キヤノンのミラーレス一眼カメラEOS Kiss Mを発売後すぐに買ってずっと使っています。初心者におすすめとの評判口コミが多いこのカメラ。実際に使ってみた感想やわたしなりのこのカメラの使い方、おすすめ関連アクセサリー、作例写真などをご紹介します。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。
わたしはこれまでキヤノンの一眼レフカメラを使ってきました。EOS Kiss Mは発表されてすぐに購入を決意。EOS Kiss Mはわたしにとって3台目となるEOS Kissシリーズのカメラとなりました。
ミラーレスカメラを買うのはEOS Kiss Mが初めて!
約1年カメラを使い込んだうえでのレビューとなります。参考になるよう作例写真もたくさん載せているのですが、そのためページの読み込みに時間がかかるかもしれません。そういった場合はブックマークで保存しておいていただいて時間のあるときにゆっくりとご覧いただけると幸いです。
キヤノンKissのバランス感覚を備えたカメラ
ついにキヤノンのミラーレスに心から使いたいと思えるカメラが登場
キヤノンは特に一眼レフカメラの歴史が長く日本のカメラ市場においてシェアトップに位置しています。一方でミラーレス一眼カメラは他社と比較してあまりパッとしません。2012年のEOS Mに始まり、EOS M2、EOS M3などと続々とカメラを開発していましたが、これといってヒットモデルは登場しませんでした。どちらかというとEOS Kiss X7、EOS 5D MarkⅣのような一眼レフカメラの売れ行きが好調でミラーレスカメラはその陰に隠れた存在でした。
キヤノンのミラーレスカメラの中でわたしが初めて魅力を感じたカメラはEOS M5でした。「今までのミラーレスに満足しているか」という挑発的なキャッチコピーとともに売り出されたキヤノンの底力を感じさせるカメラです。間違いなくキヤノンのミラーレスカメラ史上、最高のカメラでした。
しかし、カメラの出来としては良かったものの、発売当初の価格が強気で手を出しやすいカメラではありませんでした。たしかに優れたカメラなのですが、それはあくまでキヤノンのミラーレスカメラにしては良いということ。他社はもっと早くからミレーレス一眼カメラに注力していましたし、キヤノンの一眼レフカメラに目を向ければもっと本格派のカメラはありました。「悪くないけれどこの価格なら他にも選択肢があるよな〜」というのがわたしの率直な感想でした。
そんな中、2018年2月26日にキヤノンからEOS Kiss Mの情報が発表されました。EOS M5の性能を踏襲しながら新たに追加された機能も満載。これは使いたい。しかもEOS M5発売のときと比べてずいぶんと安い値段が設定されていました。
キヤノン、EVF内蔵の新ミラーレスカメラ「EOS Kiss M」 – デジカメ Watch https://t.co/PHRgPFFh4v
ボディ単体で¥73,500ってけっこう安くない?EFレンズ用のマウントアダプターを一緒に買っても8万円くらいでしょ。— Aki 神戸ファインダー (@Aki_for_fun) 2018年2月26日
その後キヤノンのショールームに足を運び発売前のカメラをじっくり使わせてもらうことに。スタッフの方にも質問をたくさんして、国内外のメディアから情報を集めて、購入することを決意しました。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM, 焦点距離28mm,シャッタースピード1/60, F5.6, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM ART, 焦点距離31mm,シャッタースピード1/60, F2.5, ISO125, Flickrで大きな写真を見る, 撮影場所:ベニマン
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF50mm F1.8 STM, 焦点距離50mm,シャッタースピード1/160, F1.8, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
使いやすさとコストパフォーマンス、本格的な趣味の入り口
入念な事前調査もしたので、購入して使うようになってからも期待通りで満足のいくカメラでした。
使いやすいEVFとフォーカスシステム、鮮やかなキヤノンカラー、いつでも手元に置いておきたくなるコンパクトなサイズ。ボタンやダイヤルが右側に集まっていて片手でお手軽に設定をコントロールできるところも好印象です。
EOS M100のように特に初心者に最適化されたカメラだと、ダイヤルやボタンが簡略すぎて物足りなく感じてしまいます。一方、EOS Kiss Mはちゃんとマニュアルで設定を追い込むことも考えられて設計されています。全自動で簡単撮影という使い方だけでなく、こだわりの本格撮影にまで対応する懐の深さがあるカメラなのです。
