ピークデザイン(Peak Design)のトラベル三脚をレビューします。三脚業界に激震が走った話題作ですが、実際のところ本当に良い三脚なのでしょうか。実際に使ってみてわかったこの三脚のメリットとデメリットをお伝えします。
神戸ファインダーをご覧いただきありがとうございます。Aki(@Aki_for_fun)です。楽しみにしていたピークデザインのトラベル三脚を手に入れました。ピークデザインファンで三脚好きのわたしにはたまらない商品です。しばらく使ってみて様々な特徴が見えてきたので詳しくレビューします。
参考:Travel Tripod | Peak Design Official Site
一般的なトラベル三脚の課題
三脚には様々な種類があるのですが、特に持ち出しやすいように携帯性を重視してデザインされた「トラベル三脚」というジャンルがあります。最近のトラベル三脚には収納時に脚を折り返す構造のものが増えています。雲台のでっぱりをカバーしつつ、収納時のサイズを短くできる良いアイデアです。
しかし、これにはいくつかの問題があります。ひとつは脚を折り返す手間が増えてしまうこと。三脚をセットするときもしまうときも一度脚を折り返さなければなりません。しかも収納の際にいちいちセンターポールを伸ばさなければならず面倒です。
もうひとつの大きな欠点は幅をとってしまうということです。脚を折り返すことで全長は短くですきるのですが、センターポールとそれを囲うように三本の脚があるのでどうしてもかさばります。
三脚の携帯性と操作性、安定性、それぞれのバランスがとれた製品を作るのは非常に難しくなかなか理想的な三脚がありませんでした。どのメーカーも似たり寄ったりのデザインで同じような問題を抱えていました。
このように使い勝手がいまいちなものが多かったトラベル三脚の世界に突如として画期的なデザインの三脚が登場して大きな話題となりました。それがピークデザインのトラベル三脚です。クラウドファンディングのキャンペーンを実施したところ世界で27,168人からの支援を集め、その総額はなんと約1200万ドル(約13億円)にも達しました。ピークデザインが作る初めての三脚ですがいきなりの大ヒット商品となりました。
ピークデザイン トラベル三脚の特徴と使い方
ピークデザイン「トラベル三脚」の特徴や機能性について詳しく紹介します。
仕様・基本的なスペックについて
ピークデザイン トラベル三脚の仕様
型番 | アルミ (TT-CB-5-150-AL-1) カーボン (TT-CB-5-150-CF-1) |
---|---|
耐荷重 | 9.1kg |
収納時のサイズ | 縮長39.4cm(雲台込み)、最大径8.3cm |
使用時のサイズ | 最大の高さ(センターポールを伸ばしたとき):152.4cm 最大の高さ(センターポールを下げているとき):130.2cm 最低高:14cm |
本体質量 | アルミ 1.56kg カーボン 1.27kg |
段数 | 5段 レバー式ロック |
雲台 | 自由雲台・アルカスイス互換 |
定価 | 日本の販売価格は未定 |
ピークデザイン公式販売価格 | アルミ $349.95 / ¥38,300 カーボン $599.95 / ¥65,500 |
商品構成・付属品 | トラベル三脚 (自由雲台付属)、ソフトケース、スタンダードプレート、六角レンチ、スマホホルダー、メンテナンス用工具 |
公式サイト販売ページ | Travel Tripod | Peak Design Official Site |
スリム・コンパクトに収納できる
ピークデザインのトラベル三脚の最大の特徴は五角形のような形状の脚です。一般的には現代の三脚は丸い脚なのですが、このトラベル三脚は脚の内側をすぼめるような形にすることでコンパクトにたためるようになっています。
ピークデザインのトラベル三脚は縮長が雲台込みで39.4cm、最大径8.3cmです。
また脚を伸ばした高さは一般的なトラベル三脚のなかでは大きいほうで、最大の高さが152.4cm(センターポールを伸ばしたとき)です。センターポールを使わずに脚だけ伸ばした状態で130.2cmです。
試しにわたしが持っているほかの三脚と並べてみました。
