デスクトップパソコンとノートパソコンそれぞれのメリット、デメリットについてまとめました。特にわたしはパソコンを写真編集や動画編集の用途として使っているので、クリエイター向けPCとしての観点から説明します。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。パソコンの購入ガイドとして今回はデスクトップとノート型を比較します。それぞれに長所と短所があるので、自分の用途を考えながらより適したものを選びましょう。
デスクトップパソコンの良いところ・特徴
- 熱処理に優れハイパフォーマンス
- 静音環境をつくりやすい
- カスタマイズしやすい
デスクトップパソコンは自宅やオフィスなどに設置して使うことを想定して設計されているのでケースが大きいという特徴があります。これはパソコンのパフォーマンスを考える上でとても重要です。
熱対策ができてハイパフォーマンス
ケースが大きいことによるメリットのひとつは余裕をもった熱処理が可能だということです。つまりCPUやグラフィックス、ドライブといったパソコンのパーツが本来備えている性能を十分に活かすことができます。
これがどういうことかもう少し詳しく説明しましょう。パソコンは使っていると熱を帯びます。そしてこの熱が高まりすぎると壊れてしまいます。さすがに壊れてしまうのは大変な問題なので、パソコンにはそうならないようにするための「サーマルスロットリング」という機能があります。
これは熱が高くなると壊れる前にストッパーが働いてパソコンの熱上昇を抑えるという仕組みです。つまりあえてパソコンのパフォーマンスを下げることで熱が上がらないようにするのです。サーマルスロットルによって熱は上がりにくくなりますが、パソコンが本来備えている限界の性能を発揮することはできません。ですのでパソコンの設計者は、パソコンが壊れないようにするのはもちろんのこと、きちんと本来のパフォーマンスが出せるようにファンをつけたりして熱対策を行なっています。
ノートパソコンの場合は持ち運びできるようにコンパクトなサイズに設計されているので中身がぎっしりとつまっています。ファンも入っているとはいえ、熱を逃す余地が少なくすぐに高い熱を帯びやすいです。
デスクトップパソコンであれば、ケースが大きくスペースに余裕があるので熱を逃しやすいです。熱を下げるための立派な冷却器を内蔵することもできます。このように熱対策ができるぶんデスクトップパソコンは高性能なパーツを積めて高いパフォーマンスを発揮できます。
特にRAW現像や映像編集といった作業はパソコンに負荷がかかる大変な作業です。高性能なCPUやグラフィックスが必要になりますが、高性能なパーツほど発生する熱も大きくなります。単純に性能のことを考えればパソコンは熱処理が優秀なデスクトップのほうが断然良いです。
わたしはノートパソコンを使う機会が多かったのでそのパフォーマンスに慣れていたのですが、レビュー用にデスクトップパソコンを借りてあまりに快適に作業できることに驚き感動しました(もちろん価格帯、スペックにもよります)。
例えば下の比較表をご覧ください。ノートパソコンとデスクトップパソコンでRAW現像にかかる時間やベンチマーク(パソコンの性能を測る指標)を比較しました。
パソコンの型番 | DAIV-NG7510S2-M2SH2 | DAIV-DGZ530E1-KBFD |
---|---|---|
種類 | ノート | デスクトップ |
価格(税抜き) | 269,800円 | 109,800円 |
2400万画素 25枚 | 28秒 | 28秒 |
3000万画素 25枚 | 38秒 | 41秒 |
2400万画素 100枚 | 1分47秒 | 1分46秒 |
3000万画素 100枚 | 2分28秒 | 2分31秒 |
PC Mark10総合スコア | 5088 | 4963 |
PC Mark10 クリエイティブスコア |
6239 | 5406 |
CPU | Core i7-8750H | Core i5-8400 |
グラフィックス | GeForce GTX1070 | GeForce GTX1050 |
※カメラはEOS Kiss M(約2400万画素)とEOS R(約3000万画素)。RAW現像にはAdobe Camera RAWを使用。最大サイズ・最高画質で書き出し。
表で比べるとわかるようにデスクトップのほうはノート型の半額以下で買えるパソコンです。にも関わらずRAW現像にかかった時間はどちらもほぼ同じでした。ベンチマークで比べてみてもあまり大きな差はでませんでした。デスクトップのほうが圧倒的にコストパフォーマンスが高いです。
もちろんノートパソコンには液晶ディスプレイがあって、持ち運びできるサイズであるという利点はありますが、この価格差があればその差額で非常に良いディスプレイが購入できます。つまりノート型は持ち運びできるメリットがあるかわりにパフォーマンスではデスクトップと大きな差が出てしまうのです。
比較したパソコン
- ノートパソコン → マウスコンピューター DAIV-NG7510
- デスクトップパソコン → 神戸ファインダー × マウスコンピューターDAIV コラボパソコン エントリーモデルDAIV-DGZ530E1-KBFD
静音環境を作りやすい
熱処理の話と関わる話ですが、パソコンには熱対策のために扇風機のようなファンが入っています。これが回ると当たり前ですが音がします。熱が高いとファンもかなりの勢いで回るのでなかなかうるさいです。場合によっては作業に集中できなくなるほど。
この問題についてもデスクトップのほうがやはり解決しやすいです。ノートパソコンは熱が上がりやすい上に自分のすぐそばに本体があるので近くで音がします。動画編集するとすぐにファンがブンブン回りだします。