初心者に優しいデザインと上級者も使いたくなる性能。これはわたしがキヤノンのこれまでのEOS Kissシリーズに感じていた特徴です。EOS Kissシリーズは表向きは子どもを持つ若いお母さんを主なターゲット(参考:キヤノン「EOS Kiss M」など新モデル発表会レポート – デジカメ Watch)。家族のそばにあることがコンセプトのカメラです。しかし、EOS Kissは単に普段の生活を写真で記録するだけでなく、より深くカメラの趣味にハマっていったときにも対応できる余地をもったカメラです。
EOS Kiss Mを使ってみて、これは名実ともにEOS Kissであると実感しました。ミラーレス一眼として初めて”Kiss”の名前を冠するカメラ。新たな歴史を刻むカメラとして恥じないものに仕上がっています。一眼レフのEOS Kissシリーズが大切にしていた価値観をしっかりと引き継いだカメラと言って良いでしょう。
ついにミラーレスにもキヤノンのEOS Kissがやってきました。一眼レフのEOS Kissシリーズを愛用してきたわたしから見てもEOS Kiss MはちゃんとKissらしいカメラです(参考:気になる裏側を取材! – 人気のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」開発者インタビュー (1) 「Kiss」に込められた意味 | マイナビニュース)。
また、ミレーレスカメラの市場をとるという意味でキヤノンの本気が感じ取れるカメラです。実際に2018年の上半期のシェアトップを確保しました(参考:ミラーレスでキヤノンがトップに躍り出る、BCNがデジタル家電上半期No.1を発表 – BCN+R)。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM, 焦点距離42mm,シャッタースピード1.3, F6.3, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM, 焦点距離72mm,シャッタースピード0.3, F5.6, ISO800, Flickrで大きな写真を見る
EOS Kiss Mのここが好き
コンパクトなサイズ
EOS Kiss Mを手にとって最初に気づくのがその小ぶりなカメラボディ。キットレンズも小さくて持ち運びがとても気楽です。
写真左のEOS Kiss X9も一眼レフカメラのなかではだいぶ小さい方ですが、それでもミラーレスカメラのEOS Kiss Mと比べると大きく感じます。
EVFとタッチアンドドラッグ
わたしがEOS Kiss Mで特に気に入っているのがEVF(電子ビューファインダー)とフォーカスポイントのタッチアンドドラッグシステムです。
狙った被写体の適切な位置にピントを合わせるというのは写真撮影のうえで非常に大切なポイント。EVFを覗きながら親指で直感的に、そしてスムーズにAF測距点を移動できます。人の顔や花のめしべなどピンポイントでフォーカスを合わせやすいです。
またピント合わせが難しい被写体も、EVFなら拡大表示しながらマニュアルでピントを調整できるので快適です。一眼レフの光学ファインダーでは体験できなかった非常に便利な撮影テクニックです。マクロ撮影が好きなわたしにとってこれはとても重要なポイント(参考:マクロレンズの選び方とキヤノン一眼レフカメラ用おすすめレンズ紹介)。
ファインダーはとても見やすく、水準器の表示が可能なので水平のゆがんだ風景写真もだいぶ減りました。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM, 焦点距離15mm,シャッタースピード1/80, F10, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM, 焦点距離15mm,シャッタースピード1/320, F11, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
安定のキヤノンのカラー
わたしがキヤノンのカメラを使いたくなるのは安心して見られる写真のカラーです。どのメーカーの色が好きというのは人それぞれあるかと思いますが、わたしはキヤノンが一番自分の目に馴染んで好きです。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM, 焦点距離22mm,シャッタースピード1/320, F8.0, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM, 焦点距離18mm,シャッタースピード1/160, F8.0, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
