iPhone 13 Pro の望遠カメラレビュー!望遠レンズの魅力と撮影のコツについて

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iPhone 13 Pro の望遠カメラレビュー!望遠レンズの魅力と撮影のコツについて

iPhone 13 Proのカメラがとてもたのしいのでその性能についてレビューしながら、特に望遠レンズの活用方法について紹介します。iPhoneの望遠レンズをつかって上手に撮影するコツ、その魅力や逆にイマイチな点についてお伝えします。

神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。

iPhone 13 Pro / Max でついに本当の意味の望遠レンズが登場しました。従来よりも焦点距離が長くなって77mmの望遠カメラが使えるようになっています。iPhoneのカメラで撮影するコツ、特に望遠撮影にフィーチャーしてお伝えします。

※超広角や夜景撮影などほかのテーマでもiPhoneカメラの扱い方について解説記事を書いています。
iPhone 13 Pro の超広角カメラレビュー!超広角レンズの魅力と撮影のコツについて
iPhone 13 Pro のカメラレビュー【夜景編】ナイトモードで手軽にきれいな夜景写真が撮れる!

iPhoneの望遠カメラの概要

焦点距離:77mm
※フルサイズ換算(実際の焦点距離は9mm)
参考:センサーサイズと焦点距離・画角の関係性について

絞り:f/2.8

iPhoneで望遠カメラをつかう方法
iPhoneのカメラを起動して、シャッターボタンの上に数字があるので、「3×」を選べば望遠カメラになる。

望遠カメラの相性が良い撮影シーン

  • 物撮り(商品撮影)
  • 風景スナップ
  • ポートレート(人物撮影)

望遠カメラは被写体の形がきれいにでるのが大きな魅力です。静物や人物の撮影に相性がよいほか、風景の一部を切り取ることで印象的なスナップ撮影にも向いています。

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望遠レンズの特性について

iPhone 13 Proは従来機種よりも望遠がすごい

広角カメラ、望遠カメラの画角の違いを比較しました。撮影位置を固定して、広角と望遠を切り替えて撮影しました。撮影に用いたのはiPhone XとiPhone 13 Proです。

iPhoneのカメラの広角と望遠の比較 iPhone XおよびiPhone 13 Pro
iPhoneカメラの広角と望遠の比較(iPhone X および iPhone 13 Pro)

こうして比較してみるとiPhone 13 Proの望遠カメラは従来よりも遠くのものをより大きく撮れるようになっていることがわかります。

撮影テスト環境 三脚にiPhoneを固定
この画像のような環境で三脚にiPhoneを固定して撮影テストを行いました。

iPhone 13 Proの望遠レンズは専門用語でいうと焦点距離77mm相当(フルサイズ換算)の画角です。焦点距離の数字が大きいほどより望遠であることを意味します。従来の望遠カメラはiPhone Xだと52mm相当で、これは「望遠」と呼ばれているもののカメラ用語的には望遠にはおよばない「標準画角」でした。なのでこれまでのiPhoneは望遠撮影を苦手としていました。

その後のiPhoneの機種も多くは同じく52mmの望遠カメラを搭載。iPhone 12 Pro Maxで焦点距離65mmになり、iPhone 13 Pro / Maxでこれが77mmになりました。77mmとなると一般的には「中望遠」と呼ばれる画角になります。

表:歴代iPhoneの望遠カメラの性能

機種名望遠レンズの焦点距離
(フルサイズ換算)
望遠レンズの絞り望遠カメラの
センサーサイズ
iPhone 8 Plus57mmf/2.8 
iPhone X52mmf/2.4 
iPhone 11 Pro / Max52mmf/2.01/3.4
iPhone 12 Pro52mmf/2.01/3.4
iPhone 12 Pro Max65mmf/2.21/3.4
iPhone 13 Pro / Max77mmf/2.81/3.4
iPhone 14 Pro / Max77mmf/2.81/3.5
iPhone 15 Pro77mmf/2.8
iPhone 15 Pro Max120mmf/2.8

