大きいのにコンパクト!K&F Concept 三脚「TM2834」レビュー【アルカスイス互換の安い三脚】

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K&F Conceptの三脚「TM2834」(品番:KF09.031)をレビューします。高さ・安定度・携行性のバランスとれた中型三脚です。使い勝手良く現在メインの三脚です。雲台はアルカスイス互換。値段も高級というほどではなくリーズナブルなものなので初心者・上級者問わずちょっと良い三脚が欲しい人におすすめです。

三脚 K&F Concept TM2834 レビュー

神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。三脚大好きなAki(@Aki_for_fun)です。

今回はK&F Concept様より提供いただいた三脚TM2834(品番:KF09.031)のレビューになります。K&F Conceptの三脚の中から私が使いたいと思うものを選ばせてもらいました。サイズがちょうど良くてしばらくメインの三脚はこれになりそうです。

K&F Concept 三脚 KF-TM2834 自由雲台 4段 アルミニウム合金(三脚 ↔ 一脚可変)(レッド)
K&F Concept

追記(2018年12月2日):TM2834は販売終了かもしれません。アマゾンのリンクが異なるものに変わっていて、公式ページでも在庫がないと書かれています。

現在販売されているものでTM2834と価格・性能が近いのは「TM2534」だと思います。また「TM2534T」は俯瞰撮影機能があってより便利です。

※K&F Concept商品のアマゾンリンクは同じURLを異なる商品に使い回す傾向があります。ご覧になっているタイミングによっては記事掲載のアマゾンリンクが正しく機能しないかもしれません。

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私にとっての三脚

三脚があるからこそ撮れるものがある

私は特に夜景撮影でかなり三脚のお世話になっています。

世界一のクリスマスツリー 空中植物と光のトンネル

海王丸 イルミネーション

神戸の夜景

ルミナリエ

神戸税関の夜景

ワールドオデッセイ 夜景

これらの写真はぜんぶ三脚のTM2834をつかって撮影しています。夜景は特に三脚を使うことで写真のクオリティがぐっと上がるので三脚様様です。

夜景・イルミネーションの撮影テクニックとアイデア!美しい夜景写真を上手に撮る方法
夜景写真を撮る際の基本の設定や、構図の取り方のアイデア、手持ち撮影で注意したいこと、三脚を用いた撮影の方法などについて書きました。夜景の撮影テクニックをお伝えします。シャッタースピードやISO、F値の設定など、いくつかのポイントを押さえることで上手に撮れるようになりますよ!夜景写真のレタッチのコツも教えちゃいます。

最近はタイムラプス動画もこの三脚を使って撮りました。

World Odyssey Departure - Timelapse

三脚のおかげで撮れるものがたくさんあります。

三脚を使えば写真がもっと面白くなる!カメラマンに三脚が必要な2つの理由
三脚をつかって撮影をされていますか?カメラ初心者の人はまだ三脚を持っていない・使ったことがない人が多いかもしれません。この記事では三脚を使えばどのような写真撮影ができるのか、三脚を使うメリット、そしておすすめの三脚について解説します。

三脚選びで大事なこと

私が三脚選びで大切にしているポイントはまず安定性、そして高さ、さらに持ち運びのしやすさです。あとできれば見た目の格好よさも考慮したいところ。

私の経験上、軽くて持ち運びの良い三脚はどうしても安定性に難があります。風が強かったり振動しやすい橋の上での撮影では三脚を使っていてもブレてしまうことがあります。

一方で安定性に優れた三脚は大きくて重いものが多いです。私の場合、本気で撮影したいときはBENROの「A2573TS4P」という三脚を使っています。高さもあるし、かなり安定感があるので重宝しています。しかし、難点としてはかさばるし重いのであまり気軽に持ち出せる三脚ではありません。

もう少し小さくてかつ安心して使える固定力の三脚が欲しいと思っていました。そこで出会ったのがK&F Conceptの「TM2834」です。

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TM2834は中型でバランスの良い三脚

中型サイズの三脚

三脚の仕様

K&F Concept TM2834の主な仕様は次の通り。メーカー公表値に加え、私が計測した数値や補足した情報もあります(若干の計測誤差はご了承ください)。

  • 材質:アルミ
  • 最大高(エレベーター使用・雲台込み):1630mm
  • 最大高(エレベーター無し・雲台込み):1420mm
  • 最低高:410mm(標準センターポール・雲台込み)
  • 最低高:290mm(付属ショートセンターポール・雲台込み)
  • 収納高:480mm
  • パイプ最大径:28mm
  • 段数:4
  • 重量:1896g
  • 重量(短いセンターポールと雲台込み):1848g
  • ナットロック
  • 価格:約1万7千円

K&F ConceptのTM2834はサイズ・重量としては中型の三脚と言えます。下の写真、中央がTM2834です。

三脚の比較

気に入っているポイント

安定している

パイプ径は最大で28mmで太め。段数は4段と標準的です。段数が増えると収納時のサイズは小さくなりますが、脚のパイプは細くなってしまいます。トラベル三脚にありがちな5段の三脚よりもしっかりとした脚でカメラを支えることができます。