C-RAW(CR3)でデータの軽量化
わたしは基本的に撮影はいつもRAWで撮っています。RAWデータは写真の加工の自由度が高いのがメリットですが、ファイルの容量が大きくなるのが悩みの種です。
EOS Kiss Mの良いところはC-RAWという新たなRAWフォーマットを実現したことです。写真の画質はほとんど落とすことなくファイル容量を40%ほど減量しました。おかげでドライブやクラウドストレージをあまり圧迫しないですむようになりました。
そんなに凝った編集はしないのですが、夜景写真などはちょっと派手めな写真に加工したいので気軽に扱えるRAWファイルはとても嬉しいです。
参考:写真・動画データの管理方法!保存とバックアップのために気をつけるポイント
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM, 焦点距離15mm,シャッタースピード8, F16, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM, 焦点距離18mm,シャッタースピード5, F11, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
4K動画・ピーキング・手ぶれ補正
EOS Kiss MはキヤノンのAPS-Cサイズカメラとして初めて4K動画撮影を可能としました。残念ながら4K撮影の際はオートフォーカスの性能が落ちて使いづらいのですが、それでもやはり4Kの映像はきれいです。仮にFHDに書き出すとしても素材が4Kだと解像感が高まったり、映像をクロップしたりと編集に余裕ができます。
またピーキング機能と見やすいEVFのおかげでマニュアルフォーカスも苦になりません。さらに手ぶれ補正もよく効くので全体的にとても撮影しやすいです。
スマホとの連携はやっぱり便利
スマホとの連携機能もパワーアップされました。WifiだけでなくBluetoothを使えるのでスマホとの連携にほとんど設定の手間がなく非常にスムーズに行えます。
また撮影したそばから画像を転送する機能も便利です。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S10-18mm f/4.5-5.6 IS STM, 焦点距離10mm,シャッタースピード1/60, F5.6, ISO320, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S10-18mm f/4.5-5.6 IS STM, 焦点距離10mm,シャッタースピード1/60, F5.6, ISO1600, Flickrで大きな写真を見る
EOS Kiss Mのここはイマイチ!
サイレントシャッターは専用モードにしないでほしい
EOS Kiss Mはサイレントシャッターを使えるのですが、これを使うにはシーンインテリジェントモードというモードにしないと使えません。このときは露出をカメラまかせにしなければならず、自分で設定を決めて撮影したいときは不便です(だいたいオートで困らないんですけどね)。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM, 焦点距離118mm,シャッタースピード1/250, F5.6, ISO160, Flickrで大きな写真を見る
CR3ファイルにソフトが対応できない
これはカメラの問題ではないのですが、EOS Kiss Mで新しく使われるようになったCR3というRAWファイルが対応しないソフトが多いです。RAW編集ソフトが対応していなかったり(キヤノンのDPP4はちゃんと対応)、アマゾンのプライムフォトで写真データとして認識してくれなかったりなどと少し困っています。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF50mm F1.8 STM, 焦点距離50mm,シャッタースピード1/250, F2.8, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
三脚用のプレートをつけるとバッテリーの蓋をふさぐ
カメラの底面に三脚用のクイックリリースプレートを取り付けるとバッテリーの蓋とすこし重なります(使っているのはピークデザインのスタンダードプレート)。
プレートをつけた状態だとバッテリーがつっかえて交換ができません。
SDカードなら取り出し、交換が可能です。
プレートをつけたままでも大丈夫なように三脚穴とバッテリーカバーの間にもうすこし距離がほしいです。
追記(2018年11月24日):ピークデザインの新しいプレートを試したらバッテリーカバーをふさがないで使えるようになりました。プレートの幅は変わっていないのですが、ネジの位置を微調整できるようになったおかげで解決しました。
