な違いはサイズと解像度。小さいCS2420のほうが価格も安いので、予算と相談しながらサイズを選ぶと良いかもしれません。
ちなみにEIZOのモニターは保証が5年と長いことが特徴。安心をお金で買うならEIZOの商品が良いかもしれません。
参考:
- ColorEdge CS2420 | EIZO株式会社
- ColorEdge CS2730 | EIZO株式会社
- ColorEdge CG2730 / ColorEdge CS2730 スペシャルページ | EIZO株式会社
LG
4Kのモニターを探している人におすすめなのがLGの「27UK850-W」です。BenQやEIZOで4Kのモニターを買おうとすると軽く10万を超えますが、LGは4万弱の価格帯から4Kモニターのラインナップがあります。
中でも映像編集用に向いているのがプロフェッショナルモデルの「27UK850-W」やその後継モデル「27UK850-W」、上位モデルの「32UL950-W」などです。さすがに少し値段は高くなりますが、それでもBenQのSW2700PTと同じくらいなのでかなりお買い得。
また、USB Type-Cの端子を実装しているので、MacbookProの2016以降のモデルとの組み合わせであれば、ケーブル1本で映像の入力と電源供給を行えます。
わたしはLG 27UK850-Wを購入して現在使っています。
→ LGの4Kディスプレイ27UK850-W購入レビュー!Macユーザーに特におすすめ
BenQの他のディスプレイ
BenQのカラーマネジメントモニターにはSW320・SW271・SW2700PT・SW240・PV270などがあります。これらのディスプレイの違いについて次の記事にまとめています。
→ BenQのカラーマネジメントモニターまとめ|各種ディスプレイ性能の違いを比較
まとめ 初めての写真編集用ディスプレイにおすすめ
BenQ「SW2700PT」は写真のRAW現像・レタッチにおいて非常に信頼できる良いモニターです。AdobeRGBやハードウェアキャリブレーションに対応しているので、フォトコンなどで写真をよく印刷する人に特におすすめ。値段が比較的安いこともあって人気のあるモニターです。
もしもう少しお金を払えるなら、ブランドとしてより信頼性の高いEIZOのモニターを買うのも良いかもしれません。より長い5年の保証があります。少し値は張りますが、「CS2420」や「CS2730」といったモニターは、AdobeRGBカバー率99%でハードウェアキャリブレーションにも対応しています。
残念ながら、BenQ「SW2700PT」は4KやThunderbolt3に対応していません。これらのスペックを求めるのであればLGのモニター「27UK850-W」がおすすめです。ちゃんとハードウェアキャリブレーションに対応しています。意外と値段も安いのが嬉しいポイント。ただしAdobeRGBには非対応であることや、遮光フードをとりつけることができない点にご注意ください。
Macで写真・動画編集する4Kディスプレイならこれ!LG 27UK850-W購入レビュー
RAW現像・レタッチソフトといえばAdobeのフォトショップが有名。
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