カメラ用レンズでよく注目される性能のひとつが「解像力」。どのようなレンズを用いるかによって写真の解像感は大きく左右されます。自分の写真はなんだかボヤッとしていて解像感に欠ける…なんて悩みを抱えているならレンズを変えてみると良いかもしれません。こちらの記事ではシャープな写りのレンズを厳選して紹介します!
最新設計のレンズを含めた2017年版ランキングです。いずれのレンズもキヤノン(Canon)のフルサイズデジタル一眼レフカメラに対応しています。高価なレンズだけでなく意外とお手頃なレンズもランクインしていますよ!
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。
さて今回の解像力トップ10のレンズランキングですが、こちらはレンズの性能レビューをされているクリストファー・フロスト氏の投稿したYouTube動画 The Top 10 Sharpest Lenses I’ve Ever Tested 2017 から引用させていただいております。
クリスさんの投稿するレンズレビューは非常に詳細で私は日頃から参考にさせてもらっています。内容が英語ですがぜひ日本の皆さんにもお伝えしたいと思い一部を翻訳してご紹介します。クリスさんのレンズレビュー動画では、解像度以外にも様々な観点からレンズの性能を評価・解説してくれています。英語が分からなくても映像だけでも参考になると思うので、気になったレンズがあればぜひ動画も見てください。
※ランキング対象レンズは価格が1000ポンド(約15万円)未満のレンズです
※Canon EFマウント対応レンズのランキングです。APS-C専用レンズはランキング対象外です
※クリストファー・フロスト氏がテストした約150本のレンズをもとにランキングを作っています
高解像度レンズランキング
第10位:Canon EF40mm F2.8 STM
50mmF1.8の撒き餌レンズの陰に隠れがちなこのパンケーキレンズ。安いレンズであるにも関わらず開放のF2.8からシャープな映りを誇ります。中央部はもちろん周辺部まで描写が精細です。40mmという扱いやすい焦点距離に加え、気軽に持ち歩けるサイズで非常におすすめできるレンズです。
キヤノン単焦点レンズ Canon EF 40mm F2.8 STM / Amazon
価格:約16,000円
Canon EF 40mm f/2.8 STM lens review with samples (Full-frame and APS-C) / YouTube Christopher Frost Photography
第9位:Canon EF70-200mm F4 IS USM L
15万円以下のキヤノン望遠レンズの中では最もシャープなレンズです。より新しいCanon EF 70-300mm F4-5.6 IS USM Lと比べてもわずかにこちらのレンズの方がシャープな写りをします。
キヤノン望遠レンズ Canon EF 70-200mm F4 IS USM L / Amazon
価格:約140,000円
Canon 70-200mm f/4 IS USM ‘L’ lens review with samples (full frame and APS-C)/ YouTube Christopher Frost Photography
追記(2018年2月5日):私もこのレンズ買いました!しばらく使ってみた感想を記事に書きました。
第8位:Canon EF135mm F2 USM L
誰もが認めるキヤノンの高解像レンズです。発売から10年以上経った今でもベスト10に入る解像度を誇ります。色やコントラストも素晴らしく、135mmという焦点距離でF値が驚異の2。この性能の高さからポートレート撮影に愛用されています。キヤノンはまもなくこのレンズの新しい設計のものを発表するのではないかと噂されています。
キヤノン単焦点レンズ Canon EF 135mm F2 USM L / Amazon
価格:約110,000円
Canon 135mm f/2 USM ‘L’ lens review with samples (Full-frame and APS-C)/ YouTube Christopher Frost Photography
第7位:Sigma 35mm F1.4 ART
シグマの新しい「ARTシリーズ」のレンズも堂々のランクイン。「ART」の名前がつくレンズはシグマがそれまで販売してきたレンズと比べると非常に高価で高い解像力を備えていることが特徴です。いわばシグマのLレンズ。F1.4と大口径で明るいレンズでありながら開放からシャープな映像を生み出します。キヤノン新開発のCanon EF35mm F1.4L II USMと比べるとさすがにキヤノンに軍配が上がりますが、キヤノンのレンズは倍以上の値段です。
シグマ単焦点レンズ Sigma 35mm F1.4 ART / Amazon
価格:約86,000円
Sigma 35mm f/1.4 DG HSM Lens review (APS-C & full frame, with samples)/ YouTube Christopher Frost Photography
