神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。キヤノンの一眼レフカメラ用交換レンズとして非常に人気が高い「EF50mm F1.8 STM」についてレビューします。
「EF50mm F1.8 STM」や先代モデルの「EF50mm F1.8 Ⅱ」の作例を交えながらこのレンズの魅力について語ります。そのほか比較対象となるであろうおすすめの類似レンズもあわせてご紹介します。
EF50mm F1.8 STMの魅力
これがF1.8の世界 ボケる!明るい!
カメラを買ったときに一緒に買えるキットレンズのF値は小さくできてもF5.6前後。それに対してこの「EF50mm F1.8 STM」のF値は1.8。ここまでF値を小さくする(絞りを開く)とボケの量が大きくなり被写体が浮き上がったような写真を撮ることができます。
例えばこの上のような写真ですね(この写真はF2で撮影しています)。藤の花にピントを合わせると背景の藤の花がボケてちょっと幻想的な雰囲気に仕上がりました。
なんでもない風景もF1.8の開放で撮ると作品のような写真になった気がするのがこのレンズの楽しいところ。私は初めて一眼レフカメラを買ったときに一緒に「EF50mm F1.8 Ⅱ」(旧型)を買って、しばらく開放で色んな写真を撮りまくっていました。楽しくてしかたがなかったことをよく覚えています^^
F1.8にできると入ってくる光の量が増えます。
イメージ図
画像:絞り(F値)とAモード | 撮影の基礎知識 | デジタル一眼カメラ α(アルファ) | ソニー より引用
F値が小さい方が光をたくさん取り込める。
絞りを開くと(F値を小さくすると)たくさんの光がカメラに入ってくるので夜景など暗いシーンの撮影でもISO値を低く抑えて高画質の写真が撮れるようになります。
例えばこの船の写真はISO800で撮影しています。夜景の撮影のときはできれば三脚をつかってスローシャッターにしたいところですが、このときは船が動いていてそれもできません。夜中で非常に暗い中の撮影でしたがF1.8の強みをいかして闇夜に浮かぶ客船を鮮明に映すことができました。
もちろん三脚を使って夜景を撮ってもきれいです。
この上の写真は三脚にカメラを固定して撮影しています。
拡大写真
光条(光源のトゲトゲの光の形のこと、光芒とも)の形もレンズによって異なります。「EF50mm F1.8 STM」の光条は勢いある感じで個人的には好みの形です。絞り羽根の枚数は7なのでトゲトゲは14本。
F1.8だと暗いところでも手持ちで気軽に撮影できます。この利便性は大きなメリットです。
撮影場所:湊川隧道 参考:神戸の発展のカギを握るトンネル「湊川隧道」がかっこいい
ちなみに私はこのレンズはF2.8に設定して撮るのが好きです。暗い場所ではF1.8にしますがレンズは開放F値で使うと描写性能が落ちる傾向にあります。このレンズも例外でなくF1.8で撮るとあまり解像感は高くありません。そこで少し絞ってあげると解像感が高まりつつ、ボケもきれいで良い具合になります。
この記事で紹介している作例写真はFlickrにアップしたものを掲載しています。Flickrのページに移動していただければ撮影時のF値やシャッタースピード、ISOなどの設定を見ることができます。どんな設定で撮っているのか気になったらチェックしてみてください。
マクロっぽく撮れる
レンズには被写体に近づける距離が決まっています。被写体に近づきすぎるとピントが合いません(参考:カメラでどうしてもピントが合わない・AFが効かない時の原因と対策・解決方法 | Akiの神戸ファインダー)。
この「EF50mm F1.8 STM」は被写体の近くに寄って大きく映すことができます。
例えば紫陽花を撮影しにいったときのことを紹介しましょう。
雨に濡れていてしっとりとした花や葉がとてもきれいでした。引きで見てもきれいですが、こんなときは思い切って被写体に寄ってその質感を伝えるような写真も撮りたいところ。
そこでこのように思い切って被写体に寄った写真を撮ってみました。葉っぱが濡れて水滴がのっている様子や葉脈の形まできれいに見えます。これら紫陽花の写真は3枚とも「EF50mm F1.8 STM」で撮っています。全体だけでなく被写体を大きく切り取ったショットもおさえておくとバリエーションが豊かになって表現が広がります。
