9月29日に大阪で開催されたEOS R SYSTEM PREMIUM SESSION(EOS R体験会)に行ってきました。キヤノンの社員さんにEOS Rについて詳しく聞けるチャンスだったので気になっていたポイントについてたくさん質問させてもらいました。そのほかプロカメラマンのセミナーなど会場の様子・イベントの感想をお伝えします。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。
グランフロント大阪のナレッジセンターで開催されたキヤノンのイベント「EOS R SYSTEM PREMIUM SESSION」。もともと二日間の日程の予定でしたが台風で中止になってしまい大阪での開催は9月29日のみ。貴重なチャンスを逃さないように駆けつけました。
キヤノンのプレミアムセッション来てる。楽しいいいい。めっちゃたくさん質問させてもらったりEOS R使わせてもらった。#eosr pic.twitter.com/UXwO9gNqkH
— Aki 神戸ファインダー (@Aki_for_fun) 2018年9月29日
EOS R ハンズオンでカメラの機能・操作性をチェック
個人的にもっとも楽しみにしていたのがEOS Rのハンズオンコーナー。対面式のカウンターでキヤノンのスタッフさんがひとりついてくれます。EOS Rについて教えてもらいつつカメラの使い心地を試すことができるという内容です。
以前ショールームでEOS Rを触らせてもらった時はまだスタッフさんがEOS Rについてそこまで詳しくなかったり、カメラの画面の撮影をさせてもらえなかったのですが、このハンズオンでは画面の撮影はふつうにさせてもらえました。データの持ち帰りや手持ちレンズの装着はできません。そのかわり会場で各種RFレンズはもちろん、マウントアダプターやEFレンズ、EFーSレンズなどのアクセサリーが用意されていました。
人気のコーナーでたくさんの人が並んでいました。ひとり5分程度の体験を目安にしてくださいとのことでしたが、運営側から時間で体験を打ち切ることはせずにそこはお客さんの裁量に任されているようでした。
マルチファンクションバーのカスタマイズが面白そう
EOS Rにはマルチファンクションバーというものが初めて搭載されました。カメラ背面の右上にあるバーで様々な設定を操作できます。
こちらがマルチファンクションバーで設定できる項目。あとはメニューの下の方から好きな項目を当てはめる「カスタマイズ」や機能のオフなどを選ぶことができます。
「ホワイトバランス」は「太陽光」や「くもり」だけでなくケルビンの数値をバーで操作して選ぶことができます。「ピント・情報表示」というのは画像の拡大表示です。「動画撮影」では録音レベルや、モニター音量、絞り数値の変更などを設定できます。「フレキシブルAE」というのは、EOS Rで新搭載したFvモードの設定変更に用います。「AF」ではスポットAFや顔追尾AFなどの選択を可能。
ちなみにマルチファンクションバーでフォーカスの操作(マニュアルフォーカス)はできないとのこと。後述するEOS Rを使ったプロカメラマンのセミナーでは、カメラマンの方々がそれぞれ自分好みの機能をこのファンクションバーに割り当てて試行錯誤されたお話を聞けました。わたしが聞いた範囲ではホワイトバランスを割り当てた人が多かったようです。
わたしもEOS Rが手元に届いたら色々試したいです。しばらく使ってみないとこれが使いやすいかどうかの判断は難しそうです。
連写とバッファ容量
EOS Rでどれくらい連写できるか試してみました。その様子の動画をツイッターにアップしたのでご覧ください。
EOS Rで連写してみた。C-RAWとJPEG Lの同時記録。これくらいバッファ持てば個人的には問題なし。あと何枚撮れるのか画面の左上でわかるの良いね。 #eosr pic.twitter.com/wEaamWXimU
— Aki 神戸ファインダー (@Aki_for_fun) 2018年9月29日
わたしはそんなに連写する機会はないのですが、たまに連続で撮影したときにバッファが埋まって撮影がとまってしまうともどかしいので、ある程度の余裕はほしいです。RAWとJPEGの同時記録でもこれだけ撮れればわたしは安心です。
Fvモードを多用できそう
EOS RではFvモードというものが搭載されています。マニュアルのMモードからTvやAvなどの半オート、そしてほぼ完全オートのPモードまでを柔軟に使い分けられるモードです。要はシャッタースピード、ISO、絞りの設定を個別に設定する仕組みです。富士フイルムのミラーレスカメラ上位機種も似たような操作性になっていますね。
わたしはこの柔軟な露出設定モードが気に入りました。本当にフレキシブルです。
使ってみたときにすこし気になったのがデフォルトの状態だとシャッタースピードをAUTOから変更すると最初が30秒から始まるところです。急いでいる撮影シーンでもっと速いシャッタースピードにしたいときはもどかしく感じそう。