特徴も価格も異なる三脚を並べていますのであくまで参考程度に見てください。真ん中がピークデザインのトラベル三脚です。左ふたつが脚を折り返すタイプ。右二つはどちらかというと持ち運びよりも安定性重視の三脚で雲台を付けるとそのぶんかさばります。
脚を立てると次の画像のようになります。
三脚の名称:左から
・K&F Concept KF-TM2235
・K&F Concept KF-TM2834
・Peak Design トラベル三脚
・Leofoto LS284CEX
・Benro A2570T
右から二つ目のLeofotoの三脚が小さく見えるかもしれませんが唯一センターポールなしでこのサイズなので比較的しっかりしています。
つまりピークデザインのトラベル三脚は高さや縮長でいうとちょうど真ん中くらい。小さくもなければ特別大きくもないですね。
これらのうち最大高がほぼ同じの三脚「K&F Concept KF-TM2834」と収納時のサイズを比べてみましょう。
ピークデザインのトラベル三脚のほうが段数が5段と多いこともあって、折り返し式のKF-TM2834よりも縮長が短いです。
太さの違いも一目瞭然です。ピークデザインのトラベル三脚はこのようにうまくコンパクトにたたむことができるので、カバンにもすっぽりと収まります。
専用ケースやストラップでより快適に持ち運べる
またピークデザインのトラベル三脚には専用のケースも付属します。対候性の素材でできているそうです。
トラベル三脚にぴったりのサイズでスタイリッシュです。ただしあまりサイズに余裕がないのでちょっと出し入れしづらく苦手な人もいそうです。個人的には気に入っています。
ちなみにストラップ用の穴もあるので別売りのストラップを装着することもできます。上の画像はピークデザインのカメラ用ストラップ「リーシュ」を付けています。またトラベル三脚本体にもストラップ取付用の穴があるので三脚に直接ストラップを付けることも可能です。
素早いセットアップが可能
トラベル三脚はレバーロック式です。レバー式は形状としてでっぱるのがデメリットでしたが、ピークデザインのトラベル三脚の場合うまくスリムにデザインされています。
レバー式はナットロック式と違いロックしているかどうかが一目瞭然で使いやすいです。またロックとアンロックもスピーディーに行えます。
まとめてロックを外して、脚を伸ばすとスピーディーにセットできます。
ナットロックだと複数のロックを同時に回すのが難しく、仮にできても見た目でロックできているかどうかの判断がつきません。
アルカスイス互換の雲台もミニマムですごい
ピークデザインのトラベル三脚の最大の特徴は特殊な形状の脚であると書きましたが、その次に特徴的なのが非常にコンパクトな雲台です。雲台、つまり三脚のあたまのカメラを固定する部分のことですが、ピークデザインのトラベル三脚はこの雲台がとても小さいです。
一般的なトラベル三脚は収納時に雲台のでっぱりを隠すように脚を折り返しているわけですが、ピークデザインの場合はそもそもの雲台のサイズを限りなく小さくして、さらに脚のパーツとうまく隙間なく一体化するような形状にデザインされています。
ふつうの雲台よりもずっとコンパクトに収納できます。
カメラの雲台への取り付け方は一般的な雲台によくあるようにカメラ底面の三脚穴にプレートを取り付け、そのプレートを雲台で挟みこみ固定します。ピークデザインのトラベル三脚の場合は、同社の「キャプチャー」にも採用されているアルカスイス互換の「スタンダードプレート」を使います。
セットの仕方は簡単で、プレートを押し込むようにするだけでまず半ロックがかかります。そしてレバーを回すことで本ロックがかかります↓
このセット方法が手軽でかつしっかり固定できて素晴らしいです。アルカスイス互換の雲台はネジをくるくると回して固定するタイプが多いのですがピークデザインのトラベル三脚はずっと簡単です。
注意点としては雲台を動かすにはまずセンターポールを上げなければいけないということ。先ほども説明したように雲台が脚の隙間にうまるようになっているので、使用の際はセンターポールを持ち上げなければいけません。
雲台の根本のところにあるノブでセンターポールのロック/アンロックを行います。ちなみにこのノブは回しやすいように外側にちょっとだけ出したり、使わないときは邪魔にならないように引っ込めておくことができます(微々たる程度ですが)。
