キヤノンが新型の広角単焦点レンズ「RF16mm F2.8 STM」を発表しました。予約がすでに始まっており10月下旬発売予定。先行展示されているキヤノンフォトハウス大阪まで行って実機を使わせてもらったのでハンズオンの感想をお伝えします。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。
個人的にとても気になる魅力的なレンズがキヤノンから新発表されました。先行展示されているショールームまで行って実際にレンズを触ってきたので分かったことや気になったことをお伝えします。
RF16mm F2.8 STMの概要
2021年9月14日付でキヤノンより新製品の広角レンズ「RF16mm F2.8 STM」が発表されました(参考:超広角単焦点レンズ“RF16mm F2.8 STM”を発売:ニュースリリース|キヤノンマーケティングジャパングループ)。
EOS Rシリーズのカメラに対応するRFレンズです。小型・軽量であることが特徴でレンズの長さはわずか40mm、質量165gで非常にコンパクトな仕上がりです。
表:RF16mm F2.8 STMの仕様
マウント | キヤノンRFマウント(EOS Rシリーズに対応) |
---|---|
焦点距離 | 16mm |
手振れ補正 | なし |
フィルター径 | 43mm |
最大径×長さ | 約φ69.2mm×40.2mm(収納時) |
質量 | 約165g |
最短撮影距離 | 0.13m |
最大撮影倍率 | 0.26倍 |
最小絞り | 22 |
レンズ構成 | 7群9枚 |
価格 | 41,800円(税込・キヤノンオンラインストアにて) |
発売日 | 2021年10月下旬(2021年9月16日午前10時より予約開始) |
キヤノンフォトハウス大阪の先行展示でハンズオン
キヤノンフォトハウス大阪を訪れて「RF16mm F2.8 STM」の実機を見てきました。実際に触ってみて気づいたことをお伝えします。
※展示されているのは開発版の製品なので、実際に販売される正規品とは仕様が異なる可能性があります。
私物のカメラ・レンズと並べて大きさを比べてみました。右はわたしが普段使っている「EOS R」と「RF35mm F1.8 マクロ IS STM」です。35mmのレンズもだいぶ小さいレンズなのですが、「RF16mm F2.8 STM」はより小型です。フルサイズのレンズでここまで小さいレンズはとても珍しいですね。パンケーキレンズの「EF40mm F2.8 STM」を思い起こさせるくらいのサイズ感です。
小型化をはかるためにフォーカスリングとコントロールリングが統一されています。レンズ側面のスイッチで切り替える仕組みです。ほかのレンズのコントロールリングのようなクリック感はありませんでした。「RF50mm F1.8 STM」と同様の構造のようです。
フォーカス駆動はSTM(ステッピングモーター)を採用。快適なAFです。ただしナノUSM搭載のレンズの爆速AFには及びません(同じく新発売のRF100-400mm F5.6-8 IS USMが横に展示されていたのですが、こちらのAFはめちゃくちゃ高速で感動しました)。
試しに私物のフィルターをつけさせてもらいました。PLと可変NDが備わった厚みのあるフィルターなのですが、装着してもケラレは確認できませんでした。広角レンズなのでケラレを心配していたのですがひとまず安心です。ただし、撮影データの持ち帰りは許可されておらずあくまでカメラのモニターやEVF内で見たかぎりなので見落としがあるかもしれません。
参考:レンズフィルターのイライラを解消!フィルター径を気にせず使える可変ステップアップリング「REVORING」がすごい
同様の理由で細かい画質のレビューもできません。周辺の解像感が低いのではないかと個人的に心配していたのですが、カメラのモニターで見た限りではそこまで解像感が落ちているようには見えませんでした(できるだけレンズのそのままの性能を見ようと思ってデジタルレンズオプティマイザをオフにした状態で撮影しました)。
RF16mm F2.8 STMの魅力と懸念点
RF16mm F2.8 STMについてわたしが感じている魅力や、心配に思っているポイントについてお伝えします。
フルサイズのEOS Rシリーズで使える広角レンズ
EOS Rシステムで広角撮影をどうするかはひとつの悩みの種でした。RFマウント用の広角レンズはどれも高級なもので、性能は素晴らしいもののなかなか手の出しづらいレンズばかり。
