カメラを買う目的は人によって様々です。こちらの記事では撮影ジャンルに分けて初心者向けにおすすめの一眼レフカメラと、レンズなどの関連機材をご紹介します。旅行先で風景を撮りたい人もいれば、自分の子どもを撮りたい人もいるし、電車や野鳥の撮影に挑戦したい人もいますよね。こういった目的しだいで自分にどのようなカメラが合うのかが変わります。また予算に応じてカメラを選べるように高いカメラと安いカメラの両方のおすすめをご紹介します。基本的には高いほうがおすすめですが、安い選択肢も決して悪いカメラではありませんのでご安心ください。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。キヤノン一眼レフユーザーのAki(@Aki_for_fun)です。上に目次を用意しておりますので、ご自身の目的のジャンルをクリック(タップ)していただくとすぐにその場所から読むことができます。もし初めて一眼レフカメラを買われる場合は、具体的なカメラの紹介の前に下の予算に関するお話をご覧ください。
追記(2018年4月8日):この記事を書いてから1年以上経過してカメラの情報が古くなってきました。値段が変動したり新しいカメラが後から販売されています。実際に購入するカメラの機種を選ぶ際はご注意ください。カメラ選びに関する考え方自体はいまでも意味があるのでその点を参考にしていただければ幸いです。
カメラ以外にかかる費用を計算に入れよう
カメラを選ぶときに予算を立てると思うのですが、その際はカメラ以外に必要なものがあることにご注意ください。予算ぎりぎりのカメラを買ってしまうと、ほかに必要な備品を買えなくなってしまい困ることになります。
レンズ
中でも最も重要なのがレンズです。レンズ次第で撮りたいものを望むかたちで撮影できるかどうか大きく左右されるので、カメラを選ぶ際はレンズも慎重に選んでください。レンズは安いもので約1万円、高いものでは何十万円もします。こちらの記事では1〜4万円程度のレンズを中心にとりあげ、おまけで少し高級レンズもご紹介します。
SDカードと予備バッテリー
写真のデータを記録するSDカードは必須です。容量は大きい方が何かと便利で安心です。容量が小さいとすぐ容量がいっぱいになってしまい、こまめにデータを整理しなければなりません。撮りたいときに容量が足りないとシャッターチャンスを逃してしまいます。また、あせって写真を消すと誤って消したくないデータまで消すおそれがあります。
おすすめの容量サイズは32GB。また予備に16GB程度のカードをもう1枚買っておくとより便利です。もし動画を撮影する予定がある人は64GB以上の容量のSDカードを買ってください。
予備のバッテリーも重要です。初心者がやってしまう失敗のひとつにバッテリーの入れ忘れがあります。バッテリーを充電しているときによくこのミスが起こります。バッテリーがふたつあれば、片方を充電している間にもう片方の電池をカメラに使えます。また、長時間の撮影をするときにもやはり予備のバッテリーがあると安心です。
SDカードとバッテリー、その他細かいメンテナンス用の道具を買うと約1〜3万円ほどのお金がかかることになります。これらカメラまわりで必要なものや、あると便利なものについて次の記事に書いています。三脚や雲台などに興味のある方はぜひご覧ください。
目的・予算別おすすめカメラとレンズ
スポーツ・車・飛行機・野生動物
スポーツの撮影や野鳥の撮影など素早く動く被写体を相手にするこのジャンルは撮影が難しくカメラに最もお金がかかります。フォーカス性能が優れていて、高速の連続撮影ができるカメラを買いましょう。動きの速い被写体を撮影したい人に1番のおすすめはEOS 7D Mark2です。カメラにもっとお金をかけられる場合はEOS 5D Mark3、EOS 5D Mark4も選択肢に入ります。逆に予算的に厳しいなら中古でEOS 7Dがおすすめです。
EOS 7D Mark2 ボディ単体
撮影に用いる望遠レンズはEF-S55-250mm F4-5.6 IS STM(APS-C専用)が最も手頃で人気です。あるいはTAMRON 望遠ズームレンズ SP 70-300mm F4-5.6 Di VC USD キヤノン用 フルサイズ対応 A005E(約3万1000円)や、Canon 望遠ズームレンズ EFレンズ EF70-300mm F4-5.6 IS II USMフルサイズ対応 EF70-300IS2U(約5万4000円)が比較的安く買えるおすすめレンズです。