縦に溝のほってある調整リングを右に回すとボールが緩み雲台を動かすことができます。好きな位置に調整できたらリングを左に回して固定します。これは雲台の向きを気にせず使えるのでとても便利です。
スマホホルダー
ピークデザインのトラベル三脚にはスマホホルダーも付属します。最近はスマホのカメラも高性能なので愛用している人も多いでしょう。三脚にすえて手軽にタイムラプス動画を撮ることもできてしまいます。
しかしスマホ用のホルダーはそんなに頻繁に使うものでもないので、持っていてもいざというときに手元にないことが多いんですよね。そんなユーザーの声を聞きつけたのか、ピークデザインはとても面白いギミックを三脚に搭載しています。
その秘密は三脚のカウンターウェイト用のフックにあります。
これがスマホホルダーです。つまりフックの中にスマホホルダーを収納しておけるようになっているのです。ささやかな仕掛けではあるのですがとても良くできていますよね。面白いです。これで急にスマホを三脚に固定したいとなったときでも安心です。
六角レンチを脚裏に収納
トラベル三脚には六角レンチ(ヘックスキー)が付属します。プレートの脱着や雲台を交換するときにネジを回すのでこのレンチが必要になります。
この六角レンチのデザインがまた美しいんですよね。ロゴが刻まれていてかっこいいです。
しかもこの六角レンチは三脚に収納できるようになっています。
脚の裏に六角レンチを差し込んでおけるようになっています。おかげで六角レンチを忘れる心配もありません。
ローポジション
ピークデザインのトラベル三脚は脚を広げることでローポジションの撮影も可能です。
センターポールを外せばわずか14cmの高さで撮影できます。
俯瞰撮影
センターポールを逆向きに取り付けることで俯瞰撮影も可能です。
実際にトラベル三脚を使ってみた感想・レビュー
ピークデザインのトラベル三脚が手元に届いて約1か月ほど、様々なシーンや様々な機材の組み合わせで撮影を試してみました。使用してみて感じたこと、気づいた魅力や欠点についてお伝えします。
※わたしが使用しているのはカーボン製のトラベル三脚です。Kickstarterのプロジェクトで支援金を投じて、そのリワードとして通常の販売よりも先駆けて手に入れました。
※今後トラベル三脚を使っていくうちに新たに気づいたことがあれば追記します。
街中の一般的な撮影環境ではしっかり安定
わたしの三脚の使用用途としては主に街中での夜景撮影です。
柵越しに撮影しなければならないこともよくあるのですがトラベル三脚は150cmほどあるので、わたしの用途では高さで困ることはありませんでした。
上の写真は歩道橋の上から撮影しました。人が通ると揺れるので正直ぶれるときはぶれます。それでも何枚か撮っていれば満足のいくクオリティの写真が撮れました。
下の写真は望遠150mm(フルサイズ換算240mm相当)で撮影しました。
上の画像を拡大すると次のようになります。
こちらの写真は室内の展望台からの撮影なのでそんなに揺れやすい環境ではありません。それでもフルサイズ換算240mmの望遠で、縦構図という比較的厳しい条件できちんと鮮明な写真を撮ることができました。
ローポジションの撮影も問題ありませんでした。
重たい機材でも支えてくれる
ピークデザインのトラベル三脚は重ための機材でも大丈夫でした。
上の画像のような機材のセットアップでもセンターポールが下がってしまうこともなく、雲台もしっかり固定できました。
わたしの使っている写真用の機材はそんなに重たいものがないのですがフルサイズ一眼カメラのEOS Rとズームレンズ程度であればまったく問題ありませんでした。
ブレが目立ちやすい望遠で試してみましたがきっちり撮れています。
ただしわたしが試した環境ではそこまで風が強くなかったのでより厳しい撮影条件ではブレが目立つかもしれません。基本的にはトラベル三脚なので安定性の過信はしないほうが良いです。
ちなみに三脚メーカーが示している「耐荷重」はメーカーごとに異なる算出の仕方をしているのであくまでひとつの目安であり、三脚の性能比較にはほとんど役に立たない数字です。ピークデザインのトラベル三脚は耐荷重9.1kgですが、それを超える負荷をかけたからといってすぐに三脚が壊れるわけではありません。
一般的な撮影機材であれば3kg以内に収まるので特に問題ないと思います。
重りはつるすべきなのか?