設定からシャッタースピードの最低速度を決められるので、その機能と組み合わせるとより便利になるかもしれません。
マウントアダプターEF-Sレンズを装着・クロップモード
マウントアダプターも試せるとのことで使わせてもらいました。EFレンズだけでなくAPS-Cサイズ専用のEF-Sレンズも使用可能。実際にEF-Sレンズをつけて撮影させてもらうと画角が1.6倍に自動でクロップされました。AFなど基本的な性能は違和感なく普通に使えました。
APS-Cクロップモードで画素数は約1200万になるとのこと。細かい画質はわかりませんが、背面ディスプレイを見る限りふつうに使えそうな印象。
またフルサイズ用のRFレンズやEFレンズでも1.6倍のクロップモードにすることは可能だそうです。
マウントアダプターも一応防塵防滴設計になっているそうです。
ドロップインフィルターを試す
EOS Rのマウントアダプターはただレンズをつけるだけにあらず。「ドロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS R」ならPLフィルターや可変NDフィルターをレンズとボディの間に挟むことができます。
この小さいダイヤルを回してフィルターの調整ができます。このフィルターとアダプターけっこう良いお値段するのですが、いざ本物を見てみるとなんてことのないシンプルなパーツでした。
4K動画のクロップ
EOS Rで4K動画を撮るときは画角が狭くなると聞いていたのでそれを試してみました。
EOS RでFHD動画など通常時の画角(1枚目)と4K撮影時のクロップされた画角(2枚目)。同じ焦点距離でここまで画角が変わると扱いづらいと思う。 #eosr pic.twitter.com/ohcv6tjk6r
— Aki 神戸ファインダー (@Aki_for_fun) 2018年9月29日
センサーの4Kぶんだけの範囲(3840×2160)を使うことになるので画角はとても狭くなってしまうとのこと。
インターバル撮影機能がなくて残念
EOS Rにインターバル撮影機能はないそうです。カメラ本体でインターバルの設定はできないとのこと。キヤノンの一眼レフカメラの上位機種ならカメラ本体にインターバルタイマーがあるのになぜEOS Rにはないのでしょうか。
EOS Rでインターバル撮影をするためには別売りの「タイマーリモートコントローラー TC-80N3」を使わなければなりません。これがけっこう値段が高い。わざわざこんなリモコンを使わなければいけないのが正直ばかばかしいです。
互換品で安いものがあるのでそれを使うと良いかもしれません。
バリアングル撮影中にEVFのセンサーがオフにできない
これはEOS Kiss Mをつかっていてたまに不便に感じることなのですが、バリアングルで撮影してるときにEVFの近くに手や体が近づくとセンサーが反応して背面ディスプレイが暗くなってしまいます。
EOS Rも同様の仕組みでした。設定からEVFだけ表示するか、背面ディスプレイだけ表示することは選べるのですが、バリアングルで液晶を動かしている時だけEVFをオフにするという設定はできません。ソニーの最近のミラーレスカメラではチルトモニターを使っているときはEVFのセンサーがオフになるようにできるらしいのでキヤノンも見習ってほしいです。
デュアルピクセルフォーカスガイドでMFが快適になりそう
デュアルピクセルフォーカスガイドというマニュアルフォーカスを手助けする機能があります。
これがなかなか面白くてマニュアルフォーカスの手助けになってくれそうでした。ピーキングよりかなりシビアなフォーカシングの調整になります。ただし、あくまでレンズのAF機能を応用したものなのでマニュアルレンズではこのフォーカスガイドは表示されません。
そして、フォーカスガイドが使えるのはあくまでレンズのAFスイッチがMFになっているときのみ。AFの状態からフォーカスリングを回したとき(いわゆるフルタイムマニュアルフォーカス)だと、ピーキングもデュアルピクセルフォーカスも使えないそうです。これは残念でした。
追記(2018年10月10日):上記のようにキヤノンのスタッフの方から説明されたのですが、きょうショールームで試してみたらふつうにフルタイムマニュアルフォーカスでもピーキングもフォーカスガイドも使えました。
EOS Kiss Mだとフルタイムマニュアルフォーカスすると自動で拡大表示が適応される機能があってこれは便利でした。EOS Rでも同様のことはできると思います(未確認)。できます(確認しました。デフォルトの状態だとおそらくできないのでメニューから設定しておく必要があります)。
さらに追記(2018年10月28日):どうも動画撮影中だとフルタイムマニュアルフォーカスができないようです。EOS Kiss X9でも試してみたのですがこちらではできました。そしてEOS Kiss Mではできないのですが、こちらの場合カメラのボタンでAFとMFを切り替えられます。なのでEOS Kiss Mなら動画撮影中でもAFからMFの切り替えはスムーズに行えます。EOS Rはわたしがいま把握してる限りでは動画撮影中のフルタイムマニュアルフォーカスはできません。またMFに切り替えるときはレンズ側のスイッチをMFに切り替えなければなりません。