※焦点距離は長いほど望遠、短いほど広角になる。
※絞りのF値は小さい数字のほうが光をたくさん取り込めて暗所で高画質になりやすい。
※センサーサイズは大きいほど高画質になりやすい。
※iPhone 14 Pro / Max は望遠レンズ以外に標準の広角レンズを利用した望遠2倍ズーム撮影(48mm f/1.78)にも対応。

「中望遠」はカメラ業界では物撮りやポートレート撮影などでよく使われる画角です。なぜそういったジャンルの撮影に中望遠の画角のレンズが用いられるのか、その特性について以下で解説します。

望遠レンズは被写体の形がきれいにでる

超広角、広角、望遠を使い分けて被写体の形がどう変わるかを比較しました。被写体がだいたい同じサイズで写るようにカメラの距離を調整して撮影しています。

iPhoneの超広角、広角、望遠で比較
左から超広角、広角、望遠で撮影。カメラはiPhone 13 Pro。

被写体はハロウィンのコスチュームを着ているコーベアーの人形。3枚とも人形が同じくらいの大きさで写るようにしているのですが、それぞれで形のバランスが異なることがわかると思います。特に一番左の超広角で撮影した写真を見ると、左半身がより大きく強調されています。画角が広いと遠近感が強調されてしまうので、手前にあるものがより大きく奥にあるものがより小さく見えます。そのため広角だと顔が横長で鼻がでっぱっているような印象になり、ちょっとブサイクに写ってしまいます。

なので被写体の形をより良く見せたいときは望遠レンズが愛用されます。商品撮影や人物撮影など、プロの現場では中望遠の焦点距離で撮影されることが多いです。

望遠レンズは近景と遠景の距離が縮まって見える

望遠レンズは画面内の被写体の距離が縮まって見える特性があります。iPhone 13 Proの広角と望遠で比較テストを行ったのでご覧ください。

iPhoneの広角と望遠で比較して圧縮効果を検証
圧縮効果の比較。左が標準の広角カメラ、右が望遠カメラ。iPhone 13 Proで撮影。

いずれも被写体となっている人形の大きさはだいたい同じになるように撮影しています。しかしそれぞれの写真を見比べると背景の様子が広角と望遠でだいぶ違います。望遠撮影した右の写真のほうが、人形のうしろの置物や棚がより大きく写っていて、被写体と背景の距離がより近い印象です。

また広角撮影した左の写真のほうが背景にいろんなものが写っています。望遠ではまったく写っていない花瓶が広角の写真の右上あたりに確認できますね。

もちろん被写体の位置は動かしていなくて、調整しているのはカメラの位置だけです。広角カメラで近寄って撮るのと、望遠カメラで離れたところから撮るのとではこのような違いがでます。

この特性を利用すれば、例えば背景に余計なものを入れたくないときに便利です。また画角内のものは距離が縮まって見えるので被写体をぎゅっと圧縮したような映像表現もできます。

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iPhoneの望遠カメラの活用方法

作例写真をお見せしながら望遠カメラの活用方法についてお伝えします。

※この記事に掲載している作例写真はすべてiPhoneに標準でインストールされているカメラアプリで撮影しています。iPhoneのカメラに搭載されている標準の調整機能や編集機能で調整したのみで、そのほか特別な編集ソフトなどは用いていません。

ポートレートモードと相性が良い

iPhoneのカメラの「ポートレート」モードを利用すると、まるで一眼カメラで撮ったような背景ボケをデジタル処理で再現してくれます。どれくらいボケるかも簡単に調整できます。

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バストアップの人物撮影、の作例写真は用意できなかったので像を撮ってみました。立体感ある写真になっていますね。

望遠レンズはせっかく形がきれいに撮れるので人物撮影に活躍してくれます。ポートレートモードで背景ボケをつくることでより立体感のある写真が撮れます。

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背景ボケの区切りはよく見るとやや不自然。花の枝の細い部分をおおむね認識できているもののボケているところもある。
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iPhoneのポートレートモードでもまるで一眼で撮影したような玉ボケができる。

