写真撮影に三脚を用いる理由は大きく分けてふたつ。一つ目は三脚がないと撮れない写真があるから。そして二つ目は、三脚があれば撮影が便利になるからです。
三脚で出来る写真表現
三脚を使うからこそ可能な写真の表現のパターンを見てみましょう。三脚を使えば1秒以上のシャッタースピードでも手振れを起こさず撮影できます。
くっきりと美しい夜の風景
三脚を用いた撮影で定番のもののひとつが夜景撮影です。暗い夜中に手持ちで撮影しようとするとスローシャッターで手振れが起きてしまったり、ISOを上げることになりノイズが目立つ不鮮明な写真になってしまいがちです。
三脚を使えばこれらの問題を防ぐごとができます。また絞り込んでくっきりとした画面全体をくっきりと映すことも可能です。
手軽に夜景をきれいに撮影するには、まず三脚にカメラをセットすること。そして絞り優先モードでF値を8~16、ISOを100に設定してあげればOKです。レンズやカメラに手振れ補正機能がある場合、誤作動しないように機能をオフにしておきましょう。
車のライトが描く光の線
三脚を使えばスローシャッターを切れるので光の軌跡を写真に撮ることができます。
応用で次のような観覧車の写真も撮れます。
迫力ある花火
花火も三脚撮影の定番の被写体のひとつです。このような写真も三脚を使えば合成の必要なく撮ることができます。仮にあとから合成する場合でも三脚があったほうが便利です。
優雅で品のある水の流れ
水の流れが線になって見えるように撮りたい場合も三脚が活躍します。激しい水の流れもどこか柔らかく優しい印象になります。
この場合も1秒以上のスローシャッターで撮影しますが、明るいときに撮影する場合はNDフィルターという光の量を減らすフィルターが必要になります。昼間に長秒撮影する場合はND400以上のフィルターを買ってください。数字が大きいほど減光量が大きくなります。
フィルターを買う際は、手持ちのレンズに合うフィルター径を選んでください。
夜ならNDフィルターがなくても撮影できます。
不思議な見た目の露光間ズーム
スローシャッターに設定して撮影中にズームすることで止まっているものを動きがあるように見せることができます。露光間ズームと呼ばれる撮影テクニックです。
道行く人を消す
三脚とスローシャッターで通行人を映らないように撮影することができます。例えばこの藤の花の写真。
ここは百毫寺といって藤の花が有名な場所です。これを撮影したときも多くの人が訪れていました。これを三脚とNDフィルダーを使って長秒露光をすることでカメラの前を横切る人たちが映らないですみました。
ちなみに完全に消せずに失敗したのがこちらの写真。前を横切るくらいなら写真に映らないのですが、立ち止まってカメラをしばらく構えておられた人がいたので画面左にうっすらと映ってしまいました。
記念写真
自分を含めた集合写真を撮りたいときにもやはり三脚が便利です。その際はタイマー撮影することになりますからいざとなったときに使えるようカメラの設定方法を確認しておきましょう。もしくはリモコンを用いるという方法もあります。
三脚があると便利な写真撮影
上記の撮影例は三脚を使わないとほぼ不可能な写真の例でした。次に三脚がなくても撮影できるものの、あると撮影が便利にスムーズに行えるものをご紹介します。
風景撮影
スローシャッターを必要としない風景写真の場合でも三脚を用いることがあります。それは構図を決めてシャッターチャンスを待つためです。
風景写真で最高のシャッターチャンスはごく限られた時間であることがほとんどです。朝日の撮影や日が暮れて刻々と空が色を変えるマジックアワーの撮影。あるいは鉄道写真を撮る場合はその列車がくるまでは待ちの時間になります。三脚を使って最高の構図を決めて準備しておくことでそのわずかなシャッターチャンスを最大限に活かすことができます。
重量級の望遠レンズを用いた撮影
鳥や飛行機、スポーツなどを望遠レンズで撮るときも三脚を用いることがあります。望遠レンズは大きくて重いものが多いので手持ちでずっと構えるのは大変です。
物撮り
商品撮影などで物を撮るときも三脚は便利です。マクロ撮影の際によくある手振れの防止に役立ちます。また、カメラの位置を固定できた方が、照明やテーブルのスタイリングの微調整をスムーズに行えます。類似商品を同じセットで連続して撮影するときや、ビフォーアフターの比較写真を撮るときも構図を固定する必要があります。
比較写真の例
レンズフードの有無 同じ構図で撮影したのでスライドで分かりやすい比較ができます
おすすめの三脚
三脚選びはとても迷うのですが、最初に買うならいろいろな種類があるなかでもコンパクトなトラベル型の三脚をおすすめします。まずは持ち運びがしやすいもののほうが使い勝手が良いです。後々大型なものが必要になってもトラベル三脚なら使い分けができるからです。
例えばManfrotto(マンフロット)のトラベル三脚Befreeシリーズは小型かつ安定性が高くてとても人気があります。
追記(2019年5月22日):ピークデザインからトラベル三脚が発売されました。これはとても良さそう。わたしも買います。
→ Peak Designがトラベル三脚を新発売!小型・軽量で「世界一携帯と収納に優れた三脚」
ちなみに三脚の頭のカメラを支える部分のことを「雲台」と呼びます。三脚とセットで売られていることも多いですが、この雲台は他のものに取り換えられるようになっています。より良い雲台が欲しくなった際は「アルカスイス互換」の雲台の購入をおすすめします。詳しくは次の記事にて。
参考までに私が使っている三脚と雲台についてはこちらにまとめています。
→ わたしの愛用カメラ機材紹介!【三脚・一脚編】2018〜2019年版
まとめ 三脚があると楽しいよ!
三脚を使えば、手持ちでは不可能な表現が可能になったり、撮影を円滑に進めることができます。ここで紹介した以外にも写真を合成してHDRやパノラマ写真を作るときも三脚は活躍します。スローシャッターを使った表現の可能性は非常に大きいのでぜひ色々と試してみてください。
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