Canon EOS 6D MarkⅡが動画撮影に向いている理由
フルサイズ
画像引用:キヤノン:EOS 6D Mark II|高画質・高感度フルサイズ
EOS 6D MarkⅡのセンサーサイズはフルサイズ。センサーが大きい方が高感度撮影に強く、諧調が豊かで、背景がよくボケる映像をつくりやすいという特徴があります。つまり高画質の映像表現に向いているのです。
そもそも普通のビデオカメラではなくなぜレンズ交換式の一眼カメラで動画を撮るのか、という理由がこのセンサーサイズにあります。比較的手軽な機材で映画のような美しい映像表現をするにはセンサーサイズの大きい一眼レフカメラやミラーレスカメラが向いているのです。
コンシューマーレベルの機材でシネマティックな映像を作るというのはキヤノンのEOS 5D MarkⅡが発売されたころから流行り始めました。最近はその役割をパナソニックやソニーのカメラが代替するようになってきていますが、もしかするとまたキヤノンの時代がやってくるかもしれません。
参考:なぜ、フルサイズだと写真の世界が広がるのか|EOS 6D Mark II Special site
バリアングル液晶
画像引用:キヤノン:EOS 6D Mark II Special site|特長紹介
カメラ背面のモニターが動かせる仕組みになっています。これはバリアングル(vari-angle)液晶と呼ばれており、様々なアングルからの撮影を容易にしてくれます。
またこの液晶画面はタッチパネルになっています。ピントを合わせたい位置をタッチするだけでピントの移動ができます。そのほかメニュー操作もタッチパネルだと快適でスムーズに行えます。
デュアルピクセルCMOS AF
画像参考:EOS 70DのデュアルピクセルCMOSのオートフォーカスのしくみ【キヤノン公式】 – YouTube
キヤノンが誇るオートフォーカス(AF)技術が「デュアルピクセルCMOS AF」です。高速でスムーズなAFが可能になります。これが動画撮影の際に大活躍。動く被写体にもなめらかにピントを合わせてくれます。
例えば自撮りするときに自分の顔にきちんとピントが合い続けてくれるわけです。基本的なことのようですが、意外とこれを実現するのが難しく対応できるカメラが少ないのです。キヤノンのデュアルピクセルCMOS AFによるオートフォーカス性能は数あるメーカーの中でもトップクラスを誇ります。
EFレンズを使える
キヤノンと言えば豊富な交換レンズのラインアップが魅力。あらゆる映像表現のニーズにこたえるレンズを選ぶことができます。
ユーチューバーのリアクション
日本のユーチューバーの反応
EOS 6D MarkⅡの発表がされて、YouTubeにはさっそく「欲しい!」「予約した!」という内容の動画が続々と投稿されています。人気ユーチューバーの瀬戸弘司さんも興奮気味にEOS 6D MarkⅡの素晴らしさを語り、さっそく予約したことを動画の中で明らかにしています。
このほかにも非常に好意的な意見が目立ちます。「フルサイズでバリアングルのカメラを待っていた!」という声が多いです。きれいに背景がぼけて、顔にはきちんとピントが合う。そんなEOS 6D MarkⅡを歓迎しています。多くのユーチューバーから感動と興奮が伝わってきます。
参考:
- 6Dmark2は最高の自撮りYoutuberカメラか?(生放送with Miyashitaさん) – YouTube
- 【深夜の雑談】Canon EOS 6D Mark II が発表されたのでスペックで気になった点などをいくつか – YouTube
- 【Canon】EOS 6D Mark 2 購入宣言!【カメラ・一眼レフ】 – YouTube
- 【雑談】Canon EOS 6D Mark IIのお話。フルサイズ機で初のバリアングル液晶。これは買いです! – YouTube
- 【キヤノン】EOS 6D mark2が発表されて興奮したので雑談です【祝バリアングル】 – YouTube
- Canon EOS 6D Mark II発表!売れるに決まってるけどポチる? ケンジさんVLOG_0071 – YouTube
海外ユーチューバーは否定的
しかし、日本のユーチューバーたちとは対照的に海外の有名レビュワーからはどちらかというとネガティブな意見が目立ちます。動画のコメント欄にもキヤノンに対する厳しい意見が飛び交います。動画タイトルだけを見ても「6D Mark2が嫌いだ さよならキヤノン」、「6D Mark2を買わない4つの理由」、「6D Mark2 キヤノン最大のジョーク」、「6D Mark2 許せない要素が多すぎる?」などがあります(筆者翻訳)。
参考(海外の有名ユーチューバーによるEOS 6D MarkⅡレビュー):
- My Thoughts – Canon 6D Mark 2 (too many deal breakers?) – YouTube
- Canon EOS 6D Mark II Preview: It’s MISSING 4K! – Jared Polin – YouTube
- Canon 6D Mark II Preview – Tony & Chelsea Northrup – YouTube
内容を引用してみると例えば次のようなもの(英語を筆者が翻訳しています)。
「なんで4Kがないんだ!キヤノンは5D MarkⅡのときはチャンピオンだったじゃないか。コンシューマーカメラで4Kが撮影できる時代は何年も前に実現している。FHDは5年前の6Dだって撮影できた。悲しいよ。なぜなんだ」 – Kai W(動画5:50あたり Canon 6D Mark II & 200D/Rebel SL2/X8 Hands-on Preview – YouTube)
それでは聴いてください。”Canon, Tell Me Why” Gordon L (feat. Kai W)
Canon 6D Mark II & 200D/Rebel SL2/X8 Hands-on Preview – YouTube
Canon EOS 6D MarkⅡはガッカリ?