もっとお金を出せるならLレンズという高級レンズがあります。さらに特に動体撮影に強い望遠レンズはレンズの筒の色が白いことが特徴で「白レンズ」と呼ばれています。
望遠・超望遠系Lレンズの鏡筒の「白」。それは、夏の炎天下など急激な温度上昇にさらされるプロ用レンズのために選ばれた色。
子ども・ペット
お子さんを撮影したい人に最もおすすめしたいのがEOS 80Dです。バランスのとれた万能カメラであることに加え、動画が撮りやすいので写真だけでなくムービーで子どもの成長記録をつけたいときに便利です。EOS 7D Mark2ほどではありませんが、多少の動きがある被写体にも対応できます。また予算が限られている人向けにおすすめなのはEOS Kiss X7。EOS Kiss X7は小さいので、小柄な女性など手が小さい人でも持ちやすいサイズです。
EOS 80D レンズキット EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM
おすすめレンズは標準ズームレンズで、シグマ(SIGMA)17-50mm F2.8 EX DC OS HSM。17〜50mm(35mm判換算27~80mm)という使いやすい画角をカバーできて、かつF値が2.8なので室内など暗い場所でもきれいに写真を撮れます。手ぶれ補正が付いているので初心者でも扱いやすく安心です。
さらに単焦点レンズもおすすめです。単焦点レンズは背景がよくボケる、まるでプロが撮ったかのような写真をお手軽に実現できるレンズです。おすすめの単焦点レンズはキヤノン Canon EF50mm F1.8 STM(安い!)。もしくはシグマ SIGMA Art 30mm F1.4 DC HSM(明るい!)です。これらの単焦点レンズは最初に紹介したシグマのズームレンズでは物足りないと感じたときに買ってみると良いと思います。もし、カメラを標準ズームレンズ付きのレンズキットで買った場合は、ぜひ単焦点レンズをどちらか買ってみてください。キットレンズとはまったく違う写真が撮れてカメラがとても楽しくなります。キヤノンの50mm単焦点レンズのほうはとてもお安いので強くおすすめします。
50mm 単焦点レンズの作例
これは神戸よさこい祭り(2016年)の際に8千円くらいのレンズ(Canon EF50mm F1.8 II)で撮った写真です。主役の踊り手さんにピントが合っていて背景のポートタワーはボケて写っています。夕方であたりは暗かったですがF1.8と明るいF値に設定しているので速いシャッタースピードで動きを止めた写真が撮れました。
また望遠レンズがあると子どもの運動会や学芸会のような離れた観覧席からの撮影に便利です。望遠レンズでおすすめなのは、ダブルズームレンズキットで買えるEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMです。
もしKiss X7を買われるのであれば、ダブルレンズキットが標準ズームレンズと単焦点レンズのセットになっているのでおすすめです。安上がりなのがこのダブルレンズキットと、標準ズームレンズと望遠レンズがセットになっているダブルズームキットです(名前が似ていますが異なるレンズの組み合わせになります)。それぞれ2種類のレンズが付属するので、もう1本足りない種類のレンズ(望遠レンズか単焦点レンズ)を買えば、様々なシーンに対応できるレンズがそろいます。
EOS Kiss X7 ダブルレンズキット
旅行・風景
1番のおすすめがEOS 80D、あるいは2017年4月新発売のEOS 9000Dです。80Dと9000Dはよく似たカメラなのですが、9000Dのほうが軽量なので旅行の持ち運びには向いているかもしれません。一方80Dは重たいですが防塵防滴になっていて多少の雨でも気にせず撮影できるのでその点では風景撮影において利点があります(参考:キヤノン一眼レフ徹底比較!80D 9000D KissX9i 違いは?おすすめは?)。また、予算的に難しい人へのおすすめがEOS 8000D、あるいはEOS Kiss X7になります。