三脚にカウンターウェイト用のフックがあるのでそこにカバンなどの重りつるすことができます。より安定性を増すための工夫です。
撮影の際にカバンをつるしてみたのですが下のほうの細い脚がしなってしまい不安になりました。荷物が重すぎたのかもしれませんが、はたして重りをつけたほうが本当に安定するのかどうか疑問です。
とりあえず持っていきたくなるサイズ
ピークデザインのトラベル三脚はやはりそのコンパクトな携帯性が素晴らしいので、三脚を使うかどうか分からないときでもとりあえず持っていこうと思えます。
このサイズで収納できるのはとても良い。これくらいなら三脚使うかわからないときでもとりあえず持っていく気になれる(使わなかった)#ピークデザインのある暮らし #トラベル三脚 pic.twitter.com/hdpo7qe0s3
— Aki 神戸ファインダー (@Aki_for_fun) January 22, 2020
三脚はあれば便利なのですが、けっきょく荷物になるのが面倒に感じて家に置いておきがちです。つい「なくてもなんとかなる」と思ってしまうのです。そして三脚が必要なときに限って持ってきておらず後悔するというのがよくあるパターン。
でもピークデザインのトラベル三脚なら「とりあえず持っていこう」と思えるサイズなのです。使うかどうか分からないけれどあった方が安心だから持っていこうと考えるようになりました。これは個人的に大きなメリットです。
こないだも東京出張の際にトラベル三脚を持っていきました。
きょうはトラベルバックパックとエブリデイトートでお出かけ!#ピークデザインのある暮らし #peakdesign #ピークデザイン pic.twitter.com/CX9dNTgss9
— Aki 神戸ファインダー (@Aki_for_fun) February 27, 2020
普段なら出張や旅行に三脚を持っていくことはまずなかったのですが、せっかくのトラベル三脚なので今回は持っていくことにしました。三脚があったおかげで普段撮影したことのないジャンクション夜景を撮ることができました。
楽しい。こういう写真が撮れるのでやっぱり三脚はあったほうが良いんですよね。
雲台の魅力と残念さ
この記事前半のトラベル三脚の特徴紹介にも書いたように、この三脚は雲台がとても画期的で素晴らしいです。コンパクトなサイズで重たくありません。この雲台だからこそこの三脚の携帯性が優れているとも言えます。
アルカスイス互換で簡単にカメラをセットできるのも素晴らしいです。非常に使いやすい。キャプチャーなどほかのアクセサリーと併用できるのも嬉しいです。
しかし、しばらく使っていると雲台の欠点もいくつか見えてきました。例えば、雲台のボールの動きはあまり滑らかではありません。ひどいというほどではないのですが、この価格帯の三脚の雲台としてはイマイチです。構図を決めて雲台の調整リングを回して固定しようとすると雲台が微妙に動いてしまいます。これは良くない。
また縦向き(ポートレート)にするときに雲台の構造上の制限があります。
ピークデザインのトラベル三脚の雲台には裏側に3つの突起があります。
このでっぱりの部分のために縦構図の際は角度調整に制限があります。
上の画像のようにでっぱりがある部分までしか雲台を傾けることができません。いまは雲台を左側に傾けるようにしてカメラを縦向きにしていますが、もしもっと上向きにしたり下向きにしたいときは右側に雲台を傾けて縦構図にしなければなりません。
このような構造なので縦向きのときは構図調整がすこし不便です。
しかし、ほかの一般的な自由雲台でも縦にできる溝が1か所しかないのが普通なので制限があるという点では同じです。むしろピークデザインの雲台のほうが溝が広くあるぶん使いやすいという見方もできるかもしれません。