デスクトップは熱が上がりにくいですし、パソコン本体は自分のすぐそばになくても作業できるので音の煩わしさに悩むことが少ないです。またデスクトップのPCクーラーにはファンだけでなく水冷クーラーという種類もあります。これを利用すればより静かに熱を下げられて、うるさくない快適なパソコン環境を構築できます。
カスタマイズしやすい
デスクトップパソコンはケースが大きいのでパーツのカスタマイズ性に富んでいます。ノートパソコンと比べるとデスクトップのほうが、メモリやストレージなどをより多く積むことができます。
またスペックの上限が高いだけでなく、パーツの入れかえを想定したデザインになっているので専門家でなくても比較的気軽にパーツを増設したり、入れかえられます。なのでデスクトップパソコンについては自作するというユーザーもいます。
参考:パソコンは自作が安いって本当?自作PCのメリットとBTO・半自作との比較
ノートパソコンの良いところ・特徴
- 持ち運べる
- 単体で完結する利便性
- 省スペース
持ち運べて様々な場所で作業できる
ノートパソコンの最大の長所は持ち運べるということでしょう。最近はカフェに入ればノートパソコンを開いて仕事をしている人を多く見かけるようになりました。
カメラマンであればパソコンを使ったテザー撮影をすることもあります。また現場で撮影したデータをできるだけ早くバックアップするという意味でもパソコンを持ち運べると便利です。
動画編集の仕事の現場でも最近はウエディングなどのイベントで、当日撮影した動画をその場で編集してイベント終盤に放映するというサービスが人気です。こういったニーズに対応するためにも持ち運びできるノートパソコンは活躍します。
ウェブメディアで情報を発信している人にとってもノートパソコンは必須になってきています。旬の情報をいちはやく届けるには取材した現場からすぐに記事や動画を編集してアップしなければなりません。ライターやユーチューバーなど多くのひとがノートパソコンを携行しています。
移動時間やちょっとした隙間時間にもパソコンがあれば作業できます。忙しい現代社会においてノートパソコンの重要性はますます高まっています。
関連機器を買わずにすぐ使える
ノートパソコンはそれ単独で機能するようになっています。デスクトップの場合はパソコン本体以外にもディスプレイやキーボード、マウスなどを別に用意しないと使えません。ノートパソコンなら周辺機器を買う必要なくすぐに使うことができます。そのぶんコストパフォーマンスが良い場合もあります。
ただし、クリエイター用のパソコンとして考えた場合注意したいのがディスプレイの性能です。ノートパソコンの液晶ディスプレイは非常に薄くてあまり丈夫ではありません。またどんなに高級なノートパソコンでもディスプレイの品質は専用の外部モニターには及ばないのが現状です。
人によってはカラーマネジメントに気を配らなければなりませんが、ハードウェアキャリブレーションまでできるディスプレイを搭載したノートパソコンはなかなかありません。クリエイター用に設計されたノートパソコンを買ったとしても、ディスプレイは別途必要になることがあります。
省スペース
上の話ともつながりますが、ノートパソコンはディスプレイ・キーボードなどが一体型となっていてコンパクトなサイズにおさまっています。これは持ちはこべるというだけでなく、自宅やオフィスに置いてつかうにしてもあまり場所をとらないですむというメリットがあります。限られたスペースでも仕事ができます。
ディスプレイ一体型デスクトップパソコンの功罪
デスクトップとノートパソコンの中間のような存在の「ディスプレイ一体型デスクトップパソコン」もあります。基本的に据え置きで使用されるのでデスクトップに分類されますが、通常のデスクトップより省スペースで、ノートPCより高性能というように両者の良いところを合わせた特徴があります。
特に人気なのがアップルのiMacでしょう。これは高性能なディスプレイを備えたパソコンを比較的安い価格で買えるのでクリエイターの間でもユーザーが多いです。メリットも様々にありますが、個人的には利用を避けています。
その理由は第一にディスプレイの性能が中途半端であるということ。Macの世代にもよりますが、最近のiMacは外部ディスプレイとして使えません。ほかの機器の映像出力先として使えないのはノートパソコンと同じです。また美しい映りをするとはいえカラーマネジメントディスプレイと比べるとメンテナンスの面であまり良くありません。
また万が一なにか故障が起きたときに、パソコン側の不調だろうが、ディスプレイ側の不調だろうが、一体型なので修理に出している間はそのどちらも使えなくなってしまいます。せっかくのデスクトップパソコンでもこれではメインPCとして運用するのは不安が残ります。
できればデスクトップもノートもあったほうが良い
以上デスクトップとノート型の比較、それぞれのメリット・デメリット紹介でした。個人的にはデスクトップもノートも両方持っておくと便利で安心だと思います。それぞれ一長一短なので利用シーンに合わせて使い分ければ完璧です。それにパソコンは二台あったほうが片方が故障してもなんとかなるので安心です。パソコンが使えないと仕事に大きな支障がでかねませんからね。
追記(2019年1月19日):わたしの理想のパソコンをマウスコンピューターさんにコラボモデルとして販売してもらえることになりました。
◆写真編集用パソコン購入ガイド記事
- 写真編集・RAW現像用のパソコンのおすすめスペック!CPU・グラフィックス・メモリはなにが必要?
- 写真編集用におすすめのパソコンまとめ!各社クリエイターPCと写真家監修モデルなど
- クリエイターならWindowsとMacどっちがおすすめ?両方とも使ったわたしの感想
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