第6位:Venus Optics Laowa 105mm F2 (T/3.2) STF
第6位にランクインしたのは新しいレンズ製造会社Venus Opticsが作るLaowaというブランドレンズです。非常に美しいボケ味が特徴で、その秘密がSTFにあります。
STFとはSmooth Transfer Focus(Smooth Trans Focus)、スムーストランスファーフォーカスのこと。透過光量がレンズの中心部から周辺部に向けてなだらかに変化するフィルタ(アポダイゼーションフィルタ)を入れることで滑らかで美しいボケを実現しています。もともとミノルタが持っていた技術でいっときは幻のレンズになりかけ、最近では技術を引き継いだソニーがSTFレンズを作っています。
ついにVenus OpticsのおかげでEFマウントなど多様なマウントにSTFレンズが登場。そしてこのLaowaレンズはSTFというだけでなくピントの合った場所をすさまじく解像します。マニュアルフォーカスなので扱いは難しいですがいま大注目のレンズです。
ヴィーナス オプティクス ラオワ単焦点レンズ Venus Optics Laowa 105mm F2 (T/3.2) STF/ Amazon
現時点で日本のAmazon価格を見ると26万円と非常に高価ですが、公式サイトから購入すれば約700ドルです(Laowa 105mm f/2 Smooth Trans Focus (STF) Lens)。
Venus Optics ‘Laowa’ 105mm f/2 (T/3.2) STF lens review, with samples (Full-frame and APS-C)/ YouTube Christopher Frost Photography
第5位:Samyang XP 14mm F2.4
フルサイズ対応で14mmと超広角の焦点距離。そしてF2.4と明るいレンズです。日本ではまだ発売されていないレンズですが高い解像力のレンズです。このランキングで唯一の超広角レンズ。
追記:日本でも発売されました!
サムヤン超広角レンズ Samyang XP 14mm F2.4
価格:約1000ドル
Samyang XP 14mm f/2.4 lens review with samples (Full-frame & APS-C)/ YouTube Christopher Frost Photography
第4位:Samyang 135mm F2 ED UMC
サムヤン(Samyang)のポートレイトレンズがキヤノンの同様のレンズ(第8位)を抑えて第4位にランクインです。動画レビュー内の比較映像を見てもその差は明らか。サムヤンのレンズは値段がとても安いことも特徴です。マニュアルフォーカスを使いこなせるのであれば非常におすすめのレンズ。
サムヤン単焦点レンズ Samyang 135mm F2 ED UMC / Amazon
価格:約75,000円
Samyang 135mm f/2 ED UMC lens review with samples (Full-frame and APS-C)/ YouTube Christopher Frost Photography
第3位:Sigma 50mm F1.4 ART
単焦点レンズの王様50mmレンズで最も高解像度だったのがこのシグマのアートレンズです。隅から隅までシャープな写り。開放のF値1.4から高い解像度です。50mmという焦点距離は様々なジャンルの撮影に対応可能。キヤノンのおそろしく高額なLレンズと比べるとまだ手が届く値段であることから非常に人気のレンズです。
シグマ単焦点レンズ Sigma 50mm F1.4 ART / Amazon
価格:約98,000円
Sigma 50mm f/1.4 DG ‘Art’ lens review with samples (Full-frame and APS-C)/ YouTube Christopher Frost Photography
第2位:Sigma 85mm F1.4 ART
第2位もシグマのアートシリーズから。ごく最近発売されたばかりの85mm単焦点レンズです。驚くほどの高解像度で1位のレンズとの性能差も僅差です。シャープな写りに色収差もよく抑えられています。
シグマ単焦点レンズ Sigma 85mm F1.4 ART / Amazon
価格:約120,000円
Sigma 85mm f/1.4 ART lens review with samples (Full-frame & APS-C)/ YouTube Christopher Frost Photography
第1位:Samyang XP 85mm F1.2
1位はなんとサムヤンの85mm単焦点レンズ。新しいレンズでまだ日本では発売されていません。2位のシグマの85mmレンズと解像度はほぼ同レベル。フルサイズでは差がなく、APS-Cサイズカメラで比較した時にわずかにサムヤンのほうがシャープな写りになります。またサムヤンは最大開放F値が1.2とより開放で撮影できることも鑑みて1位になりました。クリストファー氏の評価では、このレンズの解像度はキヤノンの高級単焦点レンズEF85mm F1.2L II USM(約19万円)をしのぐとしています。
追記:日本でも発売されました!