個人的には縦構図にするならL型ブラケットを使うのが快適に感じます。
上の画像で使っているのはこちらのL型プレートです。
ちなみにLeofotoのEOS R専用L型ブラケットはバリアングルモニター用の溝があるためにこのトラベル三脚のような小型の雲台では使えません。
雲台を取り換えるには別売りのアクセサリーが必要
多くの三脚は雲台を交換できるようになっています。ピークデザインのトラベル三脚も雲台の交換はできるのですが、別売りのアクセサリー「ユニバーサルヘッドアダプター」が必要です。
雲台の機能や操作性に不満がある人はこのようにして雲台を交換したほうが良いかもしれません。
ユニバーサルヘッドアダプター UNIVERSAL HEAD ADAPTER – Peak Design
耐久性は未知数だが生涯保証で安心
まだ1か月半ほどしか使用していないので、三脚の耐久性に関する評価はできません。いまのところ異常なしですが、そのうち壊れるかもしれません。もしすぐ壊れてしまったら残念ですが、ピークデザイン製品はトラベル三脚を含め無期限の保証制度の対象です。
ほかのカバンなどではジッパーが壊れるなどして機能が損なわれた場合、無償で新しいものをもらうことができました。トラベル三脚についても仮に壊れてしまってもピークデザインの手厚いサポートを受けることができるでしょう。
またトラベル三脚は自分でメンテナンスできる構造にもなっています。公式の動画でメンテナンスの方法についても詳しく紹介されています。
総評 唯一無二のトラベル三脚
欠点もある。だけどほぼ理想のトラベル三脚
ピークデザイン(Peak Design)のトラベル三脚はギミックがたくさんで、既存の常識にとらわれないプロダクトデザイン、美しいルックス、心ときめく仕組みに満ち溢れています。ほかの三脚メーカーに同様の製品はなく、唯一無二の三脚です。実にピークデザインらしい。
ただしあまりに画期的で、多くの人が話題にするにつれて、この三脚に対して様々な先入観を抱いている人が多いように思います。もし「ピークデザインのトラベル三脚は持ち運びのサイズがコンパクトでかつ安定性も高い完璧な三脚だ」という期待を持って買うとしたら後悔するかもしれません。
独特な脚の形状はあくまで携帯性を重視したトラベル三脚だから選ばれたデザインです。安定性の観点で最適化して決められたデザインではありません。ピークデザインもこの脚のデザインが安定性や剛性の観点で丸型よりも優れているとは書いていません。実際のところピークデザインのトラベル三脚の安定性は平凡です。そんなに簡単に揺れはしませんが、重さをかければ脚はしなりますし、剛性・安定性の面で完璧とは言えません。
最大高約150cmを実現する一方で、収納時は縮長が40cm以内に収まっていてペットボトル並みにスリムなので携帯性は素晴らしいです。重量はカーボンが1.27kgで、アルミが1.56kgです。どの程度の重さを許容できるかは人によるので他人が重いと感じるかどうかではなく自分ならどうかを慎重に考えることをおすすめします。
値段の価値はあると思いますが、個人的に最も残念なのが雲台です。ボール雲台の動きは滑らかではありません。固定力は悪くないのですが、構図を調整するというごく基本的な操作性がいまいちです。プレートのロック機構は素晴らしく良くできているのでこの点がとにかく惜しいです。このあたりの詰めの甘さが初めてつくった三脚という感じがします。ここは新興ブランドのピークデザインの課題です。
完璧な三脚ではありませんが、トラベル三脚としては非常に優れた性能の三脚です。様々な機能性のどこかに心ときめくものを感じる人にはぜひおすすめしたい三脚です。わたしは買って満足しています。
