
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。
タムロンのAPS-C用標準ズーム「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(Model B070)」のキヤノンRFマウント用を、EOS R50 Vに付けて3週間ほど使いました。ふだんの撮影に加えて、東京への1泊2日の出張にもこの1本で出かけています。この記事では、雨の表参道や浅草、ギャラリー、旅先の食事などの作例写真と、使ってみて助かったところ・気になったところをまとめます。
※レンズはタムロンさんからお借りしたものです。記事の内容についての指定や監修はなく、使って感じたことをそのまま書いています。

気になっていたレンズなので貸してもらえて嬉しい!撮影した写真をたっぷりお見せします。
タムロン 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(RF用)の概要
RFマウント用は2026年7月に登場
レンズ自体は2021年にソニーEマウント用として登場し、その後に富士フイルムX用が加わった、APS-C用の標準ズームとしては定番の1本です。キヤノンRFマウント用はニコンZマウント用とあわせて2026年7月2日に発売されました。
キヤノンのAPS-C機に付けると焦点距離は1.6倍相当になるので、画角は35mm判換算で27.2-112mm相当。広い風景から、少し離れた被写体の切り取りまでを1本でまかなえます。
仕様
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 焦点距離 | 17-70mm(35mm判換算 27.2-112mm相当) |
| 開放F値 | F2.8(ズーム全域)/最小絞り F22 |
| レンズ構成 | 12群16枚/絞り羽根9枚(円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 0.19m(広角端)/0.39m(望遠端) |
| 最大撮影倍率 | 約0.21倍(広角端)/約0.19倍(望遠端) |
| フィルター径 | φ67mm |
| 最大径×長さ | φ74.6mm×117.3mm |
| 質量 | 530g |
| 手ブレ補正 | VC搭載 |
| スイッチ | AF/MF切り替え、VC ON/OFF(RFマウント用のみ) |
| その他 | 簡易防滴構造・防汚コート/USB-Cポート(ファームウェア更新用) |
| 発売日 | 2026年7月2日 |
| 希望小売価格 | 168,300円(税込) |
| 実売価格 | 129,880円(税込・2026年9月時点・ビックカメラ) |
| 項目 | スペック |
外観と操作性
「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(Model B070)」の外観の特徴や、操作性について紹介します。

マットな質感で装飾の少ない、現代的なデザインです。EOS R50 Vに付けても見た目がよく馴染み、純正でないことを忘れるほどでした。

重さは530gで、APS-C用としてはしっかりした大きさがあります。R50 Vのような小型ボディに付けると重心はレンズ側に寄りますが、首から下げて歩き回るぶんには困りませんでした。

鏡筒の左側には、AF/MF切り替えとVC(手ブレ補正)のON/OFFスイッチがあります。このスイッチはRFマウント用にしか付いておらず、Eマウント用・Zマウント用にはありません。メニューを開かずに指先で切り替えられます。

リングは前玉側の太いほうがズーム、マウント側の細いほうがフォーカスです。キヤノンのズームレンズは配置が逆のものが多く、ズームリングの回転方向もキヤノンとは反対。ここは慣れが必要でした。
フォーカスリングは回したときの抵抗が一定で、狙った量のぶんピントを動かしやすい感触です。動画でサーボAFを一時停止しているときは、レンズのスイッチをMFにしなくてもリングでそのままピントを送れました。

レンズの外観と操作性については、noteにも詳しく書きました。

作例写真
すべてEOS R50 V+タムロン17-70mm F/2.8で撮影しています。キャプションには焦点距離・F値・シャッタースピード・ISO感度を入れています。
1日目:新幹線から雨の表参道へ
出張の1日目は新幹線で東京へ。午後の表参道は雨でした。傘を差しながらでも、ズームリングを回せば広い通りの景色から建物の一部の切り取りまで撮れるので、立ち止まる時間が短く済みます。