価格:1000ドル
Samyang XP 85mm f/1.2 lens review with samples (Full-frame and APS-C)/ YouTube Christopher Frost Photography
惜しくもランク外のシャープなレンズ
ランキング外になってしまったものの、非常に解像度の高いレンズのリストです。
- Samyang 14mm F2.8
- Sigma 18-35mm F1.8 ART
- Tamron SP 45mm F1.8 VC
- Canon EF 70-300mm F4-5.6 IS USM L
- Canon EF 100-400mm F4.5-5.6 USM Ⅱ L
- Canon EF 100mm F2 USM
- Canon EF 100mm F2.8 IS USM Macro L
- Canon EF 180mm F3.5 USM Macro L
- Canon EF 400mm F5.6 USM L
まとめ レンズ沼は深い
クリストファー・フロスト氏が考える高解像レンズランキング。興味深い内容だったのではないでしょうか。冒頭にもお伝えしましたが、ランキングは価格が1000ポンド(約15万円)未満のレンズを対象に作られています。この価格帯の設定のためかキヤノンのLレンズはベスト10の中でわずか2本がランクインという結果になりました。高額なレンズで言うとCanon EF 70-200mm IS Ⅱ USM LやCanon EF85mm F1.2 II USM L などが非常に高い解像度を誇るレンズとして有名です。
このランキングはクリストファー・フロスト氏がテストした約150本のレンズをもとに作成した2017年最新ランキングです。クリスさんは2015年にも同様のランキングを発表しています。2015年のランキングはAPS-C専用レンズも含んでおり(一部高級レンズも含む)、その内容は次のようなものでした。
- Sigma 50mm F1.4 ‘ART’
- Samyang 135mm F2 ED UMC
- Sigma 35mm F1.4 ‘ART’
- Canon EF 400mm F5.6 USM ‘L’
- Canon EF 100mm F2 USM
- Samyang 14mm F2.8
- Canon EF85mm F1.2 USM II ‘L’
- Canon EF 200mm F2.8 USM II ‘L’
- Sigma 18-35mm F1.8 ‘ART’
- Samyang 16mm F2 AS UMC
こう比べて見るとサムヤンとシグマのアートシリーズが相変わらず高い解像度のレンズを作り続けていることがわかります。またVenus Optics Laowaレンズが2017年で登場したのが注目ですね。今後の新作レンズにも期待です。
また2015年はランキング外だったCanon EF 70-200mm F4 IS USM Lが2017年版では浮上するなど、フルサイズ対応レンズに限定したことによる順位変動もあるようです。
関連記事
高級レンズを使ってみたい人はレンタルを試してみてはいかがでしょうか。
より安い価格帯でおすすめのレンズを知りたい人は次の記事をどうぞ。
使っていないレンズがある人は売却して新たなレンズを買う資金にしてみてはいかがでしょうか。
その他レンズに関する記事はこちら。
当サイトをご覧いただきありがとうございます!
「神戸ファインダー」は豊富な写真と動画で神戸の魅力を発信するブログ型情報ウェブサイトです。サイト運営者Akiが気になるカメラや関連機材についても国内外から情報を集め記事にしています。
記事を気に入っていただけましたらSNSでシェアをよろしくお願いします。
Facebook、Twitter、YouTube、Instagramなどでも情報発信していますのでフォローよろしくお願いいたします。シェアとフォローは下のボタンからご利用いただけます。
質問があればお気軽にコメントやSNSでお知らせください^^