わたしがこれまでEOS Rで広角撮影したいときはマウントアダプターとセットで、「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」や「EF8-15mm F4L Fisheye USM」を使っていました。
どちらもお気に入りのレンズですがEF-S10-18mmはAPS-C用なのでせっかくのフルサイズを存分には活かすことができません。EF8-15mmは魚眼なのでどちらかというと癖を楽しむレンズなのでやはりふつうの広角とはすこし性格が異なります。マウントアダプターも必要です。
参考:EF8-15mm F4L Fisheye USMレビュー!キヤノン一眼カメラ用のすごい魚眼レンズ
そこに手頃な価格帯でしかもF2.8と明るいレンズの登場です。これには胸がときめかざるをえません。
おどろくほど小さくて軽い
しかも小型・軽量です。初めて「RF16mm F2.8 STM」の情報を見たときは「え、こんなに小さい広角が出るんだ!」と素直に驚きました。最近は小型のカメラシステムで軽快に撮影を楽しむのにハマっているので、このサイズはとてもうれしいです。
めっちゃ安い
価格も大事です。高級なLレンズも試したのですが、費用的につらいというのもありますし、いざ使おうと思ったときにも変に緊張してしまうのが個人的には悩ましいところです。手頃な価格だと購入の決意だけでなく、その後の使いまわしにおいても気が楽になるので、「RF16mm F2.8 STM」の価格は素晴らしいと思いました。
参考:RF15-35mm F2.8 L IS USMミニレビュー!超広角から標準までカバーする超優秀なレンズ
わたしがこのブログでカメラの記事を書く理由のひとつは多くの人にカメラの楽しさを知ってもらいたいからなので、できるだけ手頃な価格の選択肢がほしいところです。そういう意味でも「RF16mm F2.8 STM」は救世主のような存在ですね。
画質はどうなの?
心配な点としては画質です。特に広角レンズは周辺部の解像感が落ちやすく気になることがあります。価格が安いこともあって「画質が悪いんじゃないか」と変に邪推してしまいます。
ただ個人的にはなんだかんだでキヤノンへの信頼感もあるのでわたしはそこまで心配していません。特に最近のキヤノンの低価格レンズは、デジタル処理によって画質が大幅に改善される傾向にあります。レンズの光学補正をかけることで周辺光量の低下や歪曲収差は自然に解消できることがほとんどですし、「デジタルレンズオプティマイザ」によって解像感を含む画質が向上します。
「デジタルレンズオプティマイザ」をオンにするとすこし連射速度が落ちるというデメリットはあるものの、個人的にはそれを圧倒的に上回るメリットがあるので基本的にずっと利用しています(カメラによってはカメラ内でオンにできないのでRAW現像の際に処理をする必要があります)。
わたし買います。予約します。
このサイズ・重さで、4万ほどというお手頃価格で買えるのがとてもうれしいです。キヤノンオンラインショップで41,800円、カメラのキタムラで37,620円となっています(記事執筆時点、いずれも税込価格)。
個人的な懸念点は画質(主に周辺の解像感)や手持ちのフィルターがちゃんと使えるかどうかだったのですが、なんとかなりそうなのでさっさと予約して手に入れて使いこもうと思います。最近の新製品は早めに予約しておかないと実際に手元に届くまで時間がかかる傾向があるのでとりあえず予約してしまったほうが良さそうです。
予約:
- キヤノン RF16mm F2.8 STM | キヤノンRFマウントの通販 | カメラのキタムラ
- RFレンズ RF16mm F2.8 STM ●10月下旬発売予定:交換レンズ 通販|キヤノンオンラインショップ
- カメラレンズ RF16mm F2.8 STM [キヤノンRF /単焦点レンズ] キヤノン CANON 通販 | ビックカメラ.com
対応レンズフードは「EW-65C」(別売り)です。
フィルター径は43mmです。
追記:案の定、予約殺到だそうです。
おまけ
新しいレンズ買うと楽しいんですよね。最近もEF-M32mm F1.4 STMを買ったのですが、これめっちゃよくてたくさん撮影してます。先行展示を見に行ったキヤノンフォトハウス大阪近くの喫茶パウゼにてお昼ご飯を食べました。これもEF-M32mm F1.4 STMで撮影(カメラはEOS Kiss M)。
おいしかったのでキヤノンフォトハウス大阪まで行った人におすすめです。
参考:キヤノンRFマウント用レンズまとめ!フルサイズミラーレス一眼カメラ向けの魅力的なレンズが続々
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