エレベーター要らずの高さ

TM2834は脚を最大まで伸ばした状態の高さが142cmです。これだけ高さがあれば歩道橋などの柵越しに撮影をするときにエレベーター部分を伸ばすことなく撮影できます。

TM2834を伸ばして柵越しに撮影

どんな三脚もセンターポールを伸び縮みさせるエレベーター機能を使うとどうしても安定性が犠牲になります。なので私はエレベーター無しでどの程度の高さを出せるかを重要視しています。

収納もコンパクト

TM2834は収納する際に脚を上側に折りたたむ形式になっています。こうして雲台を囲うように脚をたたむので、収納時のサイズを48cmと短くできています。

K&F Concept TM2834の収納方法

K&F Concept TM2834の収納方法

K&F Concept TM2834の収納方法

またK&F Concept TM2834には専用のキャリーバッグが付属。おまけとは思えないちゃんとしたバッグです。

K&F Concept TM2834には専用のキャリーバッグが付属

この三脚のサイズならバックパックの横にセットして持ち運ぶことも可能です。

Peak Design Everyday BackpackとK&F Concept TM2834

写真はピークデザイン(Peak Design)のエブリデイバックパック(Everyday Backpack)20Lです。

また個人的に高評価なのはセンターポールを短いものに切り替えられるという点です。私はデフォルトで装着されていたセンターポールを取り外して付属の短いポールに付け替えました。こうすることでより低い位置からの撮影が行えます。

K&F Concept TM2834 ローポジション撮影

三脚を立てた時の高さの比較

ロングポールの場合、脚を最も広げてもポールが地面に干渉するので下げられる低さに限界があります。

また収納の際はセンターポールを伸ばさなければなりませんでしたが、短いポールならただ脚を折りたたむだけです。セッティングや撤収の手間がひとつ減ります。

ロングポールの時は下の写真のようにセンターポールを伸ばして脚をたたみます。

K&F Concept TM2834を折りたたんだ状態

黒をベースに赤が差し色で入るデザイン

個人的に黒と赤の組み合わせがとても好きです。特にカメラ用品は黒と赤のものを他にも色々持っているので統一感の面でも気に入っています。

TM2834三脚ポートレート

K&F Concept TM2834

他の製品とのスペックの比較

TM2834は、高さ・安定性のわりに収納高が短くコンパクトなこのサイズは本当に絶妙で使い勝手が良いです。他の三脚と比べてみましょう。

まず、有名三脚ブランド「マンフロット」( Manfrotto)の三脚との比較です。サイズが近い機種を3つ選びました。

仕様/三脚 TM2834 Befree 190go! 190プロ4段
型番 KF09.031 MKBFRA4-BH MK190GOA4TB-BH MK190XPRO4-BHQ2
およその価格 1万7千円 1万6千円 2万5千円 3万円
素材 アルミ アルミ アルミ アルミ
全伸高 163cm 144cm 156cm 171.5cm
全伸高 EVなし 142cm 123cm 132cm 146.5cm
最低高 41cm/29cm 34cm ※9cm ※8cm
耐荷重※ 12kg 4kg 6kg 7kg
重量 1896g/1848g 1400g 2100g 2550g
収納高 48cm 40cm 55cm 60.5cm
段数 4 4 4 4
パイプ最大径 28mm 22.5mm 25mm 26mm

※190シリーズの最低高はセンターポールの逆側にカメラを付けた時のもの。通常時の最低高は不明。

※耐荷重はメーカーごとに基準が異なる。また耐荷重は必ずしも安定して機能することを保証しない。

まず注目して欲しいのが高さ。全伸高はこれらの三脚の中で2番目に高いです。そして安定性のひとつの目安である脚のパイプ径は28mmで、この中で最も太くしっかりしています。

普通これだけのサイズになると持ち運びの面でデメリットがありがちです。しかし、持ち運びのしやすさを左右する収納高はトラベル三脚の「Befree」についで2番目に短い。重量も2番目に軽いです。

このようにTM2834は他社の製品と比べても、高さ、安定性、持ち運びのしやすさでバランスがとれていることがよく分かります。

マンフロットでいうと「190go!」がポジションとしてはK&F Conceptの「TM2834」に近いのですがあらゆる点で「TM2834」のほうが優れています。ブランドとしてはマンフロットのほうが有名で人気がありますが、スペックで選ぶならK&F ConceptのTM2834と言って良いでしょう。しかも値段も安いです。

参考までにK&F Conceptの他の三脚とも比較します。選んだのはTM2834とほぼ同じ仕様で素材がカーボンの「TC2834」、そして小型のトラベル三脚として人気の「TM2324」と「TM2515」です。

TM2834 TC2834 TM2324 TM2515
型番 KF09.031 KF09.018 KF09.007 KF09.008
およその価格 1万7千円 3万2千円  9千5百円  1万2千円
素材  アルミ カーボン アルミ アルミ
全伸高 163cm 164.5cm 156.5cm 152cm
全伸高 EVなし 142cm 141.5cm 133cm 119.5cm
最低高 41cm/29cm 44cm 41.5cm 37.5cm
耐荷重 12kg 12kg 10kg 10kg
重量 1896g 1798g 1135g 1514g
収納高 48cm 48cm 46cm 37.5
段数 4 4 4 5
パイプ最大径 28mm 28mm 23mm 25mm