EOS 6D MarkⅡに対する主な批判ポイントをまとめると次のようになります。
- 4Kが撮れない
- ヘッドフォン端子がない
- カードスロットがひとつしかない
- ファインダーの視野率とAF測距点が狭い
- スローモーションが撮れない
- この性能で20万以上するのは値段が高すぎる
道具としてのカメラ
YouTubeで使うカメラとしてこの欠点はどうなのか
批判も多いEOS 6D MarkⅡ。実際のところ、日本のユーチューバーたちもこれらの欠点があることを認めています。ですが、海外のYouTube動画の投稿者やコメント欄のように強めの語気でそれを叫ぶ人はほとんど見当たりません。なぜでしょうか。
その理由のひとつは、ことYouTubeへの動画投稿ということを考えればほとんどデメリットが気にならなくなるからです。
ー 4Kの映像を編集したり再生する環境はまだまだ整っていない。
普通動画を投稿するときは、動画素材をそのまま投稿することはありません。編集作業が必要になります。ここで問題となるのが動画ファイルのサイズ。4Kというのはそれだけ動画ファイルのサイズも大きくなります。4K動画を編集するにはハイスペックのパソコンやモニターが必要です。動画ファイルを管理するストレージにも費用がかかるでしょう。
さらに動画を見る方にも相応の環境が求められます。4K動画を再生できるモニターや通信環境が必要です。徐々に普及が進んでいるとはいえ、まだ4K動画を鑑賞する人が一般的だとは言い難いかもしれません。
実際人気YouTuberの瀬戸弘司さんは4Kを撮れるカメラで撮影していますが、普段の動画をFHDで投稿しています。たまに4Kを撮りたいだけなら必要なときにだけ4Kが撮れるカメラ(例えばパナソニックGH5)をレンタルするという方法もあります。普段撮りにはFHD60Pの撮影ができるEOS 6D MarkⅡで困ることはほとんどないでしょう。
参考:
ー 自撮りするならヘッドフォンを使って音声をモニターする必要がない。
普通ヘッドフォンで音声の確認をするのは、カメラマンとは別にリポーターがいたり、インタビューショットを撮るときです。多くのユーチューバーのようにワンマンオペで自撮りという場合、ヘッドフォンの必要性は低いです。
ー プロの仕事現場でもなければダブルカードスロットが必要なケースは少ない。
ダブルカードスロットが必要である最大の理由は、万が一カードの片方に不具合があったときに困らないようバックアップをとることです。他にも使い方がないわけではありませんが一番重要な理由はこのバックアップでしょう。プロの場合、不可抗力だろうとなんだろうと大切な撮影のデータを失うとクライアントからの信頼を失ってしまう恐れがあります。可能性は低くても致命的な失敗になりかねません。
一方ユーチューバーの場合、企業とのタイアップで取材をするようなケースを除けばバックアップが本当に必要なケースは少ないです。もちろんバックアップがあるにこしたことはありませんが、撮り直しがきく撮影であればバックアップの必要性は低いです。
ー 動画撮影ではそもそもファインダー(OVF)を使わない。
ファインダーの視野率や測距点の狭さの問題は動画撮影ではまったく関係ありません。背面モニターを利用したライブビュー撮影の機能が重要であり、それはすでに書いた通り高いクオリティです。
日本と海外で意見が分かれる理由
日本のEOS 6D MarkⅡに関する動画はまさにYouTubeを主な活躍場としている人たちの意見がほとんどです。一方海外では、普段カメラマンとして働いている人や、消費者のために様々な観点から機材を評価するレビュワーが、YouTubeに数多くの動画を投稿しています。こういった視点の違いが意見の違いに表れているのかもしれません。
カメラはどう使うか
けっきょくカメラは道具なので、カメラそのものの性能も大事ですが、それをどう使うかがより重要になります。
キヤノンからEOS 6D MarkⅡで撮影したサンプルムービーがいくつか公開されています。
築地の動画やタイムラプス動画。プロがカメラの宣伝のために制作しているだけあって確かなクオリティです。撮ろうと思えばこのような作品を創りあげることができるわけですね。けっきょくのところカメラの機能に不満があるなら、あとは知恵かお金を出して、手を動かすしかありません。
その点日本のユーチューバーの方たちは意欲的な方が多くて好印象ですね。EOS 6D MarkⅡを使って撮影した素晴らしい動画を期待したいです。
追記(2017年8月10日):「レンタル館」にてEOS 6D MarkⅡのレンタルが利用できるようになりました。購入を検討している方はレンタルを試してみると良いかもしれません。
参考:キヤノン デジタル一眼レフカメラ EOS 6D Mark IIレンタル – レンタル館
EOS 6D MarkⅡは2017年8月4日発売。カメラの購入は下記リンクから。
キヤノン EOS 6D MarkII ボディ – カメラのキタムラ
キヤノン EOS 6D MarkII EF24-105 IS STM レンズキット – カメラのキタムラ
キヤノン EOS 6D MarkII EF24-70 F4L IS USM レンズキット – カメラのキタムラ
そのほか動画撮影に人気のカメラ
Panasonic GH5
パナソニックLUMIX DC-GH5をレンタル – レンタル館
Sony α7SⅡ
キヤノン公式ウェブサイト:
関連記事
今回の記事は動画撮影をテーマに書きましたが、EOS 6D MarkⅡはもちろん写真も撮れるカメラです。総合的なスペックについては次の記事をご覧ください。
ショールームに展示されているカメラを触ってきました。感想を次の記事に書いています。
EOS 6D MarkⅡをレンタルして撮影させてもらったのでレビューを書きました。
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