欲をいえば…
エントリーモデルのEOS Kiss Mに要求するのは酷かもしれませんが、欲をいえばもう少しこうしてほしいという要望がいくつかあります。
- ダイヤルやボタンはもう少し欲しい
- 防塵防滴
- 4KのAF性能の向上とハイフレームレート動画を期待
- もう少し電池持ちがよくなると嬉しい
EOS Kiss Mには「絞り数値/露出補正ボタン」がありません。これがないことで露出の調整がすこし不便です。一眼レフのKissシリーズのほうがこの点は操作しやすかったです。この問題についてはファーストインプレッションレビューで詳しく書きました。
→ EOS Kiss Mが届いた!購入ファーストインプレッションレビュー!キヤノン新型ミラーレス一眼カメラの実力
操作性に関してはやはりEOS M5のほうが優れていると思います。EOS M5はとてもよくできたカメラなので次期モデルではあの操作性を維持しつつスペックの底上げを期待したいです。ついでに防塵防滴になるとより嬉しい。
また、せっかく4K動画が撮れるのに、そのときはAFの性能が落ちるのが残念です。EOS 5D MarkⅣでは4K動画撮影のときでもデュアルピクセルCMOS AFによる高性能なオートフォーカスが使えます。ぜひ今後のカメラでは値段が高くてもいいので高性能なAFと4K撮影を共存させてほしいです。
EOS Kiss Mの電池持ちはそんなに悪くないのですが、やはりたくさん撮影するとなるとすこし物足りません。予備バッテリーを持ち歩いていないと不安なので、もうすこし持続するバッテリーだと嬉しいです。そしてUSB給電に対応してほしいですね。
値段が多少上がっても良いので、もう少し本気のキヤノンのミラーレスカメラを見たいです。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM, 焦点距離71mm,シャッタースピード1/320, F5.6, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
レンズの種類の少なさが弱点と言うけれど
レンズ交換式カメラを使う上でレンズはとても大切です。EOS Kiss Mなどキヤノンのミラーレスカメラはレンズの種類が少ないことがデメリットとして指摘されることが多いです。このことについてわたしは本当にそうだろうか、と考えています。
EF-Mレンズは確かに多くない
キヤノンが製造・販売する純正のEF-Mレンズは以下のものです。
- EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
- EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
- EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM
- EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM
- EF-M22mm F2 STM
- EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
- EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM(生産終了)
たしかに数は少ないかもしれません。
参考:EOS Kiss M対応レンズは何があるの? EF-Mマウントレンズの種類について解説
レンズが弱点とは思わない
しかし、数は少ないものの広角から望遠まで、さらにマクロレンズを含む単焦点レンズなど、一通り主要なレンズは揃っています。特に小型軽量で使いやすいレンズが充実しています。
現状キヤノンのミラーレスカメラは初心者・中級者のメインカメラ、あるいは中級者・上級者のサブカメラとしての位置付けが強いです。そのニーズに応えられる使い勝手の良いレンズの選択肢は充分にあると思います。
「EF-Mマウントの先行きが不安」という声も聞くのですが何を心配しているのか私にはわかりません。少なくともEF-Mレンズが近い将来に生産終了になるとは思えないし、いまミラーレス一眼でほかのメーカーよりも数が売れているのにそのマウントのレンズを放棄するとは考え難いです。
あとはより本格派のレンズや単焦点レンズの種類の拡充を期待したいですね。そうすれば中級者や上級者からもよりひろく認められるようになるかもしれません。しかし、実際のところその優先順位も低いのではないかと思います。なぜならEOS Kiss Mではマウントアダプターを介することでキヤノンの一眼レフカメラ用EFレンズも使えるようになるからです。
参考:キヤノンの一眼カメラとレンズの互換性まとめ|どの種類のレンズが使えるの?
