キヤノンの高級コンデジ「Powershot G1X MarkⅢ」を1か月弱ほど使ったのでその使用感についてレビューします。APS-Cの大型センサーを搭載していてその画質は一眼カメラ並み。なのに大きさはポケットに入るコンパクトサイズ。使って楽しいカメラです。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。
以前レンズを壊したことをきっかけにキヤノンのフォトサークル会員に入っているのですが、その会員特典として機材のモニターキャンペーンに応募しました。そして運よく以前から使ってみたかったコンデジの「Powershot G1X MarkⅢ」を約1か月借りることができました。使ってみた感想、このカメラの特徴についてお伝えします。
Powershot G1X MarkⅢの主な特徴
- APS-Cセンサーで高画質
- 約2420万画素
- 焦点距離15~70mm
- コンパクトデジタルカメラ
- 高級コンデジのフラグシップモデル(新品 約10万円)
- ファインダー付き
- バリアングルモニター
- 防塵防滴
- NDフィルター内蔵
- 大きさ:幅 約115.0×高さ 約77.9×奥行き 約51.4mm
- 質量:約399g(バッテリーおよびメモリーカード含む)
- 2017年11月30日発売(2014年3月発売)
キヤノンのコンパクトデジタルカメラで最上位に位置するフラグシップモデルです。コンデジでありながらセンサーが一眼カメラに搭載されている大型のAPS-Cセンサーなので、非常に高画質、ボケ味のある写真を撮れるカメラです。
またフラグシップ機らしく、操作性や質感も良いです。防塵防滴だったり、カスタムモードを搭載、NDフィルターを内蔵するなど、一眼カメラで人気のEOS Kissシリーズを超える性能です。
外観の見た目・サイズ
正面からの見た目。シンプルでありながら品のあるデザイン。
コンデジなのでカメラとしては薄型ですがちゃんとグリップできるような持ち手があります。材質的にも滑りにくいので悪くないホールド感ですね。また、前面にシャッタースピードや、絞りを調節できるダイヤルがあります。
レンズリングを回すとマニュアルフォーカスも可能です。AFからマニュアルフォーカスに移行できる(フルタイムマニュアルフォーカス対応)ので、シビアなピント合わせのシーンでも対応できます。
こちら側の側面にはWi-Fi接続用のボタンがあるほか、カバーを外すとリモコン端子やマイクロUSB、HDMI(コネクタータイプD)などの端子があります。
ダイヤル類も充実。左側にはモードダイヤルがあり、誤作動を防ぐためのダイヤルロックを備えています。カスタムモードもふたつあるので、本格派志向の人でも自分好みの設定をすぐに呼び出せて便利です。右端には露出補正ダイヤル。人差し指でズームレバーをひけるようになっています。
背面のボタン類は右側に集中しています。「Q/SET」ボタンのまわりはサブダイヤルになっていて回すことができます。
すこしわかりにくいですが、持ち手の部分には少しくぼみになっていて親指がひっかかって持ちやすいようになっています。
レンズは沈胴式で、望遠にするとレンズが繰り出す仕組みです。
モニター部分は動かして自由な角度にできるバリアングル式です。
撮影してみた感想 作例写真とともに
このカメラ「Powershot G1X MarkⅢ」を使ってわたしの暮らす神戸の街や大阪で様々な風景を撮影してきました。作例写真をたくさん掲載しているので参考にしてください。
ただしブログに掲載している画像は容量の関係でだいぶサイズを小さく、画質も落としています。より大きな写真をご覧になりたい方は各写真の下のflickrのリンクをご利用ください。シャッタースピードやF値、ISOなどもそちらでご確認いただけます。
またflickrにPowershot G1X MarkⅢで撮った写真だけをまとめたアルバムも用意しています。 → CANON PowerShot G1X MarkⅢ | Flickr
スナップが楽しい
神戸港。ポートタワーが見える景色です。
参考:ハーバーランド・メリケンパーク近くで行く価値あるおすすめの観光・ご飯スポット【神戸っ子が厳選】