※なぜか一時的にアマゾン価格が2万円ほどになっています(2017年12月20日時点)。以前はアマゾン価格ももっと高く公式販売サイト価格とほぼ同じでした。この価格ならTC2834は買いだと思います。

K&F Conceptは小型〜中型にかけての三脚のラインナップが充実しています。マンフロットで言うところの055シリーズのような大型の三脚がありませんが、小型・中型三脚は非常にバリエーションに富んでいます。TM2834やTC2834に似たスペックの三脚では他にも「TC2534」があります。

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雲台はアルカスイス互換

K&F Concept TM2834の雲台

  • 雲台の高さ:10cm
  • 雲台重量:358g
  • 雲台の規格:アルカスイス互換

公式サイトには明記されていませんが、雲台はアルカスイス互換の自由雲台です。他メーカーのアルカスイス互換の雲台やプレートとも互換するので使い勝手が良いです。これは大きなメリットなのでメーカーももっと宣伝したらいいのでは。アルカスイスについてよく知らない人は次の記事も合わせてどうぞ。

アルカスイス互換ってなに?カメラ初心者が三脚・雲台を選ぶときに知っておきたい話
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私の持っているアルカスイス互換のプレートは全てこの雲台にセットできました。

K&F Concept TM2834の雲台と様々なアルカスイス互換プレート

写真:左からBENROPeak DesignSIRUIINPON

特にピークデザインのプレートがちゃんと使えるのがありがたい。これでキャプチャーとの相性も良好です。ピークデザインの製品については次の記事をご覧ください。

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どちらかというと注意が必要なのはプレートの方です。

K&F Concept TM2834の雲台のプレート

プレートの下に滑り止めのでっぱりがあります。クランプ側にこの滑り止めが機能する切り込みがないといけません。私の持っている雲台のなかでは「SIRUI 自由雲台 K-10X」にはこのプレートは使えませんでした。

K&F Concept TM2834のプレートとSiruiの雲台

「BENRO ビデオ雲台 S4P」は装着可能。

K&F Concept TM2834のプレートとBenroの雲台

「INPON クイックリリースクランプ」にも装着可能。

K&F Concept TM2834のプレートとアルカスイス互換クランプ

雲台の固定力は悪くない印象。私はあまり重量機材を持っておらずたいしたものは試せませんが2kg弱の機材なら特に不自由しないと思います。

ただしボール雲台の動きは平凡。動きのスムーズさはあまりよくありません。この価格の三脚に付属する雲台としては悪くありませんが、こだわるなら別売りの雲台を何か購入して取り替えたほうが良いと思います。私は「SIRUI 自由雲台 K-10X」のほうが好きです。

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多機能

K&F ConceptのTM2834は新興メーカーの製品によく見られる多様な機能を詰め込んだ商品です。ギミックもりもり。

石突を変更可能

まず基本的なところで言うと脚の先端の石突を変更できます。

K&F Concept TM2834は石突を変更可能

特に他の石突は付属しないので、必要な石突を自分で用意すればそれを取り付けられます。

仮にこの石突をなくしてしまった場合は替えの石突を手に入れましょう。ネジの径はいわゆる大ネジといって3/8サイズです。

一脚にもなる

脚のひとつは取り外して一脚として使うことができます。

K&F Concept TM2834の脚

K&F Concept TM2834を一脚に

悪くはないのですが、個人的には一脚は一脚専用のものを買った方が便利で良いと思います。

反転させてローポジション

K&F Concept TM2834 三脚を反転

ポールの下側に雲台をつけてローポジションの撮影もできます。たまに見るギミックですが、これも個人的には特に必要ないと思う機能です。あとで写真を反転させなければならないですし、雲台の付け替えが面倒に感じます。

そのほか上で書いたように付属するショートポールにセンターポールを取り替えることができます。

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まとめ

何度もヨドバシ梅田の三脚コーナーに行ってはマンフロットのbefreeを買うか190go!を買うか迷っていましたが、K&F Conceptの三脚TM2834を手に入れたことでようやく解放されました。

三脚の有名なブランドで言うと、ベルボン、スリック、マンフロットやジッツォなどがあります。しかし、K&F ConceptやSIRUI、BENROなど最近は中国ブランドが高品質で低価格のものを多く売り出しています。今回詳しくレビューさせていただいたK&F Conceptの三脚「TM2834」はバランスが優れていておすすめです。

K&F Concept 三脚 KF-TM2834 自由雲台 4段 アルミニウム合金(三脚 ↔ 一脚可変)(レッド)
K&F Concept

追記(2018年12月2日):TM2834は販売終了かもしれません。アマゾンのリンクが異なるものに変わっていて、公式ページでも在庫がないと書かれています。

現在販売されているものでTM2834と価格・性能が近いのは「TM2534」だと思います。また「TM2534T」は俯瞰撮影機能があってより便利です。

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