EFレンズを正式サポートする強み
EFレンズには優れたレンズが数多くあります。中古市場にもたくさんのレンズが出回っているので良いレンズを安く買いやすいです。
キヤノンのマウントアダプターは非常に優れているのでおすすめです。
マウントアダプターEF-EOS Mレビュー!EOS Kiss Mで一眼レフ用EFレンズを使ってみた
キヤノンのフルサイズ一眼レフカメラは対応のEFレンズしか使えないのに対して、EOS Kiss MのようなミラーレスカメラならEFレンズもEF-SレンズもEF-Mレンズも使えるのですからすごくお得だと思いませんか?
わたしのようにもともとEFレンズを持っていた人はもちろん、これから初めて一眼カメラを買う人にもこのマウントアダプターは心強い存在です。キヤノンのEFレンズには1万円台で買えるレンズがいくつもあるので、アダプターと合わせて買っても他社ほど費用がかからないですみます。
キヤノン人気レンズTOP10【KissX9や9000DなどCanonのAPS-C一眼レフカメラにおすすめ】
実際にEOS Kiss MにマウントアダプターでEFレンズを装着して撮影したレビューも書いています。
- EOS Kiss Mと単焦点レンズEF50mm F1.8 STM 実写レビュー!JPEG撮って出し作例写真
- EOS Kiss Mと超広角レンズEF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMで撮る|作例写真・レンズレビュー
カメラのレンズキットの選び方については次の記事に書きました。
→ EOS Kiss Mはどのレンズキットを買おう?カメラと一緒に買うアクセサリーについて考えてみた
キヤノンは大きなメーカーなので、安いレンズが充実していることや、EFレンズも含めると特殊なレンズ(ティルトシフト、魚眼など)が多い点が強みだと思います。サードパーティーのレンズの種類やアクセサリーも豊富です。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S24mm f/2.8 STM, 焦点距離24mm,シャッタースピード1/320, F2.8, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM, 焦点距離79mm,シャッタースピード1/640, F5.6, ISO400, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM, 焦点距離34mm,シャッタースピード1.6, F8, ISO100, Flickrで大きな写真を見る
EOS Kiss Mはおすすめ?買うべき?
一眼レフよりミラーレスを積極的に選ぶ理由はある!
よく「本格的に撮影するなら一眼レフ、趣味で簡単に撮影するならミラーレス」と書かれることがあるように、一眼レフを上位に置く考え方があります。いまだに「一眼レフカメラ>ミラーレスカメラ」という風潮があるように感じられます。
たしかに光学ファインダーはスポーツ撮影など動きものを撮るのに便利でなかなかミラーレスカメラは敵いません。また一眼レフにはEOS 5D MarkⅣのようなプロフェッショナルなカメラがあるのに対して、キヤノンのミラーレスカメラにそのかわりとなるような機種はまだありません。そういう意味では一眼レフカメラのほうが優れています。
しかし、以前までの「キヤノンのカメラを買うなら一眼レフにすべき」という時代は終わったのではないでしょうか。
コンパクトなサイズと軽量化による負担の軽減。EVFなら撮影前から仕上がりの写真をイメージしやすいですし、拡大表示してマニュアルでピントを合わせることもできます。積極的にミラーレスカメラを選ぶ理由もあるわけです。全ての性能で一眼レフを超えたとは言いませんが、ミラーレスカメラにしかない魅力もたしかにあるはずです。
EOS Kiss Mに興味がある人の中には、EOS Kiss X9iやEOS Kiss X9といった一眼レフカメラと比べて迷っている人もいると思うので、簡単に比較してみましょう。
EOS Kiss X9 コスパに優れたエントリーモデル
キヤノン EOS Kiss X9ブラック・EF-S18-55mm F4 STM レンズキット
一眼レフのEOS Kiss X9はおそらくキヤノンのカメラで最もコストパフォーマンスに優れたお手頃価格のカメラです。わたしも購入して使っています。
性能で言えばEOS Kiss Mのほうが上と言って良いと思います。このふたつで迷って、予算に問題がなければEOS Kiss Mをわたしはおすすめします。
詳しい比較や、一眼レフとミラーレスの違いなどについては次の記事で解説しています。
キヤノンEOS Kiss MとEOS Kiss X9の比較!違いは何?どちらがおすすめ?