「EF50mm F1.8 STM」は最短撮影距離が35cm、最大撮影倍率が0.21倍です(倍率が大きいほど大きく映せる)。ちなみにこのレンズの旧型は最短撮影距離45cm、最大撮影倍率0.15倍でした。
これくらい寄れるとカフェやレストランで料理を撮影するときなど、テーブルフォトにも使いやすいです。
撮影場所:元町ケーキ 参考:美味しいケーキが300円!「ママの選んだ元町ケーキ」
もちろんちゃんとしたマクロレンズには及びませんが、これだけ近接撮影ができると使い勝手が良くて便利です。
スナップやポートレートに使いやすい画角
このレンズはフルサイズ対応。キヤノンのEOS 5D MarkⅣやEOS 6D MarkⅡのようなカメラと組み合わせて使うことができます。
50mmという焦点距離はフルサイズカメラで使うとまさに標準画角。人間の視野に近いとされる画角なので、日常生活で目にとまったものを撮影するのに使いやすいです。
撮影場所:乾邸 参考:特別観覧に応募が殺到!昭和初期の名建築「旧乾邸」とは
またEOS 80DやEOS Kiss X9のようなAPS-Cサイズのカメラでこのレンズを使うと、画角は35mm判換算80mmの中望遠になります。80mmはポートレートやブツ撮りに使いやすいとされている画角です。人を撮ったり自分のお気に入りのものを格好良く撮影するのに向いています。
小さくて軽い
単焦点レンズはズームレンズと比べて設計がシンプルなので比較的サイズが小さくて軽い傾向にあります。
「EF50mm F1.8 STM」の質量は約160gです。あまりかさばらず気軽に持ち出すことができます。
安い
このレンズがときに「神レンズ」とまで呼ばれて人気なのは上で説明したような要因もありますが、最大の理由は価格が安いからです。どこで買うかによって価格の違いはありますが、新品でも1万5千円ほどで買えます。この性能のレンズがこの価格で買えるのは非常にコストパフォーマンスが高いです。
価格は変動しますので、現在の具体的な価格については下記ショッピングサイトのリンクよりご確認ください。
別売りのレンズフードもけっこう良い感じです。カチッと装着されて勝手に外れたりしません。フードがあるとフレアやゴーストといった映像の乱れを防ぐことができるほか、レンズ保護の観点でも役に立つのでおすすめ。
レンズ径は49mmです。保護フィルターやNDフィルターなどのレンズフィルターは適切なサイズのものを選んでください。
旧モデルとの違い
ひとつ古いモデルの「EF50mm F1.8 Ⅱ」も大変な人気レンズだったので違いが気になっている人がいるかもしれません。結論から言うと新型の「EF50mm F1.8 STM」のほうが圧倒的に優れています。
仕様比較
まず表で全体的な仕様の違いを見てみましょう。
仕様比較表
EF50mm F1.8 STM | EF50mm F1.8 Ⅱ | |
---|---|---|
焦点距離 | 50mm | 50mm |
開放F値 | F1.8 | F1.8 |
絞り羽根枚数 | 7枚 | 5枚 |
最小絞り | 22 | 22 |
最短撮影距離 (ワーキングディスタンス) |
35cm (約26cm) |
45cm (約36cm) |
最大撮影倍率 | 0.21倍 | 0.15倍 |
レンズ構成 | 5群6枚 | 5群6枚 |
駆動系 | STM | DCモーター |
フィルター径 | φ49mm | φ52mm |
最大径 | φ69.2mm | φ68.2mm |
全長 | 39.3mm | 41mm |
質量 | 約160g | 約130g |
表:キヤノン:EF50mm F1.8 STM 特長紹介より引用
新型レンズが旧型と比較して小さなサイズになったにもかかわらず質量が重くなっているのはマウント部分が金属になっているため。旧型「EF50mm F1.8 Ⅱ」はプラスチックマウントだったのですが、新型の「EF50mm F1.8 STM」は全体的により丈夫で高級な仕上げになっています。安いレンズなのに安っぽさを感じさせません。
絞り羽根の枚数と玉ボケの形
下の写真は旧型の「EF50mm F1.8 Ⅱ」で撮影したのですが、背景に注目してみてください。
旧型は玉ボケが五角形になっています。これはこれで味があるとも言えますがすこし不自然でうるさい感じがします。