おすすめレンズは広角から望遠までカバーできるズームレンズです。旅行の際はレンズの付け替えがめんどくさくなりがちなのでズームレンズが便利。例えばキヤノン Canon EF-S18-135㎜ F3.5-5.6 IS USMです。EOS 80DやEOS9000Dの場合このレンズが付属するレンズキットがお買い得でおすすめです。EOS 8000Dにも同様のレンズキットと、ひとつ古いモデルのレンズがセットになった廉価レンズキットがあります。
EOS 8000D レンズキット EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM
EOS Kiss X7の場合、ちょうどよいレンズキットがないので、ボディ単体と別途にキヤノン Canon EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMや、タムロン TAMRON 高倍率ズームレンズ 16-300mm F3.5-6.3 DiII VC PZD MACRO B016Eの購入をおすすめします。
さらにその他におすすめのレンズとして超広角レンズがあります。広大な景色の迫力を表現するのに効果的です。安いものだとCanon 超広角ズームレンズ EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMがあります。また少し高価ですがこちらのシグマ SIGMA 超広角ズームレンズ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM キヤノン用も人気です。
風景撮影、特に夜景撮影には三脚があると便利なので、三脚も予算に組み込みたいところです。あまり大きくて重い三脚だと持ち運びしなくなってしまうので、小型軽量の三脚で、できればカーボン製のものがおすすめです。
三脚を用いた写真の例
こちらの神戸大橋の夜景写真は三脚にすえて、広角レンズで撮影しています。三脚を使い長秒露光で撮影しているので水面がなだらかな状態になり、光を美しく反射しています。また広角レンズのおかげで橋のほぼ全景をひとつの写真におさめることができました。
布引の滝の写真もスローシャッターで時間をかけてシャッターを切っているので、滝の水の流れが線のようにつながっています。こういった写真を撮りたい場合は三脚などにカメラを固定する必要があります。
サイズや重量から考えて私が最もおすすめしたい三脚はマンフロット(Manfrotto)プロ三脚190シリーズ カーボン4段(MT190CXPRO4)です。雲台がない状態の最高が160cm、最も低くしたローアングル撮影時の高さが8cm、縮長(格納高、収納して携帯するときの長さ)が52.5cmです。カーボン製なので重量が1.6kgとこのサイズにしては軽量です。最大耐荷重は7kg。重量級のカメラやレンズにも耐えられます。センターポールが90度倒れて俯瞰撮影できる仕組みも備えています。
画像: 190プロカーボンファイバー三脚 4段 | Manfrotto より引用
同じくマンフロットからはより小型・軽量なマンフロット(Manfrotto)Befreeもあります。コンパクトに収納できるので旅行にとても便利です。こちらはカーボンファイバー製の4段だと、全伸高が142cm、最低高34cm、縮長が40cm、重量1.1kg、最大耐荷重4kgです。
テーブルなど何かの上に置いて使うミニ三脚(卓上三脚)もちょっとした旅行やお出かけに便利なのでおすすめです。ミニ三脚で最良なのはベルボン(Velbon)Ultra Mini。サイズが3種類ありますが、個人的には真ん中のサイズの453が一番万能に感じます。あるいは最も小さい353がその際立ったコンパクトさが魅力です。最大サイズの553を買うくらいならマンフロットBefreeのようなトラベル三脚を買った方が良いと思います。
ミニ三脚としては他に、 JOBYゴリラポッド、マンフロット(Manfrotto)ミニ三脚PIXI、PIXI EVOなどが人気です。ゴリラポッドは足が自由に曲げられるので手すりなどに巻きつけてカメラを固定することができます。類似商品が色々とありますが、一眼レフカメラきちんと固定するにはこちらのJOBYの商品がおすすめです。また、マンフロットのPIXIとPIXI EVOは比較的安いので気軽に用いることができます。