2日目の朝:晴れ間の都会
2日目の朝は少し晴れ間がのぞきました。東京ミッドタウンのあたりから歩き始め、六本木ヒルズ森タワーのあたりまで散歩しました。見上げる建築は17mmで広く、遠くの東京タワーは70mm側で引き寄せて撮っています。





浅草寺
浅草寺では、本堂や宝蔵門、雷門を広く入れたカットに加えて、シャッタースピードを遅くしたスナップも試しました。


宝蔵門の1枚はシャッタースピード1/5秒、手持ちで撮っています。歩いている人はブレて流れ、門はピタッと止まる。EOS R50 Vはボディに手ブレ補正が無いので、レンズ側の補正でここまで止まるのは心強いです。



写真の家 soke でインテリア撮影
東京・亀戸にある「写真の家 soke」にも立ち寄りました。古民家を改修した建物で、どこを切り取っても絵になります。訪れたときは、写真家・みぬさんの個展「踊るつまさき」が開かれていました。個展の様子はYahoo!ニュース エキスパートの記事にまとめています。

建物の中では、部屋全体を広く撮ったり、望遠で照明やガラスのディテールに寄ったり、1本のレンズで様々なカットに対応できました。









室内でもF2.8で撮れるので、ISO感度を上げすぎずに済みました。F2.8で撮ったカットは、ISO感度100〜800に収まっています。
旅先の食事
最短撮影距離が広角端で0.19mと短く、テーブルの料理に座ったままピントを合わせられます。出張中の食事もこの1本で撮りました。





料理全体を写すなら17〜24mmあたり、黄身のとろみなど質感を見せたいときは少しズームする、など使い分けがしやすかったです。
使って分かった、このレンズのありがたいところ
ズーム全域でF2.8のまま撮れる
F値はレンズが取り込む光の量を表す数字で、小さいほど明るく撮れ、背景もぼけやすくなります。多くのズームレンズは望遠側にすると数字が大きくなって暗くなりますが、このレンズは17mmでも70mmでもF2.8のままです。
ズームしても露出が変わらないので、一度決めた設定のまま撮り続けられます。室内や夕方など暗い場所では、F2.8で撮れるぶんシャッタースピードを速く保てて、ISO感度も上げずに済みます。
設定の目安は、暗い場所ではまずF2.8に開けて、ISO感度はオートにしておくこと。背景をぼかしたいときもF2.8、景色の隅までくっきり写したいときや商品撮影で深くピントを合わせたいときはF5.6〜F8あたりまで絞ります。
70mm(112mm相当)まで届くズーム範囲
F2.8通しのAPS-C用標準ズームは3倍前後(17-50mmなど)のものが多いなか、このレンズは70mmまで伸びます。キヤノンのAPS-C機なら112mm相当で、しっかり望遠と呼べる画角です。


少し離れたところから子どもを撮ると、背景がすっきり抜けて、ボケの気持ち良い写真や映像になりました。そこまでF2.8で撮れるのがうれしいところです。
レンズ内手ブレ補正で、写真も動画も手持ちで撮れる
EOS R50 Vはボディ内手ブレ補正を持たないカメラなので、手ブレを抑えるのはレンズ側の役目になります。このレンズはVC(手ブレ補正)を内蔵しているので、安心して撮影できました。
写真では、浅草寺で試した1/5秒のスローシャッターがその一例です。動く人はブラしつつ、建物は止めて写せました。
動画の手持ち撮影でも頼りになります。キヤノンのイベント取材で動画を撮ったときも、手持ちでしっかり撮影できました。カメラ内の電子手ブレ補正(画角が狭くなる)をオフにしても安定していたので、17mmの広さをそのまま使えます。
フィルター径67mmで、手持ちのフィルターを使い回せる
67mmは大きすぎない標準的なサイズで、タムロンのほかのレンズの多くもこの径です。わたしが愛用しているキヤノンのレンズにも67mmが多く、手持ちのフィルターとステップアップリングの組み合わせをそのまま使えました。