EOS Kiss X9i 一眼レフのEOS Kissの集大成
キヤノン EOS Kiss X9i ダブルズームキット EF-S18-55mm/EF-S55-250mm 付属
X9の上位機種は「i」がついたEOS Kiss X9i。いまキヤノンが提示する一眼レフKissの完成形ともいえるカメラです。EOS Kiss Mと比べると価格も性能も近いので、まさに一眼レフか、ミラーレスかという選択になります。
EOS Kiss Mは、より小型で持ち運びやすいサイズ。EVFやライブビューで直感的な撮影ができるところがメリット。動画もEOS Kiss Mのほうが4Kが撮れたり、手ぶれ補正がより強力になっているので優秀です。
EOS Kiss X9iは、光学ファインダーが使えるのでスポーツなど動くものを撮るときはこちらのほうが便利。またダイヤルやボタンの操作性がしっかりしているので、カメラを操作する快適さ、楽しさを大事にしたいならEOS Kiss X9iのほうがおすすめです。
EOS Kiss X9とX9iを比較!キヤノン初心者向け一眼レフカメラで人気2機種の違いとは
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM, 焦点距離30mm,シャッタースピード1/80, F8, ISO125, Flickrで大きな写真を見る
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:TAMRON SP 90mm F/2.8 Di VC USD MACRO1:1 F004, 焦点距離90mm,シャッタースピード1/160, F5.6, ISO3200, Flickrで大きな写真を見る
キヤノンのそのほかのミラーレスとの比較
EOS M3以前のカメラにがっかりしていた人にも試してほしい
EOS Kiss Mは昔のキヤノンのミラーレスカメラとは別次元です。EOS M、EOS M2、EOS M3、EOS M10などのカメラよりも格段にパワーアップしています。特にAF性能は最近の機種のほうがずっと優れているので、ぜひ試してほしいです。
EOS M5
操作性でいえばEOS M5のほうが上です。ボタンやダイヤルの操作を重要視するならEOS M5のほうがおすすめです。
一方でEOS Kiss Mには瞳AFや4K動画撮影、拡大したAFポイントなど新機能が盛りだくさんです。ボタンやダイヤルの操作性にこだわらなければ性能はEOS Kiss Mのほうが良いです。
キヤノンEOS Kiss MとEOS M5の比較!違いは何?どちらがおすすめ?
EOS M6
EOS M6はEOS M5からEVFをなくしたようなカメラです。ボタンやダイヤルはしっかり充実。デザインがおしゃれなのも特徴です。
EOS M5・EOS M6の比較とおすすめポイント!キヤノンのミラーレスカメラってどこが良いの?
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM, 焦点距離22mm,シャッタースピード1/80, F4.0, ISO320, Flickrで大きな写真を見る
追記:EOS Kiss M2とEOS Kiss Mの違い
2020年11月27日に後継機種となる「EOS Kiss M2」が発売されました。EOS Kiss M(2018年3月発売)とよく似た性能なのでこのレビューで書いた内容はほとんどKiss M2にも当てはまると考えてもらって大丈夫です。
センサーも画像処理エンジンも同じなので両機種とも画質は同じです。形や重さもほぼ一緒です。
参考:キヤノン 商品比較表 EOS Kiss M2, EOS Kiss M
Kiss M2になって進化したポイントは主にAF性能です。オートでフォーカスを合わせるときにより正確に追従してピントを合わせられるようになったほか、暗いところでピントが合いやすくなりました。
あとはKiss M2はカメラから直接YouTube配信できるようになりました。動画の縦向き撮影に対応したことで特に編集しなくても縦向き動画として認識されるようになったりしました。
率直に言うと世代が違う割には非常に変化の少ない機種です。発売時期が2年半ほど違うのに性能はほとんど変わりませんでした。Kiss M2もKiss Mもほぼ同じなので、もし価格差が大きければ旧機種のMを買ったほうが満足度が高いかもしれません。価格差があまりなければ新しいM2のほうがおすすめです。ご購入の際に価格を比べてから決めると良いと思います。
EOS Kiss M2 価格確認リンク表
EOS Kiss M2 | ||||||
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ブラック | ボディー | Amazon | 楽天市場 | Yahooショッピング | カメラのキタムラ | ビックカメラ |