また一眼レフカメラではありませんがミラーレスカメラのEOS M5や、コンパクトデジタルカメラのPowerShot G7 X MarkIIも選択肢に入れてみても良いかもしれません。これらのカメラをおすすめする理由はふたつ。一眼レフカメラと比べて小さく軽量なので持ち運びに便利だから。また強力な手ぶれ補正がついているので、三脚を持っていくのが難しい旅行先でスローシャッターを切れたり、手持ちでぶれの少ない動画を気軽に撮れるからです。
料理・花・雑貨
料理や花、雑貨などを撮影するテーブルフォトはあまりカメラを選ばないジャンルですが、強いて言えばバリアングル液晶があるカメラだとローアングルから花を撮影する際に便利です。他の用途にも対応しやすいという点でEOS 80DとEOS 9000Dはやはりおすすめ。 EOS Kiss X7のような安いカメラでもキレイに撮ることができますがこれはモニターが固定式なので、安い選択肢としてはEOS 8000D、もしくはEOS Kiss X8iがおすすめです。
EOS Kiss X8i レンズキット EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM
カメラは安くても問題ありませんが、周辺機材をいろいろと揃える必要があります。特に購入をおすすめしたいのがマクロレンズです。マクロレンズのおすすめはタムロン Tamron SP AF60mm F/2 Di II LD [IF] MACRO 1:1 Model G005です。EOS 80DやEOS Kiss X8iのようなAPS-Cサイズのカメラにぴったりのマクロレンズです。
マクロレンズの写真
上のケーキと梅の写真はタムロンのフルサイズ対応マクロレンズSP90mm F2.8で撮影しました。
追記(2017年5月5日):キヤノンから新しいマクロレンズが発表されました。こちらも非常におすすめです。
もしくはマクロレンズではありませんが、キヤノン(Canon)EF-S 24mm F2.8 STMもカフェやレストランで料理を撮影するのにとても便利です。
EF-S 24mm F2.8 STMの作例
またテーブルフォトには三脚や外部ストロボ、レフ板などがあると便利です。ベルボン(Velbon)からミニ三脚とマクロ撮影に便利なスライダーとレフ板がセットになった商品「マクロキットプロⅡ」が出ていて良さそうです(三脚は使ったことがありますが、このレフ板とスライダーは実際に触ったことがなく使い勝手が良さそうという予想です)。
小型三脚としては上記のベルボンのウルトラミニがおすすめですが、通常の三脚としては同じくベルボンのVS-5400Qが非常におすすめです。「バーサタイルスイングセンターコラム」というモノが付いているのが魅力で、構図を自由に調整できます。この自由自在なアングルを可能にするポール部分は独立して別売りもされています。ベルボンVelbon マルチアングルユニット V4-unitです。三脚をすでにお持ちならこれを買うことをおすすめします。
画像:ベルボン株式会社 VS-5400Q より引用
まとめ
目的・予算別おすすめカメラ紹介いかがでしたでしょうか。要点をまとめると、スポーツや野鳥など素早く動くものを撮影したい場合は、EOS 7D Mark2のような高いフォーカス性能を持つカメラが必要になります。さほどフォーカス性能にこだわらなくても良いその他のジャンルであればバランス型のEOS80DやEOS9000Dが最もおすすめです。また、カメラ以外にもSDカードや予備バッテリーを買う必要がありますし、それぞれの撮影ジャンルによっては三脚や特別なレンズを買わなければなりません。それらを予算に組み込むことを考えるとEOS Kiss X7のような安いカメラもおすすめです。この記事が皆様のカメラ選びに役立てば嬉しいです。
紹介したカメラ
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D Mark II EF-S18-135 IS STM レンズキット EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM付属
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