マウスコンピューターの「DAIV-NG5720」をレビューします。写真や動画用に設計されたノートパソコンです。特に「DAIV-NG5720S1-SH2」は性能のバランスとコストパフォーマンスに優れたノートパソコンとしておすすめ。
追記(2019年2月4日):この記事で紹介しているDAIV-NG5720シリーズは完売しました。再販されるかは定かではありませんが、現在取り扱いはありません。サイズや性能の近い機種としてはNG5500シリーズがあります。こちらのレビューやマウスコンピューターDAIVのパソコンについてまとめた記事があるので参考にしてください。
- DAIV-NG5500レビュー!AdobeRGB対応ディスプレイのノートパソコン
- マウスコンピューターDAIVノートパソコン全種類比較!どれがおすすめ?
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神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。わたしはブログなど主にウェブ媒体用に写真を編集しています。なのでsRGBをカバーできて、持ち運びもできるノートパソコンがあるととても便利。今回はわたしのようにブログやSNS用に写真を編集している人におすすめのノートPC「DAIV-NG5720S1-SH2」をレビューします。
※追記(2018年12月22日):このパソコンは2017年11月に一度お借りしたのですが、さらに2018年に再び同じパソコンを借りました。最初の記事公開から大幅に加筆・修正してより詳しくレビューしました。
DAIV-NG5720ってどんなパソコン?
マウスコンピューターが販売する製品の中で、特に画像編集などクリエイティブな作業をする人向けに作られたパソコンがDAIV(Dynamic Approach Imgery of Visual)というブランドです。クリエイターの多様なニーズに応えられるよう様々なモデルがあり、BTO(カスタマイズ)にも対応しています。
参考:DAIV マウスコンピューターのクリエイター・エンジニア向けPCブランド
わたしが持っているパソコンのひとつがマウスコンピューター製ということもあって、このDAIVシリーズに興味を持ちました。クリエイター向けに特別に設計されたパソコンということで期待が高まります。
DAIVのなかにもいくつかパソコンの種類があります。DAIVのノートパソコンのなかでだいたい真ん中くらいのサイズ・性能に位置するのがNG5720シリーズです。近い性能にNG5500シリーズもあるのですがそちらのほうがCPUの性能が高くAdobeRGBまでカバーしているのに対して、NG5720シリーズはグラフィックスがより高性能なGeForce GTX 1060を搭載しています。CPUの差があるぶんNG5720シリーズはNG5500よりコストを抑えやすいです。NG5720はよりグラフィックス性能に特化しています。
DAIV-NG5720の特徴
ディスプレイの色域はsRGB95%

画像引用:製品特長|外出先でも色へのこだわりを。sRGB比95%液晶搭載ノートPC!DAIV-NG5720シリーズ|DAIV マウスのクリエイター・エンジニア向けPCブランド
写真のRAW現像・レタッチをする場合、ディスプレイのクオリティは非常に重要です。このパソコン「DAIV-NG5720」の液晶サイズは15.6インチ、解像度はフルHD(1920×1080)。色域はsRGB比95%で、どの角度から閲覧しても見た目の変化が小さいIPS方式パネルです。美しいディスプレイで画像編集を快適に行えます。
解像度がフルHDというのは多くの人にとって必要十分と言ってよいでしょう。もちろんこだわればWQHDやUHD(4K)といった解像度もあるのですが、ノートPCとしてはフルHDというのはバランスの良い妥当なラインです。どうしても高解像度のディスプレイが欲しい場合は外付けディスプレイで用意すると良いと思います。
参考:写真にこだわるなら良いディスプレイが必要!カラーマネジメントモニターの選び方
色域がsRGB比95%というのも現代のニーズにちょうど良いスペックだと思います。最近はインスタグラムやブログなどネットに写真をアップして楽しむ機会が増えましたよね。ネットで写真を見る場合の色の再現というのが基本的にsRGBという色域に基づいています。なのでWEB媒体向けに写真を編集する場合sRGBの色域をカバーできるパソコンが大切です。
ノート型なのでもちろん外へ持ち出すことも可能。写真を撮影して、出先ですぐにレタッチをしてシェアしたり、クライアントへ納品できます。人に見せる写真の制作は信頼できるディスプレイがあってこそ。DAIVのNG5720シリーズのディスプレイは多くのフォトグラファーにとって必要なスペックを満たしています。
SSDで高速処理・HDDの大容量ストレージ
マウスコンピューター製品の特徴はSSDやHDDといったストレージの柔軟なカスタマイズです。