15-45レンズキット | Amazon | 楽天市場 | Yahooショッピング | カメラのキタムラ | ビックカメラ | |
ダブルズームキット | Amazon | 楽天市場 | Yahooショッピング | カメラのキタムラ | ビックカメラ | |
ダブルレンズキット | Amazon | 楽天市場 | Yahooショッピング | カメラのキタムラ | ビックカメラ | |
ホワイト | ボディー | Amazon | 楽天市場 | Yahooショッピング | カメラのキタムラ | ビックカメラ |
15-45レンズキット | Amazon | 楽天市場 | Yahooショッピング | カメラのキタムラ | ビックカメラ | |
ダブルズームキット | Amazon | 楽天市場 | Yahooショッピング | カメラのキタムラ | ビックカメラ | |
ダブルレンズキット | Amazon | 楽天市場 | Yahooショッピング | カメラのキタムラ | ビックカメラ |
最高品質の機材が欲しいならもっと他に選択肢がある
予算10万円ほどでカメラとレンズなど関連アクセサリーの購入を考えているならEOS Kiss Mは非常におすすめです。扱いやすく、高画質の写真・動画が撮れてとても楽しいです。
しかし、予算が20万円以上あってより本格派のカメラが使いたい人におすすめするカメラかというと答えは「ノー」。プロカメラマンの現場でキヤノンEOS Kiss Mが積極的に使われるかというとそうはならないでしょう。
EOS Kiss Mは基本的に一般の人が高画質の写真や動画を撮るためのカメラです。あるいはプロカメラマンが趣味の撮影に使ったり、ハイマチュアの人がサブ機に用いるようなカメラと言ってもよいかもしれません。
技術の粋をつくした最新超高性能カメラが使いたい人はもっと選択肢があります。キヤノンの一眼レフカメラEOS 5D MarkⅣはカメラとしての完成度が非常に高い優れたカメラです。用途によってはEOS 6D MarkⅡやEOS 7D MarkⅡも良いかもしれません。他社からもソニーα7ⅢやニコンZ6など注目のカメラが続々と登場しています。
ちなみに画質でいうとEOS Kiss M、EOS M5、EOS M6、EOS Kiss X9、EOS Kiss X9iのどれもほとんど一緒です。EOS 5D markⅣになるとセンサーや組み合わせるレンズがだいぶ変わるので画質にも差があります。
キヤノンの今後発売するフルサイズミラーレスカメラにも期待
キヤノンから本格志向のフルサイズミラーレスカメラが近いうちに登場するのではないかと、噂されています。EOS Kiss MやEOS M5などこれまでのミラーレスカメラの良いところを引き継ぎつつ、よりパワーアップしたカメラに期待したいですね。
予算がたくさんあって、そんなにカメラの購入を急いでいないという人は新型カメラの登場を待っても良いかもしれません。
CAMERA:EOS Kiss M, LENS:EF-S18-135mm f/3.5-5.6 IS STM, 焦点距離56mm,シャッタースピード1/125, F8.0, ISO640, Flickrで大きな写真を見る
まとめ EOS Kiss Mを買ってめっちゃ満足してる
「こんなに小さなカメラでこんなにきれいに撮れるんだ」というのがEOS Kiss Mを使った感想です。いつもわたしのそばにあって、たくさんの写真と動画を撮っています。安い買い物ではありませんが、この性能のカメラがこの価格で買えるのはお買い得です。
なによりこのカメラを通じて得たものはプライスレスで、お金にかえがたい価値があります。この記事の中にもたくさんの写真を掲載しましたが、これらは普段からEOS Kiss Mを持ち運んでいたからこそ撮れたものです。
わたしは今後も普段の何気ない、だけど特別な一瞬一瞬をEOS Kiss Mで記録していきたいと思います。
価格確認・お買い物リンク
製品名/ショッピングサイト | Amazon | 楽天市場 | Yahoo! | カメラのキタムラ |
---|---|---|---|---|