NDフィルターは、レンズに付けるサングラスのようなもの。明るい屋外でもシャッタースピードを落とせるので、写真では水や人の流れを表現するスローシャッターに、動画では明るい日中でも自然なブレ感の映像を撮るのに使えます。フィルターは径ごとにそろえると出費がかさむので、径が同じなのは実用面でのメリットです。

気になったところ
オートフォーカスの速さは「遅くはないが、速くもない」
AFは、ピントが合うまでの速さも精度も、遅すぎず速すぎず、というのが使ってみた実感です。
キヤノン純正のナノUSM(高速なAFモーター)を積んだレンズと比べると、ピントが合うまでが少し遅く、そこには及びません。一方で、ギアで駆動するSTMの純正レンズには、このレンズより遅いものもあります。日常のスナップや旅行、食事の撮影なら、十分に使える速さでした。
気になったのは動画を撮っているときです。被写体を切り替えたあと「もう少し早くピントが来てほしい」と感じる場面がありました。スポーツや動きの速い被写体など、素早いピント合わせが求められる撮影では、苦労するかもしれません。
タムロンの公式サイトにも、キヤノンRFマウント用とニコンZマウント用について、動画撮影中にズームするとAFが追従しにくい場合がある、という注意書きがあります。動画でズームを使うときは、画角を決めてから撮り始める、ズームしたらピントを確かめる、といった撮り方をおすすめします。
AFの速さと精度に最高水準を求めるなら、キヤノン純正レンズを選ぶほうが満足できるはずです。
530gの重さ
レンズの質量は約530g。広いズームレンジと明るいF値を考えれば納得ですが、APS-C用のレンズとしては軽いとは言い難いです。1泊2日持ち歩いた範囲では困りませんでしたが、軽さを優先する人には向きません。
リングの配置・ズームの回転方向がキヤノンと逆
キヤノンのレンズに慣れていると、ズームしようとしてフォーカスリングを回したり、ズームの方向を逆に回したりしがちです。使っているうちに慣れましたが、キヤノン純正と併用する人は覚えておきたい点です。
防塵防滴ではなく「簡易防滴」
小雨や水しぶきへの備えはありますが、土砂降りや砂埃のなかで振り回せる仕様ではありません。雨の表参道でも持ち出しましたが、強い雨の日は傘やレインカバーを併用しましょう。
まとめ:レンズ交換の手間なく、1本でテンポよく撮りたい人に
17mmから70mmまで、ズーム全域F2.8で、手ブレ補正つき。東京出張ではレンズ交換を一度もせず、広い景色から少し離れた被写体の切り取り、テーブルの料理まで撮りきれました。荷物を減らしたい旅や出張で、この機動力は大きな助けになります。
向いていそうなのは、次のような人です。
- キットレンズの次の1本を探している人 … RF-S18-45mmやRF-S14-30mmから持ち替えると、明るさと望遠側の広さで表現の幅が広がります
- 旅や出張、イベントでレンズを交換したくない人 … 27.2-112mm相当を1本でまかなえます
- ボディ内手ブレ補正の無いカメラで動画も撮る人 … EOS R50 VやR50、R100と組み合わせると、レンズ側の補正が頼りになります
一方で、AFの速さは純正のナノUSMレンズには及ばず、530gの重さやキヤノンとは逆のリング操作も好みが分かれるところです。
それでも、キヤノン純正にはAPS-C用でズーム全域F2.8のレンズが現状ありません。フルサイズ用のF2.8ズームは価格が上がるうえ、APS-C機に付けると広角側が足りなくなります。APS-C機で明るいズームを使いたい人にとって、このレンズは魅力的な1本です。
撮影した動画は、YouTubeのレビューであらためて紹介する予定です。
参考URL
- 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(Model B070)|タムロン公式サイト
- ニコン Z マウント用、キヤノンRFマウント用発売のお知らせ|タムロン公式サイト
- TAMRON Lens Utility|タムロン公式サイト
- 写真の家 soke