新型は玉ボケがより自然な丸い形になっています。下の写真を見てもらうと違いがよく分かります。
STMで静かなAF
新型はオートフォーカス(AF)の駆動モーターの仕組みがSTMというものになっています。旧型はAFの際にけっこううるさい音がしたのですが新型はとても静かです。
旧型を売って新型に買い換えた
私はもともと持っていた「EF50mm F1.8 Ⅱ」を売って新しく発売された「EF50mm F1.8 STM」に買い換えました。そのときの経緯などは次の記事に書きました。
旧型はすでに生産終了ですが、現在でも探せば中古レンズが販売されています。新型のほうが優秀で値段差以上の価値があるので旧型は個人的におすすめしません。旧型はレンズフードもけっこう残念な仕様でした。
その他の50mm単焦点レンズ
人気の50mm単焦点レンズをいくつか紹介します。
EF50mm F1.4 USM
「EF50mm F1.4 USM」はワンランク上の単焦点レンズです。より明るいF1.4で映りもよりーシャープで優れています。値段がそのぶん高いのですが、少し古いレンズなので中古がたくさん市場に出回っていて安く買うこともできます。
ふつうにAFも速いので個人的にはあまり古さを感じないレンズです。「EF50mm F1.8 Ⅱ」や「EF50mm F1.8 STM」は誰もが買う人気レンズであるのに対して、「EF50mm F1.4 USM」はカメラ通な人が使っているイメージがあります。
YONGNUO AF 50mm F1.8
「YONGNUO AF 50mm f1.8」はキヤノンの旧型50mmレンズの「EF50mm F1.8 Ⅱ」を模倣して作られた中国メーカー製レンズ。実際に使ったことはないですがレビューを見る限り見た目も性能もそっくりです(参考:Yongnuo 50mm f/1.8 VS Canon! Comparison and full review (full-frame and APS-C Christopher Frost Photography))。そして値段がすごく安い。いつのまにかAmazonでもたくさんレビューが書かれるくらい売れてるみたいですね。
さすがにカメラのキタムラなどの一般的なカメラ屋さんや家電量販店では取り扱いがないようです。
TAMRON SP45mm F1.8 Di VC
人気レンズメーカーのタムロン(TAMRON)からは50mmではないのですが、45mmの単焦点レンズが販売されています。「TAMRON SP45mm F1.8 Di VC」の特徴はほかの単焦点レンズと違って手ぶれ補正機能がついていることです。さらに最短撮影距離29cm、最大撮影倍率0.29倍という近接撮影にも強いレンズです。
参考:TAMRON | SP 45mm F/1.8 Di VC USD
高級単焦点レンズ
もし「価格は気にしないからもっと良い50mm単焦点レンズが欲しい!」という場合は「EF50mm F1.2 L USM」や「SIGMA 50mm F1.4 Art DG HSM」などがあります。これらのレンズはもう格が違います。
「EF50mm F1.2 L USM」を使わせてもらったことがありますが質感・描写性能ともに素晴らしかったです。
シグマのレンズはキレッキレのシャープな映りに定評があります(参考:高解像度レンズランキングTOP10キヤノン一眼レフカメラ用(フルサイズ対応))。
まとめ キヤノンの単焦点レンズといえばこれ
評価のまとめ
- 総合点:
- 描写性能:
- 携帯性:
- 価格:
- 操作性・質感:
「EF50mm F1.8 STM」(および旧型の50mmレンズ)はこのレンズがあるからキヤノンのカメラを選んだという人もいるくらい人気のあるレンズです。類似レンズもご紹介しましたが、「EF50mm F1.8 STM」はコストパフォーマンスの面で頭一つ抜けています。使って楽しいレンズなのでとてもおすすめです。キヤノンの一眼レフカメラを使っていて何か単焦点レンズを使ってみたいと考えている人はぜひ使ってみてください。
今回紹介したレンズ キヤノン EF50mm F1.8 STM
公式ウェブサイト:キヤノン:EF50mm F1.8 STM|概要
作例写真:EF 50mm F1.8 STM / EF 50mm F1.8 Ⅱ | Flickr
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