EOS Kiss M ブラック ボディー | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ブラック 15-45レンズキット | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ブラック 18-150レンズキット | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ブラック ダブルズームキット | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ブラック ダブルレンズキット | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ホワイト ボディー | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ホワイト 15-45レンズキット | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ホワイト 18-150レンズキット | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ホワイト ダブルズームキット | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss M ホワイト ダブルレンズキット | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
EOS Kiss Mにおすすめの関連アクセサリー
予備バッテリーなど必需品
EOS Kiss Mを買うときは予備バッテリーの購入をおすすめします。EOS Kiss Mのバッテリーは「LP-E12」です。わたしはサードパーティー製の互換バッテリー(Newmowa LP-E12 互換バッテリー )を使っています。いまのところ特に異常もなく、純正バッテリーと変わらない使い勝手です。
追記(2019年11月20日):Newmowa LP-E12 互換バッテリーは1年半以上経った今でも使えています。ただし、カメラからバッテリーを取り出すときにスムーズに取り出せないことが増えてきました。おそらくバッテリーホルダーのばねが弱まってきたことが原因だと思います。純正バッテリーのほうはスムーズに取り出せるので互換バッテリーのほうはすこしサイズが大きいようです。
再追記(2019年12月19日):よく見てみるとバッテリーがすこし膨らんでいるように見えます。使用しているうちにバッテリーのかたちが変化したのかもしれません。カメラからバッテリーを取り出すのがだいぶ手間がかかるようになってきたのでわたしはこの互換バッテリーを使うのをやめました。寿命1年半くらいと見ても安くて充電器もつくのでお得ではありますが、やはり純正バッテリーと比べるとこのようなデメリットもあることがわかりました。購入は自己責任のうえお願いいたします。
ちなみに充電器はいまも使えていて純正のLP-E12もこのNewmowaの充電器で充電できています。
お買い物・価格確認リンク表
製品名/ショッピングサイト | Amazon | 楽天市場 | Yahoo! | カメラのキタムラ |
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Canon バッテリーパック LP-E12 | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
Newmowa LP-E12 互換バッテリー 2個+充電器 | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク | – |
初めて一眼カメラを買う人は次の記事も参考にしてください。
一眼カメラを買うとき「絶対に必要なモノ」と「あると便利なモノ」まとめ
あまりカメラの扱いに慣れていない人はマニュアル本を買っておくと便利です。
カメラを使いこなす!写真の勉強をしたい人におすすめの本まとめ
カメラストラップ
EOS Kiss Mはせっかくの小型一眼カメラなのでカメラストラップも小ぶりなものがよく似合います。わたしはだいたいいつもピークデザインのカフというリストストラップをEOS Kiss Mにつけています。
ピークデザイン カフ(リストストラップ)
ピークデザイン リーシュ(ネックストラップ)
三脚
三脚はなんでも良いですが、たいていの撮影シーンでは軽くて持ち運びのしやすいもので良いのではないかと思います。
ミニ三脚もおすすめです。
防水カバー
EOS Kiss Mは防塵防滴にはなっていないので雨や雪が降っているときに撮影するなら防水カバーの利用をおすすめします。
レンズ
EOS Kiss M対応レンズは何があるの? EF-Mマウントレンズの種類について解説
キヤノンミラーレスカメラ用人気レンズまとめ!Kiss M・M100などEOS Mシリーズにおすすめ
レンズフード・レンズフィルター
レンズにとりつけるフードやフィルターについては次の記事にまとめています。
EOS Kiss Mはどのレンズキットを買おう?カメラと一緒に買うアクセサリーについて考えてみた
次に読むならこの記事!↓
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