さらにさらに追記(2018年10月29日):いま試したら動画でもフルタイムマニュアルフォーカスできるようになっていました。でも昨日試した時は確実にできていなかったので、なにが原因だったのかわかりません。バグなのか設定なのかいまいちよく把握できていません。すみません。
ボディ内手ぶれ補正なし・シングルカードスロット
ボディ内手ぶれ補正機能がありません。また記録メディアのスロットはSDカードひとつのみ。キヤノンのスタッフさんいわくこれらの機能の搭載も検討してはいるもののEOS Rのトータルバランスを考えていまの形に落ち着いたそうです。とはいえボディ内手ブレ補正に関しては特に要望の声が多いのだとか。
キヤノンの社員さんいわく需要があれば実現していく可能性が高いとのことなので、今後も積極的にその要望を伝えていきたいと思います。キヤノンユーザーの方でカメラに対して不満に思っていることがある人はぜひキヤノンさんにその声を伝えてください → キヤノン:メールお問い合せ受付
個人的にEOS Rは動画機能が物足りなくて不満なのでそのことをスタッフさんに伝えました。動画はクロップなしで4K60P、FHD120P撮りたいです。ボディ内手ぶれ補正も動画で特に役立つのでぜひ実現してほしい。上で書いたいくつかの不満点も解決してもらえると嬉しいですね。
ハンズオンの感想はだいたいこんな感じです。以前ショールームでEOS Rを触ったときの感想も書いてるのでこちらもあわせてどうぞ。
プロ写真家によるEOS R体験レポート
「EOS R SYSTEM PREMIUM SESSION」ではEOS Rを使ったプロの写真家や開発者さんのセミナーが行われていました。わたしは写真家の中西敏貴さん、土屋勝義さん、ルーク・オザワさんのセミナーを聞くことができました。
それぞれの写真家のかたがどうEOS Rを使ったのか、EOS Rでどんなものが撮れたのかを話してくれました。
風景写真家の中西敏貴さんはEOS Rをどうカスタマイズしたのかを詳しく教えてくれました。
土屋勝義さんはモデルさんとともにポートレートスナップについてのお話。EVFで撮影することにより撮影のテンポがスムーズになったことや、サイレントシャッターによる撮影フィーリングの変化など興味深い話が多かったです。
フォーカスガイドが便利だったという話や真っ暗な中でもAFが効いたという話もありました(参考:キヤノンR in大阪:土屋勝義の心理の解る・日々限定パワーアップ日記!:So-netブログ)。
航空写真家のルークオザワさんはEOS Rの魅力として次のようなことを評価。
- クロップ機能で1.6倍 APS-C
- AFゾーンの拡大(モニター画面指で移動可)
- サーボAFの食いつき
- ボタンの割り付け
- 高ISO 10000-16000
- PLフィルター付きアダプター
- 軽量コンパクト でも重厚感ある
- ゴミがつきにくい
- モニターが汚れない
- ホールド感が好い
- マウントアダプターリング
- バッテリーが7D、5Dと共通
- EVFで見えた画が写る
フレームの端に入ってきた飛行機にたいしてしっかりAFが食いついたとのこと。背景にひっぱられず目当ての被写体にAFが効いてくれるのはありがたいですね。
そのほかカメラの展示
この他にも会場では様々な展示がありました。
EV-6でもAFが合うことを体験できるコーナー。箱の中を覗きましたが真っ暗でした。これでAFが合うのは本当にすごい。
EOS Mシリーズ用の新しいレンズ「EF-M32mm F1.4 STM」の展示もありました。これ良いレンズなんですよね。
各所でイベント開催 わたしは早くEOS Rほしい
とても内容の濃いイベントで個人的には行ってよかったです。キヤノンの社員のかたとカメラについて話せたり、プロの写真家のセミナーを聞けるのは貴重な機会だと思います。「EOS R SYSTEM PREMIUM SESSION」は今後も他の地域で開催予定なので、チャンスがあれば足を運んでみることをおすすめします。
EOS Rは10月25日発売予定。待ち遠しいですね。わたしはすでに予約済みですが、購入キャンペーンの一部は人数制限があったり、一部アクセサリーは注文過多で納期の遅れがすでに見込まれているようなので注文はお早めに。
わたしはとりあえずSDカードを買ってカメラ受け入れの準備を進めています。
SDカード買った。SanDiskのExtreme PRO。新しく買うカメラに備えて準備中。 pic.twitter.com/KG3xHIklYG
— Aki 神戸ファインダー (@Aki_for_fun) 2018年9月26日
キヤノン:EOS Rシステムブランドサイト|EOS R SYSTEM PREMIUM SESSION
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