SSDもHDDもストレージのことで、パソコンの様々なデータを記憶しておく媒体のことです。SSDはデータの読み込みが高速。そのためOSやソフトの起動がとても速くなります。一方HDDはコストが低く大容量のデータを保存しておけるという特徴があります。
参考:ストレージ HDD/SSD/M.2 SSD|BTOパソコン・PC通販ショップのマウス【公式】
マウスコンピューターの多くのパソコンは2つのストレージを積めるようになっています。つまり、SSDとHDD両者のストレージの良いところどりをできるのです。SSDのおかげで、快適に映像編集などの作業を行える一方で、作業の終わったファイルをHDDに余裕をもって保存しておくことができます。
「DAIV-NG5720S1-SH2」はデフォルトでSSD256GBとHDD1TBを採用。カスタマイズで容量を増やしたり、SSDのストレージをもうひとつ増設することもできます。
カードスロットや映像端子ももちろん搭載
インターフェイスも充実しています。SDカードスロットがあるのはもちろん、映像の出力端子は「HDMI」、「mini DisplayPort」があるので外部ディスプレイへの出力も可能。USB3.0端子は側面と背面の3方向に配置してあります。さらにUSB3.1 (Type C) も2基あります。
参考:製品特長|外出先でも色へのこだわりを。sRGB比95%液晶搭載ノートPC!DAIV-NG5720シリーズ|DAIV マウスのクリエイター・エンジニア向けPCブランド
背面にUSB端子があるのが嬉しいですね。デスクの環境によっては側面よりもここに接続したほうが配線がすっきりすることがあります。
キーボード・排熱ファンなど
DAIV-NG5720のキーボードはテンキー搭載。全体的なキーの配列は素直だと思います。個人的にはこのパソコンの角がカクッとなているデザインがかっこよくて好きです。色も深い黒色で渋いです。
キーボードは好みの打ち心地でした。あまりカチャカチャせず、かつ打ち込んでいる感覚はしっかり伝わります(ピッチ約19mm、ストローク約2mm)。

ホワイトLEDのバックライトを搭載しています。明るさは5段階で調節可能。オフにすることもできます。
映像編集など高負荷の作業をするとファンはすぐ回ります。パソコンがすごく熱くなっているわけでもないので余裕をもってファンは動き出すようです。そんなにうるさくはないですが気になる人は気になるかもしれません。
夏場も安心して使いたい場合はノートパソコン用のPCクーラーを使ってみても良いかもしれません。
ファンをパソコンの下に入れて空気を送る仕組みです。机との間にスペースができるのでより効率的に熱を逃がせます。また作動音もパソコン本体のファンよりは静かでした。
ここは残念!大きくて重い
スペックには不満のない「DAIV-NG5720S1-SH2」ですが、個人的に感じるこのパソコンの唯一最大のデメリットはそのサイズ。大きくて重いのが残念です。
本体寸法は、幅385mm、奥行271mm、高さ31.5mm。質量は約2.8㎏です。これはノートパソコンとしては比較的大型。
同じDAIVシリーズでも「DAIV-NG4500」(14型)なら、幅349mm、奥行247mm、高さ28.8mm。他にも、例えば「Macbook Pro 2017 15インチ」のサイズは幅349.3mm、奥行き240.7mm、高さ15.5mmです。
参考:「DAIV-NG5720S1-SH2」仕様詳細|DAIV-NG5720シリーズ|DAIV マウスコンピューターのクリエイター・エンジニア向けPCブランド
これくらい大きくなると私が普段使っているカメラバッグ(ピークデザインのエブリデイバックパック20L)にはきつ過ぎて出し入れがスムーズに行えません。
パソコンの上にA4の紙とL判の写真、コーベアーをのせました。
さらに残念なことに電源アダプターも大きいです(実測:高さ34mm×幅82mm×長さ163mm)。カフェなどの限られたデスクスペースで作業をする場合、この大きさは邪魔になります。
※電源アダプターが大きいのはパソコンがハイスペックマシーンなためです。高度な処理を行うには電力消費が大きくなるので、アダプターもこのように巨大化してしまいます。
仮に電源をつながずモバイルバッテリーを使った場合、持続時間は仕様書によると最大約7.6時間。しかし私がRAW現像ソフトやインターネットブラウザなどを立ち上げて作業していると実働3時間強といったところでした。ちょっと作業するくらいならモバイルバッテリーでも困りませんが、少し余裕がなくて不安です。
写真編集・動画編集用パソコンとして使ってみた感想
写真のRAW現像について
DAIV-NG5720S1-SH2を使って実際にRAW現像してみました。RAW現像している画面を録画したのでご覧ください。RAW現像ソフトにはDigital Photo Professionalを用いています。