雨上がりで水たまりがあったのでそれとポートタワーを一緒に撮ってみました。この写真はDPP4でRAW現像するときに色の雰囲気を変えています。
兵庫県公館前の花壇。
参考:兵庫県公館の見学が楽しい!フランス・ルネサンス様式の建築美を堪能しよう【神戸の名建築】
阪神三宮駅。普段駅でカメラを取り出すのは人が多くて気が引けるのですが、コンデジなら目立たないので撮ってみる気になれました。普段大きなカメラを使うのがはばかられるシーンではコンデジのメリットを大きく感じます。
普段ただ通りすぎるだけの駅の階段・エスカレーターもコンデジがあると撮りたくなります。
線路ってかっこいい。
umieショッピングモールでパシャリ。
ぱぱぱぱ ぱくちぃ。ファーマーズマーケットにて。
参考:神戸の美味しいものを朝市で!土曜の朝はファーマーズマーケット開催
散歩しながらでも気軽に撮影できます。
このホースと壁の色の組み合わせが好き。
広角が強い
個人的にPowershot G1X MarkⅢの強みだと感じたのは広角の映りです。F2.8と明るく、画質も良好。
インテリアの撮影をしているとよくあるのが照明が原因となるゴーストの発生ですが、Powershot G1X MarkⅢではそれに悩まされることがありませんでした。
広々と撮れて周辺の画質も安定していますし、歪みもそれほど気になりません。
広角端15mm、F2.8で撮れると暗めの室内でもノイズが気になりません。
夜景を撮ってもきれいですよね。手持ちで気軽に撮っただけですが手振れ補正もきいていて高画質で記録してくれています。
ズームレンジはふつう
ズームレンジは焦点距離15mm~45mm(フルサイズ換算24mm~72mm相当の画角)です。ズーム倍率でいうと3倍。どちらかというと広角に強くて、望遠はそこまでないですね。
いちばん広く撮ると上のような写真の感じ(神戸市役所展望ロビーより撮影)。ここから一番ズームすると次のような写真になります。
テーブルフォトもまあいける
わたしの大好きなテーブルフォト。カフェやレストランで写真を撮るのが好きなので手元のものがきれいに撮れるかどうかはとても重要視しています。
神戸・元町のユーハイムにてランチ「ビーフシチュー」。うん、おいしそう。ピント面から背景へとなだらかにボケていくのもきれいです。
神戸大丸の「カフェラ」(CAFFERA)にて。節分が近かったので1本角の鬼のラテアートをしてくれました。かわいい。
阪神御影のクラッセに新しくできたリンガーハット。安くてしっかり食べれておいしい最高のお店。もっと神戸で普及してほしい。
食べ物の写真は良い感じに撮れるな、という印象です。ただし、ちょっと気になるのが最短撮影距離。レンズの焦点距離によって変動します。広角側なら10cmまで寄れますが、望遠側だと30cmの距離が必要です。
望遠側で最短撮影距離が30cmというのが少し長く感じます。手元にあるものを撮ろうとしてピントが合わないということはよくありました。
EOS Kiss Mなどのキヤノンの一眼カメラのキットレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」だと最短撮影距離は25cm(最大撮影倍率0.25倍)なので、30cmはやはりすこし長いんですよね。この5cmの差は個人的には意外と大きく感じました。テーブルフォトは撮れるけど撮りやすくもないですね。わたしは普段からもっと最短撮影距離の短いレンズに慣れてしまっているのでそれも原因かもしれません。
フラグシップらしい操作性・剛性がうれしい
ファインダーをのぞきながら、液晶画面を指でスライドしてAFポイントを動かせるのはとても便利です(タッチ&ドラッグAF機能)。NDフィルター内蔵なのも地味に便利だし、カスタムモードがあるので、設定を2つ記憶させることができるのも嬉しいです。わたしは動画撮影用にカスタムモードを使いたいことがあるのでとても便利でした。
しかし、すごく細かいところを見ていくと、一眼カメラとはちょっと異なった仕様でした。