物撮りできれいに形がでる

いまの時代スマホで自分の働く会社の商品を撮影している人も珍しくないと思います。ライターさんやユーチューバーさんなどメディア関係の人でもスマホカメラで取材撮影を行っていることが多いようですね。望遠カメラは形がきれいに撮れるので物撮りの際に特に役立つはずです。

IMG_4621

上の写真は室内のふつうの天井照明のもと撮影。白い背景があるところでただシャッターボタンを押しただけです。ちゃんときれいに撮れていると思います。

食事の記録に望遠カメラをつかうかは迷うところです。望遠でもきれいに撮れますがちょっと距離がいるので、ふつうに席にすわって撮るなら標準の広角カメラのほうが撮りやすいかもしれません。

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景色の切り取りで被写体が明確化

望遠レンズの圧縮効果を活用して、奥行きがあるところを望遠で撮るとたのしいです。手前にあるものと奥のものの距離が縮まって見えるので風景スナップでぜひ活用してほしいです。一般的に多くの人は風景の写真を撮るときにふつうの広角カメラで漠然と写真を撮ることが多いので、望遠カメラをつかって風景の一部を切り取って撮影するだけでほかと違った印象的な写真になりやすいです。

作例写真をずらっと並べてみました↓

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IMG_3770_DxO
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風景写真 望遠と広角の撮り比べ

参考までに風景撮影の際の、望遠と広角の比較写真をいくつかお見せします。同じ場所でも望遠と広角でかなり印象が変わるので参考にしてください。

撮影シーンA

IMG_4361
望遠カメラで撮影
IMG_4370
広角カメラで撮影

撮影シーンB

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望遠カメラで撮影
IMG_3472
広角カメラで撮影

撮影シーンC

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望遠カメラで撮影
IMG_3295
望遠カメラで撮影
IMG_3292
広角カメラで撮影
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iPhoneの望遠カメラの弱点・注意点

iPhone 13 Proの望遠カメラをつかっていて弱点や気をつけたほうがよさそうな点が見つかったのでそれについてもお伝えします。

望遠カメラのつもりが広角のデジタルズームに

撮影テストをしていて気づいたのですが、薄暗い場所だと望遠カメラをつかったつもりがけっきょく広角カメラのデジタルズームになってしまっていることがあります。

カメラの画面では「×3」というボタンをタップして望遠カメラを起動しているはずなのですが、撮影した写真の情報を確認してみると実際は広角カメラが使われていたということが何度かありました。これはつまり「×3」を押しても状況に応じてiPhoneが勝手に標準の「×1」の広角カメラでデジタルズームを使用していることを意味します。

iPhone 13 Proの広角レンズと望遠レンズでは、レンズ性能の違いで広角のほうが暗いところの撮影に優れているのでそちらが優先的に起動される仕様のようです。勝手に切り替わるのは便利といえば便利ですが、勝手に変わってしまうくらいなら最初から広角で撮ったほうが良い気もします。ちょっと悩ましい仕組みです。

IMG_3803_DxO
望遠で撮ったつもりが実際は広角カメラのデジタルズームで撮影されていたプリンの写真。

また望遠カメラが機能するのは被写体との距離が50㎝くらいは少なくとも離れていないと使えないのではないかという気もします。近づくとだいたい広角カメラが起動しています(厳密に検証できているわけではありません)。

原則として暗所に弱い

暗所撮影の画質を測る指標のひとつにレンズのF値があります。iPhone 13 Proの広角レンズがF1.5に対して望遠レンズがF2.8です。広角レンズのほうがおよそ4倍の量の光を取り込めることを意味します。F値が小さいほどたくさん光を取り込めます。

暗いところだと、望遠レンズの画質はあまりよくなく、そもそも望遠カメラが起動されないことが多いです。暗いところでも「ナイトモード」をつかえば望遠でもきれいに撮れるので夜景撮影をするときはナイトモードを活用することをおすすめします。

iPhone 13 Pro のカメラレビュー【夜景編】ナイトモードで手軽にきれいな夜景写真が撮れる!

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YouTubeのレビュー動画

YouTubeでもiPhoneのカメラについてレビューしました↓

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