カーボンかアルミか
カーボン製にするべきか、アルミ製にするべきか。価格差があるので迷うところです。
基本的には持ち運びを前提とした三脚なのでやはりカーボンのほうが良いと思います。質量としては約300gの差です。カーボンは気温が低くてもアルミほど冷たくならないという特性があります。また安定性もカーボンのほうが優れているとピークデザインは伝えています。性能面でいうとカーボンを選ぶべきです。わたしはカーボンを選びました。
といっても予算は人それぞれなのでアルミを選ぶのも悪くないでしょう。基本的な構造や仕組みはアルミでも同じです。見た目も真っ黒でかっこいいです。カーボンという選択があるので迷うところですが、ほぼ同じ機能のものをずっと安い価格で買えてしまうと考えるとアルミ製も魅力的です。
ロケ撮影のメイン三脚に
個人的には外での撮影用三脚としてはピークデザインのトラベル三脚がしばらくメインになりそうです。わたしの撮影で必要となる安定性と高さは確保できていて、かつ非常に携帯性に優れているのでロケ撮影用としてはほぼ完璧です。雲台にすこし不満が残るので雲台を交換するかどうかで迷っています。使いやすい雲台に交換するとどうしてもサイズが大きくなり重量も増えるので悩ましいです。
オンリーワン
ピークデザインのトラベル三脚は、現時点では唯一無二のデザインと機能を備えた三脚と言えます。ほかの伝統的な三脚メーカーや、よそのプロダクトをマネするだけのメーカーでは実現できなかった製品です。まったく新しい三脚をつくりあげたピークデザインのことを高く評価するとともに応援したいです。
トラベル三脚を買う方法
トラベル三脚はピークデザイン公式サイトにて注文できます。2020年4月以降の発送を予定しています。日本の販売店でも正確な時期は未定ですが発売予定です。
追記:トラベル三脚がPeak Design公式サイトにて2020年4月7日より発売されます。日本の店舗での販売は4月11日からです。ただし日本での販売価格が割高になっています。公式サイトで注文して個人輸入した方がだいぶ安く抑えられます。
価格比較表(2020年4月1日時点の価格)
Peak Design 公式ウェブサイト | 銀一(税込み) | |
トラベル三脚(アルミニウム) | 38,200円($349.95) | 58,300円 |
トラベル三脚(カーボン) | 65,500円($599.95) | 100,100円 |
参考:Travel Tripod | Peak Design Official Site
参考:Peak Designの公式オンラインショップの買い物がお得!個人輸入する方法を解説します
先行入手できるKickstarterのクラウドファンディングは終了しました。
参考:Peak Designトラベル三脚をお得に買う方法!Kickstarterの購入手続きを日本語で翻訳解説
トラベル三脚 作例写真まとめ(Flickr)
上のFlickrのアルバムはわたしがピークデザインのトラベル三脚で撮影した作例写真のまとめです。
これ以外にも #shotonpdtripod のハッシュタグで検索するとピークデザインのトラベル三脚を使って撮影された世界中の写真を見ることができます↓
#shotonpdtripodハッシュタグ – Instagram • 写真と動画
ピークデザインの専門情報ウェブサイトを運営しています。ピークデザイン製品のレビューや商品の細かい仕様に関する解説などをしています。
→ Peak Design専門情報ウェブサイト「ピークデザインのある暮らし」
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