例えば、ファインダー表示形式のカスタムがあまり細かく設定できませんでした。一眼カメラだとファインダーに表示できる情報(水準器やヒストグラムなど)を細かく段階的にカスタムできるのですが、Powershot G1X MarkⅢはあまり融通がきかなくて全部表示するか、しないかみたいな選択になっていました。
あとフォルダ分け・フォルダ名のルールもマニュアルで決められず、すこし残念でした。一眼カメラのサブ機で使いたいのでここらへんの細かい仕様もできれば一眼カメラとあわせてほしかったですね。
モバイルバッテリーで充電可能
バッテリーが小さいのがすこし不安です。正直バッテリー一つでは一日の撮影は持ちません。
予備バッテリーの追加など何かしら対策は必要でしょう。
幸いPowershot G1X MarkⅢはモバイルバッテリーでの充電に対応しています。
キヤノンの一眼カメラでは案外このモバイルバッテリー充電に対応している機種が少ないのでこれは貴重です。
キャップがめんどう
レンズキャップが付属するのですが、これがひもでつける簡易的なもので、使いづらいです。邪魔だったのでわたしは途中ではずしてしまいました。
自動開閉キャップが売られているのでそれを試してみると良さそうです。レビューを見る限りなかなか好評のようですね。
EOS Kiss Mとの比較
キヤノンのミラーレス一眼カメラ「EOS Kiss M」とも比較してみました。
性能的には近いこのふたつのカメラ。EOS Kiss Mもだいぶコンパクトなのですが、それよりも小さくなっているのは素晴らしいと思います。
Powershot G1X MarkⅢが向いている人・おすすめできない人
Powershot G1X MarkⅢを買って幸せになれそうなのは次のような人だと思います。
- 小さいカメラが好きな人
- スマホより高画質なカメラがほしい人
- スナップが好きな人
- カメラの質感・操作性にこだわる人
- 一眼カメラを使っているけど特にレンズ交換したいと思わないし、気づけば大きなカメラを持ち出すのがおっくうで使わなくなってしまった人
- 一眼カメラのサブ機として良いカメラが欲しい人
Powershot G1X MarkⅢは一眼カメラに匹敵する操作性と画質でありながら、一眼カメラより携帯性に優れています。わたしのように普段から一眼カメラを使っている人でも納得のクオリティのカメラだと思います。大きなカメラを取り出すのがはばかられるシーンでも使う気になれたので普段取れないような写真も撮れて楽しかったです。コートなど大きめのポケットなら普通にカメラを入れておけるのですぐにカメラをかまえることができました。
ただし、レンズ交換が好きな人にとっては、さすがに一眼カメラのかわりにはなりません。APS-Cセンサーで基本的な画質は申し分なく本当に一眼カメラレベルですが、レンズは広角が良い以外は特に面白さを感じませんでした(欠点も特にないけどすごい長所もない)。よくある一眼のキットレンズみたいなものです。
なのでどちらかというと一眼カメラ好きの人がサブ機として導入するのはありだと思います。わたし自身そのつもりでこのカメラに興味を持ちました。
コンデジでバリアングルが使えて、ファインダーをのぞきながらAFポイントを移動できるという操作性は他のカメラにあまりない魅力です。タッチパネルでメニュー操作できるのも良いんですよね。キヤノンの一眼ユーザーだと特に使いやすく惹かれるのではないでしょうか。
発売当初は10万円を超えていましたが、最近はそれを下回る価格で落ち着いているようです。新機種への代替わりはまだしばらく先になりそうなので、そろそろ買いやすいタイミングかもしれません。
評価のまとめ
- 総合点:
- 画質:
- 携帯性:
- 価格:
- 操作性・質感:
参考ウェブサイト:キヤノン:PowerShot G1 X Mark III
- EOS Kiss Mレビュー!わたしのカメラ愛と不満と作例写真ぜんぶ伝えます
- キヤノンEOS Kiss X9レビュー!キヤノンの新型一眼レフカメラを使ってみた感想
- 神戸のおすすめフォトスポット!カメラを持って出かけたい観光・レジャースポットまとめ
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